市東さんの農地を守ろう (反対同盟からの緊急アピールに応えよう!)
NAAの強制執行申し立て・市東さんの農地強奪宣言を許すな! 反対同盟の11・1アピールを全面的に支持する。
三里塚関西実行委員会の会員、支持者の皆さん。
成田空港会社(NAA)は、10月18日、それまでの最高裁、東京高裁などの決定を根拠に、市東さんの天神峰の農地にあるヤグラ、大看板、看板などの撤去を強制執行で奪い撤去することを千葉地裁に申し立て、それを受けて千葉地裁は10月24日、それらを認める審尋書を発行して、その書類が到着してから2週間以内の当事者による「意見」を求めてきた。上記のヤグラなどに強制執行を行うという宣言である。
しかも、10月27日付けの千葉日報が報じるように、「農地明け渡しの強制執行に今回の申し立ては必要ない」というのだ。
NAAそしてこの強制執行を具体的に行おうとする国家権力は、当然にも機動隊の数に任せて反対同盟を先頭とした反対の声を暴力的に排除し執行を強行し、先の物件がある市東さんの樫の木がそびえる天神峰の離れなどと、天神峰の農地、そして南台の農地法裁判の該当地を高いフェンスで囲い込むつもりなのであろう。天神峰現地闘争本部の解体撤去がそうだったように。
しかし、いずれにしろこうした暴挙が行われれば、市東さんの農業への営みは基本的に破壊され、不可能となる。日本の法律によれば、10年以上耕せば耕作権が発生し、その農地は耕してきた農民のものとなるのではないのか。こうした基本的な農業を守る法律を無視して、このような暴挙がまかり通るところに、「農作物など輸入すればいい」と食糧自給率を先進国の中で唯一、50%を割り込むどころか、37%まで下落させてきた最大の原因があるのではないのか。
現実の問題としてもヤグラや、大看板など、あるいは市東さんの天神峰の農地や、南台の農地は成田空港の現実の運用に何一つ障害を生んでいないではないか。NAAは、第2滑走路運用開始の当時こそは、誘導路に信号をつけたりして、その「不便さ」を強調していた。しかし、10年も経たないうちにそれらの信号は取っ払われ、何不自由なく運用されているのが現実ではないか。
市東さんの営農を基本のところで破壊しようとする今回の攻撃は、農民としての市東さんの人権、生きる権利を破壊する、ただそれだけで行われようとする攻撃でしかない。こんなことは許されない。
今こそ、「農地は私の命です」と宣言し、2000年春以来、父の市東東市さんの跡を継いでこられた市東孝雄さんの農民として当然の生きる権利、農業を、守り抜こう! NAA、裁判所、警察機動隊が一体となった今回の強制執行攻撃を断じて許すな! 11月13日、27日の緊急現地闘争に馳せ参じよう!
以下に、反対同盟から出された緊急アピールを掲載します。
2022年11月1日
緊急アピール
NAAの強制執行申し立て・市東さんの農地強奪宣言を許すな! 農地取り上げ強制執行実力阻止へ!みなさんの総決起を訴えます
三里塚芝山連合空港反対同盟
市東孝雄さんの農地取り上げ問題に心を寄せて下さっている全国の仲間のみなさん。成田空港 会社(NAA)はついに、市東さんの農地取り上げ強制執行のための具体的かつ最後的な手続き を開始しました。事態は風雲急を告げています。あらゆる手段を駆使して農地取り上げを阻まなければなりません。ぜひとも力をお貸しください。
東京高裁は10月18日、新やぐら裁判控訴審判決での仮執行宣言(判決確定前に執行できる) に対する反対同盟の強制執行停止申し立てを却下しました。NAAは間髪を入れずに同日、千葉地裁に対して「建物等収去命令」と「工作物収去命令」を申し立てました。(翌19日にはマスコミ各社を集め、成田空港機能強化のB滑走路北延伸準備工事の着工を発表)
NAAの田村明比古社長は20日の記者会見で、「どこかの時点で執行する必要はある。円滑かつ確実に実施するため、関係各方面と検討している」とコメントしました。市東さんの天神峰農地、その上に建つ営農と生活に必要な作業場・ビニールハウス・トイレ等、反対同盟の看板・やぐら、 南台農地の一部まですべて奪うと公然と言い放ったのです。大木よねさんへの代執行以来阻んできた農地強奪にふたたび手を染めるという宣言を絶対に許すことはできません。
そもそも空港公団(現 NAA)は1993年、機動隊による暴力的強制収用を謝罪し、「平行滑走路の用地取得にあたっては、あらゆる意味において強制的な手段はとらない」「あくまで住民との話し合いで問題を解決する」と誓約し、「社会問題としての三里塚闘争は終わった」などと一大キャペーンを行いました。さらに黒野匡彦 NAA 社長(当時)は2005年、東峰区住民に「皆様の生活 環境や人間としての尊厳を損なうようなことは二度とやらない」と謝罪しました。その舌の根も乾かないうちに新たな強制執行に踏み切ることは不正義極まる暴挙と言うほかありません。
しかも、対象となっている農地は市東家が3代100年にわたって耕し続け、豊富な微生物を含み 多種多様な品目を育てることができる代替不可能な農地です。この農地を強奪し、手塩にかけて育てた完全無農薬有機野菜で多くの産直会員の命と健康を支えている市東さんの誇りと生きがいを奪うことは、何人にも許されるものではありません。
農地を奪わずともすでに飛行機は飛んでおり、訪日外国人客と成田の利用者数が過去最高を記録した2019年の段階ですら成田の発着回数は26万回に過ぎず、現状可能な30万回にも達していません。しかも、それは新規就航便の着陸料金を免除するなどして無理やり需要を創出した バブルでした。そのバブルがコロナショックではじけ、社会全体のオンライン化が進む中で、ビジネス客は戻らないと航空会社の社長ですら認めています。さらに気候変動を促進する飛行機の利用を忌避する「飛び恥」運動の拡大などで、旅行客も戻りません。
あるのは、軍事的な要請にもとづく需要だけです。政府は安全保障関連3文書の改定に向けた「有識者会議」の第2回会合で、平時からの自衛隊による民間空港の軍事利用について検討を始めると宣言しました。防衛省関係者は「有事に備え、滑走路の延伸が必要」とし、さらに、かつての B 滑走路北延伸の首謀者・北側一雄元国交大臣は「自衛隊が利用する局面も想定した上で滑走路の長さなどを検討して整備を」とたきつけているのです。(朝日新聞10/21)
成田の軍事空港化が現実のものとなろうとしている今こそ、改めて戦争反対の一環として市東さんの農地を守る全力での取り組みを訴えます。 私たち反対同盟は、戦争に動員されて傷ついた苦しみ、侵略戦争に加担させられた痛苦の反省をふまえ、闘いの当初から「成田軍事空港絶対反対」を掲げ闘ってきました。「お国のため」として人や物資、土地などあらゆるものを徴用・徴発・収用した結果がヒロシマ・ナガサキ、沖縄の惨劇ではなかったでしょうか。さらに、「経済発展のため」として乱開発した結果が原発事故、気候変動、食料危機の現実ではないでしょうか。
「国民を飢えさせず、戦争を二度とやらない」と誓ったはずの日本政府は今、「他国の脅威」をあ おって軍事費2倍化、大軍拡、改憲・戦争への道をひた走っています。市東さんの農地を守りぬき、成田軍事空港建設を粉砕しましょう。
農地は私たちの命です。「安全でおいしい野菜をつくるためにこの土を守る」「三里塚、福島、沖 縄を一つの闘いとして体の続くかぎり農地を耕し闘う」と宣言する市東さんとともに、私たち反対同 盟は56年の闘いの歴史すべてをかけた決戦に必ず勝利する決意です。闘いはここからが本番です。それぞれの現場で市東さんの農地決戦について訴え、ぜひ現地に駆けつけてください。市東さんの農地を守るための十重二十重の陣形をつくろう。援農・カンパ・現地座り込みなどへの総決 起を心から呼びかけます。
◎当面する行動方針
11・13緊急現地闘争 11月13日(日) 午後1時 市東さん宅中庭集合 集会~デモ
11・27天神峰現地闘争 11月27日(日) 午後1時 市東さん宅中庭集合 集会~デモ
・団結街道裁判 11月18日(金) 午前10時半開廷 千葉地裁
・耕作権裁判&千葉地裁包囲デモ 11月28日(月) 午前9時 千葉市葭川公園集
写真は、1枚目 作業小屋、2枚目 大看板、3枚目 やぐら です。
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