7・3 三里塚東京集会報告
7・3三里塚50周年 東京集会報告
尼崎・伊丹実 弥永
7月3日、東京墨田区のすみだ産業会館にて、三里塚闘争50周年を記念する集会が630名の結集で開催されました。
税金の不当使用
最寄り駅であるJR錦糸町駅に降り立つと駅前は大変な人だかり、「さすが東京」と感心したのですが、よく見るとその中には数十人の公安警察が改札から出てくる私たちをチェックしているではありませんか。この間「政治とカネ」が何度も問題になっていますが、この多数の公安警察の動員も明らかに税金の不当使用であり、舛添前都知事以上に指弾されるべきではないでしょうか。「しかし公安の連中みんな若いなあ」「ちゃうちゃう、こっちが年とっただけや」などと話しながら会場に入りました。
「大地の乱」の思い出
萩原富夫さんの司会で始まり、まず市東孝雄さんが主催者挨拶として北原事務局長のメッセージを代読しました。そういえば30周年東京集会の時は会場で北原著の「大地の乱」を購入し、北原さん直筆のサインをしてもらったなあと懐かしく思い出していました。その達筆ぶりには感心したものでした。またお元気な姿を拝見できるよう望むばかりです。
次はおなじみの浪速の唄う巨人、趙博さん(通称パギやん)のミニライブ。歌が上手なのは当然ですが、最近はスピーチも大変オモロイ・・何度も会場を笑わせました。
二人の新鮮なお話
そしてゲスト・スピーカーとして2名の方が登壇しました。まず新崎盛吾さん。(あの沖縄近現代史の新崎盛暉氏のご子息とのことです)彼は新聞労連委員長ですが、この肩書きでこの集会に参加すると何かと周囲から雑音が入るらしく「今日は一記者として話します」と断わったあと三里塚との関わりを語りました。それは第二滑走路建設過程の時に共同通信成田支局に勤務し、反対同盟農民に何度も取材したことが始まりだったとのことです。(取材に応じてくれることもあるが拒否されることも度々あったそうです)そして支局からのメッセージがなかなか中央に正確に届かず悔しい思いを経験したとのことです。沖縄にルーツを持つ彼は、この状況が本土の沖縄への無理解とリンクして考えられたのです。
また故萩原進さんとは何度も酒を酌み交わし「いつまでここにいるのか?」と尋ねられ「ずっといたらいい」と言われたことが印象に残っていると語りました。最後に50年の歴史に敬意を表し話を終えました。
次にフリージャーナリストの天笠啓祐さんから1967年初めて三里塚を訪れ、その後72年からは原発問題にも取組んでいると自己紹介がありました。氏は50年前の閣議決定(高度経済成長)から71年の強制代執行(グローバリズムの台頭)を経て中曽根政権の「戦後政治の総決算」と進み「農業はもういらない」(86年前川レポート)と農業切捨ての政策が露骨になっていく中で、三里塚が農業農民の先頭に立ってそれに抗い闘い続けていることの大きな意義を訴えました。そして今日、WTO(多国籍企業)で種子を支配し、FTA、EPAなど大企業優先の協定を厳しく批判し、「車を売って食料を買う、この延長線上にあるのがTPPです。グローバル化は食の安全を奪うものです」と警鐘を鳴らしました。そして最後に「三里塚と共に農民(生産者)と消費者の結びつきが大切」という言葉で話しを締めました。
今回のこのお二人の講演は普段の全国集会では聞けない新鮮で貴重なものでした。
各地、各戦線から
その後当該の市東孝雄さんが「今日はやって良かった。私は農業が好きです。農地は命、安倍をひっくり返す闘いをします」と決意を語り、関西からも全日建運輸連帯労組関西生コン支部の西山執行委員が「関西でも(50周年企画の)協議に入っています。闘いを継続させなければ拡がりはない」と挨拶しました。
また沖縄の安次富浩さんは「参院選に勝利して安倍政権を打倒することで沖縄の闘いを前進させる。三里塚―福島―沖縄の連帯を」と、同じく金治明(キム チミョン)さんは「沖縄は海の三里塚闘争」と辺野古の闘いをこれからも三里塚のように実力闘争として闘い続ける決意を明らかにしました。(今回の参院選は改憲勢力3分の2を許す結果となりましたが、沖縄だけは現役閣僚に大差をつけて伊波さんが勝利しました。大阪、兵庫の惨敗を考えると本当に沖縄の皆さんに申し訳ない気持ちでいっぱいです。)
その後各地各戦線からアピールが続き、最後に萩原富夫さんが集会宣言と行動提起を読み上げ東京集会を終えました。
創意と工夫で
今回はいつもの全国集会と異なり、50年の歴史に思いを馳せる発言が多かったのですが、どの発言も決して昔を懐かしむだけのものではなく、不屈の闘いはこれからも続くことを感じさせるものであったと思います。確かに私たち支援者の高齢化などの問題はありますが、これからも創意と工夫で「市東農地死守」の闘いに全力を尽くしたいと思います。
各裁判闘争への参加と10・9全国集会へ共に頑張りましょう。
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