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2020年10月 5日 (月)

9・27三里塚全国闘争(成田)に参加して

9・27三里塚全国闘争(成田)に参加して

ナリタも、日本・世界も曲がり角

台風一過の9月27日、1年半振りに三里塚全国集会が開かれました。コロナ禍の中参加をためらう人も多かったと思いましたが、それでも440名が結集しました。(成田市赤坂公園)

 ナリタは開港以来最大の危機

 伊藤信晴さんの主催者あいさつに続き基調報告に立った萩原富夫さんは、三里塚闘争が54年を経過した今日、コロナ禍でナリタは最大の危機的状況にあることを詳細なデータをもとに訴えました。

 周知のとおり現在は入国制限もあり来日客は大幅減、そして空港内テナントも次々閉店に追い込まれています。またLCCはもともとぎりぎりの採算ベースで運行していましたので、この状況下では全く成り立たないとのこと、またこの10月から1日千人の入国再開を予定しているとのことですが、検査と2週間の待機が必要で「そんな旅行に誰が来ますか!」と断言しました。

 そして「アフターコロナの時はナリタは必要ありません。しかしこの状況でも第三滑走路、空港機能強化を推し進めています。まさに成田の恥です」とNAAを弾劾しました。

 裁判闘争へ更なる結集を20927_20201005150601

 先日の新やぐら裁判で「看板ややぐらを撤去せよ」との判決が出ましたが、さすがに仮執行宣言は出来ませんでした。萩原さんは「これは粘り強い闘いの成果」と語り、控訴審に向かう決意を示し、10・22請求異議裁判控訴審(最終弁論)への結集を訴えました。

 そしてまとめとして「第三滑走路は白紙撤回しかない。市東さんの農地を守り抜こう。国策と闘う全ての人々と連帯しよう。廃港に向かって決起しよう」と結びました。

 産直の輪を拡げよう

 連帯のあいさつとしてまず動労千葉の関委員長が発言しました。振り返れば関川さん中野さん田中さんに続く4代目の委員長で、三里塚の闘いと共に歩んできた動労千葉の歴史を感じずにはおれません。

 次に我関実から安藤眞一さんが登壇。氏は現在牧師の任にあり、平日の裁判の傍聴には何度も参加していますが、日曜日は礼拝があり全国集会参加は厳しいのですが、この日は何とか都合をつけて参加して久しぶりに発言することが出来ました。

 氏はまず今回三里塚教会に立ち寄ったことを報告。そして関空も神戸空港もナリタと同じ危機的状態であることを明らかにし「産直の輪を拡げて、コロナ禍の中でも結集した私たちの決意で市東さんの農地を守り抜こう」と訴えました。20927_20201005150602

 小作でも権利あり  20927_20201005150603 20927_20201005150602  

 そして当該の市東孝雄さんは「何故私が訴えられなければならないのか!」と改めてこの地で営農していることの正当性を語り、そして裁判では「相手は自らは何も主張しない、こちらの弁論に(形式的に)反論するだけです」とNAAの裁判所に依拠した開き直りを弾劾しました。そして「小作農でも生きていく権利がある。これからも皆さんと共に闘い続けます」と変わらぬ決意を表明しました。

 自粛警察許すな

 顧問弁護団から4名の方が発言しましたが、中でも遠藤弁護士からソーシャルディスタンスなどに振り回されずに私たちは「密集して」闘わなければならないという意味合いのやや過激な(?)発言がありました。

 確かにこのコロナ禍の中、私たちは政府や各自治体が発する「自粛」や「要請」に無自覚に慣らされてしまい、それがいつの間にか「強要」「強制」となり、SNSなどを介して「自粛警察」が登場してそれらに従わない場合は恫喝やいやがらせを引き起こしています。まさにかつての「隣組」「自警団」の再来です。挙句「緊急事態宣言」という名の「戒厳令」へ行きつくのではと懸念します。

 マスクや手洗い、消毒そしてソーシャルディスタンスは必要でしょうが、このような危険性をはらんでいることを常に念頭に置いておくべし、遠藤弁護士はそう訴えたかったと思います。

 福島、沖縄、そして若狭と共に

 その後、福島からは「怒 福島」ののぼりと共に帰還の強制への怒りの訴えが、沖縄からは「市東農地を守る会・沖縄」の金治明事務局長の辺野古の闘いの報告があり、「若狭の原発を考える会」のメッセージが読み上げられるなど、多くの仲間の発言の後、市内デモに出ました。

 皆さん、「コロナショックで世の中変わろうとしている」(萩原さん)「市東さんの闘いが世界を変える」(弁護団)との発言のとおり、今世界は歴史の曲がり角にあります。安倍腐敗内閣を引き継いだ菅(冷徹)内閣との新たな闘いと共に、市東さんの農地を守り抜き、第三滑走路阻止を闘い続けましょう。

 余談ですが・・・

 久しぶりに新幹線に乗ったのですが、がらがらの車内に驚いたのと、テロップで流れていた新聞各社のニュースが全く無くなっており、企業のCMばかりになっていました。JRもこの間大幅な赤字で、少しでも経費削減を考えているのでしょうが、まさに「焼け石に水」と感じました。

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                               (尼崎・伊丹三里塚実行委員会 弥永修)

 

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