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2018年6月30日 (土)

請求異議裁判を傍聴して (6月28日)

 

早期結審の動きをはねかえす

 628日、千葉地裁民事第五部高瀬順久裁判長のもとで市東孝雄さん農地の強制執行を阻止するために「請求異議裁判」が行われました。18628_2裁判所は今回の裁判で結審させ早期に判決をくだそうとの動きをみせましたが、萩原さん市東さんの訴えや弁護団の粘り強い猛攻、傍聴闘争の盛り上がりで早期結審の動きを止めました。その結果73日に今後の裁判内容を話し合う「進行協議」が裁判所と弁護団で行われることが決まりました。
 この日の裁判に勝利しようと12時に千葉中央公園で決起集会が行われ100名以上の皆さんが集まって、反対同盟を代表してこの日証言をする萩原富夫さんが提起、それぞれから早期結審を許さず闘おうとの決意が述べられました。関西を代表して安藤から「すべての敵をなぎ倒して、18628_3勝利の日にしましょう」と挨拶。この決起集会のアナウンスが125分から始まったことに千葉警察が「15分から始めろ」と妨害に来ましたが「まだ集会は始まっていない」と押し返し集会を続行。みんなで裁判所をぐるっと回るデモ行進のあと傍聴整理券を受け取るために裁判所6階に集結。約三分の一の方が抽選もれとなり法廷内に入れませんでしたが、後での報告会を楽しみに待ちました。私は申し訳ない思いで法廷に入らせていただき、この傍聴報告を準備いたしました。
 この裁判では、次回の弁論日程が717日と決まっていますが、進行協議によっては余談を許せません。私たちはさらに傍聴闘争と市東さんの農地を守る署名を続けましょう。

 萩原さん、市東さんがNAAを圧倒

 この日の弁論は原告証人尋問で最初に萩原富夫さんが証言台に立ちました、神妙な面持ちで「宣誓書」を宣言し、各弁護士から質問、本人の回答が繰り返されました。萩原さんは産直野菜の活動を有機栽培で続けてゆく意義を述べて、成田空港の拡張で農業が破壊されてゆく懸念を証言。具体的に誘導路拡張工事のために大切な森が破壊されて、有機農業のたい肥作り用の森が使えなくなった大損失を訴えました。18628_4さらに飛行コース直下の東峰神社の木を航空機の為に勝手に伐採したNAAの違法を追及、木の根の農家上空50メートルを通過する殺人的な飛行実態を暴露、人や自然や農業を破壊する成田空港は許せない、と強く訴えました。そして今急いで市東さんの農地を取り上げる理由などない、農地強奪をするな、と裁判長に要請しました。

 続いて証言台に立った市東孝雄さんは、お父さんの跡をついで20年前に農業をはじめ、萩原さんのお父さんや、石原健二先生(農業経済学)に教えてもらいながら無農薬、有機栽培を続けていることを訴えました。この石原先生の証人調べを是非おねがいしたい、と裁判長に要請。また有機栽培で「安全で安心な農作物を作る、ウソはつかない」との証言には傍聴席から「その通り、18628_5NAAはウソつくな」との声が上がりました。さらに、お父さんが農地死守の強い遺言を孝雄さんに告げて「こんなに農地を大切に思う父が耕作権を渡すはずはない。」とNAAがウソの同意書をでっち上げてだまし取った詐欺行為を追及しました。

 このやり取りを聞きながら、被告NAAの態度を注視していましたが、3名の代理人はこちら側がしめした写真や書証を開かない、読もうとしない姿勢を示し彼らの頭には「早期結審しろ、聞きたくない」との思いがにじみ出て、厚顔無恥の姿が暴露されました。

 萩原さん、市東さんの尋問は各々90分間行われ、終了時点で大きな拍手が起こりました。

 

 尋問後のやり取りで進行協議となる

18628_6お二人の尋問が終わると裁判長は「これですべての審理を終え・・」と言うのを遮るように弁護団より、全ての審理は終わっていない、市東さんも石原先生の商人調べを要請している、など次々と発言、そして平等な訴訟指揮をしない裁判官はこの裁判にふさわしくないのではないか、と「裁判官忌避」の意向を訴えると、何裁判長は何度も左右の陪席と相談、ついに「今後のことを考える進行協議を開きたい」と弁護団に投げかけ、73日の日程が決まりました。

 この日の裁判は550分閉廷となり長い裁判でしたが、早期結審をはねのけた粘り勝ちだったことを嬉しく思いました。裁判終了後にキボール会議室では報告会が行われ、萩原さん、市東さんの挨拶のあと、弁護団全員が奮闘した報告を短く述べられました。
                      事務局 安藤眞一

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