
反戦・反核、農地死守、このたたかいを続けて50年。50年、国家を相手にしてたたかい続けているということは、素晴らしいことです。ともに喜びましょう。
私が三里塚を知ったのは、遠い昔で49歳、高校の教師をしていまして、結核で1年、療養所にはいりました。ちょうどその時が、あの強制代執行の激しいたたかいの最中でした。新聞をとおして三里塚のたたかいを見ているうちに、「ああ、国家というものは、国家の方針に反対する奴は国賊、国賊は敵、敵は殺してもいいんだ、木の上に縛ったまま倒してもいいんだ」と、これは戦争をやっているなと、そんな感じで記事を見ていました。ちょうどそれが49歳から50歳になる一年間でした。
結核が癒えて、また教職にもどりました。その間に三里塚に対する私の想いは次第に深くなって、その数年後、ついに三里塚現地に入るようになりました。
もう亡くなりましたが、小川源さんの家に泊まって、夜通し、いかに苦労して生活をしてきたかと話しを聞いてするうちに、ほんとに今まで私が療養所で描いておった三里塚のたたかいなんてのは、まるで絵だと、その絵がば~っと動きだしたかんじでした。
日本の国が敗戦から連なって、戦争のできる態勢が、そんなんがじわじわ進んでくる中で、反戦のトップに立って、三里塚はたたかいぬいてきたわけです。反核の問題にしても、三里塚ははじめから反核、原発反対をずっと唱えてきましたが、現実は、安倍自身が原発を売り歩くような状態です。
数日前に、なんという、え~と名前を忘れてしまいましたが、大津(地方)裁判所で高浜原発、3号、4号の稼働停止させるという記事がたしか一昨日くらいだと思いますが(【注】実際は18日前の3月9日)、名前も忘れてしまって、96歳になると頭がぼけているんですけれども、関西の関経連といいますか、関西の経済界のトップが、名前を忘れましたが、その男がなんと言ったかというと、大津(地方)裁判所の判決に対して、「憤りより、怒りを覚える」と言いました。「憤り」と「怒り」は違います。「怒りを覚える」。これが実は、安倍の本性なんです。人のいのちを大切にするよりも、儲けることのほうが大切。福島の事故を安倍ははっきりと「すべてブロックした」と言いましたが、なにをブロックしたんですか。
確かに回復のための努力はして、国民は頑張っています。しかし、「今日は27日?」、確か昨日です。チェルノブイリから30年の日ですよ(実際は、4月26日)。チェルノブイリの話しが新聞に載っていましたが、あのチェルノブイリの上にさらに大きなものをかぶして放射能をでないようにして、その周辺はいっさい人を住ませない。そんな状態なのに、福島はどうですか。もう、刻一刻と人が住めるようにしている。実際、そこに住むかといったら、とっても無理なこと、これが日本の現状です。
今いった反戦・反核の問題のほかに、三里塚のたたかいをずっと続ける中で、今、一番シンプルな、大切な問題になっているのは、何といっても市東さんの土地を取り上げるということを絶対に許さないというたたかいだと思います。
ほんとに我々は大地という、自然にある大地、この大地のなかにある大切な力を人間がこれを育てて大きくして、それをありがたくいただいて生活して、また大地を肥やす。これが自然の循環なのです。そんなことを無視して、機械で特殊な安いものをつくる、そういう農業。TPPはそういう農業を必ず生みだします。
わたしは96歳で独り暮らしをしていますんで、毎日野菜を食べたいと思うんですけれども、なかなかこまめに動けない。生協をとおして10種類の野菜を、生で食べられるという、そんなパックがあります。それを生協をとおして、「ほんまかいな。これ役にたつんかいな。洗わなくてもいいのかな。栄養価は足りているのかな。まあ、ナマのまま食べよう」。そんな食べ方です。これ自身が不自然なんです。間違いなんです、こんなことは。
ほんとは孝雄さんがやっているように、おじいさんの代から作った畑が生みだした、大切な、大切な宝物をいただいて、我々は生きているんです。
それを無視して、孝雄さんの土地を取り上げようとする、日本政府がこの自然の力に反することは絶対に許すことができないものです。
われわれは、もっともっと。目の前にオリンピックを控えて、第3滑走路をつくるとか、拡張するとか、それを賛成する人もあるようですが、人よりもカネのほうが大事というようなそんな世の中は、われわれは止めなければならない。
昨年の成田駅前の集会をやってから1年。今日、こうして見まして、正直言って、みなさん、一生懸命やられているのを、残念ながら人数が(ここで「まとめてください」と声が)、これの5倍、10倍、もっともっと欲しいです。実際に、今、原発の問題にせよ、沖縄の問題にせよ、集まるといったら、すぐ国会前にあれだけの人が集まる。そういう世の中で、議会の議席数だけで決められるような政治は、将来、ダメなんです。我々の怒りで、世の中を動かさなければいけない。
みなさん。一緒に頑張りぬきましょう。
(本文中の( )内は、管理人による加筆、訂正です)
最近のコメント