市東さんの農地をだまし取るNAAと国家権力は許せない
耕作権裁判はコロナ禍の影響で法廷が一年間も開けませんでしたが「終わりよければ全て良し」の決意で、関西から2名の仲間と共に参加しました。この日も裁判前の決起集会が千葉中央公園で開催され、反対同盟の萩原富夫さんより「市東孝雄さんに15年間も不法耕作者の汚名を着せて、農地をだまし取った証拠を出さないNAAを追及しよう」とのアピールがありました。安藤は「昨日の大阪うつぼ公園での老朽原発再稼働阻止の闘いと、三里塚の農地を守る闘いは、どちらも私たちの命を守る闘いだ。市東さんの決意に応えて、本日の裁判でNAAと裁判所を押しまくろう」と短く連帯の挨拶を行いました。公園から裁判所までの短い距離をデモ行進し、裁判傍聴の為に傍聴券抽選の列に並び、コロナ禍での人数制限(普段の半数)で見事に外れましたが天の助けで傍聴席に座れました。
この日の裁判は、1年ぶりとあって裁判官の交代もあり、「更新意見陳述」の弁論が行われました。千葉地裁民事第二部の本田晃裁判長は今までで一番か細い声の裁判長で、傍聴席から何度も「聞こえません」との声が起こり大丈夫かいな、との第一印象を持ちましたが、裁判後の報告会で弁護団から「この裁判長は出来るだけ弁論を先送りしたいようだ。今まで三か月に一度の弁論が四か月になっている」との声があがるほどでした。
先行き不安な訴訟指揮ですが裁判の口火を切って市東孝雄さんは「私の父親が耕作していた農地の地番を間違えて明け渡せとは何事か。私の農地では作物がよく生育している。無農薬・有機栽培の野菜を多くの皆さんに喜んでもらっている。この農業に誇りを持っている。NAAは農地をだまし取ろうとした偽造証拠をすべて出しなさい」と本人陳述を行い、傍聴席から大きな拍手が起こりました。
続いて、出席したすべての弁護士から弁論範囲を分担しての意見陳述が行われました。
この裁判では、NAAが農地の場所、地番を確定する手続きがズサンで、しかも契約書や地積図に誤りがあったり、市東東市さんの筆跡が偽物で、どこから見てもNAAが市東さんに農地を明け渡せという資格がないことを強調。違法行為を細部にわたって立証する弁論が行われました。特に追求した項目では、かつての文書提出命令に対して、黒塗りの文書を出して、NAA自らが不正隠しをしている実態に対し、再度「交渉記録」や交渉した担当の法理氏などの「敵性証人」申請を行いました。また、葉山弁護士から筆跡鑑定の間違いを指摘し、契約当時に脳梗塞を発症していた市東東市さんが書けないような筆跡で契約書にサインしているのは偽造の証拠だ、と強調。無効な契約で農地を明け渡すことの違法を追及しました。次回弁論は4月25日、次々回は8月22日。詳しい内容については3月11日の「進行協議」で行うことで閉廷しました。
裁判後の報告会では今後「敵性証人」を裁判所に提出したいの説明がありました。
報告者 安藤眞一
集会後のデモ 集会
裁判後の報告会
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