報国会での市東孝雄さん
8月22日、耕作権裁判の開廷に先立って千葉中央公園では決起集会が開かれ、原告NAAと裁判所を徹底的に追及する決意を確認。関西実行委員会の安藤は「先日、戸村義弘さんがお亡くなりになった。反対同盟の歌を作った戸村義弘さんの「農地死守」の遺訓を受け継ぎ、今日は徹底的に原告NAAと裁判所を追及しよう」との決意を述べて、4月10日の藤原達史先生の講演会報告集作成のお知らせと、反対同盟の新署名活動を関西でも大いに取り組んでいることを報告しました。
この日の裁判は10時37分に開廷され本田晃裁判長が小声で陳述書の確認を始めるや否や、傍聴席から「自信ないのか、ヒソヒソ話をするな、マイクを通せ」との抗議の声が起こり、傍聴闘争も始まりました。最初に一瀬弁護士から「6月20日の進行協議に基づき、第一から第六までの反論書を提出。第一は農地の売買契約は無効、第二は市東東市さんの耕作地の特定が間違っている、第三は同意書、境界確認はズサン、第四に賃借権契約は無効、第五に農地の明け渡し請求は権利の濫用、第六にコロナ禍で空港利用がガタ減りで空港拡張の必要性もなく、農地の明け渡しを求めるのは権利の濫用だ」との全体的な反論と問題提起を行いました。続いて葉山弁護士は特に同意書の問題をとりあげ、「NAAの同意書筆跡鑑定は一面的にしか判断していない。当時市東東市さんは脳梗塞の後遺症がある状態だったが、その筆跡は書くことのできない「力強い」ものだ。これは明らかに偽造だ。またハンコの印影判定もズサン、様々な角度から考えても、NAAで用地買収を担当した証人調べが必要だ」との追及を行いました。
証人調べの請求手続きで一瀬弁護士は「新たに提出した20名前後の職員名簿の中から、用地買収交渉の証人を請求したい。しかしその職員が生存しているかどうかさえ明らかにしない。答えさせてほしい」と裁判長に迫りました。しかし裁判長は無視し、今後の立証プランを進行協議で検討すると逃げの姿勢を示しました。
さらに原告NAAが明け渡し請求の農地をどのようにして特定したのか、答えていない。あきらかに特定が間違っているので文書提出命令も出したが、黒塗りの文書が帰ってきただけで、何の反論にもなっていない。この点で弁護団は強く裁判長を追及すると「文書を提出しなさい、との裁判所としてのスタンスは変わっていない」と黒塗り文書でも提出したから良い、とのNAAを忖度する許しがたい訴訟指揮を行いました。この裁判長の発言に対し弁護団からも、傍聴席からも一斉に怒りの声が上がりました。裁判長は弱弱しい声で「原告の反論意見を待ちたい」と発言し、一瀬弁護士は「裁判長はなめられている、もっと厳しく原告にいうべきだ」と詰め寄りました。傍聴席から「原告は裁判を取り下げろ」との連呼の声があがり騒然となりました。
裁判長は時刻が12時前に近づいたことを考えたのか「次回の進行協議は10月31日、原告はこの件の釈明を10月24日までにして下さい」と閉廷を一方的に宣言し、怒りの収まらない幕切れとなりました。
報告会では弁護団各氏から、NAAになめられ、つけ上がらせるような裁判長の訴訟指揮に厳しい批判が語られました。また今日のような市東さん、弁護団、傍聴者が一体となった裁判闘争・傍聴闘争で、密室の進行協議による一方的な訴訟指揮を打ち破っていくことが確認されました。
次回裁判は、11月28日(月)午前10時30分。 (報告 安藤眞一 )


(写真上が、裁判前のデモ。写真下は、裁判後の報告会)
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