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2018年9月 4日 (火)

耕作権裁判を傍聴して (9月3日)

裁判長が双方に「争点の土地図面」の作成を提案

 

視覚障がい者から探知機撤去の要求

 93日、千葉地裁民事第2部・内田博久裁判長により「耕作権裁判」の第38回目の口頭弁論が開かれました。この日は午前9時から葭川(よしかわ)公園で決起集会が開かれ、1893関実を代表して安藤も挨拶。特に山本善偉世話人が逝去されたことを報告。「三里塚に思いを馳せ何度もかけつけて下さった山本先生の遺志を受け継ぐ」との追悼の言葉(抵抗の旗)を引用して、今日の耕作権裁判、927日の請求異議裁判に勝利することを訴えました。

反対同盟の萩原富夫さんは第三滑走路を阻止し、夜間飛行拡大を許さないために空港周辺の皆さんに絶対反対を呼びかけている報告をして、927請求異議裁判と1014全国闘争への結集を訴えられました。

集会のあと裁判所までデモ行進が行われ、物々しい入口検問に抗議の声をあげて通過。この時、障がい者グループが金属探知機検査のアーチが点字ブロックをふさいで設置されていることに抗議。法廷の開廷前に裁判長に対して人権侵害の暴挙を許さないぞ、と傍聴席一体となって抗議の声をあげました。これを受けて弁護団の大口弁護士が急遽内田裁判長に裁判所としての改善を早急にしなさい、と要求。裁判長は「施設長に伝えます」と渋々?回答しました。結集した皆さんは、この怒りをバネに不当な反動判決を許さない傍聴を続けました

 

文書提出命令を拒否するNAA

今回久しぶりに傍聴して「文書開示があるか」との期待を持ちましたが、NAAは裁判所の命令に従わず「文書はない」と逃げの一手です。各弁護士は「真実がバレるから出さないのだろう」「30年前の文書なのに提出を拒否する理由はないはずだ」と厳しく追及。傍聴席も「なぜ出さない」との大怒号。NAA代理人は、ひたすら下を向いて押し黙ったままでした。

この日の弁論では、最初に「そもそも市東孝雄さんの農地を農地法で取り上げようとすること自体違法だ」との主張が行われ「憲法29条(財産権の保障)に違反し、農地法5条(農地転用)にも違反し、NAAの土地収用内規38条にも違反している、だから土地の所有権移転は法的に違法であり市東孝雄さんの耕作権を取り上げることは出来ない」と法的な問題点を明らかにしました。

市東さんの農地取り上げの不正義は、土地の位置が確定できていない、立ち合いも行われていない、市東東市さんの書類を偽造している(署名も印鑑も)と重大な問題があり、加えて法律的にも違法な手続きが行われていることが暴露されました。

最期に大口弁護士から先日行われた請求異議裁判で小泉英征さんや加瀬勉さんが証言にたち、特に小泉さんから暴力的な強制執行でよねさんを追い出した非人道的な国の姿勢に言及。「あの公開シンポジウム後は強制収用の暴挙を詫びて、話し合いで解決することを国や空港公団は約束したはずだ。にもかかわらず、農地法を悪用して、話し合いを反故にして市東さんの農地を取り上げることは許せない」と声を大にして裁判長に訴えました。この火を吐くような弁論に傍聴席から盛大な拍手が鳴り響き、裁判官、NAAを圧倒しました。

今後の訴訟プランのン中で裁判長は「争点の土地確定のために共通の図面を作成したい」との提案があり、図面とトレース用紙が原告、被告双方に配られました。この図面が今後どのように影響してゆくのか、NAAの隠ぺい策動を粉砕することにつながれば、と期待しました。閉廷の時、時計を見ましたらなんと1220分、長時間でしたが集中力が途切れることなく、反対同盟、弁護団、傍聴席一体となって裁判所とNAAを押しまくった裁判だったと思います。次回は1119日、次々回は218日との期日を決めて閉廷。この後に弁護士会館で報告会が行われました(所要のため安藤は欠席)。

                       事務局  安藤眞

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