耕作権裁判を傍聴して (2月19日)
昨日19日、千葉で市東さんの農地が不法耕作だとする「耕作権裁判」の口頭弁論が開かれた。
裁判に先立って、千葉中央公園で簡単な集会が開かれ、裁判所までのデモをしながら、千葉市民に市東さんの問題を訴えた。
裁判所に行って驚いたのは、金属探知機を用意してガチガチに裁判所が構えていることだった。その異様さに彼ら裁判所自体が馴染まないのか、傍聴の前と、後に二度も検査を行い、しかも荷物を開けさせるという令状なしの人権侵害を行った。あちこちで抗議と罵声が飛び交った。(左下写真の背中が集会での市東さん)
裁判が始まって、弁護団がこの異様な事態を、40分以上にわたって内田裁判長に抗議した。「管理の問題で関知しない」という裁判長のふざけた態度に傍聴席もヤジと怒号。追い詰められた裁判長は、「合議します」と退廷し、その結果、「管理の方に、みなさんの意見を伝えます」と事態を収拾せざるを得なかった。
後で、この事態があの「サリン事件」(1995年)以来東京地裁で続けられ、最近の仙台裁判所で起こった事件をきっかけに、仙台はもとより、横浜、大阪などでも荷物の検査も含めて広がり、千葉でもこの2月から始まったというのを知った。三権分立の「建前」をかなぐり捨て、今や裁判所が「治安の尖兵」となった象徴的事態だと怒りを持って思った。
ようやく始まった耕作権裁判の口頭弁論で、弁護団から要求されていた市東さんの農地をめぐる「買収交渉経緯の記録」をNAA(成田空港会社)が持っていないという、どこにもないという答弁を繰り返す。国会での森友事件を連想するような「ありえない」弁論に、傍聴席の怒りは高まる。「それなら提訴を取り下げろ!」と。
法廷後、弁護団と市東さんは、先日の請求異議裁判で結審をにおわせた高瀬裁判長に対し、証人尋問などの実質審理を強く申し入れ、萩原さん、市東さんのほかに小泉英政さん、加瀬勉さん、憲法学者の内藤光博さんなどの証人採用を求めた。高瀬裁判長は、小泉さんの採用を匂わせながら、その上で、証人尋問の審理は、5月21日か24日の午後から半日だけにするという意図を明らかにした。具体的には、次回の3月8日の弁論の上で裁判長の訴訟指揮として決めると。(左下写真は、報告会で挨拶する市東さん)
特に小泉さんは一昨年までの裁判で中で、空港会社NAAに、大木よねばあさんに対する強制執行(1971年)は間違いだったと謝罪をさせ、和解した。この同じ時期に、強制収用を意図した市東さんへの農地裁判の攻撃、最高裁決定があり、このダブルスタンダードを許さないという上で、非常に重要なのだ。
3月8日、請求異議裁判での高瀬裁判長の恣意的な判断を許さない、法廷のみならず、裁判所を包囲するような迫力ある闘いが必要となっている。3月8日、千葉地裁に集まろう! 9時に中央公園へ!
なおこの日、芝山で9市町による「成田空港圏自治体連絡協議会」が開かれ、成田空港の「機能強化」と「第3滑走路建設」に向けた話し合いが行われた。反対同盟と支援連のみなさんは、裁判報告会後、千葉駅頭での市東さんの署名活動と、芝山町での「協議会」への抗議活動に二手に分かれて行動した。
地元住民の声を無視し、「機能強化」「第3滑走路建設」にむけ押し渡ろうとするこの蠢きに対し、3月4日、5.4キロの芝山町現地での抗議デモが重要になっています。関西からも、3・4、3・8の連続闘争を闘いぬき、4月1日、成田市栗山公園での全国総決起集会に集まろう!
なお、耕作権裁判の次回口頭弁論は、5月14日、次々回は9月3日、それぞれ午前10時半から601号法廷で。
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