4・25耕作権裁判報告 空港会社の証拠・証人隠しを追求
コロナ禍で中断が続き昨年12月に再開された耕作権裁判が、4月25日に開かれました。(下写真は、裁判前の集会)
市東さんの農地をNAAが「不法耕作地」の根拠とする「同意書」「境界確認書」の偽造問題が、最大の焦点です。これらの文書に空港絶対反対を貫いた市東東市さん(孝雄さんの父)が署名するわけがありませんが、これに故市東さんの署名がある。これはおかしい、偽造ではないかということで空港会社NAAに地主との交渉関係記録などの提出を求めましたが、NAAは拒否。2年間本裁判を停止して、千葉地裁、東京高裁で文書提出命令の審査、さらにその決定があっても「交渉記録は残っていない」「担当者は亡くなっているのでわからない」の一点張り。
しかし今回の裁判でこの交渉に関与した公団(NAAの前身)の用地部職員が20名ほどいることが判明しました。こんなに多くの職員が関与しながら、交渉関係記録・書類がないなどということはありえません。一瀬弁護士はじめ弁護団は、のらりくらりと逃げきろうとするNAAと裁判所を徹底追及し、引き続き関係書類の提出を求め、証人申請していくことを明らかにしました。
そもそも農地の明渡しを求めているのはNAAです。その農地の地籍の特定や経緯に疑義があり明らかにするよう市東さん、弁護団は求めているのですから、自ら取得した土地はここだと示し、その取得の経緯をきちんと説明しなければならない立場です。証拠を隠す理由はどこにもないのです。
NAAが口をつぐみ裁判所に下駄をあずけ、裁判所がこれを是認するでは、公平な裁判を期待することはできません。次回裁判は8月22日ですが、6月20日に進行協議を行うといいます。法廷審理をスムーズに進めるための進行協議と言いますが、法廷・口頭弁論では口を閉ざし進行協議という傍聴のない密室審理、秘密裁判で事を進めるやり方は、裁判自体を否定するものです。
付け加えるなら、今回の裁判でもコロナ禍を理由に傍聴制限が続いています。傍聴者は大法廷にも関わらす30名ほどに限定(筆者も傍聴できませんでした)。さらに現在国会では、裁判の公開原則を踏みにじる民事裁判での「リモート審理導入」が進められようとしているといいます。裁判がいよいよ形骸化されようとしていることに危機感を覚えます。(下写真は、集会後の裁判所へのデモ)
なお集会に先立ち千葉市中央公園で小集会が開かれ、千葉地裁までのデモが行われ、集会では反対同盟萩原さん、動労千葉、関実松原さん、市東さんの会三角さんからあいさつがありました。また裁判後、教育会館で報告集会が持たれ、「今日の裁判のようにNAAをさらに追いつめていきましょう」と市東孝雄さんからあいさつがありました。(報告・礒田)
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