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2022年12月 3日 (土)

強制執行許すまじ  ー 11・27三里塚報告

11月22日、千葉地裁から「授権決定」(NAAが市東さんの農地やそこにある建造物を撤去収用できることを認めたもの)が出されるという緊迫した情勢の中、11月27日に現地集会がもたれた。急な招請にもかかわらず市東さんの畑に思いをはせた280名の人々が駆けつけました。Photo_20221203173602(写真は、対象になっている天神峰の畑)

[空港との共存はない]

 まず反対同盟から3名の発言が続きました。伊藤信晴さんは「農地は農民のもの」という故戸村一作委員長の言葉通り、市東農地を必ず守る決意を述べました。
 萩原富夫さんはかつての円卓会議で強制的手段は取らないと約束したにもかかわらず(黒野元社長も表明した)「授権決定」を下した千葉地裁とそれを要請したNAAに怒りをぶつけ「気候変動が叫ばれている今日、B滑走路延長や第三滑走路建設を強行し、どんどん飛行機を飛ばすことなどありえない」と訴え、「空港機能強化」の真の狙いが成田の一大軍事空港化にあることを弾劾しました。また成田市長選に立候補の雨宮某が「成田新時代」と称し、空港を核にした成田の「経済特区」化を主張していることにも強い怒りを表明しました。

 思い起こせば関空建設が決定した時、地元泉佐野市では「バラ色の未来」が語られ、高層ビルや大型施設の建設が予定されていましたが、94年に開港した後は市は単なる通過都市にすぎず、空港に依拠した行政はことごとく空振りに終わり、挙句は「泉佐野市倒産?」が話題になったほどでした。
 萩原さんの指摘通り「空港と地元との共存」などありえません。

[出来ることをしよう]

 最後に当該の市東孝雄さんは「(9・2新やぐら裁判控訴審)誰が聞いてもおかしい判決。23日から座り込み、泊まり込み体制に入ってます。強制執行攻撃が来ても各自出来ることをしてほしい」と厳しい状況の中でもいつものように落ち着いた口調ながら強い決意が感じられる発言でした。(写真は市東孝雄さん)Photo_20221203173601
 動労千葉からは「車の両輪として闘ってきた。これからも労農連帯で強制執行阻止を」と、また関西を代表して松原康彦さんは「NAAに何の正当性もない。12月3日まで泊まり込んで全力で闘う」と決意を語りました。

[改ざん、偽造は犯罪]

 弁護団からは「強制執行は国家的強盗行為、執行しても空港に何のメリットもない。裁判所はNAAと一体となって社会の一般常識からずれた判断をしている」と判決の不当性を何度も指摘しました。
 あの森友改ざん事件でも赤木雅子さんが改ざんを主導した佐川元理財局長を訴えた裁判の判決が大阪地裁でありましたが「公務員個人が職務上の行為で他人に損害を与えた場合、国が賠償責任を負い個人には責任なし」と訴えを棄却しましたが「公文書を改ざんせよ」と命令することが「職務」と言えるのか、りっぱな犯罪ではありませんか。犯罪者佐川に何故責任がないのか、全く理解不可能です。(写真は、280名が結集した集会の様子)Photo_20221203173701
 翻って耕作権裁判でも空港公団(現NAA)は故市東東市さんの署名を偽造したり、農業以外の使用目的で旧地主から農地を買い取ったり(農地法違反!しかも耕作者に無断で)と明らかな犯罪行為が存在するにもかかわらず、森友事件同様行政側から一人の逮捕者も出ていません。
 弁護団の発言の通り、まさに裁判所は世間の常識から大きく乖離し、政権に忖度しているとしか考えられません。
 その後、各支援団体、共闘団体からの発言が続きましたが、その中に「芝山の郷土の空を守る会」とか「東海第二原発反対住民」と私が初めて聞いた団体名があり、改めて三里塚のすそ野の広さを感じました。
 集会を終えて空港ターミナルビルまでデモ行進したのですが、これまで何十年も三里塚に来ているのですが、まともにこのビルを見るのは初めてで少し不思議な思いがしました。(写真は空港へのデモ)Photo_20221203173702

[世の中の仕組みを変えよう] 

 反対同盟と支援の仲間は連日の座り込み、泊まり込み体制で強制執行と立ち向かっています。私たちも遠く離れた関西の地ではありますが、この闘いと連帯し、ことあらばまた現地に駆けつけようではありませんか。
 安倍が銃殺され、まさにパンドラの箱が開いたかのように閣僚や自民党議員と統一教会のどす黒い関係が次々と明らかになっています。また岸田政権では新閣僚たちも(そして岸田自身も)不祥事が続発しています。こんな連中が政治を牛耳っているのです。こんな腐敗した世の中の仕組みを私たちの力で、三里塚の力で変えて行こうではありませんか。(下写真は、これも対象となっている南台の畑)

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                           (弥永 修)
     三里塚関西実行委員会『実行委ニュース』第183号より転載

 

 

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