« 2022年3月 | トップページ | 2022年5月 »

2022年4月29日 (金)

4・25耕作権裁判報告 空港会社の証拠・証人隠しを追求

 コロナ禍で中断が続き昨年12月に再開された耕作権裁判が、4月25日に開かれました。(下写真は、裁判前の集会)22425_20220429165901

 市東さんの農地をNAAが「不法耕作地」の根拠とする「同意書」「境界確認書」の偽造問題が、最大の焦点です。これらの文書に空港絶対反対を貫いた市東東市さん(孝雄さんの父)が署名するわけがありませんが、これに故市東さんの署名がある。これはおかしい、偽造ではないかということで空港会社NAAに地主との交渉関係記録などの提出を求めましたが、NAAは拒否。2年間本裁判を停止して、千葉地裁、東京高裁で文書提出命令の審査、さらにその決定があっても「交渉記録は残っていない」「担当者は亡くなっているのでわからない」の一点張り。
 しかし今回の裁判でこの交渉に関与した公団(NAAの前身)の用地部職員が20名ほどいることが判明しました。こんなに多くの職員が関与しながら、交渉関係記録・書類がないなどということはありえません。一瀬弁護士はじめ弁護団は、のらりくらりと逃げきろうとするNAAと裁判所を徹底追及し、引き続き関係書類の提出を求め、証人申請していくことを明らかにしました。
 そもそも農地の明渡しを求めているのはNAAです。その農地の地籍の特定や経緯に疑義があり明らかにするよう市東さん、弁護団は求めているのですから、自ら取得した土地はここだと示し、その取得の経緯をきちんと説明しなければならない立場です。証拠を隠す理由はどこにもないのです。
 NAAが口をつぐみ裁判所に下駄をあずけ、裁判所がこれを是認するでは、公平な裁判を期待することはできません。次回裁判は8月22日ですが、6月20日に進行協議を行うといいます。法廷審理をスムーズに進めるための進行協議と言いますが、法廷・口頭弁論では口を閉ざし進行協議という傍聴のない密室審理、秘密裁判で事を進めるやり方は、裁判自体を否定するものです。
 付け加えるなら、今回の裁判でもコロナ禍を理由に傍聴制限が続いています。傍聴者は大法廷にも関わらす30名ほどに限定(筆者も傍聴できませんでした)。さらに現在国会では、裁判の公開原則を踏みにじる民事裁判での「リモート審理導入」が進められようとしているといいます。裁判がいよいよ形骸化されようとしていることに危機感を覚えます。(下写真は、集会後の裁判所へのデモ)

22425

 なお集会に先立ち千葉市中央公園で小集会が開かれ、千葉地裁までのデモが行われ、集会では反対同盟萩原さん、動労千葉、関実松原さん、市東さんの会三角さんからあいさつがありました。また裁判後、教育会館で報告集会が持たれ、「今日の裁判のようにNAAをさらに追いつめていきましょう」と市東孝雄さんからあいさつがありました。(報告・礒田)

 

|

2022年4月28日 (木)

今週の産直野菜 (4月27日)

22427

三里塚から今週の野菜が、少し遅れて昨日の昼過ぎに着いたようですが、私は、若狭に「老朽原発このまま廃炉!」のビラ配りに言っていたために、箱が、家の扉の前に置かれていました。2万歩近い歩きにヘトヘトに疲れ、野菜どころではなく、写真だけ撮って、野菜たちは洗い桶に一晩蘇生。今朝漸く整理して冷蔵庫に。内科のいつもの薬をもらいに行って、帰ってきてこの記事をやっと書いています。

野菜は、ほうれん草、ラディッシュ、ルッコラ、のらぼう菜、玉レタス、三つ葉、小松菜、ネギ、大根、葉玉ネギ 以上10品です。ルッコラ、三つ葉がついた時から少し傷んでいました。

『野菜だより』に「雨と温度があって、葉物の成長が早いので驚かされます」とありますが、そのようですね。今回は雨の中での採り入れだったようで、泥まみれ。泥を洗い落として、傷んだものを切り落として収納しました。

|

2022年4月23日 (土)

「食と農業の今」 藤原辰史さん 講演会 (4月10日)

 4月10日(日)エルおおさかにおいて京大人文科学研究所准教授の藤原辰史さんを迎えて「食と農業の今」と題した講演会が開催されました。
 三里塚関西実行委主催の集会はコロナ禍の影響もあり2020年3月、反対同盟の市東孝雄さんと大口弁護士を招いて開催された時以来久しぶりのことでした。

[コロナ対策怠るな]

 約60名の参加で司会は全国金属機械労組・港合同南労会支部の樋口曜さんにお願いしました。
 集会が始まるとすぐ参加者の一人から部屋の換気に注意するよう指摘があり、慌てて閉めていたドアを開けたり空調機を調節したりしました。コロナ感染はいまだに収まる気配はありませんが、2年を超え私たちの気持ちの中に「慣れ」という油断が入り込んでいるのかも知れません。改めて三密回避や手洗い、マスクそして換気の徹底に努めましょうと思いました。

[四つの連帯あいさつ]

 22410_20220423104801

 さて主催者あいさつの安藤眞一さんは牧師の立場からウクライナの現状を憂い、平和と命の大切さを訴えました。
 続いて四つの連帯のあいさつ(ひとつはメッセージ)をいただきました。初めに三里塚反対同盟の萩原富夫さんから空港機能強化反対の3・27芝山現地闘争の報告と、2050年CO2半減方針とは裏腹の発着回数2倍化を目論むNNAを弾劾し、市東さんの農地を守る闘いとともに気候変動阻止を反対同盟の闘いの基軸にしたいという表明がありました。
 続いて部落解放同盟全国連の滝岡広治さんはウクライナのの状況を「国というくくりで考えると間違いでは?」すなわち単にロシアという国とウクライナという国の戦争という構図でとらえれば判断を誤ると指摘しました。
 そして狭山裁判が「第三次再審の結果がすべてで後はない」といよいよ最終局面を迎えつつあることを明らかにし、裁判所前行動と署名そして新聞への意見広告と5・22日比谷での闘いを提起しました。

 次に当日滋賀県での独自集会と重なり不参加となった全国連帯労組関西生コン支部の西山直洋執行委員からのメッセージが代読され(別紙)最後は「若狭の原発を考える会」の木原壯林さんでした。
 木原さんはウクライナの原発がロシア軍に占拠され核戦争の危険性が高まっていることに便乗し、維新の松井が非核三原則を否定したり、安倍元首相や高市早苗が「核共有論」に走っていることを「まさに火事場ドロボー」と批判しました。安倍はかつて27回もプーチンと会談を重ね「ウラジーミル。君と僕は、同じ未来を見ている。行きましょう。・・・ゴールまで、ウラジーミル、二人の力で、駆けて、駆け抜けようではありませんか。」と宣っていました。いったいどんな未来なのか、ゴールなのか、説明できるのならやってみろと言いたくなります。
 また、木原さんは「原発推進=CO2減はまやかし、老朽原発再稼働は戦争のためのもの、新しい社会、農地を守ることは人が人間らしく生きるため、資本主義からの人間性の回復です」と語り最後に「原発のない明日を 5・29集会」への結集を訴えました。私たちも氏の提起に応え是非うつぼ公園に駆けつけましょう。

[食と農を考える]

 これらのあいさつの後、藤原辰史さんの講演が始まりました。氏はまず自書「ナチスのキッチン」などを引用し、ナチスが台頭できたのはヒトラーが都市労働者より農村に残っていた保守的な体質を基盤にして「農民が国の主人公でなければならない」(農本主義)と訴えて支持を伸ばしたからと説明しました。しかしナチスの「生きるに値しない性(障がい者)を作りだし、死んでも構わないという思想を流布し実行した」ことは絶対許されない憎むべきことだと弾劾しました。現代でも自民党の杉田水流などに繋がる差別思想です。22410_20220423104802
 そして今日CO2により気候危機が問題になっているが、それだけではなく「人が食することは循環の生態系の一過程を人が担っている」という自然の摂理をモンサント社(2018年にバイエル社に合併吸収された)などの毒性の強い農薬により破壊されている問題にも触れました。(ラウンドアップという商品名で一般家庭にも入り込んでいます)
 そして砂時計の形状にたとえ、一般農家が生産した農作物を巨大企業に一極集中させ、独占的に先進国市民に販売するという今日の資本主義経済を批判しました。
 またコロナ禍で移民労働者が来日できず、日本の農業がピンチになっていることに加え、食料自給率が37%にまで落ち込んでいるという致命的な現実はまさに政治の失政の証だと断じました。
 その他にも子供食堂、原発、満州移民そしてウクライナ情勢など多岐にわたるお話が続きました。レーニン、スターリン、毛沢東も大規模農業を実行しましたが、結果農村自治の喪失を生じさせることなりました。
 日本政府も今日、農業従事者の高齢化や跡継ぎ問題を捉え、大規模農業(会社化)を推進するとしていますが本当に今の社会体制のままでいいのでしょうか。藤原さんの言われる「食と農を通じた世界システムの問い直し」が必要ではないでしょうか。
 個人的にいつも思っているのは、豊作や豊漁であれば人類にとって喜ぶべきことのはずが、現実は値崩れを恐れて何割かを廃棄するということがありますが、これこそ環境破壊であり、世界システムの矛盾を象徴しているように思うのですが・・

[これからも三里塚と共に]

 藤原さんは「有機農業はすぐには採算が採れない、(周囲の)協力が必要」と言われましたが、まさに今三里塚は市東さん、萩原さんの有機農業を三里塚に思いをはせる全国の人々の協力で「共有」していると思います。藤原さんの結びの言葉も「食と農を通じて共有することが大切」でした。
 その後数人の参加者から質問や意見表明があり、成功裡に集会を終えました。
 コロナ禍に加え、ロシアのウクライナ侵攻という深刻な状況の中の集会でしたが、「食と農」という人間が生きていく根幹に関わるお話を聞いて大変勉強になりました。
                        (弥永 修)

 

 

 

 

 

|

2022年4月20日 (水)

今週の産直野菜 (4月20日)

22420

三里塚から野菜が届きました。箱が大きくなっている! 開けてビックリではないが、葉もののオンパレード。小松菜、ルッコラ、玉レタス、ラディッシュ、ほうれん草、のらぼう菜、サニーレタス、青首大根、葉玉ネギ、ネギ、三つ葉 以上11品です。(ちょっと黄色っぽく見えるのは、カメラのフラッシュのせいです。)

これだけの野菜を1週間でこなすのは難しそう! これから春野菜、夏野菜と葉もののオンパレード。弱音を吐いている場合じゃない!と気合を入れます。

|

2022年4月13日 (水)

今週の産直野菜 (4月13日)

Dscf0672

三里塚から今週の野菜が届きました。ようやく葉物が顔をそろえてきました。野良ぼう菜、ニンジン、サニーレタス、小松菜、玉レタス、ネギ、葉玉ねぎ、大根 以上8品です。このところ寒いのか暑いのかわからないような日替わりの天気に振り回されていますが、関東はこちらより2,3度気温が高いようで、一気に野菜が育ち始めているのではないでしょうか。

Dscf0670

毎週、ニンジンが途切れることなく(今週も)入ってくるので、独り暮らしでは持て余し気味。人にあげたりもしますが、それでも。そんな折に、CさんがFacebookにバナナやトマトとジュースを作っているのを挙げているのをみて、これなら私もできると、このところはまっています。4月10日の集会の後、我が家に泊まって交流した富夫さんにも、ニンジンとバナナのジュースを味わっていただいた。

|

2022年4月 6日 (水)

今週の産直野菜 (4月6日)

2246

三里塚から野菜が届きました。雨の中の収穫だったようで、ドロドロです。

ニンジン、サニーレタス、葉玉ねぎ、里芋、からし菜漬け、間引き大根、ネギ 以上7品です。

今度の日曜日には、京都大学人文科学研究所准教授の藤原辰史さん(農業史・環境史)を招いての『食と農業の今 -食料自給率37%から見えること-』学習講演会が開かれます(午後2時~、エルおおさか 606号室)。ぜひ、おいでください。

Epson002_20220406112501

|

« 2022年3月 | トップページ | 2022年5月 »