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2016年11月30日 (水)

最高裁の棄却決定弾劾!

最高裁の棄却決定弾劾!
裁判による農地取り上げを許せるか!
市東さんの農地を守ろう

              (関実『実行委ニュース』巻頭を転載)

 最高裁判所第3小法廷は、10月25日、市東孝雄さんの農地に係る農地裁判(行政・農地法併合裁判)での市東さんの上告を棄却しました。怒りをこめてこの不当決定に抗議します。同時に、私たちは反対同盟が直ちに出した弾劾声明(別掲)を全面的に支持します。
 特に南台の農地については、一部が、空港会社によって「不法耕作」だと断じられ(06年2月)、「耕作権裁判」として千葉地裁で今も争われています。この裁判で農地裁判とともに、空港会社が唯一ともいえる「証拠」として出していた市東さんのお父さん(東市さん)と地主が空港会社と交わしたとされる「境界確認書」などが空港会社によって偽造されたものであることが明らかとされています。また、1988年の空港会社(当時、空港公団)が、市東さんの農地を取得したという「事実」が農地法、そして憲法に違反する脱法行為であったことも明らかとなって、耕作権裁判で争われています。こうした裁判を維持することさえできないような様々な事実が明らかとなってきた時点で突然、農地裁判を打ち切り、不当な判決を行ったのが多見谷寿郎千葉地裁裁判長でした(14年8月)。多見谷は、ご存知のようにこの9月16日沖縄の辺野古の「翁長知事による認可取り消し」を、事実審理を行うことなく国の起訴状になぞり、そこに書いていないことまで作文して「違法」とした「ヒラメ」と言われる男です。
 こんなデタラメな地裁決定を東京高裁が追認し(15年6月)、そして最高裁が今回追認したのです。裁判そのものの大前提である取り上げようとしている農地の位置が正しく特定できていない、間違っているのですから、少なくとも最高裁は、現在係争中の耕作権裁判の推移を見守ることが最低限その任務だったはずです。それを無視し、「空港拡張が国策だから」と裁判所の力で農地の強制収用を行おうとすることなど到底許されることではありません。

  農地はいのち
 農地は農民のいのちです。しかも親子3代、100年近くも耕されてきた豊かな一級農地を、空港の拡張=国策を理由に奪おうなどという暴挙が許されていいはずはありません。それも国が取り上げるために犯罪と違法を犯して。
 国是とも言うべき「三権分立」が形骸化したと言われて久しいですが、しかし、それでもこんな暴挙がゆるせるはずはありません。人がどうなろうが、国はやりたいことをやるという今のアベ政治を、裁判所が、最高裁が追認する、こんな政治を許してはなりません。

  沖縄と福島とともに
 「国策」を理由に、沖縄の辺野古で、高江で、沖縄の民意を無視した米軍基地建設の暴挙が、警察・機動隊の暴力支配を背景に、将来の自衛隊使用をも射程に入れて進められています。琉球処分以来の沖縄への差別支配を、私たちはこのまま許すのか。島ぐるみのたたかいを実現し、不当逮捕・長期勾留の脅しをはね返し、毎日実力で高江に座り込んでいる人びとに私たちはどう応えるのか。
 また、福島では、放射能の汚染が5年経ってなお深刻な状態にあります。一般の居住環境の放射線量は、年間1ミリシーベルトなのに、福島だけが20ミリシーベルトを、なぜ、強制され、帰還が求められるのか。そして、そんな段階であるにも関わらず、仮設住宅や県外避難者への支援が打ち切られようとしています。こんな理不尽な仕打ちが、どうして国や自治体によって住民に強制されるのか。これも東京オリンピックを背景とした「放射能はコントロールされている」なる虚構=国策を強制するためです。
 私たちは、こうしたデタラメを、国策の為には人々のくらしや権利が踏みにじられても構わないと押し通そうとする、そうした最たるものとして、今回の最高裁決定があることをだんじてゆるせません。
 市東さんの農地の強制収用は断じて許しません。
 私たちは、全力で三里塚反対同盟のみなさんとともにたたかいます。
 そして沖縄の辺野古、高江のたたかいをともにたたかいます。福島のみなさんのくらしを守るために、ともにたたかいます。  
                    (関実事務局・松原康彦)

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2016年11月28日 (月)

実行委ニュース第158号 今日、発行

161128158 実行委ニュース第158号が、今日、発行され、みんさんのところへクロネコで送られました。

 巻頭は、最高裁による「上告棄却」を弾劾し、『裁判による農地取り上げを許せるか! 市東さんの農地を守ろう』と反対同盟の『最高裁「抗告棄却」決定を弾劾する』
 10・9三里塚全国集会の報告が『農地取り上げ反対の闘いを前進させよう』と、尼崎・伊丹実行委員会の『抵抗の旗』の転載。
 「関実ブログ」から 『市東さんの会シンポジウム』に参加して。
 『成田空港の第三滑走路計画は、農業破壊と騒音地獄を作りだす』と安藤眞一さんの渾身の論。
 『1・30耕作権裁判を傍聴しよう』
 『2・12集会に賛同しよう』
 『40回目の団結野菜市を成功させよう』
最後は、 『冬期カンパ&賛同会費のお願い』

 どうやら最高裁の「報告棄却」を根拠に空港会社NAAが動き出したようだ。12月4日の現地緊急集会、12月5日の「やぐら裁判」に集まろう! 最高裁の「上告棄却」攻撃をはね返す流れを作ろう!

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2016年11月26日 (土)

今週の産直野菜 (11月26日)

161126 今日は年末の「お歳暮」さわぎのせいか、野菜が午前中に届かず、辺野古神戸行動、「相模原事件を考える」集会に参加して、帰ってきたら届いた。

 それでもニンジンや芋などドロドロ。雨だったのでしょうね。大騒ぎになった雪かな? それに、時期にしたら葉物が少ない。水菜も傷んでいる。

 まあ、いいか、キャベツで。

 ようやく関実のニュース『実行委ニュース』158号が来週発送作業ですが、年末の団結野菜市が、今年も取り組まれます。40回目です。
 いつもの明石教会に荷受けして、各地、各団体に分けるという従来のやり方を断念し、現地から各家庭、団体に宅急便で配達する方法に変わりました。詳しくは『実行委ニュース』添付資料をご覧ください。

 最高裁の「上告棄却」と闘う市東孝雄さん、そして萩原さんのたたかいに連帯し、支えるために、団結野菜市に取り組みましょう。

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2016年11月22日 (火)

市東さんの会シンポジウム (11月20日、東京)

161120
 11月20日、市東さんの農地取り上げに反対する会主催の恒例のシンポジウムが「百年を耕す めげるヒマなし! -三里塚・市東さんの農地闘争-」と題して、東京の千駄ヶ谷区民会館で開かれた。161120_2

 会場は原宿のJRの駅近くで、その人の多いのにびっくり。集会の基調を、同会事務局の小川正治さんが。その後、市東孝雄さん本人に、同じく事務局の林伸子さんと山口千春さんがインタビューを「上告棄却の不当を訴え、農地闘争10年の原点を聞く」と題して行った。これまで30分や20分程度のものは何度か聞いたが、実に1時間20分。話の中にもでてきたが、正に「尋問」。

 161120_3しかし、市東さんがリラックスして話しているのが様子でわかる。話は、市東さんが子どもの時代、どんな風に遊んだか、から始まった。
 木の根や東峰の開拓の苦労話を何度か聞いているが、天神峰は雑木林だったから、お祖父さんの時代だが、それほど開拓の苦労はなかったよう。映像を交えながら、外に働きに出ていたころから、161120_4帰ってきて10年の様々な局面を語った。右の写真は、2010年、団結街道を違法に封鎖するのに抗議していて不当に逮捕された時の写真。
 最高裁の上告棄却という局面での想いも淡々と、これまで通りに語られた。

 集会には沖縄の辺野古で闘い抜く安次富浩さん(市東さんの農地を守る沖縄の会共同代表)が駆け付け、「島ぐるみ」の闘いへと進化してきた沖縄の辺野古・高江の現状を語られ、三里塚、161120_5市東さんの農地を守るたたかいがそうした陣形を形作ることの必要性を語られた。

 葉山さん、大口さん、遠藤さん、一瀬さんの4人の弁護士が弁護団として、最高裁の上告棄却決定を弾劾して、それぞれの想いを語った。
 上告棄却が憲法判断を回避した無内容なもので、そもそも「三権分立」というものが虚構に過ぎないことが弾劾された。161120_6そして耕作権裁判の重要性が指摘され、裁判所内外の闘いを盛り上げていくことの必要性が訴えられた。

 集会に参加していた石原健二さんが、飛び入りで、トランプが大統領になる中でのTPPの問題をわずかな時間の中でしたが、指摘をされ、事務局の三宅さんのまとめで集会を終えた。

 帰りの原宿の駅が人がいっぱいで改札に時間がかかったのに、またまたびっくり。

(なぜか、11月10日で終わると通告していたココログが、今も生きている・・・。???)

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2016年11月19日 (土)

今週の産直野菜 (11月19日)

161119_2 先ほど三里塚から野菜が届きました。

チンゲン菜、じゃがいも、里芋、水菜、カブ、ニンジン、ネギ、大根
以上8品です。

 出荷の時が雨だったのか、ドロドロ。

 明日は、市東さんの農地取り上げに反対する会が主催する「市東さんの会シンポジウム」です。
 「百年を耕す めげるヒマなし -三里塚・市東さんの農地闘争-」と題して、市東さんへのインタビューをじっくりとやると聞いていますので楽しみです。

 許しがたい最高裁による「上告棄却」攻撃に反撃していく市東さん、反対同盟のみなさんの想いと決意をじっくりと聞きたいと思います。また、弁護団による現状の報告が大切かなと。

 この集会を成功させ、12月4日、三里塚反対同盟が呼び掛ける現地集会に集まろう!(招請状PDF「16.12.4現地集会招請状.pdf」をダウンロード

 特に東京・関東のみなさん。明日、12月4日、頑張ろう!

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2016年11月17日 (木)

12・4 三里塚緊急現地闘争

 先日記事を掲載しましたが、最高裁の上告棄却決定に対して抗議の声をあげ、市東さんとともに農地取り上げを阻止するべく闘いを進めるために、12月4日、緊急現地闘争が取り組まれます。その詳細が、反対同盟ブログに掲載されましたので、転載します。

 市東さんの農地を守ろう 12・4三里塚現地闘争
●日時 12月4日(日) 13時30分集合
●場所 市東さん宅南側開拓組合道路
●デモ 14時出発予定

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2016年11月12日 (土)

今週の産直野菜 (11月12日)

161112 先ほど三里塚から産直野菜が届きました。

小松菜、ラディッシュ、ジャガイモ、サツマイモ、鷹の爪、水菜、ルッコラ、カブ、ニンジン、ネギ、大根

 以上11品です。レタスはダメだったようですが、『野菜だより』によれば寒くなってきて、出来は順調のようです。白菜も順調とか。

 ついに安倍政権はTPP批准を強行した。アメリカがトランプの公約を守ったとすれば、TPPは成立しない。しかし、アメリカはかねてから日米FTAを画策してきた。このTPPの日米審議に日本が驚くほどの譲歩を続けてきたことが、そのまま日米FTAに反映されることを許してはならない。私たちは、三里塚のたたかいの中から、こうした安倍政権のTPP批准の動きを、絶対に許さない声を上げ続けなければならないと思います。

 161120その闘いの柱が、最高裁による市東さんの農地取り上げ攻撃をはね返し、市東さんの農地を守り、農業を、農民を守るうねりを実現していくことだ。

 まず、11月20日の市東さんの農地取り上げに反対する会主催の『市東さんの会シンポジウム -百年を耕す めげるヒマなし-』(午後1時半開始、会場・千駄ヶ谷区民会館)に集まろう!

 そして12月4日、三里塚現地での最高裁の抗告棄却決定弾劾の緊急抗議闘争(午後1時半から、東峰の開拓道路で)に集まろう!

 今年最後には、関西実行委員会の団結野菜市を取り組もう! なお、今年は、例年と違う取り組みにする予定です。詳しくは、次号の『実行委ニュース』(11月末発行予定)をご覧ください。

 なぜかココログがまだ生きています。

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2016年11月 9日 (水)

12・4緊急現地闘争

 昨夜、三里塚現地から、最高裁による上告棄却、市東さんの農地の強制収用への動きに対して、以下のように緊急の訴えが発せられましたので、転載します。できる態勢をとろう!

強制収用許すな! 12・4緊急現地闘争へ!

 闘う仲間の皆さん! ブログをご覧の皆さん! 
 反対同盟はきたる12月4日、上告棄却という最高裁不当決定に対する反撃として、緊急現地闘争を行うことを決定しました。
 最高裁決定は、「強制収用宣言であり、断じて許されない暴挙」(反対同盟弾劾声明)です。市東さんは「これで終わりじゃない。これからが勝負」と決意を明らかにしています。最高裁を徹底的に弾劾し、地域・街頭で宣伝してください。強制収用を許さない怒りの声をお寄せください。市東さんへの激励メッセージも大歓迎です。
 そして12月4日、農地取り上げとからだを張って闘う総決起の闘争に、結集をお願いします。詳細が確定したら追って連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。

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2016年11月 7日 (月)

当「関実ブログ」はライブドアブログに引っ越します

 すでにご案内いたしましたが、当「関実・三里塚」ブログはNifty「ココログ」が、この11月10日で終了することになり、10年前のことでIDなどを失念して移行できないため、新たにライブドアブログ http://blog.livedoor.jp/kanjitsu_sanrizuka/ に「関実・三里塚ブログ」を移すことにしました。すでに発信を始めています。

 161162007年5月14日以降、ブログの記事を印刷してペーパーに記録してきましたが、すでにファイルが15冊、ファイルされた記事が、この記事でちょうど2000回になりました。
 2007年2月7日に「関実・三里塚」ブログを開設しましたが、当初は、パソコンの容量を気にして、記事を書いてはすぐに消去していました。それが50回以上はありました。もう亡くなられましたが、16116_2元オフセット労組の森本さんが消去していることを聞きつけて、「関実ブログは君だけのものではない。ちゃんと記録をとれ」と叱られました。データーをCDに採ることを当初はしたのですが、凄い容量があるのと作業に時間がかかるので、断念。ペーパーに印刷することにしたのです。それが5月14日。それ以来、記事が2000。懐かしい思い出です。

 写真は、昨日の京丹後で米軍基地・16116_4Xバンドレーダー撤去を求めた現地闘争と集会「米軍基地いらんちゃフェスタ in 丹後 2016」、そしてデモの写真です。小さくてわかりにくいですが、1枚目の写真の左端の大きなボールのように見えるのがXバンドレーダーです。「米軍Xバンドレーダー基地反対近畿連絡会」の呼びかけで、早朝出発して基地前現地抗議闘争をやって、そこから1時間ほどかかって集会場へ。16116_5集会には、沖縄から島洋子さん(右写真、「琉球新報」編集局政治部長)から講演がありました。また、「米軍基地を憂う宇川有志の会」事務局長の永井友昭さんから映像による米軍軍属などによる交通事故が頻発し、沖縄と同じように泣き寝入りが強制されている現実が訴えられました。集会は会場いっぱいの750人が結集。
 集会後、40分余りデモ。静かな町の中での訴えに、家の窓から等手を振る住民が。16116_6

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2016年11月 5日 (土)

今週の産直野菜 (11月5日)

16115 今日は、早々と野菜が届きました。ほっ。昼前に出かけて、京都で再稼働反対の会議なものですから。この報告も間に合った。

 小松菜、ルッコラ、サツマイモ、ごぼう、じゃがいも、水菜、間引き大根、ネギ、ニンジン、大根 
以上10品です。

 ようやく、すごい迫力。しかし、期待していたレタスがダメのようですね。

 昨夜、国会でTPP批准に向けた強行採決が行われた。昨年秋の戦争法強行採決に匹敵する許しがたい暴挙だ!

 すでに書いたが、アメリカの大統領選挙でクリントン、スタンプ両候補がTPP反対を掲げている。これはNAFTAによってカナダ、メキシコが重大な被害を受けているが、これでよくなると言われたアメリカ自体で格差の拡大を始めとしたくらしの破壊がアメリカ中で起こっている。そのNAFTAを上回る大企業、巨大資本のための協定と言われるTPPによってますますひどくなるというアメリカの人びとの危機感が、二人の候補者に「TPP反対」を強制し、議会もまた動けなくなっている。

 関係国12ヵ国のほとんどで、同じような危機感から批准の動きがまだない。その中での強行採決だ。なんの論理性も正当性もない。安倍政権打倒しかない。ごまめの歯ぎしりと言われようが、沖縄の高江・辺野古のたたかいで「あきらめない」と弾圧をはね返して闘いぬいておられる沖縄のみなさんとともに闘いぬこう!最高裁決定をはね返して農地を守ろうとして闘いぬいている市東さん、三里塚とともに闘いぬこう!

 明日は、京丹後現地で米軍Xバンドレーダー基地撤去のたたかいだ。沖縄、三里塚に連帯して闘おう!

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2016年11月 3日 (木)

ココログの終了にともないライブドアブログに移ります

 関実・三里塚ブログをご覧いただいているみなさんへ。

 ココログブログが11月10日をもって終了することになりました。ほぼ10年近く使い慣れてきたココログを使えないのは残念ですが仕方ありません。nifty自体は別の形にするようですが、移行が難しく(IDコードなどわからない)、断念しました。

 私たちは三里塚闘争が50年を超えてたたかい続けており、しかも市東さんの農地への最高裁による上告棄却決定という許しがたい攻撃が行われている、そして第3滑走路による拡張と、24時間使用化という新たな攻撃によって北総の農民、住民の生きる権利が踏みにじられようとしているこの時に、関実・三里塚ブログを閉じることなどできません。

 新たにライブドアブログに「関実・三里塚ブログ」を開設しました。
  http://blog.livedoor.jp/kanjitsu_sanrizuka/

 すでに、ココログと同じ内容で、発信を始めております。そちらもご覧ください。

                  関実・三里塚ブログ管理人より

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尼崎・伊丹実行委員会 『抵抗の旗』より (10・9三里塚報告)

農地取り上げ反対の闘いを前進させよう

  (尼崎・伊丹三里塚実行委員会『抵抗の旗』285号より転載) 

 10月9日、720名の結集で三里塚現地において全国集会が開催されました。去る2013年10月20全国集会以来の荒天で、会場の萩原さんの畑も沼地状態で普通なら当然「本日中止」となるところですが、そこは三里塚、何事もなかったかのように集会は始まりました。

  50周年を総括

 主催者挨拶の北原事務局長は残念ながら今回も代読でした。「三里塚は健在です」あのドスのきいた低音の声が聞けないのは本当に寂しい限りです。

 萩原富夫さんが三里塚50周年の今年の闘いを振り返り7月東京集会を成功させ「最高裁による強制収用許すな!第三滑走路粉砕!安倍政権打倒!」を闘い抜いたと総括し、そして今後も署名運動を軸に上告審を闘おうと訴えました。

 関西からは久しぶりに松原事務局次長が発言。「三里塚は今もう一度新たな大きな陣形をつくらなければならない」と語り、最高裁による強制収用や新たな土地取り上げとなる第三滑走路計画そして人が住めなくなる(オリンピックを口実にした)24時間化へ向けた規制緩和を許さない闘いを訴えました。

 当該の市東孝雄さんは「どんな判決が出ようとこの地に残り闘い続けます」ときっぱり宣言し大きな拍手をうけました。この一点の曇りもない市東さんの決意はいつも私たちを勇気づけてくれています。そして地域住民のためではなく利権に群がり蠢いている連中を厳しく弾劾しました。

 プライドを持って

 沖縄からは彫刻家の金城実さんと「市東さんの農地を守る会・沖縄」の金治明(キム・チミョン)さんが登壇。金城さんは「オール沖縄」の闘いにふれ「裁判に負け続けてもなぜ闘い続けるのか(9・16辺野古移設 沖縄県敗訴)それは(沖縄の)プライドです」と語り、市東裁判も農民としてのプライドの闘いであることを強調しました。三里塚ー沖縄―福島に共通する、権力者には絶対持ちえない人間としてのプライドこそが反権力の闘いの原点ではないでしょうか。金城さんの発言を聞いてそんなことを感じました。

 その他、住民団体や共闘団体の発言の後、来春3・26成田市内集会が提起され集会を終えました。これからも署名活動や裁判傍聴に力を注ぎたいと思います。

 法治主義の破壊許すな

 9月16日、「オール沖縄」の願いを踏みにじり、辺野古埋立承認を取り消した翁長知事の処分は違法として福岡高裁那覇支部は国の請求を認める判決を出しました。裁判長は千葉地裁で市東農地取り上げの反動判決を下したあの多見谷(たみや)寿郎です。判決当日、これからそれこそ裁判官としてのプライドを投げ捨てた判決を出すことに動揺していたのか、テレビに映し出された彼の顔はひどく青ざめていました。

 彼は市東裁判の時と同じく、はなから中立的立場から審理を進めることは全く考えておらず、沖縄防衛局が仲井真前知事に提出した「埋立必要理由書」を点検しただけで、「特段具体的に不合理な点があるとは認められない」としただけでなく、本来裁判所が判断すべきではない「新基地建設のために埋立は必要」とまで結論づけているのです。無論沖縄県側の主張には全く耳を傾けていません。市東裁判の際、市東孝雄さんの農民としての訴えを「見事に」無視したのと同じです。まさに法治主義の破壊であり絶対に許せません。 

 三里塚と沖縄、この二つの上告審も全く予断は許しませんが、まさに金城さんの「プライド」で立ち向かって行きましょう。

 怒り! 上告棄却!

 この原稿を書き終えた後の10月25日、最高裁第三小法廷(大谷剛彦裁判長)は市東孝雄さんの上告を退ける決定をしました。市東さんの真摯な訴え

は一顧だにせず、空港会社側の数々の「不正行為」は意図的に不問にし、ただただ「国策」に従っただけのこの決定はこの国がもはや法治国家の体をなしていない何よりの証しです。満腔の怒りで弾劾するのみです。

 しかし闘いが終わった訳ではありません。「最高裁がどんな判断を示しても、ここに残り闘い続ける。自分の生き方を貫く」という市東さんの決意を断固支持し、強制収用阻止へ 次の闘いへ進みましょう。

 

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