耕作権裁判・口頭弁論 傍聴報告(2月18日)
千葉地裁で市東孝雄さんの南台の農地に係る耕作権裁判が、千葉地裁601号法廷で開かれました。お父さんの逝去に会った市東さんが三里塚に戻って20年が経過しますが、耕作権裁判が開始されて今月で丸12年。「不法耕作をしてきたと被告にされた」市東さんが、12年前の最初の法廷で、「なぜ、私が被告席に座らなければならないのか」と怒りの陳述をし、その怒りと「農地は、土は私の命」と訴え続けてこられた市東さんの想いが、この裁判を12年を経ながらまだ証拠調べにも入れない現実を作り出してきた。
対照的に「農地(法)裁判」は、同じ南台を空港会社の同じ主張を根拠に争われながら、多見谷裁判長によるデマと自民党安倍政権への「忖度」によって早々と判決が強行され、それを東京高裁、最高裁が「追認」することで決定され、請求異議審が開かれ、2年も審理されながら結局裁判長による多見谷判決の追認としか言いようのないでたらめ極まる判決が昨年12月20日に強行された。
この耕作権裁判と農地裁判の違いこそ、空港会社の証拠偽造、農地法違反などを根拠とするでたらめな裁判と市東さんの怒りと農民の本来あるべき「農地への想い」が裁判所に楔を打ち込み、身動きさせないでいるという現実によって生み出されたのだ。
先立って近くの中央公園で簡単な集会、その後裁判所までのデモが行われました。集会で反対同盟の萩原富夫さんから請求異議裁判の高裁による強制執行の停止と法廷が開かれることが、報告され、同時に辺野古・沖縄の県民投票の闘いをはじめとした現局面と共に闘うことが訴えられた。
裁判では、空港会社の黒塗りの証拠提出に抗議していた被告(市東さん側)から出されていた疑義に裁判所がインカメラで検討することになって提出されたものについて裁判所と被告弁護団とのやり取りがあった。その後、被告側から新しい証拠として、1963年当時、空港公団(現空港会社)が市東さんの畑などの現地調査によって作られた地図が提出された。これまで裁判では航空写真による「空中戦」のような論議をするしかなかった。しかし、新たに見つかったこの地図によって、この裁判で南台の畑中央にある農道の北側が市東さんが不法に耕作したものだとする(だから市東さんが被告に)畑が、実は1963年当時から市東さん(お父さんの東市[とういち]さん)が耕していた畑であることを示す決定的な証拠だと裁判後の報告会で一瀬弁護士が「こんなものがでてくるとは、驚いた」と感想を述べながら明らかにした。しかも、「不法」を主張する原告・空港会社(空港公団)が自ら作成した地図なのだ(右、葉山弁護士が示している黄色い地図)。
そして大口弁護士が「たしかに請求異議裁判は厳しい局面にあるが、この耕作権裁判次第でその影響を受ける。全体的に闘い、頑張ろう」とまとめられた。
この新たな局面に意を強くした、市東孝雄さんが「頑張ろう」と挨拶された。
来週、2月25日、大口弁護士の講演で「三里塚農地裁判は、いま」と題した学習会が、午後6時半からエルおおさか南館7階72号室で開かれます。集まろう!
なお、次回耕作権裁判は、5月13日(月)、次々回は、7月29日(月)、いずれも午前10時半から千葉地裁601号法廷で開廷。傍聴券の配布が15分ほど前からはじまります。
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