耕作権裁判を傍聴して (5月14日)
裁判長がNAAに文書開示の勧告
裁判所の入り口検問に抗議する
5月14日、千葉地裁民事第2部・内田博久裁判長により「耕作権裁判」の第37回口頭弁論が開かれました。この日も午前9時から千葉中央公園で決起集会が開かれ、関実を代表して安藤も挨拶、夜来の豪雨もあがって、裁判所までのデモ行進が行われました。久しぶりに裁判傍聴闘争に参加して、千葉地裁の物々しい入口検問にビックリ。手荷物検査と金属探知機検査のアーチをくぐらさせられ、思わず空港の出発検査を思い出しました。こんな不当で人権侵害の暴挙を許すことは出来ません。危険な存在は不当判決をねらう裁判所であり、暴力で市東さんの農地を強奪するNAAではないのか、と怒りがこみ上げてきます。結集した皆さんは、怒りをバネに裁判に向かいました。
内田裁判長の姿勢
昨年の9月以来8か月ぶりに裁判傍聴をした安藤の感想は、前回「おまえはNAAの代理人か」とヤジを飛ばすほどNAAを庇護した言動が多くあり、問題の重要な炭塗文書開示も「原告が何度も開示しないと言っているので裁判所からは言えない」と繰り返していましたが、今回の裁判では「開示の必要性があるので任意解除してはどうか」と強く勧告。困った原告NAAは「回答は一か月待ってください」と開示の引き延ばしを諮りました。しかし一方では問題の多いインカメラ審理の言及もあり、今後も公正で民主的な訴訟指揮を追及しなければなりません。
問題の炭塗文書「乙85号証」は、2012年に下された文書提出命令によってNAAに提出させた数少ない書証の一つです。この資料は1970年当時の南台の農地について、小作者である根本、石橋、市東の三軒がそれぞれどこを耕作していたかという耕作状況を調査した図面入りの資料で、空港公団(NAAの前身)によって作成されたものです。2012年に提出された時、肝心な部分が炭塗りにされていたわけですが、市東さんの賃借地が図示されていて、それが現在の耕作場所と一致することから、市東さんにとっては決定的な証拠のひとつです。全面開示にむけて闘いましょう。
この日の裁判では、文書開示のほかNAAの偽造文書問題を追及するために、印鑑・印象の鑑定や、筆跡鑑定の問題点を弁護団が追及、また耕作地が都合よく変えられていることも指摘、その当時の交渉記録の開示も求めました。この追及にNAAは検討します、を繰り返し逃げの姿勢を示していました。次回の裁判を9月3日、次々回を11月19日との期日を決めて閉廷。
法廷後の報告会で
裁判終了後にキボールの会議室で「報告会」が行われ、最初に市東さんが「5月24日、6月28日に総決起して下さい」とあいさつ。続いて葉山弁護士より「今日はかなり突っ込んだやりとりが出来た。今後も鑑定への反論、耕作地変遷の追及、交渉記録などの開示、炭塗文書の開示を求めてゆきたい」との訴訟方針が説明されました。続いて遠藤弁護士は「数か月前まで内田裁判長は開示を拒否していたが、我々の追及におされて開示を勧告したことは前進だ」とあいさつ。大口弁護士から5月24日の裁判の為に小泉さん加瀬さんが証言してくれる準備で何度も訪問されている報告があり「お二人とも全面的に協力するとおっしゃってます」と話されました。 (事務局 安藤眞一)
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