最高裁の棄却決定弾劾!
最高裁の棄却決定弾劾!
裁判による農地取り上げを許せるか!
市東さんの農地を守ろう
(関実『実行委ニュース』巻頭を転載)
最高裁判所第3小法廷は、10月25日、市東孝雄さんの農地に係る農地裁判(行政・農地法併合裁判)での市東さんの上告を棄却しました。怒りをこめてこの不当決定に抗議します。同時に、私たちは反対同盟が直ちに出した弾劾声明(別掲)を全面的に支持します。
特に南台の農地については、一部が、空港会社によって「不法耕作」だと断じられ(06年2月)、「耕作権裁判」として千葉地裁で今も争われています。この裁判で農地裁判とともに、空港会社が唯一ともいえる「証拠」として出していた市東さんのお父さん(東市さん)と地主が空港会社と交わしたとされる「境界確認書」などが空港会社によって偽造されたものであることが明らかとされています。また、1988年の空港会社(当時、空港公団)が、市東さんの農地を取得したという「事実」が農地法、そして憲法に違反する脱法行為であったことも明らかとなって、耕作権裁判で争われています。こうした裁判を維持することさえできないような様々な事実が明らかとなってきた時点で突然、農地裁判を打ち切り、不当な判決を行ったのが多見谷寿郎千葉地裁裁判長でした(14年8月)。多見谷は、ご存知のようにこの9月16日沖縄の辺野古の「翁長知事による認可取り消し」を、事実審理を行うことなく国の起訴状になぞり、そこに書いていないことまで作文して「違法」とした「ヒラメ」と言われる男です。
こんなデタラメな地裁決定を東京高裁が追認し(15年6月)、そして最高裁が今回追認したのです。裁判そのものの大前提である取り上げようとしている農地の位置が正しく特定できていない、間違っているのですから、少なくとも最高裁は、現在係争中の耕作権裁判の推移を見守ることが最低限その任務だったはずです。それを無視し、「空港拡張が国策だから」と裁判所の力で農地の強制収用を行おうとすることなど到底許されることではありません。
農地はいのち
農地は農民のいのちです。しかも親子3代、100年近くも耕されてきた豊かな一級農地を、空港の拡張=国策を理由に奪おうなどという暴挙が許されていいはずはありません。それも国が取り上げるために犯罪と違法を犯して。
国是とも言うべき「三権分立」が形骸化したと言われて久しいですが、しかし、それでもこんな暴挙がゆるせるはずはありません。人がどうなろうが、国はやりたいことをやるという今のアベ政治を、裁判所が、最高裁が追認する、こんな政治を許してはなりません。
沖縄と福島とともに
「国策」を理由に、沖縄の辺野古で、高江で、沖縄の民意を無視した米軍基地建設の暴挙が、警察・機動隊の暴力支配を背景に、将来の自衛隊使用をも射程に入れて進められています。琉球処分以来の沖縄への差別支配を、私たちはこのまま許すのか。島ぐるみのたたかいを実現し、不当逮捕・長期勾留の脅しをはね返し、毎日実力で高江に座り込んでいる人びとに私たちはどう応えるのか。
また、福島では、放射能の汚染が5年経ってなお深刻な状態にあります。一般の居住環境の放射線量は、年間1ミリシーベルトなのに、福島だけが20ミリシーベルトを、なぜ、強制され、帰還が求められるのか。そして、そんな段階であるにも関わらず、仮設住宅や県外避難者への支援が打ち切られようとしています。こんな理不尽な仕打ちが、どうして国や自治体によって住民に強制されるのか。これも東京オリンピックを背景とした「放射能はコントロールされている」なる虚構=国策を強制するためです。
私たちは、こうしたデタラメを、国策の為には人々のくらしや権利が踏みにじられても構わないと押し通そうとする、そうした最たるものとして、今回の最高裁決定があることをだんじてゆるせません。
市東さんの農地の強制収用は断じて許しません。
私たちは、全力で三里塚反対同盟のみなさんとともにたたかいます。
そして沖縄の辺野古、高江のたたかいをともにたたかいます。福島のみなさんのくらしを守るために、ともにたたかいます。
(関実事務局・松原康彦)
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