10・9三里塚 沖縄の彫刻家・金城実さんの挨拶
【「市東さんの農地を守る沖縄の会」共同代表の金城実さんと同会事務局長の金治明さんが登壇し、代表して金城さんが挨拶されました】
え~、いろんな話しがでてきましてですね、裁判の問題、どちらがどうなっているか。
私は、横堀に「抵抗する農夫」という彫刻を制作した金城実というもんです。今から41年前です。僕は37歳。それが78歳の爺(じじい)になっとる。
戸村さんとか前田俊彦さんとかと一緒に、あの像が(岩山鉄塔に置かれ)鉄塔が倒された時(1977年5月6日)に、あの彫刻が壊されているかもしれないので、見せろ、見せないで(機動隊と)揉めました。あの時、学生たちが付いていったんですよ。この中におりますかな。私の顔を覚えているのが。まあ、どうでもいい。
先ほど福島からの話しがありましたので、それにつないでですね、今、沖縄で辺野古の闘いと高江の闘いが闘われてるんですが、どこと(闘っている)というと国なんです。沖縄には原発はないです。福島の原発、福島だけではなくて日本中にある。日本国民は緊張感がない。沖縄の米軍基地が叩かれる。4人の人が死んでいる。普段からそうだ。原発事故というのは普段じゃない。普段として目の前に現れない。だから緊張感がない。ところが沖縄の米軍基地を狙う以上に、原発のあるところ全部、狙った。日本の未来はない。活動家たちから、沖縄の米軍基地があまりにも重要視されていて、福島におけるあの原発の事故が、「あれは天災だったから」と。ところが、震災だけじゃない戦争の時にもっとも狙われるのが原発だ。日本国民、気が付いていますか。原発で(事故が起こると)水が飲めない。(関西でも)琵琶湖の水が飲めない。大阪も水が飲めない。まさしく日本は不毛の地。ゴーストタウン。人間の住めない。
沖縄と福島を比較するときに、イメージの中では普段に死体を見るという沖縄の戦争のイメージと、福島型のあっちこっちにある原発が事故があった時に、もう日本は人が住めないということに気が付いていますか。みなさん。日本人は。ここですよ。沖縄の基地よりもっと恐ろしい。気が付いていない。
もう一つ。三里塚の問題もこの三つのうちで、三里塚、沖縄、福島の中で、三里塚というのが静かなはずだ。沖縄でもそんなに広がっていない。今日も、辺野古で闘っているカヌー隊の人が、ここにいると思うんです。(ここでウチナーで話されたが聞き取れない)どういうことかというと、力が強いとか、威張りくさっているけれども、お前らに小さな針が飲めるのかということばだ。この小さな針が三つある。福島と沖縄と三里塚だ。小さな針だ。沖縄の土地は0.6%。74%の米軍基地がある。あまりにも小さい。とても小さい。この小さな針をとって飲めるかということだ。
どうですか。誇り高いよ。闘っている人間は。日本の人口からすると小さい。僕も小さい、パッと見ると。だからこの国の誇りと言われている宝物、実に小さい。実に小さい。小さいけれど、それを一歩も譲らないというそのこと自体が、どんだけ日本の未来に対して力を与えるかという事を忘れてはいかんということです。この世界は。
もう一つ。弁護士の先生たちの話しを聞いていた。確かに裁判にかけても負ける。俺は、沖縄の靖国裁判の原告団の団長だ。大阪時代から引きずって28年間。今でも頑張っている。一度も勝ったことはない。なんで勝ったことのない裁判をやるのか、ここです。ともすると絶望的になる。28年間もやって1回も勝てない。だんだん仲間割れになる。「一度も勝ったことのない裁判をまだ続けるのか」というのが出てくるんです。8人おった原告団が3人ドロップアウトして、5人になってしもうた。寂しい。あぶない。「もう、あかんかな」と思う。じゃあ、なぜやるかというと、ここだ。なぜやるか。なぜやるか。絵にもならないが、プライドだ。「プライドなんてそんなに必要か」というやつがおる。米軍との闘いにどうだ。米軍基地の前で、俺は言う、米兵たちに向ってこういうことを言う。「あんたがたは給料をもらってピストルをもっている」「しかし、我々は、沖縄の民衆には、あなた方が持っていないものがある。それはどういうものかわかるか、こら。プライドというもんだ」。「奪えるか」。
プライド。オール沖縄が出来たのは、まさしくその見本です。オール沖縄は、復帰運動で戦った革新から生まれたものじゃない。三里塚のみなさんも心しといてくださいよ。仲間割れは絶対するな。「共闘する」。なに派、何の組織、あれ派なんていい。オール沖縄が生まれたのは、自由民主党の(沖縄の)党首であった翁長ともう一人大物がいる。仲里利信、85歳。自由民主党のトップ。なぜ彼らがオール沖縄をつくったかというと、まさしくプライドだ。どうしてか。翁長が那覇市長の時に、建白書を持っていった。安倍首相にもっていったけれども、(受け)取らない。街頭をデモしている時、ヘイトスピーチをあびた。「沖縄、帰れ」「沖縄人、殺す」「中国のスパイ」。ね。その時に、プライドを傷つけられることがどんだけ凄いことか。プライドに火が点くことがどれだけ大事なことか。これが市東さんのたたかい、みなさんの闘いの大事な点だ。
先ほど田中正造の話しが出ていた。この正造のたたかいはお母ちゃんから始まった。時間がないから説明しませんが、城山三郎の『辛酸』という小説を見たらわかる。
そこでだメディアにも言う。この裁判で最も大事なのはメディア。今、ここにはメディアはおるのか。「敗けたけれども、勝つ」というのはメディアがしっかりしている。だから沖縄の新聞を潰しに来たんです。(この後、少し聞き取れず)
そしてもう一つ、最後になりますが、若い青年たちがおるけれども、あんたがたが大先輩たちから受け継がれ、受け継がれて変化の進化の途中にあるのが今だ。負けるか勝つかなんて考えない方がいい。闘う。必ず進化する。沖縄でも独立論が出ている。現実性はないと思う。しかし、逆らわなきゃあいかん。それは、負けようがどうしようが、次の世代に遺伝子が移って進化する。
そのことを強く訴えて、みなさんとともに頑張りたいと思います。ありがとうございました。
【本文中( )での補足は管理人が補充、注釈したものです。】
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