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2019年2月13日 (水)

本『ストライキしたら・・・』を読んで

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 連帯労組関西生コン支部への弾圧が吹き荒れている。この25日にも、滋賀県警は15人を新たに逮捕した(逮捕状は16人。1人は入院中で逮捕保留)。すでに逮捕者は延べで60人近くに上っている。この局面で連帯ユニオンから『ストライキしたら逮捕されまくったけど、それってどうなの?(労働組合なのに・・・)』が出版された(本体1200円)。

 19213その本の最後に、筆者の一人永嶋靖久弁護士はその自らの文章の冒頭にこう書いている。「関生支部に現在かけられている弾圧は、一時的、偶発的なものではない。今という時代に関生支部という労働組合の組織と運動そのものにかけられた攻撃だ。だから、この弾圧は、関生支部の運動の歴史の中で考えなければ、その意味が見えない。また、関生支部の運動が日本の労働運動の中でどのような位置にあるのか、そのことを考えないと、この弾圧が日本の労働運動にどういう意味を持つことになるのか、それも見えない。さらに広く社会運動全般に対する弾圧の変容という観点からも分析が必要だろう」(135頁)。

武委員長の前の逮捕(2005年)を著わした『告発!逮捕劇の深層』は読んでいたし、ミキサー車のデモや、いくつもの関西生コン主催の講演会に参加してきた。現在拘留され起訴されているNさんにいろいろ聞いてはいたので、「この関西生コンへの弾圧は、関西生コンを潰すことを目的にしているし、それは関西生コン一人の問題にとどまらない」と私自身、事態の中でこの一連の不当逮捕、弾圧に怒りをもって抗議行動に昨年以来ほとんど欠かさず参加してきた。

ただ、正直なところ、労働法規ひとつ読んだこともない、考えたこともない私には、企業経営者の協会と労働組合が協議して生コンの価格を決めていくというのが、今一つわからなかった。というより「カルテルちゃうの」という疑問があった。この『ストライキ・・・』を読んで、一言、「価格カルテルは独占禁止法が禁じているが、中小企業等協同組合法で協同組合については適用除外とされていて、大企業から中小企業を保護する役割をはたしている」(43頁)。なるほど、よくわかった。それに永嶋さんが書いておられるように、この弾圧に至る関西生コンの闘いの歴史が『告発!』ではわからなかった凄いリアリティをもって、しかもわかりやすく書かれている。なにより関西生コンと大阪広域協組との関係がよくわかった。突然始まった(と私たちには思えた)レイシストとの闘いなど、映像を観ているだけでは今一つわからなかった。関西生コン自体が業界の労働者と経営者を守ろうとして作ってきた「大阪広域協組」が、この事態に反撃を開始したゼネコンなど大手企業の差し金で、レイシストなどを引き込み、関西生コンを軸とする繋がりを関西生コンもろともに潰そうとしている「とんでもない企み」と、それに目を付けた(多分、その過程を共に進んできた)警察権力、あるいは安倍政権のなせる業だと言えるだろう。

1929_2ぜひ、みなさん、この『ストライキしたら・・・』を読んでみてください。

そして、毎週土曜日、午後1時半からの大阪府警前での抗議行動、そして滋賀と大阪の裁判、これらに足を運んでください。私はさすがに滋賀には行けていないのですが、大阪での次回公判は、大阪地裁で、515日(水)午前10時開廷です。前回公判では、大阪広域協組が動員し、開廷の2時間以上前から彼らが100人以上法廷前に陣取り、裁判所が傍聴券の配布をせずに彼らを入れるという暴挙をしましたが、関西生コンなどの抗議で、次回以降は傍聴券が配布されるようです。

また、310日(日)午後2時から、大阪市立西区民センターで『ストライキが犯罪か!労働組合つぶしの大弾圧を許さない!』310集会が開かれます。全力で集まろう!

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