« 今週の産直野菜 (3月10日) | トップページ | 今週の産直野菜 (3月17日) »

2018年3月15日 (木)

四者協議の暴挙を許すな!

 若狭の大飯原発再稼働阻止のたたかいに二日出かけ、昨日午後5時の段階で「再稼働」が強行されたのを聞き、怒りのシュプレヒコールを原発ゲート前で上げてきて帰ってきた。たどり着いた我が家でこの日の朝日新聞の報道を見て、驚いた。「成田3本目滑走路 決定」「地元合意 運用時間も拡大」の見出しが躍る記事が。実は、一昨(13日)夜、テレビで「四者協議会(国交省、NAA、千葉県、9市町協議会)が合意」というテロップが流れたのは見ていたが、交流会の最中でもあり、詳しくはわからないながら「地元の9市町協議会が同意できないのに強行するのか」と思っていた。

 ところが同新聞を読むと、9市町の中で横芝光町の佐藤町長が判断を保留し、5日に予定されていた「四者協議」が流会したことまでは知っていたが、わずか一週間後の12日に横芝光町の佐藤町長が翻意し同意し、急きょ翌日13日にひらかれた四者協議で決まったというのだ。

 新聞(「18.3.14朝日新聞.pdf」をダウンロード)の図面でもわかるとおり、3本目の滑走路というのは、1966年に閣議決定された成田空港の範囲を完全に逸脱している。18314「新しい空港」ともいうべきものなのだ。その決定を、閣議も開かず、国会での審議もしないまま、国交省が加わっているとはいうものの単なる民間の協議機関でしかないはずの「四者協議」ですべてが進められ、決定されていることに非常な違和感を覚える。慌てて関連する新聞資料を送ってもらいざっと見てみたが、5日の「四者協議」の破綻の後、地元の商工団体青年部などが暗躍し、膨大な金と佐藤町長を取り囲んだ威圧、恫喝が繰り広げられたのだろうことが容易に想像される。それがわずか7日の間の激変ということであったのだろう。

 先にも触れたが、「新しい空港」を作るには膨大な地域の農地や住宅が、単なる民間団体の決定で立ち退かなければならない。こんなことがなぜ許されるのか。確かに、当該地域の農家が高齢化し、後継者がなく高い補償金で出ていく意向だと言われる。しかし、これ自体が長い時間をかけた日本の農業破壊の農政のなせる業ではなかったのか。一部大資本が儲けのために住民の暮らしや人権を顧みないことによって生み出されたのではないのか。だからといって、その上、このような理不尽なことが許されるのだろうか。しかも、完全な内陸空港でありながら、夜間制限は、このことと併せてわずか4時間半に縮小されるという。ここには、住民が眠れなくなり健康を害され出ていくことによって空港使用の24時間化が目論まれていると考えざるをえない。こんなひどいことが社会問題にされ、論議されることなくごく一部の行政を巻き込み、国やNAA(空港会社)によって目論まれていることに激しい怒りを覚える。

 ちょうどこのとき、千葉地裁で三里塚の市東孝雄さんの農地強奪を違法な裁判手続きで奪うことに手を貸した(現在、最高裁決定に対して請求異議裁判が闘われているが)多見谷裁判長が栄転した沖縄の裁判所で、一昨日、沖縄県による辺野古埋立差し止めの仮処分が棄却され、昨日には山城さんなどが執行猶予がついているとはいえ、実刑判決が下されるという極めて反動的な、政府(行政)に癒着し忖度するひどい裁判所の姿が明らかになった。

 そして、もんじゅでナトリウムの処理の方法が全くないまま毎日膨大な税金が投入されて放置されているとか、使用済み燃料や放射性廃棄物の処理が、満杯のため行き詰り始めている中で、再稼働を強行するというとんでもない「国策」に自らの企業の延命をはかる関西電力という企業。

 森友問題でぐらぐらになっている安倍政権が、なおも生き残ろうと蠢くわずか2日の間に、こうしたことを次々と突きつけられる中で、私は涙を流しながら怒りのシュプレヒコールを大飯原発ゲート前であげていた。どうしてやろうというものは、残念ながら見えてはいない。

 しかし、「あきらめずにやろう!」という想いはかってなく激しく燃えた。

|

« 今週の産直野菜 (3月10日) | トップページ | 今週の産直野菜 (3月17日) »