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2018年5月29日 (火)

請求異議裁判 (5月24日)

5月24日、市東さんの農地をめぐる最高裁決定に対する請求異議裁判が開かれ、小泉英政さん、加瀬勉さんが証言され、裁判所を圧倒しました。

18524 この日、裁判に先立って簡単な集会が裁判所近くの中央公園で開かれ、裁判所までのデモが行われました。冒頭、反対同盟の萩原富夫さんは今日の裁判の重要性を訴えた上で、18524_2第3滑走路、機能強化策によって1200戸もの立ち退きが強制されようとしていることを糾弾し、闘いを訴えました。

 裁判所は、この日も、不当な検問、荷物チェックを傍聴者に強制し、証人の小泉さんにまでしようとして、弁護団がその攻撃を跳ね返しました。

 小泉さんは、小泉よねさん(大木よねばあちゃん)の「くそ袋と実さんが残していった刀で闘います」という闘いとくらしを語りながら、自らがその中で養子になった経緯を語られました。そして1971年9月20日の小泉よねさんに対する代執行、よねさんへの暴力的襲撃と自宅の破壊という代執行がよねさんに与えた影響を、そしてその二年後に亡くなられたことが語られました。

 1940年代から小泉よねさんが開墾していた畑が、1977年「開港」を理由に強制代執行が強行されました。

 小泉さんは、こうした小泉よねさんに対する1971年、77年の不当極まる代執行を裁判に訴えられ、2001年2月、2015年5月、空港会社との和解が成立しました。

 それは、よねさんの権利回復・名誉回復という生涯の課題との関係、空港建設問題における地元尊重という、公団がかってなした公約との関係、1990年代に公団が、地元はもとより日本社会全体に対して行った公約の立場を改めて評価すべきとされました。18524_3
そして「市東さんの農地明け渡しの問題と、よねの農地明け渡しの問題は非常に似ています。話し合いの努力を尽くさずに、農地法を無視して市東さんの同意を得ることなく、秘密裏に地主から土地を買い、話し合いの努力を重ねることなどなく、明け渡しを求めてきたことなど、よねの畑を強奪した手法を踏襲しています。よね問題で反省し、謝罪した精神はどこにいったのでしょうか。長い年月をかけて和解を実現した者として、とても残念な事態だと思っています」(陳述書 甲第106号証より)(右写真は、この日の裁判の報告会で挨拶する市東さん)。

 この日、二人目の証人として法廷に加瀬勉さんが立たれた。加瀬さんは農家に生まれ、今も農業に従事しながら、農村青年活動に参加されていきました。その中で、北総台地の冨里から三里塚へと変遷する東京国際空港建設への反対運動に関わって行かれた経緯をはなされました。特に北総台地が「世界で二番目の良質な土地資源を持っています。中でも関東平野は火山灰が堆積してできた関東ローム層からなり、その台地部分は畑作に最適で、谷の部分には谷津田ができ稲作に適した地域になっています」(中略)「このような貴重な土地資源である日本を代表する耕作土地を消滅させるような空港建設は、日本の農業の未来を護るためにも許してはならない」(陳述書 甲第107号証より)。

 その上で、加瀬さんは小泉よねさん支援の常駐メンバーとして小泉宅に住み込み、1971年9月20日、小泉よねさんへの強制代執行に一部始終、よねさんのそばで闘い、ともに逮捕された、その凄まじい、暴力的な現場の様子を詳しく裁判長に語りかけ、「三里塚を知らない」裁判官たちを、ある意味で震え上がらせるほどの衝撃を与えていたのです。

 その上で加瀬さんは、農地解放の中で手続きを怠り、小作のまま過ごしてきた父親の市東東市(とういち)さん、孝雄さん親子への農地取り上げの不当性を明らかにし、さらには今回新たに進められようとしている第3滑走路などの問題にも触れました(上記意見書より)。

 

 18524_4この日の裁判で、小泉よねさんへの代執行の不当性、その故の2015年の空港会社による和解と全面謝罪がおこなわれたことが明らかにされたことが非常に大きいことです。その局面の最中に(2007年~現在)、市東さんの農地取り上げの裁判が進み、2013年7月のあの不当極まる多見谷地裁判決、それを踏襲しただけの高裁判決、最高裁判決が強行されていることがどうして許されましょうか。(上写真は、裁判後の報告会)

 同時に、この国の農業、農民に対し、かくも理不尽に農地取り上げ、農業破壊が行われていることが、それも日本で最も優良な農地である北総台地で行われていることが、現下の種子法の廃止、減反制度の廃止、TPP11の強行可決が行われているただの今、問題として法廷で糾弾されたことの意義の大きさを考えなければならないのではないでしょうか。

 

 次回、請求異議裁判は、今日の証言に続いて、萩原富夫さんの証言と、市東孝雄さんの本人尋問があります。その法廷を決定的に盛り上げ、裁判所を包囲する闘いの中から、裁判所による7月17日結審の野望を打ち砕こうではありませんか。

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2018年5月26日 (土)

今週の産直野菜 (5月26日)

 三里塚から野菜が早々と届きました。多い。

 18526ズッキーニ、そら豆、赤玉ねぎ、春菊、ブロッコリー、ラディッシュ、玉レタス、キャベツ、キュウリ、ニラ、葉付きニンジン 以上 11品です。先週23日の雨のためだと思いますが、ニンジン、ラディッシュについている泥が半端じゃなかった。それで、洗ってやって衣装直しをして写真を撮っています。

 「野菜だより」にも書かれていますが、「サラダ野菜」満載。これは食べるのに苦労しない。来週は、若狭のアメーバデモで2日居ないのだが、何とかして、食べよう!

 一昨日、市東さんの農地に対する最高裁決定をめぐる請求異議裁判で、加瀬勉さん、小泉英政さんの証言があり、特に小泉(大木)よねばあちゃんの生活と、1971年9月20日の強制代執行、家と土地の強奪の不当性が暴かれました。私は、他から来た人に立ち会ってほしいという想いから、法廷の外にいて聞いてはいませんが、報告会での弁護団をはじめ皆さんが語られる雰囲気から、加瀬さん、小泉さんの証言が法廷と裁判官たちを圧倒したことを感じました。

次回は、6月28日(木)午後2時から千葉地裁、601号法廷です。先立って集会が正午から近くの公園(中央公園か葭川公園)で開かれ、デモで裁判所に向かいます。傍聴券の配布・抽選がありますので1時半までに裁判所に行く必要がありますが、最近の千葉地裁の不当な入所にあたっての検問がひどいために時間がかかりますので、余裕をもってお出でください(もちろん、毎回弁護団を先頭に不当検問に対する抗議の闘いが取り組まれています)。関西からも、この傍聴券配布までなら行けます(頑張れば集会からも)。ぜひ、行きましょう! 一昨日も、数十人の人が傍聴できなかったですが、そのことが必要です。裁判所を包囲するような、怒りの輪を実現できればと念じています。

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2018年5月19日 (土)

今週の産直野菜 (5月19日)

 

先ほど三里塚から野菜がとどきました。

 

 18519ニラ、葉付きニンジン、赤玉ねぎ、スナップエンドウ、ラディッシュ、山東菜、玉レタス、ソラマメ、カブ、以上9品です。

 

 来週5月24日は、いよいよ市東さんの農地の強制収用(最高裁決定)を許すのかどうかをかけた請求異議裁判の証人尋問が始まります。次回は、小泉英政さんと加瀬勉さんです。

 

 裁判所は、次々回、萩原富夫さんと本人の市東孝雄さんへの尋問で打ち切り、結審へ進もうとしています。それを許さないためにも、『野菜だより』も訴えていますように次回の裁判への傍聴を先頭とした裁判所包囲の取り組みが重大になっています。正午、中央公園に(集会とデモ)。そして1時半裁判所1階ロビーにお集まりください。

 

 そのためにも市東さん、萩原さんが作ったこの野菜たちを食べて、と思っていたのですが、明日は朝から「狭山再審を求める市民の会こうべ」の神戸駅前での座り込み行動。私はそれを中座して、「若狭の原発を考える会」のアメーバデモに、翌日まで。その翌日は、「大飯原発うごかすな!実行委員会」の会議が京都で。23日は、朝から出かけて日比谷野外音楽堂での狭山全国集会とデモ。その翌日が、千葉で請求異議裁判。ほとんど家にいない!

 

 さあ、どうしよう・・・。

 

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「成田空港機能強化」合意について  関実ニュース164号より

「成田空港機能強化」合意について

  ― 地域社会を崩壊させる激甚騒音の拡大・深刻化

去る3月13日、成田空港の航空機発着容量を増やす計画をめぐり、国と千葉県、空港周辺9市町、成田国際空港会社は合意した、とのニュースを聞き、怒りがこみあげてきました。またしても住民の声を抹殺する暴挙であり断じて認めるわけにはまいりません。4月1日反対同盟の全国集会で基調報告にたった萩原富夫さんは「横芝光町の佐藤町長が激しい住民の怒りを前にして、一時は「留保」姿勢を見せましたが、商工会などの圧力に屈して合意にいたりました。しかし、これで終わりではありません。これからが本当の闘いです。50年前と何ら変わらぬ住民無視の暴挙と対決し、新たな北総住民の反乱を巻き起こしましょう」と抗議の意思を示し、住民と共に闘う決意を表明されました。私たちも関西で成田空港機能強化(夜間便増大と第三滑走路新設・B滑走路の延伸)の悪政をはのける闘いを続けましょう。

 深夜便による生命蹂躙と生活破壊

 日本の内陸空港のほとんどが夜間飛行の制限を守っています。とりわけ伊丹空港(大阪空港)では夜9時以降あさ7時までの飛行は禁止されています。これは殺人的な空港騒音の生活破壊と人権蹂躙が続く同空港の夜間飛行禁止を求めて周辺の住民が訴訟を起こし、1975年11月大阪高裁は「夜9時以降翌朝7時まで飛行禁止」の判決をくだし、国もこれに従って40年以上守っています。周辺住民のことを配慮する当然の政策です。しかし、成田空港では同じ内陸空港なのに1978年の開港以来、夜11時以降翌朝6時までの空港会社優先の短い飛行制限で運用を続け、地元成田や周辺住民に激甚な航空機公害を垂れ流してきました。Photoこのことを反省することなく、「成田空港は国際線基幹空港として、国内外100都市以上と結ばれており、日本の空の表玄関としての役割を果たしています。今後も増加が予測される首都圏の航空需要に対応し、成田空港がその役割を果たしていくためには、周辺地域との共生・共栄を図りつつ、成田空港の一層の機能強化を図ることが必要です」と国・空港会社、千葉県を中心として反動的な機能強化策がごり押しされています。

 千葉県の「ハブ空港としての成田空港、今後も拡大する航空需要、だから第三滑走路建設、深夜便拡大」との掛け声は、説得力のない絵空事であり、羽田空港の拡張に焦りを募らせている悪あがきと言わねばなりません。

 国の環境省自身が機能強化策に対し環境悪化の懸念を示しています。「成田空港本事業の実施に伴い、航空機の年間発着回数が現在の25万回から最大50万回に増加するため、航空機の発着回数の増加に伴う騒音の発生、温室効果ガスの排出、大気汚染物質の排出等による影響が懸念される。特に、航空機騒音については、空港周辺の測定地点における環境基準の達成状況が平成26年度時点で61%であり、航空機の発着回数の増加により騒音が影響を及ぼす範囲の拡大及び飛行経路周辺における騒音レベルの増大が生じ、周辺の生活環境が更に悪化するおそれがある」(2016年8月18日環境大臣の意見書より)と意見を述べるほど広範な環境破壊が予想されるのに、利権第一で、あわよくば周辺住民と空港反対同盟の闘いをつぶそうとしているのです。

 

 「静かな空を壊さないで」- 周辺住民の声広がる

 この機能強化の強引な策動に対し、周辺住民の皆さんの怒りが広まっています。反対同盟は宣伝カーをもちいて広範囲に街宣活動を行い、共に闘う陣形を作りつつあります。先日関西から仲間と共に三里塚の現地調査に訪れた事務局の松原さんが「芝山町のあちこちに、飛行時間延長反対の大看板があつた」と報告してくれました。

 一昨年の関実ニュースに安藤は横芝光町で反対の声を上げている農家Aさんの声を紹介しました。「静かな夜を壊さないで」この声こそ住民の生活をかけた意思だと思います。横芝光町をはじめ多くの自治体での説明会で、住民の反対の声が発せられたことをマスコミは報道しています。にも拘わらず、性急にすすめようとしている国、自治体の動きを許してはなりません。かつて国自身が「強引な空港つくりをしません」と反対同盟の皆さんに謝罪し約束したことをどう考えているのでしょうか。

反対同盟は周辺住民の怒りに応えて、市東さんの農地を守る闘いを中心に頑張り続けています。私たちも、関西で運動を広げ、市東さんの裁判傍聴、署名活動、学習会などを精力的に取り組みましょう。 

                  (安藤眞一)

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2018年5月16日 (水)

耕作権裁判を傍聴して (5月14日)

裁判長がNAAに文書開示の勧告

 

裁判所の入り口検問に抗議する

 514日、千葉地裁民事第2部・内田博久裁判長により「耕作権裁判」の第37回口頭弁論が開かれました。この日も午前9時から千葉中央公園で決起集会が開かれ、18514関実を代表して安藤も挨拶、夜来の豪雨もあがって、裁判所までのデモ行進が行われました。久しぶりに裁判傍聴闘争に参加して、千葉地裁の物々しい入口検問にビックリ。手荷物検査と金属探知機検査のアーチをくぐらさせられ、思わず空港の出発検査を思い出しました。こんな不当で人権侵害の暴挙を許すことは出来ません。危険な存在は不当判決をねらう裁判所であり、暴力で市東さんの農地を強奪するNAAではないのか、と怒りがこみ上げてきます。結集した皆さんは、怒りをバネに裁判に向かいました。

内田裁判長の姿勢

 昨年の9月以来8か月ぶりに裁判傍聴をした安藤の感想は、前回「おまえはNAAの代理人か」とヤジを飛ばすほどNAAを庇護した言動が多くあり、問題の重要な炭塗文書開示も「原告が何度も開示しないと言っているので裁判所からは言えない」18514_2と繰り返していましたが、今回の裁判では「開示の必要性があるので任意解除してはどうか」と強く勧告。困った原告NAAは「回答は一か月待ってください」と開示の引き延ばしを諮りました。しかし一方では問題の多いインカメラ審理の言及もあり、今後も公正で民主的な訴訟指揮を追及しなければなりません。

問題の炭塗文書「乙85号証」は、2012年に下された文書提出命令によってNAAに提出させた数少ない書証の一つです。この資料は1970年当時の南台の農地について、小作者である根本、石橋、市東の三軒がそれぞれどこを耕作していたかという耕作状況を調査した図面入りの資料で、空港公団(NAAの前身)によって作成されたものです。2012年に提出された時、肝心な部分が炭塗りにされていたわけですが、市東さんの賃借地が図示されていて、それが現在の耕作場所と一致することから、市東さんにとっては決定的な証拠のひとつです。全面開示にむけて闘いましょう。

この日の裁判では、文書開示のほかNAAの偽造文書問題を追及するために、印鑑・印象の鑑定や、筆跡鑑定の問題点を弁護団が追及、また耕作地が都合よく変えられていることも指摘、その当時の交渉記録の開示も求めました。この追及にNAAは検討します、を繰り返し逃げの姿勢を示していました。次回の裁判を93日、次々回を1119日との期日を決めて閉廷。

法廷後の報告会で

裁判終了後にキボールの会議室で「報告会」が行われ、最初に市東さんが「524日、18514_3628日に総決起して下さい」とあいさつ。続いて葉山弁護士より「今日はかなり突っ込んだやりとりが出来た。今後も鑑定への反論、耕作地変遷の追及、交渉記録などの開示、炭塗文書の開示を求めてゆきたい」との訴訟方針が説明されました。続いて遠藤弁護士は「数か月前まで内田裁判長は開示を拒否していたが、我々の追及におされて開示を勧告したことは前進だ」とあいさつ。大口弁護士から524日の裁判の為に小泉さん加瀬さんが証言してくれる準備で何度も訪問されている報告があり「お二人とも全面的に協力するとおっしゃってます」と話されました。             (事務局 安藤眞一)

 

 

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2018年5月14日 (月)

重大な局面を迎えた請求異議裁判 (関実ニュースより)

 重大な局面を迎えた請求異議裁判
 「国策」による農地強奪を許すな!

 すでに報じられているように、市東さんの農地をめぐる最高裁決定による強制収用が非常に具体的様相を帯びてきました。
 この過程、市東さん、反対同盟、弁護団の必死の闘いが最高裁決定を、請求異議裁判という形で押し返してきました。しかし、昨年末の法廷で、裁判所は「次回法廷での萩原富夫さんと市東孝雄さん本人の証人尋問で終わらせる」と早期判決の意志を突然明らかにしました。弁護団を先頭にした傍聴席を含むわれわれの必死の闘いが、5月24日(午後2時から)加瀬勉さん、小泉英政さんの証人採用、6月28日(午後2時から)萩原富夫さん、市東孝雄さんの証人採用というところまで、裁判所を押し返しました。その上で、裁判所は、あくまで「国策裁判」として最高裁決定をおしきるために、弁護団による抗議を無視して、7月17日の結審強行をいまだに匂わせています。極めて重要な局面にあるということをあらためて皆さんに訴えます。

 嘘で固めた農地裁判
 
そもそもこの市東さんの農地をめぐる農地法裁判は、2013年7月29日に強行された千葉地裁多見谷裁判長による不等・不法な反動判決に依拠して、高裁決定、最高裁決定が強行されました(多見谷裁判長が、この判決を根拠に直後に東京高裁に栄転し、さらにすぐ、福岡高裁那覇支部所長に転出し、辺野古をめぐる不当判決など犯罪的役割を果たし続けていることはご存じのとおりです)。
 Jpg農地裁判では、市東さんの南台の農地と天神峰農地と作業場(市東さんの自宅前)の明け渡しが求められています。右図は、その南台の空港会社が出してきた図面です。そのうち、図の「41‐8」と「41‐9」を市東さんが借りて耕している農地だとしています。
 また、空港会社は、図の薄い色の部分の農地を市東さんが不法に無断で耕してきたとして「不法耕作」と断じ、別の裁判(耕作権裁判)で訴え、すでに11年以上が経過してなお、千葉地裁で争われています。しかし、この耕作権裁判がまだ証人尋問にも入れない最大の理由が、この農地図の根拠として出してきた証拠の「境界確認書」などが空港会社が偽造した疑いが大きくなり、空港会社がこの指摘に対応できないからです。
 また、農地「41‐9」は、市東さん親子3代が100年にわたって一度も耕作したことがなく、故石橋政次が借りていたことが裁判の中で明らかになっています。このように裁判の大前提となる地割図面がまったくでたらめで、そもそも裁判自体が成り立たないはずなのです。2013年の多見谷判決とは、これらの事実が明らかになる過程で、それらを無視して、一切の審理を放棄して強行された判決であり、到底許されるものではありません。そもそも、裁判の前提となる成田市農業委員会の決定や千葉県農業委員会の決定が、耕作者であった市東孝雄さんの立ち会いもないまま、千葉県に至っては現場検証すら行なわず、空港会社のこの図面を鵜呑みにして決定を強行したのです。これ自体が違法・無法な暴挙です。
 加えて空港会社がこの市東さんの農地を取得したのが1988年です。しかし、この時、耕作者の故市東東市(とういち 孝雄さんのお父さん)さんの立ち会いもなく、農業委員会に届け出ることも行われませんでした。これは耕作者主権を定めた農地法の趣旨に違反しています。しかも、空港会社は取得後15年間その事実を隠し、市東さん親子は旧地主に地代を払い続けていたのです。こんなひどい詐欺まがいのことが、「国策」の名のもとに行われることがどうして許されるでしょうか。また農地法では、この当時は農地を取得する法人はその農地が所在する都府県に法人登記されていなければならないとされていました。当時空港公団(後の空港会社)は東京にあり、当然千葉県には登記されていません。このように空港会社による市東さんの農地取得は、それ自体が二重、三重に農地法に違反する犯罪行為なのです。
 請求異議裁判が、このように出鱈目な多見谷判決を根拠とした最高裁決定を是とする判決を強行することなどどうして許されましょう。「国策」の名の下に、このような違法行為、不法行為を根拠とした市東さんの農地の強制収用、強奪がどうして許されましょう。
 多くのみなさんが、5月24日、6月26日公判に結集し、裁判所の不法、農地の強制収用決定を許さない陣形を生み出すことを心から訴えます。当日は、裁判所近くの公園で正午から集会、デモを行い、裁判所の傍聴闘争に参加することになっています(詳細不明)。行ける方は正午に千葉へ! (松原康彦)

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2018年5月12日 (土)

今週の産直野菜 (5月12日)

 三里塚から野菜が少し遅れて届きました。
 18512ラディッシュ、山東菜、ホウレン草、ニラ、サニーレタス、小松菜、スナップエンドウ、カブ 以上8品です。

 野菜の量が半端じゃない。サラダの大盛りや、湯がいたり、炒めたり、食べるのに必死です。忙しくても外食なんてとんでもない、用意する時間さえあれば弁当でという気分になります。

 2週間前の「現地調査」で市東さん、萩原さんの畑を回りましたが、きれいな畑に野菜が見事に育っていました。参加されたみなさん、土を触り、その感触に感嘆。

 そのみなさんの感想もいただいて、関西実行委の18511「実行委ニュース」第164号が昨日、仕上がりました。発送作業が遅れましたので、みなさんのところには明日以降になります。

 巻頭は「重大な局面を迎えた請求異議裁判」、そして「成田空港機能強化合意について」「4・1全国集会報告」など、それに現地調査の感想と内容豊富に12ページです。

 まずは5月24日の請求異議裁判、加瀬勉さん、小泉英政さんの証人尋問。全力で、千葉地裁に結集しましょう!

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2018年5月 5日 (土)

今週の産直野菜(5月5日)

 三里塚から野菜が届きました。1855 手違いと、三里塚現地調査に出かけていたことから三週間ぶりの野菜。その間に「端境期」を通り過ぎて、大きな箱に一杯の野菜たち。すごい!

 写真左上から、スナップエンドウ、サニーレタス、小松菜、ホウレン草、ラディッシュ、キャベツ、ニラ、レタス、大根 以上9品です。野菜漬けの毎日になりそう。頑張るぞ!

 

頑張るという意味では、市東さんの農地をめぐる最高裁決定に対する請求異議裁判がいよいよ重大な局面を迎えました。裁判所は、5月24日、6月28日の二日間の証人調べ、1855_2 それも半日ずつしかとらないで、7月17日に一気に結審に持ち込もうとしています。当面の法廷、5月24日には、三里塚の前の冨里時代からこの問題に関わってこられた加瀬勉さんと、唯一自宅を強制収用された(1971年)小泉よねさんの遺志を引き継ぎ、空港会社を謝罪させ和解に追い込んだ(2015年)小泉英政さんの証言です。

ぜひ、注目し、可能な方は傍聴に駆け付けよう!

法廷は、午後2時から。傍聴券配布の関係で1時半までに千葉地裁1階ロビーへ。また先立って、近くの公園で簡単な集会を開き(正午と思いますが、場所未定)、裁判所までデモを行います。

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