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2020年3月12日 (木)

3・29成田集会へ

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 新型コロナウィルスで世の中が大騒ぎになっている3月1日、大阪市内で「3・1三里塚のいまを語る」と題した集会が予定通り開催されました。副題は「-今も続く成田空港建設のための農地とりあげ-こんな非道を許してたまるか」でした。
    50名余りが集まる
 当日電車で大阪梅田に着くと、つい最近までは大きなキャリーバックを持った中国をはじめとするアジアからの旅行客であふれかえっていましたが、この日は彼らの姿はほとんど見られませんでした。またとても日曜日の昼下がりの繁華街の風景とは思えないほど閑散としていました。ゲストの反対同盟市東孝雄さんの話でも新幹線の乗客も本当に少なかったとのことでした。そんなことでいったい何人の人が参加できるのかと心配しましたが、マスクをした人が次々と現れ、50名余りの集会となりました。
    関生弾圧に反撃を
 司会は「大阪の海と空を戦争に使わせない会」の長澤さんが務めました。彼女はいつも落ち着いた口調でとても聞きやすく、所属組合の港合同のイベントでも司会役が指定席になっています。
関西実の松原さんの主催者あいさつに続き3名の方から連帯のあいさつをいただきました。
 部落解放同盟全国連荒本支部の池本書記長は「ここ10年程は三里塚への組織的動員がかなわず代表参加にとどまっていたがこの3・29は全力で闘いたい」との表明がありました。
 そして次に今、常軌を逸した不当弾圧を受け続けている全日本建設運輸連帯労組関西地区生コン支部(略称・関生)の西山執行委員からは、労働法にのっとり労組としての普通の行為を「犯罪」とされている、まさに「憲法28条停止」状態にあるとの報告がありました。また裁判過程において「労働法は知らない」と平然と言い放つ裁判官がいたり、共和国(北朝鮮)訪問申請を「逃亡のおそれ」という人権無視の「理由」で却下されたとの発言には会場から驚きの声が上がりました。まさに安倍腐敗政治を象徴する警察権力と裁判所による不当極まる弾圧で
す。私たち一人ひとりの問題として捉え、反撃していきましょう。
 最後に「若狭の原発を考える会」の木原さんは原発事故から9年が経過した今日、老朽化した原発は動かしてはならないことを強調し「5・17一万人大集会へ結集しよう」と訴えました。そして「原発全廃だけでなく、大地と水と空気と光を守り、農業を復権させ、人間らしく生きられる社会を」と結びました。
 各戦線で闘い続ける3名の方の発言は参加者一同で共有できる内容だったのではないでしょうか。とりわけ関生支援は喫緊の課題だと感じました。
      成田は別?
 そしてゲストのお一人目はちょうど一年前に来ていただいた反対同盟顧問弁護団の大口昭彦弁護士です。大口さんは神戸出身なので全国集会ではいつも「関西なまりの標準語」での発言でとても親しみを感じています。

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 まず今現地で闘われている5つの裁判それぞれの現況報告があり、その中でも今は請求異議控訴審の早期結審策動との闘いが重要であると訴えられました。三里塚の裁判は「裁判に勝って判決で負ける」(故北原事務局長の言葉)と言われる通り、一般の法解釈は通用しない現実があり、大口弁護士も知り合いの裁判官からいつも「成田は別」と聞かされているとのことでした。(現在の関生も同じか)
 しかしどんなに不利な状況でも敗北主義はいけない、どんな時も全力で闘うこと、市東農地をめぐる闘いでは(政治的テクニックなどではなく)誠実に農業を実践している市東さんの人間性を突き付けて闘うことが大切で、伊方原発での差し止め判決など勝利する可能性もあることを信じて追求すべきだと語りました。
 その他安倍の農業破壊政策(農業の資本化)や天皇代替わりの政治利用(市民民主主義→臣民民主主義)そして第三滑走路計画(新たな農地強奪と騒音問題)など各方面の情勢を分析した後、「やはり請求異議裁判に勝利することが最大の目標」と結びました。
      これからも安全な野菜作りを
 そして当該の市東孝雄さんは「収用委員会が頓挫して(実家へ)帰ってきて20年が経ちました。そして15年間地代を地主でない人に払ってきました。(空港公団や空港会社の)デタラメなやり方は50年何も変わっていません」と語り、続けて「(市東さんが)不法耕作をしている」と派手に新聞に掲載させておいて、それが誤りだと判っても謝罪にもこないと空港会社を改めて弾劾しました。

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 そして30枚程のスライド上映では、昨年の台風15号の被害状況や市東さんの農作業や楽しそうな芋ほり大会の様子などを説明し「私は空港に反対するだけでなく農業もちゃんとやってます。土地を取り上げられたら陸に上がったカッパです。これからも(あの地で)安全な野菜を作り皆さんに届けます」と変わらぬ決意を示しました。
     裁判闘争から3・29へ
 「産直でいつも美味しい野菜をありがとうございます」というお礼の言葉や種子法廃止の影響などの質問が続き、最後に関西実の安藤さんのまとめで集会を終えました。
 その後約20名で近くの居酒屋に移りお待ちかねの交流会となりました。
 皆さん、安倍政権の底なしの腐敗政治を絶対許さず、新型コロナウィルスに冷静に対応しつつ、3・18、25、27と続く裁判闘争へそして3・29全国闘争へ駆けつけましょう。
 (尼崎・伊丹実行委員会『抵抗の旗』第305号より転載)

【追記】文中で訴えられている3・18新ヤグラ裁判、3・25、27請求異議裁判控訴審は、いずれも「新型コロナウィルス」を理由に、延期されました。3月内には三里塚の裁判はありません。

 

 

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