2017年11月21日 (火)

耕作権裁判を傍聴して (11月20日)

 昨日、11月20日、千葉地裁で三里塚の市東(しとう)孝雄さんをめぐる耕作権裁判の口頭弁論が開かれた。すでに11年を経過したこの裁判は市東さんが耕作している農地の一部が「不法に耕作されている」として空港会社が提訴し、「なぜ、私が被告席に座らなければならないのか!」との市東さんからの抗議と糾弾で開始された。裁判所は、早く人証しらべに入り、裁判を終わらせたいと焦るが、そもそも農地の賃借権の時効取得、あるいは賃借権の合意取得によって市東さんが耕すすべてに正当な賃借権があることを弁護団は大前提にして、ここに土俵を築こうと粘り強く闘いぬいている。この日も、2時間近い法廷となり、次回 2月19日(月)、次々回 5月14日(いずれも開廷は午前10時半)と日程を決めて勝利的に法廷を終えた。

 

 171120法廷に先立って、中央公園でミニ集会がもたれ、反対同盟を代表しての萩原富夫さんの挨拶(後掲)、動労千葉、関西実行委員会(私)、市東さんの会の挨拶があって、裁判所までのデモに移った。

 

 裁判は、大きくは3つの論点を中心にこの日は進んだ。

 第1点目は、偽造と言われている甲8号証、甲9号証についての市東東市さん(とういち=孝雄さんのお父さん)の署名、印鑑の印影について新たな鑑定が提出され、「筆跡については同じような人物が書いたように見えるが書きなれない人が書いた跡がある」、そして「印影については、他の2つの証拠と比較し、明らかに別の印鑑である」ことが、それまでの2つの鑑定を補強して出され、証拠偽造問題はいよいよ明らかとなった。

 第2点目は、小泉(大木)よねさんへの1971年の家屋などの強制収用が、国・空港会社の謝罪に象徴されるように行政代執行の明らかな権利乱用であり、市東さんの農地をめぐる今回の不当な強制収奪の論理は、行政代執行の権利乱用の再来でしかない(これの論述にかなりの時間がさかれた)。

 第3点目は、(東京高裁、千葉地裁がだした)文書提出命令に空港会社が「書類は存在しない」とする虚偽の主張や、市東市太郎さん(孝雄さんの祖父)がこの地に入植したのが1921年であるにもかかわらず、空港会社が1938年と書面で出してきている根拠となるものを提出し、明らかにしろと要求した。

 

 閉廷後説明会が行われ、葉山岳夫弁護士は、「ねばるにねばろう」と方向性を出して語りかけた。

 

 耕作権裁判(口頭弁論)を前にして、中央公園で開かれた集会冒頭、反対同盟の萩原富夫さんが、千葉市民に訴える形をとって、この日の闘いの意義を語った。

171120_2―― なぜ、集会とデモをするか。本日、千葉地裁において成田空港の敷地内で農業を営む市東孝雄さんにたいして、その農地の一部を「不法耕作」と言いがかりをつけて訴えられた裁判です。成田空港会社は、市東さんに対して1町3反、東京ドームの敷地くらいの広さを奪い、そこに住む農民を追い出して成田空港を完成させたいと、法律を捻じ曲げ、証拠をねつ造、偽造して裁判に訴えています。

 私たちは、今日の裁判で、この偽造の問題などを追及していきます。空港会社は不誠実にも、その偽造された文章が作られた過程を報告する文書の提出を拒み、あるいは黒塗りをして真実が分からない文書を提出してきています。これは国会で安倍政権が「森友学園」問題などで行ったのと同じではないですか。

 農民から農地を奪い空港をつくる。これは沖縄において辺野古の海を破壊して米軍基地、あるいは自衛隊が使う基地、そういう軍事基地を新たに作るのと同じことです。あるいは全国で原発の再稼働反対の動きがありますが、住民の声を無視してともかく稼働させる、あるいは新たな原発をつくるとかいうことがあるわけです。

 安倍政権、自民党政治の中で、住民無視、労働者が生きられない仕組みを作る、あるいは農業をつぶしていく、そして戦争に向かっていこうとしている。こうした政治に対して、私たち三里塚反対同盟は、たたかっていかなければならないと思っています。みなさんもそれぞれの地で闘っていただきたいと思っています。私たちのたたかいも52年目にはいっています。今日の市東さんの農地を守る裁判はもう11年たたかっています。粘り強くたたかって、安倍政権が進めようとしている「戦争への道」を阻むためにも私たちはしっかりとたたかっていきたいと思っています。

 すべてのみなさん。本日のたたかいをはじめ三里塚闘争にご注目ください。

 

 また、裁判閉廷後の報告会の冒頭、市東孝雄さんが決意を込めた挨拶を行われました。

171120_3―― みなさん。本日の闘争、そして裁判とご苦労様です。裁判が佳境にはいってくると、裁判所の動向がわかるというか。今日も弁護士さんの主張などで少し戻しましたけれど、明らかに裁判長は早く終わらせたいという意思が随所に見られます。それをはねのけて頑張っていきたい。

 この畑を獲られるということは、私に農家をやめろということなんです。そのためにも頑張ってやっていきますので、みなさんよろしく。

 それと11月23日は、12回目になりますけれど、文京区民センター(東京)でシンポジウムがあります。いろいろためになる話があると思いますので、みんさん、ぜひご参加ください。

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2017年11月 7日 (火)

請求異議裁判(11月6日)傍聴報告

 17116昨日、116日、千葉地裁で、昨年10月に最高裁が棄却決定し、東京高裁の小林裁判長による市東さんの農地や作業場の強奪が「確定」したことにたいして開始された「強制収用をするな」という請求異議裁判の3回目の弁論が開かれました。
 裁判所は、次回に市東孝雄さん、萩原富夫さんの証人尋問を(それも30分)やって、一気に最終弁論、年度内の判決に持っていこうとしていました。この危機的状況を目の当たりにして、弁護団の気迫にみちた踏ん張り、傍聴席からの凄まじいまでのヤジと怒号が、とにもかくにも裁判所を、裁判長を思いとどまらせ、次回、38日の弁論が開かれることになりました。

 報告会での市東孝雄さんからの挨拶も、短いながら、この日の緊迫した状況を反映したものとなっています。

17116_2市東孝雄さん  やはり今日の訴訟の中における三里塚裁判ですね、今日だけでなく、いくつかの裁判を観ていると、相当、最高裁からの圧力がかかっていると思うのです。今日は、弁護士さんの力で押し返して、審理を続けさせたことはよかったと思います。ちょっと油断すると裁判長の訴訟指揮が早まるんで、そういうことを注意しながら、これからも闘っていきたい。(左写真は、報告会で挨拶する市東孝雄さん)

 

 事態の切迫、緊迫は説明するよりも、葉山、大口両弁護士の報告会での報告を読んでいただければと思います。もちろん他の弁護団からも危機感あふれた報告がありましたが、膨大になりますので、お二人で代表させていただきます。

 

葉山弁護士  17116_3今日、最後に裁判長の心性がはしなくもあらわれたと思います。この請求異議の訴訟そのものについては、証拠調べの中で言っているように、本件の最初の裁判、多見谷裁判長の裁判そのものがろくな証人調べもしないで、しかもありもしないことについて勝手に裁判長が付け加えて強引に判決を行った。それが本件の訴訟の中で根本になっている。あらゆる意味で「強制的手段はとらない」ということに関わっている問題です。(右写真は葉山弁護士)

 証人調べというのは極めて重要なわけですね。

 そういった中で、今日は一瀬さん、大口さん、その他が精魂込めてこの準備書面五について徹底的に論じたということなんです。このことについては特に小泉よねさんへの強制執行の凄まじい非人間的なやり口、そういったことについて、これが延々と今に至っている。市東さんの農地を収奪しようとするそのことに明確に現れている。そのことへの反省の上に立って「あらゆる意味で強制的手段をとらない」ということが、これが空港会社、そして国、亀井静香、それ17116_4から松尾という運輸次官も列席した中で公約した。もちろん千葉県も公約した。その根幹をなすものが小泉よねさんの事件ですが、そのことについて力説した。

 そして離作補償料については、「明け渡しをした後で払えばいいんだ」「明け渡す前に払わなくていいんだ」というとんでもないことについて論破した。(左写真は、裁判所に向けたデモ)

 そして認証計画の中においても、萩原富夫さんや市東孝雄さんについてはもとよりですが、農学者、あるいは実際上の小泉英政さん、その場に居合わせた加瀬勉さん、それから空港会社側の工事の関係者、そういうことを合わせて出したわけです。

 その出した矢先に、裁判長の方から、「原告の市東さん、それから萩原富夫さんについては証人の重要性がわかっていますから次回に調べます」というとんでもない発言が出てきたわけです。

 17116_5状況から見ますと、これは極めて緊迫している。今日の警備態勢そのほかを見ましてもですね、通常よりかなり異なっている。(右写真は裁判所への署名提出)トランプ情勢かなというふうに思ったんですが、そうではなく、この裁判そのものについて警備態勢をひいていたということで、警備員の数も相当な、数十人ですか、余計に警備員が来ていた。別の控室に控えていたわけですね。そういう状況の中で本日を迎えた。そういう意味で、安倍政権そのものの中で、この裁判について強引に押し切ろうという態勢が見え見えだということでした。

 それを弁護団のみなさん、傍聴席のみなさんがこれを押し返した。

 次回は、証人調べでなくて、38日、午前10時半、弁論ということになったわけです(裁判長は、1月を主張していた)。

 ともかく重大な正念場を迎えた裁判だということです。そのことへの一層のみなさんの協力をお願いしたい。

 

17116_6大口弁護士  全員の力で裁判所の早期結審というものをいったん跳ね返すことができた。よかったというふうに思います。

この間、最高裁の人事局の締め付けというのは非常に強くなっていて、いろんな裁判官がいますけれども、どんどん裁判を進行させて決着させていく、こればっかりを考えている裁判官が多いのです。そうすると、本件については年度内に判決を出したいと考えると、逆算していけば、次回ぐらいに証人尋問、それで後は最終弁論。それで3月に判決。そういう路線を裁判長は考えていたんではないかと想像されます。

しかし、この問題の重要性、深刻性から言って、そのような裁判官の期日計算によって本件が処理されるということは絶対に認められない。そういう点で、次回は弁論ということになったわけですけれども、裁判所がどういうことを考えているかは露わになったわけでして、次回はほんとに激突だと、我々は一団となってぶつかって行かなければならない。

17116_7我々はこの裁判でいろいろなことを主張しているわけですけれども、大きな柱としては二つあると思います。一つは本件によって市東さんが致命的なダメージを受ける、それはまた日本の農業にとっても非常に重大な損失なんだ。そういう当方の法域の大きさ。それに対し、空港会社の法域というのはほとんど何もない。要するに「空港を完成させたい」ということだけしか言えない。秤にかければ針が飛んでしまうくらいの差がある。これは権利乱用の問題です。

もう一つは、先ほど来言われている、空港公団が行った社会的約束、「あらゆる意味で強制的手段はとらない」ということに反しているではないかという、この二点が大きな主張の柱なわけです。

前者については時間的な制限はないのですけれども、後の方は法律の規定によって最終の口頭弁論終結時までに生じた事項はだめだと、それ以降に新たに生じたものでなければだめだという規定があるわけです。これは我々は無視はできない。なんとか手当をしなければならないということで、この間いろいろ努力をしてきたわけです。

17116_8その一つが、小泉英政さんと空港公団の和解である。これは前の裁判、高裁の弁論が終結した後にギリギリですけれどもなされている。その点で完全にクリアされている。ここで重要なことは、「それは何十年前のことだ」とされがちだが、われわれはそうじゃなくてこの時点で、「強制的手段はとりません」「大木(小泉)よねさんの事件は申し訳なかった」と空港公団(会社)が謝罪したことによって、90年代にやった彼らの約束というものが、彼ら自身によって再度確認されたんだということを出しているわけなんですね。

そういう意味ではどの証人も大切なんですけれども、私としては小泉英政証人を実現したい。それによって、それと加瀬さんともあわせて、三里塚を象徴する大木よねさんの問題を真正面から出して、成田空港問題の本質を提起するとともに、彼ら空港会社(公団)の行った社会的約束が今でも生きているのであり、かつこれが高裁判決、小林判決の後なんだということで、今の裁判所も執行法の枠組みでも突破できないんだという状況を作り出していきたい。

17116_9今日は結果的には良かったわけですけれども、いずれにしろ裁判所の考え方というものが煮詰まってきているということは否定できません。次回の弁論にむけ、我々も所期の目的を実現するために全力を尽くしていきたいと思います。

 

17116_10裁判に先立ち、千葉市中央公園で集会が開かれ、萩原富夫さんが反対同盟を代表して挨拶されました。動労千葉、市東さんの農地取り上げに反対する会などが決意を述べ、関西実行委員会を代表して私が決意を述べました。

集会の後、裁判所までデモが行われ、裁判に向かいました。

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2017年6月30日 (金)

耕作権裁判を傍聴して (6月26日)

 6月26日、市東さんの耕作が不法に行われたとして市東さんを犯罪人・被告として法廷に立たせることを強制している耕作権裁判の口頭弁論が開かれた。実は、空港会社による証拠の偽造をはじめ、17626あまりにもデタラメな主張と、それに対する弁護団、市東さんの闘いによって、裁判はこう着し、すでに11年を経過しながら、立証過程にさえ入れない体たらくなのだ。(右写真は報告会での市東さん)

 焦った裁判所、国は内田博久裁判長に昨年末に代えてきた。内田裁判長は突然、5月22日、裁判所・検察・弁護団による「進行協議」を、「何の必要があるのだ」との弁護団の批判を無視して入れてきた。これという成果もあげられなかった内田裁判長は、再度7月に行おうとした。そしてこの日の法廷で、証人調べなどの事実審理を行うことなく書面だけで突破して、早期結審への道をこじ開けようとしていることをはしなくも暴露していたことが、法廷の後の報告会で弁護団よりあきらかにされ、法廷でも、「隠れて進行協議などでやろうとせず、公開の法廷で堂々と進めるべきだ」と弁護団によって指摘された。傍聴闘争の重要性が明らかにされた。

 そもそも空港会社は「南台41の土地の中の一部を賃借地としているだけだから、南台41の土地の中であれば場所を変更しても農業委員会の許可は必要ない」、とか「41の中での賃借地は特定されていない」などといって特定位置の間違いを開き直っている(この日の『6・26耕作権裁判傍聴のために』より引用)。土地を特定しなくても農地を強奪できると強弁しているのだ。こんなでためを許せるか!

 17626_2かって「境界確認書」などの偽造問題などで関連文書の提出が争点となり、東京高裁、千葉地裁で空港会社の敗訴となりながらいまだに空港会社は不十分なものしか出さず、「見つからない」と逃げ回っている。その折に出てきた文書がインカメラした裁判所によって2ヶ所ほどが黒塗りにされた(左写真)。文章のながれから推測して、そこに農地の位置の特定にかかわる部分がある。この日の法廷で、「農地の特定が争点になっているのだから黒塗り部分を明らかにしろ」ということが弁護団から強く要求された。ところが、内田裁判長は、すでに一度裁判所がインカメラしたうえで黒塗りしたものだから必要ないと強弁した。内田裁判長は当然、見たこともない。見ようともしないのだ。そこには「農地の特定」が最大の争点の一つとなってきていることを回避したいという露骨な意思が顕わになった。弁護団の怒りの追及は当然だが、傍聴席からの裁判長への批判、弾劾の怒号の叫びが休むことなく30分以上続いた。しかし、裁判長は退廷命令を出すこともできなかった。

 17626_3ここで明らかなように、空港会社によるあまりに理不尽な「農地強奪」の主張のゆえに、すでに11年を経過したこの「耕作権裁判」が、同じ場所の農地を巡る「農地法裁判」がすでに最高裁決定が昨年10月25日に強行されたということに規定されて、早くなんとか終わらせたい(それも強奪するという方向で)と、事を急ぎだした内田裁判長との、明らかに攻防に入ったということだ。断じて許されない。1回、1回の法廷が大事になっている。

 次回は、17626_49月25日(月)、次々回は11月20日(月)、いずれも千葉地裁601号法廷で午前10時半に開廷する。傍聴席が満席になるので、開廷30分前に抽選が行われる。

 この日、法廷に先立って中央公園で集会が行われ(右上写真は萩原富夫さん)、裁判所に向けてデモが行われた(左写真)。

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2017年5月27日 (土)

5・25 第2回請求異議裁判

反対同盟弁護団が裁判長とNAAを圧倒

 17525525日、千葉地裁民事第五部・高瀬順久(よしひさ)裁判長により「請求異議裁判」の第2回口頭弁論が開かれました。反対同盟はすでに214日の「審尋」によって不当な最高裁判決による強制執行を停止させる決定をかちとりましたが、この「請求異議裁判」に勝利することで市東さんの農地取り上げを中止させることが出来ます。私たち関西実行委員会は、引き続き署名活動を続け79日三里塚現地闘争に結集し、810日第回目の裁判に結集しましょう。

 裁判所に署名6395筆を提出

 17525_2この日、関西実行委員会から三名が、全国の仲間と共に午前9時から千葉中央公園で開かれた決起集会に参加。裁判所までデモ行進を行い、裁判に先立って反対同盟の市東さんを先頭に「強制執行するな」の緊急署名6395筆を提出しました。何よりも市東孝雄さんを激励し、命の農地を守り抜く連帯の署名です。私たちはこの間各地の集会などで署名を集め、全力で取り組んできました。さらに署名活動に全力をあげましょう。裁判が終わって報告会の中で葉山弁護団長は「この署名の力と本日の傍聴席を満杯にする熱気で、裁判長と被告NAAを圧倒した」と語り、17525_3さらなる決起を呼びかけました。

 裁判は1035分に開廷されて裁判長が原告・被告双方の陳述を確認。反対同盟から葉山弁護団長がこの裁判の論点を総論的に述べて「1994年隅谷調査団の提言でNAAが強制執行権を放棄した。今回の強制執行の動きは、約束に違反しており、農地取り上げは認められない。改めて強制執行権の無効を主張する。また、強制収用の目的、緊急性も示されていない。さらに市東さんへの離農補償金の交渉もされていない」などを訴え「金子、吉川」の学説からも請求異議裁判の正しさを主張しました。各弁護士からも「強制執行権は無効、強制収用は権利濫用だ、NAAの信義則違反を認めるな。」「強制収用の理由として空港整備と曖昧な回答をしているが、天神峰の土地も南台の土地も農家の命であり、市東さんを追い出す強制執行は許されない」など厳しくNAAを追及。

 NAAは裁判長からの求釈明に対してもまともに応えようとせず、「条件と書いてあるが負担にすぎない、市東さんへの離作保証はすぐに払わなくてよい。明け渡した後に払えばよい」との姿勢に怒りがこみ上げます。

 傍聴席からは「強制執行するな」「請求異議を認めろ」の声が続き、裁判長とNAAに対して抗議の声がたたきつけられました。

  強制執行は権利の濫用だ

 17525_4また報告会の席上で遠藤弁護士は「最高裁の確定判決に対して請求異議を申し立てているので、例外中の例外の裁判となっている。条件が限定された中での裁判ですが道が見えてきた、」「強制収用の目的が曖昧なままで出された判決による強制執行は権利の濫用にあたる、との主張をこれから進めたい」と説明しました。

 3月の第一回口頭弁論後に「二回目で弁論打ち切り、結審か」との危惧を持ちましたが、最高裁で確定した判決でも覆すことが出来る、でたらめな判決であることを実証して、権利濫用は許されない判例を活用できる、という弁護団の固い決意を学びました。第三回目は酷暑の真っただ中ですが、市東孝雄さんの闘い、反対同盟、弁護団の闘いに連帯し、共に闘いましょう。

                関実事務局  安藤眞一

 

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2017年4月25日 (火)

耕作権裁判口頭弁論 (4月24日)

 昨日、24日、耕作権裁判の口頭弁論が開かれた。
 17424法廷に先立って、裁判所近くの葭川公園で簡単な集会をやって、裁判所までデモ。集会には、韓国の民主労総から連帯の挨拶があった後、萩原富夫さんから提起が。17424_2動労千葉、関西実行委、市東さんの会から挨拶をしてデモに。

 裁判は、左陪席の裁判官が代わったことから、これまでの経緯を弁護団が更新手続きとして弁論を展開した。その後、若干のやりとりが。次回、次々回の日程が、6月26日(月)、9月25日(月)、それぞれ午前10時半開廷を確認した。17424_3その上で、裁判長が、5月22日(月)新ヤグラ裁判の後にこの耕作権裁判の進行協議の日程を入れる事を固執。この時点で進行協議をなぜ行うのか、弁護団は渋った。しかし、裁判長の権限で日程がはいった。ここに、原告の空港会社による証拠偽造や、17424_43回にわたる文書開示の裁判所の命令にまったく応じないなど、原告の対応を原因として裁判が遅々として進まないことに対する裁判所、国のいら立ちが原因ではないだろうか。

 法廷後開かれた報告会で、市東孝雄さんが、「裁判勝利をめざして闘おう」とこれまでにない言葉で挨拶を締めくくったのが印象的だった。

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2017年3月27日 (月)

3・26三里塚全国総決起集会

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 昨日、成田市のニュータウンにある赤坂公園で、「市東さんの農地を守ろう!17326_2 第3滑走路粉砕! 安倍政権打倒! 3・26三里塚全国総決起集会」が、時折氷雨が降る寒い中、700余名の結集で開かれました。

 集会の基調報告を萩原富夫さんが、(1)市東さんの農地を守ろう!、(2)空港機能強化案を粉砕しよう!、(3)戦争体制づくりを許さず安倍打倒へ!、17326_4と3点にわたって提起した。
 市東孝雄さんが所用で遅れて参加され挨拶と決意を語られた。
 17326_5関西実行委員会を代表して、久しぶりに参加された永井満代表世話人が挨拶。

 集会の最後に「決戦本部アピール」を、本部長の太郎良陽一さんが読み上げ、成田駅近くまでの2.3キロのデモが出発した。

 この日、新たに強制執行請求の不許可を求める「三里塚・請求異議裁判署名」が提起された。呼びかけ「17.3.26強制執行をとめるための署名のお願い・改.pdf」をダウンロード、署名用紙「17.3.26市東さん署名.pdf」をダウンロードをそれぞれプリントアウトして、直ちに周辺での署名活動に入ろう!ひとまず、5月25日の請求異議裁判第2回口頭弁論に向け、5月10日を第1次締切として、関西実行委員会事務局まで送ってください。17326_6





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2017年3月17日 (金)

市東さんの農地を守るために、3・26全国集会に集まろう

 三里塚反対同盟は、3月26日(日)、成田市内赤坂公園での全国集会を呼びかけています。昨年末の最高裁決定を受けた市東孝雄さんへの農地強奪の攻撃が一気に強まっています。この時、50年を超える三里塚闘争に想いを寄せ、関西実行委員会40年の歩みをかけて、全力で、馳せ参じようではありませんか。
 すでに30年近くも前に土地収用法が失効し、それでも成田空港拡張の国策のために裁判所を使い、本来農民と農地を守るために制定されている農地法によって市東さんの農地を強奪しようとする安倍政権の不当、不法を絶対に私たちは許すことはできません。
 それは沖縄・辺野古、高江における米軍基地建設のためにヤマトの機動隊を導入して強行する安倍政権の姿勢と一つのものです。また、避難者、被害者を切り捨てて福島への帰還を強制し、他方で原発の再稼働を強行しようとするその姿勢ともつながっています。
 この市東さんへの農地強奪の攻撃は、TPPに執着し、農業切り捨てを平然と進めようとすることにその本質があります。「自分の国の人々を食べさせられないことを進める国策などありえない」と多くの人々が指摘しています。まさに、市東さんにかけられた攻撃は、日本の、いやアジアの農民への攻撃、収奪を意味しており、この攻撃を許すか否かは、非常に重大な分かれ目となっています。私たちは、今、三里塚、市東さんの農地を守るたたかい、最高裁決定による農地強奪を許さない広範な、新たな闘いを早急に作って113いくことが求められています。
 一年前の3月27日の成田市で開かれた全国集会で、三里塚反対同盟を代表して萩原富夫さんが「垣根を越えて、たたかいを拡大させよう」と呼びかけました。その呼びかけのもつ重大性は、昨年末の最高裁決定によっていよいよ大きくなっています。まだまだその提起にこたえる取り組みは緒についたに過ぎません。
 関西では先日2月12日、大野和興さん、米澤鐡志さん、山元一英さんなどが呼びかけ、270を越える個人、労働組合など団体の賛同のもとに「国策とたたかう農民・農地を守ろう!アベ政治を許さない! -三里塚闘争50年にさいして-」集会が、250人の熱気の中で開催されました。
 集会の詳細は、主催した実行委員会の報告にゆだねますが、メインの講演、山形県置賜(おきたま)地区の自給圏構想を呼びかけている農民・菅野芳秀さんの講演、大野和興さんの提起などは参加した一人一人の共感を感動的に呼び起こしていました。終わった直後のみなさんが帰途につかれながら、「今日の集会はよかった」と口々に声をかけていただきました。三里塚の市東さん、萩原さん、沖縄の安次富浩さん、そして福島の松本操さん、それぞれの現場からの報告が、私たちが直面しているものがなになのかを明確に示し、参加者に訴えました。
 この日の集会の中味と、250人の人々のほんとに多様な、若い人をも含む集まりの実態と様子が、昨年3月27日の萩原富夫さんの呼びかけの具体的な可能性を力強く示し、新しい地平を切り開いたと思います。もちろん第一歩を踏み出したに過ぎませんが。
 この第一歩を土台に進めていく上で、大きな基礎となるのが3月26日に呼びかけられている成田市内での三里塚全国集会を成功させることです。全力で、取り組みましょう。
                      事務局 松原康彦

      (関実『実行委員会ニュース』第159号より転載)

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2017年3月10日 (金)

実行委ニュース 159号 発行

17310159 昨日、関西実行委員会の『実行委員会ニュース』第159号を発行し、発送作業も行いました。会員などのみなさんのところには、遅くとも明日には着くと思います。

巻頭は「市東さんと農地を守るために、3・26全国集会に集まろう」(事務局・松原)
「請求異議裁判・第1回口頭弁論を傍聴して いのちの農地をとるな!」(事務局・安藤)
「異議裁判報告会に参加して」(事務局・松原)
「耕作権裁判の現状と争点」(関実ブログ)
「2・12『三里塚闘争50年にさいして』集会に参加して」(①尼崎・岩﨑晶子)(②ケミカルシューズミシン工・山田昌子)
「関実・団結旗開きが開かれる」(関実ブログ)
「第40回団結野菜市が成功」(関実ブログ)
「三里塚の主な裁判」(日程)
「緊急アピール 強制執行を停止させる保証金カンパのお願い」(三里塚反対同盟)

非常に盛り沢山な内容になりました。乞うご期待。

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成田市内で三里塚全国集会 3月26日

 三里塚芝山連合空港反対同盟は、17326_23月26日(日)に成田市ニュータウンの赤坂公園(昨年と同じ)で、全国総決起集会を呼びかけています。集まろう。(右図地図、JR成田駅西口より約2キロ)

反対同盟から招請状が出ましたので、添付します。

     招請状 

全国の闘う仲間のみなさん! 三里塚芝山連合空港反対同盟は来る3月26日、全国総決起集会を、昨年に続いて成田市内・ニュータウンの赤坂公園で開催します。皆さんの結集を熱烈に訴えます。
 まず何よりも、昨年10月25日の最高裁決定に基づく千葉地裁の強制執行攻撃を、体を張った実力闘争でうち破り、市東孝雄同盟員の農地を守りぬかなければなりません。市東さんは最高裁の反動決定に対して、昨年11月30日、「請求異議の訴え」とその仮処分申請にあたる「強制執行停止申立」を千葉地方裁判所に行い、受理させました。2月14日の執行停止申立の審尋では、「執行停止の決定」をかちとりました。最高裁の反動決定の不正義と対比をなす市東さんの正義の主張が千葉地裁を圧倒し、「判決は確定したがその判決を執行できない」という、いまだかつてない勝利に向け第1歩を踏み出したのです。
 3月2日に予定されている「請求異議の訴え」の第1回弁論を勝利的に闘い、「強制執行を最終的に粉砕する闘い」にむけ陣形を圧倒的に拡大し、闘いましょう。1月9日以来、一日の休みもなく闘い抜いている「強制執行阻止決戦本部」の現地実力阻止の闘いとともに、何が何でも市東さんの農地を守ります。
 一方、第3滑走路建設などの騒音地獄拡大攻撃に、騒音下住民の積もり積もった怒りが爆発しました。昨年10月から始まった説明会のすべての会場で激しい反発が起こりました。2月上旬には、横芝光町の中台区で「夜間飛行時間延長、断固反対」の看板が区内5カ所に立てられるとともに、各地域で決起の胎動が始まっています。ついに大地が動くような情勢が到来したのです。
17326_3 安倍政権による第3滑走路建設の目的は、朝鮮半島有事の情勢に対応した軍事転用です。この戦争攻撃の真実を暴き、決起を開始した住民とともに闘いましょう。
 世界恐慌による危機はついにトランプ政権のような戦争放火者を生み出し、ヨーロッパでの右翼政党の台頭へと飛び火し、中東、ウクライナ、アジア、朝鮮半島での戦争勃発情勢となっています。安倍政権は、トランプとの蜜月を演出する一方で、戦争政治をエスカレートさせ、総翼賛化を画策しています。韓国、アメリカ、世界の各地で民衆の決起が始まっています。私たちはまぎれもなく歴史の分岐点に立っています。闘いの当初から「戦争絶対反対」を貫いてきた三里塚は、その真価をかけ、安倍政権と真っ向から対決して闘います。
 他方、規制緩和・民営化と非正規職化攻撃の極限化で労働者は生きることもままならない貧困を強制され、農民もTPPーFTAと新農政により家族農業壊滅の危機にさらされています。「国策」に50年立ちはだかってきた三里塚闘争のさらなる前進、そして社会の主人公である労農学人民の怒りで、「いのちより金」の新自由主義の社会ひっくり返そうではありませんか。
 動労千葉や関西生コンをはじめとする全国の闘う労働者と連帯を強め、安倍政治と対決する沖縄・福島との絆を打ち固め、すべての住民・市民運動、学生運動とともに闘います。3・26三里塚全国総決起集会に、ぜひお集まり下さい。    
                      2017年2月20日  

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2017年3月 5日 (日)

請求異議裁判の報告会に出て(3月2日)

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 すでに当ブログに3月2日、千葉地裁で行われた市東さんの農地に係る「請求異議裁判」の報告が安藤さんから行われていますが、安藤さんは所用があり報告会にはのこれませんでした。そこで、この日の争点と、裁判の現状の意義が明らかにされました。非常に重要ですので、私の方からメモ的に報告します。

 昨年末の最高裁による市東孝雄さんの上告棄却決定によって、直ちに農地強奪の強制執行が行われるのではないかという危機感が私たちにはあった。214日の審尋によって、「請求異議裁判」が開かれることが確認されるとともに、その裁判の終結まで強制執行は行えないことが確定した。
 
報告会で明らかにされたが、そもそも「異議審」は「例外中の例外」で非常に狭き門だそうだ。「判決後の事情」が根拠とされなければならない。いわば、狭山事件に見られるように、国家意志を問うことにもなり、冤罪事件の再審の門がなかなか開けられないことに匹敵する。
 
しかし、裁判所がとりあえず法廷を開いたことで自らの正当性を主張し、1回の審理で終えようとするのではないかという杞憂が弁護団を含めてあったのは事実だ。だが、安藤さんの報告にもあるように、裁判長の方から、3点にわたる求釈明が原告(市東さん)、被告(空港会社)双方に出され、弁論の機会が保障された。
 
これは、これまで反対同盟、弁護団が長年、多くの裁判闘争の中で、一歩も引くことなく「裁判には勝っていても、判決で負ける」と北原鉱治事務局長がことあるごとに触れていた現実をはね返し、とりわけ農地法裁判、耕作権裁判、あるいはヤグラ裁判などで闘いぬいてきていることによって勝ち取られたことだと言えるのではないだろうか。
 こ
の日、弁護団は次の三点を軸に訴状として裁判所に提出し、この日の弁論を行った。
 第一点は、空港会社、国が平行滑走路の建設に対してあらゆる意味で強制手続きはとらないと約束していた「公的約束」を反故にすることは許されないということである。
 
第二点は、東京高裁の小林裁判長による判決は、当事者である市東さんの意見陳述を許さなかったばかりか、「裁判官忌避」を最高裁で争っている最中に、それを無視して出されたという点で「公正を妨げる」ものであり許されない。
 
第三点は、最高裁判決後、空港会社は「離作補償」を弁済、供託のいずれにしろ取り組もうとせず、「(強制)収用後でもいいのだ」と開き直っているが、これは市東さんが「補償を受ける意志があるか否か」に関わらず、財産権の保障を定めた憲法に違反する。裁判長による求釈明はこの問題を軸に出されている。

 もちろん予断は許されず、楽観的な事態がほとんど見込めないのが現状であることには変わりがない。それが国策とたたかう三里塚闘争の現実であろう。しかし、あの成田治安法という悪法によって天神峰現闘本部撤去の攻撃に対する「異議裁判」の申し立てが門前払いにされた経験をもつ三里塚闘争にとって、たたかいによってこじあけられた地点としてこの日の法廷を見ることができるのではないだろうか。報告会で、弁護団からの意見にもあったように、私たちはどんな小さなことでもこじ開けていく、それがもっとも大切な確認点ではないだろうか。

 2・12「国策とたたかう農民・農地を守ろう!アベ政治を許さない!」集会で確認されたように、このような在り方が、三里塚はもとより、沖縄、福島のたたかいを「安倍打倒」に向けて進めていく上で求められているだろう。そして獲得された時間の中で、三里塚を、市東さんの農地問題をあらためて広く訴え、多くの人々の耳目を集めるたたかいとしようではないか。

 まずは、3・26成田市での全国集会に集まろう! 
                  関実事務局 松原康彦

 

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