耕作権裁判を傍聴 (11月19日)
裁判所の異様な過剰警備
11月19日、千葉地裁民事第2部・内田博久裁判長により耕作権裁判の第39回目の口頭弁論が開かれ、関西から2名の仲間と共に傍聴闘争に参加しました。
この日は午前9時から千葉中央公園で決起集会が開かれ、関実を代表して安藤が挨拶。特に山本善偉世話人の偲ぶ会(11月3日開催)にご出席いただいた市東さん萩原さんら参加者全員で故山本世話人の遺志を受け継ぐ決意を固めたことを報告。反対同盟の呼びかけている「千葉地裁への要望書提出」を偲ぶ会参加者の皆さんに記入していただき、「強制収用するな」の思いを込めたことをアピールしました。
反対同盟の萩原富夫さんは「今日裁判所に強制収用するな、との要望書を提出して、耕作権裁判でNAAの不法を追及し、12月20日の請求異議裁判の判決で勝利しましょう」と訴えられました。
集会のあと裁判所までデモ行進が行われ、裁判所正面で二列になって「人間の鎖」をつくり、抗議のシュプレヒコールを行い、市東さん、萩原さんが中心となって1000筆をこえる「要望書」を裁判所に提出。
裁判所入口に入っていつもより大勢の職員が不当な検問にあたっていることに驚きました。いつもの倍以上30名ぐらい配備されていたと思われます。裁判の開廷冒頭に大口弁護士が裁判長に対し「あなたは今朝の異様な警備体制を知っているのか」と問いただしたところ裁判長は「知りません」と答えたので「裁判所は公平な裁判をするのではないのか、今日に限って異常な不公平な警備をするとは何事か。威圧することは許されない」と怒りをぶっつけ、傍聴席からも怒号と拍手が沸き起こりました。内田裁判長は「所長に伝えます」と弱々しく語り、この日の裁判が始まりました。
新たな「文書提出命令」申し立て
裁判所が命令しても「文書開示」を炭ぬりでごまかす原告NAAに対し、弁護団は新たな文書提出命令を申し立てました。各弁護士より「真実がバレるから出さないのだろう」「30年前の文書なのに提出を拒否する理由はないはずだ」と厳しく追及。一部の文書がやっと開示されたものの「300万円を支払った」と核心点でない内容が開示されただけです。当時の用地買収交渉や農地を確定したやりとりなど、市東さんの農地取り上げで、土地の位置が確定できていない、立ち合いも行われていない、市東東市さんの書類を偽造している(署名も印鑑も)など重大な問題がはいっている文書は炭ぬりのままです。弁護団は、この隠ぺい体質を打破しようと新たな文書提出命令を出しました。これに対し、裁判長は裁判官の裁量で隠している文書を調べる「インカメラ」審理の導入を検討し12月10日までに回答することを明らかにしました。
弁護団が新たな立証ブラン
不都合な文書を隠し続ける原告NAAとこれを擁護する姿勢の裁判所に対し、弁護団は新たな「立証ブラン」を提出し、これからの訴訟を勝利的に導こうとしています。以前の立証プランは13項目でしたが、これに加えて追加項目をいれ、各項目ごとの担当者(学者、専門家)も明らかにしたい、と説明がされました。裁判長は意外にも、この提案を受け次回弁論までに担当者名を明らかにしてほしい、と弁護団に依頼していました。次回弁論は2月18日 次々回は5月13日を決めて閉廷しました。
萩原さんが強制収用を許さないと
裁判の後で開かれた「報告会」は少し離れた千葉美術館で行われ、冒頭に市東孝雄さんから「今日はお疲れさまでした、12月20日向かって共に勝ち抜きましょう」と短い決意表明がありました。続いて葉山弁護士が1ページが真っ黒に炭ぬりされた「開示文書」を見せながら、新たな文書提出命令で追及することを強調。そして今日の異常な警備は12月20日の判決日に向けた「予行演習」ではないか、と指摘。遠藤弁護士からも「良い判決は出ない」ことを念頭にして闘おう、との呼びかけがありました。 このような発言を受けて、萩原さんが「12月6日、13日に裁判所への要望書提出活動を行い、耕作権裁判の盛り上がりで強制収用させない闘いを続けましょう」との決意を表明されました。関西実行委員会も、年末年始の闘いに取り組み市東さんの農地を守りぬきましょう。
事務局 安藤眞一
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