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2016年9月28日 (水)

これ以上の夜間飛行禁止の緩和を許すな!

昨日、千葉市幕張で国、成田空港会社、千葉県、成田市など地方自治体で構成する「四者協議会」が開かれ、国と空港会社から第3滑走路の新設と暫定滑走路のさらなる北延伸による3500メートル化が提起された。そして夜間飛行の禁止時間が、現行の午後11時~午前6時を午前1時~同5時に3時間も緩和、短縮することが提示されたという。

成田空港が論議され、着工された1960年代から1970年代は、ベトナム戦争による羽田空港の米軍使用による狭隘化がその大きな理由であった。だから「軍事空港建設反対」が最大のスローガンとされた。

1990年代以降、新自由主義を背景としたグローバリズムの展開の中で、2000年代、中国を先頭としたアジア経済の隆盛を背景に、アジアは巨大空港の時代を迎えた。関西空港建設などの動きはあったものの、その流れに本質的に立ち遅れた日本は、第1次安倍政権の中で、突然「首都圏空港容量の拡大」を声高に叫び始めた。

中国の北京、上海、韓国の仁川、シンガポール、タイなどの巨大ハブ空港の作りだした巨大な航空市場は、まだ続くといわれるアジアの経済成長を背景に熾烈を極めた競争のなかにある。慌てた日本は、羽田の再度の国際化、拡張と成田空港の拡張の道をひた走り始めた。それが成田空港敷地内に住み、暫定滑走路の「へ」の字誘導路問題を引き起こしている市東孝雄さんへの農地強奪、「叩きだし」攻撃であり(後から来た空港に「公共性」の名をかぶせること自体が暴虐である)、今回の3500メートルの第3滑走路建設と、暫定滑走路の北延伸による3500メートル化の攻撃である。

この点については別に論じるとして、今日は、飛行禁止時間の緩和が重大な住民のくらしと人権を破壊する、とうてい許されない攻撃だということを指摘したい。これを許せば、すでに成田市財界などが「成田空港の24時間化」を言い始めていることにつながっていくことであり、断じて許されない。

そもそも内陸空港の夜間飛行禁止は、1970年代、私たちが関西新空港反対に立ち上がったきっかけでもあるが、大阪空港周辺住民の塗炭の苦しみを背景とした1960年代から1970年代に闘いぬかれた空港騒音公害訴訟の闘いによって勝ち取られた。裁判には勝った国も、その深刻さをみとめざるを得ず、一つは内陸空港の夜間飛行を「午後10時から午前6時まで禁止」としたのだ。また、関西空港の建設の理由に、「住民の生活を守るために海上に」とされたのだ(そのペテンは置いておくとして)。そもそもともに内陸空港計画であった富里空港の計画の3分の1に成田空港の計画が切り縮められて突然始められたことにも多分関係したのではないか。そして当然にも成田空港の夜間飛行禁止は当初、「午後10時から午前6時」とされたのだ。

ここで忘れてはならないのは、嘉手納、普天間、厚木などの米軍基地が、この日本の国内法にお構いなく、「日米地位協定」によって24時間、したい放題に使われている。先日、厚木基地爆音訴訟では、自衛隊の夜間飛行禁止を認めながら、米軍についてはお構いなしとなった。オスプレイが、沖縄・高江の住宅地に夜間お構いなしに訓練と称して飛んでくるのもこの事態なのだ。

成田空港の24時間化とは、この米軍基地並の扱いを求めようとしているという事なのだ。こんな出鱈目がどうして許されるのか。すでに成田空港周辺の航空機騒音は、激甚と言われ自衛隊機の夜間飛行が禁止された厚木基地の10倍近くの酷さだと言われている。その上、緩和し、あわよくば24時間化などどうして許されようか。

そもそも「午後10時から翌朝6時」という基準自体が、人間の健康を損なう恐れがあり、成田空港の現状「午後11時から午前6時」も「健康な生活」を保障した憲法に違反する事態だと指摘されている。

それを空港の拡張、増便、「公共性」を理由に、「午前1時から5時」までと3時間も現状をさらに緩和させるとは、住民にとって殺人的と言わざるをえない。断じて許せない。

「人がくらし、生きる」ことを何の躊躇もなく破壊しようとするこの安倍政治を許すな! 

                  松原 記

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2016年9月27日 (火)

新やぐら裁判を傍聴して  (9月26日)

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 昨日、千葉地裁で「新やぐら裁判」が開かれた。成田空港会社(NAA)が、市東孝雄さんの天神峰の土地(市東さん宅の前の畑と作業場や離れがある)の明け渡しを求めている「農地法裁判に関連して」、この土地にある反対同盟所有のやぐらや看板などの撤去を求めた裁判。

 実はこの「新やぐら裁判」の傍聴は、最近の3回ほどのためと裁判長の交代があったため、論点がわかりにくかった。現在最高裁にいっている「農地法裁判」と同じく、NAAが行った「賃貸借解約申し入れ」の許可申請それ自体の正当性を論議していたのだ。

 裁判事務局が用意した『傍聴のために』からそのまま引用する。「本件は空港建設に伴う公共用地の取得問題であることが明らかであるにもかかわらずNAAは、解約許可の条件とされている離作補償を一切払わないままで農地賃貸借契約の申し入れを行っています。しかし農地法20条の解約申し入れ許可とこれに基づく解約申し入れは、公用収用の一環である。従って公用収用の場合には、完全な離作補償がなされることによって初めて解約許可がなされる。(【管理人注】ここで市東さんが「離作補償」を求めているのではないことに留意してください。あくまで「手続き」の不当、不法を追及しているのです。)当然、「公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱」が適用される。しかも、「公用収用における損失補償は前払いを原則とする」(美濃部達吉博士・公用収用法原理)となっているのであるが、NAAは支払いも供託も一切行っていない。このことは解約許可の条件を満たしておらず、NAAによる解約許可申し入れは無効であり、知事の許可処分も無効でありただちに取り消さねばならない。」

 こういう論議は、本来、偽証問題や農地法違反問題などと一緒に農地法裁判第一審でなされねばならなかった。あらためて今回9月16日、福岡高裁那覇支部で不当は「司法判断」ならざるデタラメな判決を強行したひらめ裁判官・多見谷の、農地法裁判第一審判決への怒りが込み上げてくる。最高裁に農地法裁判の「高裁判決棄却」を迫ろう! 緊急5万人署名を進めよう!

 なお、今日、千葉市幕張で「成田空港問題に関する四者協議」が開かれている。直前の朝日新聞の報道でも「午後11時から午前6時までの飛行禁止」を1時間ずつ、「午後12時から午前5時まで」に緩和することなどが図られている。住民のくらしと人権を踏みにじる成田空港拡張、第3滑走路建設と規制の緩和を断じて許すな! 現地は、昨日の裁判に引き続いて今日も連続闘争を戦っている。 10・9三里塚へ行こう!

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2016年9月24日 (土)

今週の産直野菜 (9月24日)

16924 先ほど三里塚から野菜が届きました。台風続きの風と雨で大丈夫かなと心配していますが、今週の野菜をみて、「大変だ」と思いを強めています。

 ニラ、じゃがいも、唐辛子、玉ねぎ、バターナッツカボチャ、ネギ

 以上6品です。写真の「瓢箪かな?」とおもえるものが、バターナッツカボチャとか。アメリカではポピュラーなカボチャの一つだそうですが、『野菜だより』のレシピーにしたがって食べてみるか・・・。

 16109野菜が足らないので、キャベツ、ピーマン、もやし、キュウリ、それにブロッコリーを買い足しました。今週はさらに買い足さないとだめかな。

 10・9三里塚現地での全国集会にあと2週間。この日の週末には、TPP批准に向けた臨時国会での審議がはじまる。この国の枠組みを根底から破壊し、多くの人々に格差と貧困を強制するものでしかないTPP批准を絶対に許さない、そういう集会にしよう。

 来週月曜日、9月26日には、市東さんの農地に関わる「やぐら裁判」があります。先日の沖縄でのひらめ裁判官・多見谷の許しがたい判決への怒りを、この裁判でも。明日夜、千葉に泊まり、傍聴に参加します。

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2016年9月21日 (水)

臨時国会でのTPP批准を許すな!

 安倍は、この臨時国会で焦点となると思われていた「共謀罪」を先日、先送りすると発表した。そうすると、もう一つの焦点とされていたTPPの国会批准と関連法をこの臨時国会でなにがなんでも通そうとしているのだという意思表示ではないのか。こう思ったのは、私ひとりではないだろう。

 臨時国会は、926日から始まり、まず補正予算の審議が10月第3週の頭までであろうと言われている。それでは、TPPの批准と関連法案の審議の特別委員会は、その第3週の後半から衆議院の審議が始まり、関連法案の参議院の審議を11月末(国会期日が延長されても、せいぜい12月初旬までと言われている)に終えるためには、衆議院の審議が10月末から11月初旬までとなる。批准の方は条約と同じで参議院の審議が必要なく、衆議院の採決があれば30日で自動成立する。

 先の通常国会で、関連資料が黒塗りででてきて、国会審議ができないと批判を受け、まともな論議がされないまま今回の臨時国会に送られてきているが、安倍政権は、参議院選挙の「大勝」を受け、まともな審議を行うことなく、黒塗りの資料のまま(つまり内容を隠したまま)この臨時国会で強行採決を行い批准しようとしている恐れがある。アメリカの大統領選挙で「TPP反対」が両候補の争点隠しとして行われているだけに、安倍の「イニシャティブ」志向によって強行される恐れがある。この2年といわれる期限までにアメリカの批准が行われなくとも、その大枠は日米のFTAとしていかされる恐れがあるという指摘があり、安倍、甘利の批准への衝動は非常に強いと思われる。

 私たちの国の枠組みが壊されるといわれる、多くのこの国に住む人々のくらしと権利を放り出し、多国籍企業、大資本のための枠組みが作られるTPPを批准するということは、絶対にあってはならない。百歩譲っても、少なくともその内容が 国会審議され、この国に住む人々にわかるように明らかにされなければならない。「非常事態条項」を憲法の中に組み込むような事態が、この臨時国会の中で進もうとしているのだということを危機感をもって捉えなければならない。

 しかし、余りにもTPPへの関心は薄く、盛り上がっていない。

 写真の『アメリカも批准できないTPP協定の内容は、こうだった!』Photoは、この9月に緊急出版された、民主党政権の折の農林水産大臣で、菅直人首相(当時)のTPP参加表明で辞任した山田正彦さんの著書です。なかなか読みごたえのある内容です。TPPに関してはそれなりに調べ、関連する文献を読んでいた私ですが、読みながら背筋が寒くなるような想いを何度もしながら読み終えた。

 その中に引用だがこんな一節がある。「ノーベル経済学賞を受賞したコロンビア大学のジョセフ・スティグリッツ教授も“TPPは自由貿易ではない、そうであれば4行で足りるはずで、グローバル企業のロビイストたちが書き上げた世界の富を支配しようとする管理貿易協定だ”と述べている」。(同書257頁)

 TPPについて農業はもちろん医療や医療保険、公共工事の受注、ISD条項などあまりにも多くのことがあり、ここで云々することは控えたいが、一つだけ、少し長いが引用しておこう。

 「日本の原発事故を目のあたりにして、原発推進国だったドイツは20116月、2022年までに国内にある17基の原子力発電を止めて、太陽光や風力発電など再生可能エネルギーに政策を転換すると発表した。/ ところがそれによってスウェーデンの大手電力会社バッテンファル社がこれまでのビジネスとして期待していた利益が損なわれたとして、38億ドル、日本円に換算して約4000億円の損害賠償をISD条項で求めている。 / 今回、日本もTPP協定に署名したことによって、これからの原子力政策を転換するとしたらISD条項によって米国のウェスティングハウス・エレクトリック・カンパニーなどから期待していた利益を失ったとして、莫大な損害賠償を求められる恐れがある」(同書265頁)。

「再稼働反対、全ての原発廃炉などとんでもないよ」ということなのだ。どうする?

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2016年9月17日 (土)

今週の産直野菜 (9月17日)

16917 先ほど、三里塚から野菜が届きました。

 玉ねぎ、サツマイモ、じゃがいも、青唐辛子、シシトウ、なす。モロヘイヤ、ピーマン、ネギ 以上9品です。

 実は、「辺野古の海に基地をつくらせない神戸行動」の宣伝活動に使うビラを今日は、私が持っていくことになっているので、野菜が遅れるとどうしようとやきもきしていたところです。
 三里塚に関わっている人は、裁判長・多見谷の「ひらめ裁判官」としての酷さ、無内容さを知っているだろう。今日の辺野古行動の柱は、やはり昨日の辺野古訴訟での多見谷裁判長の判決の酷さへの怒りの場になると思っていたので、よけいにやきもきしたわけです。

 モロヘイヤが終わったと聞いていたので嬉しい。それに、青唐辛子の食べ方がわからず(辛いやろなという恐怖感?)、いつも残していたのですが、もともと辛いのが好きな私ですから、野菜炒めなどに細かく刻んで入れると美味しいことに気づき、このところニンニクと一緒に入れて、もうニンニクはなくなりそうで、青唐辛子もどんどん減り始めてきていたところでした。やってみるもんですね。

 野菜の扱いに慣れてきた最近、この夏場の少なさでは足らなくなり、今週はついに、キャベツ、ピーマン、もやしなどを店買いしました。これでは来週も週末には足らなくなるかな? 福井に反原発の宣伝行動で2日行くことになっているので、なんとかなるか・・・。

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2016年9月14日 (水)

10・9三里塚現地へ

 三里塚現地で、10月9日(日)、全国集会が呼びかけられています。

 「国策」の名のもとに農民から農地を取り上げ、農業を破壊する攻撃は許されません。自民党政治の戦後一貫した「儲かるものを作ればいい」「食糧は輸入すればいい」「農民はいらない」という農業潰しの政治が行われてきたことに対し、この50年間、「農地死守」のたたかいを貫いてきた三里塚のたたかいを、安倍政権がTPP批准をこの臨時国会で強行しようとしている今こそ、守り抜かねばなりません。市東さんの農地を何としても守り抜きましょう。(反対同盟からの招請状 「16.10.9三里塚招請状.pdf」をダウンロード )

最高裁の強制収用を許すな! 第3滑走路粉砕! 安倍政権打倒!
10・9 全国総決起集会

【日時】10月9日(日)正午
【会場】成田市東峰・反対同盟員の畑
【主催】三里塚芝山連合空港反対同盟

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2016年9月10日 (土)

今週の産直野菜 (9月10日)

16910 先ほど三里塚から野菜が届きました。

サツマイモ、ジャガイモ、空芯菜、青とうがらし、なす、はぐらうり、ピーマン、葉ショウガ、ネギ

 以上9品です。サツマイモが今頃採れるんですね。

 台風の影響が、東北や北海道ほどではないもののだいぶあったみたいですね。

 それに先日の最高裁へのデモ、署名提出の時に市東さんと話していて、「今年のモロヘイヤは虫の被害が少ないですね」と「虫は少ないのですか」と聞くと、「とんでもない。今年もひどいですよ」。今日の空芯菜を見て「なるほど・・・」。もの凄い虫食い状態ですね。

 昨日、「この国の枠組みを破壊するTPPの国会批准を阻止しよう! ストップ!TPP緊急行動・関西!発足集会」が、多くの幅広い呼びかけで開かれ、会場を満席にする250人以上の熱気で成功しました。今秋の臨時国会でのTPP批准を阻止しよう!写真は、服部良一さんの開会の挨拶。Dsc_0095

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2016年9月 8日 (木)

最高裁へデモ。農地署名の第3次提出と申し入れ

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 昨日、市東孝雄さんの農地取り上げ判決を強行した東京高裁の決定の取り消しを求める、1697_3最高裁へのデモと、署名の提出、申し入れ行動が行われました。

 デモ態勢で星陵会館を出発し、すぐ近くにある最高裁へ。異様な「城郭」のような最高裁が見えてくる(私は実は初めて。しかし、後の写真の後景に見えるように裏側は貧弱なうらぶれたとしか言いようのないビル。1697_4安倍政権の正体を見るようで面白かった)。
1697_5 最高裁西側通用門前の歩道で、代表団が申し入れに入る前に「打ち合わせ」。動労千葉、関西実行委員会の安藤さん、市東さんの会の小川さん、沖縄の市東さんの会のキムさんなど、1697_810人余りが続々と挨拶と、1697_9高裁判決への怒りの表明。福島から椎名さんも。
 最後に、萩原富夫さんが、7.3の50周年集会を振り返りつつ、三里塚の現在の闘いを語る中で、とりわけ沖縄・高江で繰り広げられている国家権力の暴虐と高江住民を先頭とした非暴力の闘いの重要性、1697_10沖縄、福島、三里塚が一緒に闘っていくことの意義を訴えた。

1697_11 いよいよ署名の提出と申し入れ行動。10数人が代表団に。関西からは安藤さんが入り、私は外で写真班。
 右が署名の束。それを市東さんが持ち、申し入れ書(「16.9.7最高裁への申し入れ.pdf」をダウンロード)は萩原さんが。1697_12左下写真で、萩原さんがひらひらさせているのが申し入れ書。

 30分余りの申し入れ行動を終わって、出てきた代表団を代表して一瀬弁護士から報告のあったあと、市東孝雄さんからの挨拶。

―  みなさん。今日はご苦労様です。今日で3回目ですけれども、1697_13今日で20593筆、みなさんのお蔭で無事に提出することができました。みなさんのいろんな想いが裁判長に少しでも届けばいいなとそう思っています。
 
国策としては成田空港、国策であれば何をしていいという、農地法でも農家のこと全部デタラメなんですね。ですから、法律を曲げてでも絶対に通すというやりかたを絶対に認めることはできません。
 
これからも皆さんと一緒に天神峰の地で闘っていきますんでどうかよろしくお願いいたします。

 さあ、10・9三里塚へ、全力で集まろう!最高裁に高裁判決の棄却を迫っていこう!


 

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2016年9月 6日 (火)

この国の農政=農業破壊を断じて許すな!

 農地を奪い、農民からくらしを奪う
この国の農政=農業破壊を断じて許すな!

 三里塚闘争50年

 三里塚闘争は50年の長きにわたり闘いぬき、先日、50周年の集会が成功した。その詳しい報告は、当ニュースの他の稿に譲るが、そこで関西実行委員会からの挨拶や決意表明がなかったことが、関実内外から問われた。また批判の声も聞く。永井代表、山本世話人、そして安藤、私の両事務局次長がそろって参加していたこともあり、その人々には奇異に映ったのだろう。

 3月27日のあの成田市での集会で萩原富夫さんが反対同盟を代表して「50年を期して、分裂などの過去の壁を乗り越え、新たなうねりの中から市東さんへの農地強奪の攻撃をはねかえそう」という趣旨の提起を行った。

 この鮮烈な提起を聞いた時、私は、50周年の集会に「従来の枠組み」にこだわる必要はないと思った。残念ながら「7・3東京集会」はそうした準備の時間も討論もなく行われたために、基本的には「従来の枠組み」を引きずりながら、しかし、萩原さん、反対同盟の想いを反映したものとなった。それを支えるために、「時間もない」こともあり、私は関西実行委員会の発言を配慮することはないことを関実事務局会議の決定とし、反対同盟に事前に申し入れていたのです。私たちは、3・27の反対同盟の決意を反映し、新たなうねりを生み出すことをもって、私たちの三里塚闘争への新たな決意、反対同盟への連帯の想いとしようと決断したのです。

 市東さんの農地を守ろう
今、三里塚闘争は、市東さんの農地をめぐり農地法裁判の最高裁決定がいつ出されるか、また、それに引きずられる形で耕作権裁判、あるいは新やぐら裁判がどう進むか、まさに重大な決戦局面にある。同時に「東京オリンピック」を口実とした成田空港の増便、規制の緩和が目論まれており、さらには第
3滑走路の建設、暫定滑走路のさらなる北延伸までもが具体的な過程に入ってきた。

 参議院選挙の結果としての安倍政権による沖縄・高江、辺野古への襲撃的工事強行、あるいは原発再稼働への前かがみな突入。そして改憲攻撃。こうした反動的な安倍政権の攻撃の中の一つとして、三里塚への攻撃が強まっていることをみなければならないだろう。

 その敵の攻撃を前に、三里塚が、従来のままの枠組みにしがみつき、あるいは「スローガン」を徒に叫んでいるだけのものでは、どうにもならないことは余りにも明らかだろう。

 今、私たちは改めて三里塚闘争を多くの人々に訴えることが必要となっているのではないか。

 農民殺しの農政

 三里塚への1966年閣議決定の攻撃は、そのまえの富里空港攻撃と一体のものです。

自民党政権は、1961年の農業基本法で、第1に農家戸数を減らし、農家一戸当たりの経営規模の拡大。第2に「選択的拡大」、単作化への方向付け。第3に生産性の向上を打ち出した。農地法の改悪により農業への企業、法人の参加への道を開いてさらに悪化したとはいえ、この流れは基本的には今日のTPP攻撃に至るまで一つの流れです。それは今日あけすけに語られている「もう農民はいらない」「儲かるものをつくればいい」という流れとして、1960年代に開始された農業切り捨ての流れなのです。だからこそあの機動隊を前面に出した攻撃が起こったのです。

今日、沖縄・高江に全国の機動隊が500人という規模であれ襲い掛かっている。当時、三里塚には全国から1万人を超える機動隊が集められ、傍若無人の襲撃を行った。今も、空港警備隊は全国からの1500人の動員で維持されていると聞く。このことの異常さを今、私たちは沖縄・高江の皆さんの怒りの声で改めて教わっているのではないか。

農民切り捨て、農業切り捨て、そして農地強奪。このことの決定的理不尽さ、暴虐を今一度問わなければならないのではないだろうか。今回の参議院選挙でも、TPPをめぐって争われた東北各県と北海道などでは自民党を打倒したではないか。

TPPの国会批准を許すな

今、三里塚で、萩原さんと市東さんが、柳川さん、島村さん、小泉さん、石井さんなどが農業を続けて行けるかどうか。北総の豊かな大地に、土に魅せられた若い人たちの農業への新たな参入があるとも聞く。こうしたさまざまな農民が生きて行く、農業の新しい在り方が、実は必要とされているのではないだろうか。三里塚闘争とは、そうした本来あるべき農業、農民の生き方を潰そうとしてきた国家権力との闘いではなかったのか。もちろん、ベトナム戦争の時代として「戦争反対」「軍事空港反対」の流れが強く反映した闘いとなったのも事実だが。

もちろんTPP反対がもはや農業だけではなく、医療や労使関係など様々な分野での新自由主義との闘いとなっている。しかし、農業、食糧の問題として非常に重要であることにはかわりはない。少なくとも「農民はいらない」「食糧は輸入すればいい」などという論理がまかり通るようなことがあってはならないことは自明の問題ではないのか。

TPPの国会批准が叫ばれるこの重大な局面でこそ、三里塚闘争に込められた農業のこうした課題を、今一度、私たち自身の軸に据えきって、たたかいの方向を定めなければならないのではないか。それができるとき、はじめて「沖縄、福島とともにたたかう」多くの人々との共闘の輪ができてくるのではないだろうか。

この秋の取り組みを、その第一歩としよう。9月7日、最高裁へのデモ、署名の第3次提出行動、10月9日、三里塚現地全国総決起集会、そして9月26日、新やぐら裁判、10月17日、耕作権裁判の傍聴に。

               関実事務局  松原康彦
           (関実ニュース 第157号より転載)

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2016年9月 3日 (土)

今週の産直野菜 (9月3日)

1693 今日は早めに三里塚から野菜が届いた。

 トマト、ししとう、ピーマン、じゃがいも、ニガウリ、はぐらうり、モロヘイヤ、空芯菜、青唐辛子、葉ショウガ 以上10品。

 小さい箱で、軽い。と思わず思ったのですが、この時期としては多彩。虫が多く発生して穴だらけになるのですが、モロヘイヤも、まずまずきれい。

9月7日、最高裁包囲デモ~第3次署名提出行動へ

最高裁包囲デモ 午後1時30分・星陵会館集合(「打ち合わせ」もなく、すぐにデモに出るそうです。事前に来たときは、星陵会館に部屋をとっているそうです)
署名提出行動 午後2時 最高裁判所西側通用門
最寄駅は、いずれも有楽町線永田町6番出口

みなさん。集まりましょう。

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