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2016年3月 1日 (火)

耕作権裁判・第28回口頭弁論を傍聴して

 昨日29日、千葉地裁で市東孝雄さん(右写真)の農地に係る「耕作権裁判」の口頭弁論が開かれた。

 Img_0560耕作権裁判は、20072月、市東さんが耕作する一部の農地が「不法耕作」であるとの空港会社による文字通り「言いがかり」でしかない訴えによってはじめられた。市東さんは「今も悔しくて眠れない」と繰り返し想いを語っている。ところが裁判の中で、空港会社の農地の取得が農地法に違反しているなどの違法が明らかになるばかりでなく、そもそも訴えた農地の特定の根拠とされた「測量図」や「境界確認書」などが空港会社による偽造であることが明らかになった。それらが作られた経緯を示す関係書類などがあるはずだから提出しろとの市東さん側の訴えを、空港会社は否認したが、東京高裁がこの訴えを認め、空港会社に「文書提出命令」を行った。

 この経過のために、裁判は2年半中断し、昨年6月に再開された。そのため、裁判の論点を整理するための弁論がこの3回の口頭弁論によって行われてきた、この日はその最後のものだった。

 「裁判事務局」が作成した『229耕作権裁判傍聴のために』作られた資料をそのまま転載させていただきます。

― NAAは文書偽造を認めて「明け渡し請求」を取り下げろ!

 Img_0561本日、第28回耕作権裁判が民事第2部・岸日出夫裁判長により行われます。前回1214日の裁判に続いて今回も、成田空港会社(NAA)による農地取得および市東さんの耕作地に対する賃貸借契約は違法・無効であることを明らかにする準備書面(28)を陳述します。その中で本日はNAAによる文書偽造の問題、訴権の濫用・信義則違反の問題、文書提出命令を無視することによる制裁の問題等々について弁論を行います。

 NAAが市東さんの耕作権を特定する唯一の根拠としている同意書、境界確認書、Img_0563地積測量図が偽造であることは明らかであり、それは根本筆跡鑑定書によって明確に裏付けられています。これほど重大な問題を別件の農地裁判で多見谷裁判長は、完全に無視して触れていません。これは本件でNAAが最高裁で文書提出命令が決定したにもかかわらず未だに出さないのと同じことです。つまり、偽造が暴露されて決定的に不利になるからです。この偽造問題をさらに徹底的に明らかにします。

 元総裁黒野らの重大な信義則違反・訴権の濫用!

 Img_0566黒野元総裁は、「皆様が日々生活を営んでおられるまさにその場所の真上数十メートルに航空機を飛ばすことが、皆様にどのような被害をもたらすのかについて、深く検討もせず看過してしまったというのが正直な所であり、航空行政に携わる者として、全く恥ずべきことであると大変申し訳なく思っております。・・・失われた名誉、尊厳に対して、私どもは充分心を砕かねばならなかったのだと痛感しており、改めて深くお詫びし、反省する次第です」等々の文書を出している。また、越智元運輸大臣や山本元空港公団総裁らも、「あらゆる意味で強制的手段をとらない」などと全社会に対して誓約している。しかし彼らは、平気でこのような約束を踏みにじって空港建設を強行している。黒野は現在も、第3滑走路建設や空港の24時間化などを策動し、言動とは全くImg_0572裏腹のことを強行している。本件明け渡し請求は、明らかに信義則に違背した訴権の濫用であり、棄却さるべきです。

 更に、文書提出命令を頑固に拒否し続けるNAAに対して民訴訟2243項に基づく制裁が課さるべき問題等について明らかにします。NAAは直ちに明け渡し請求を取り下げ、裁判長はNAAの請求を却下せよ!Img_0576葉山弁護士をはじめ4人の弁護士から断固たる弁論が行われ、次回の期日を425日、次々回を711日(いずれも午前10時半から、千葉地裁601号法廷)とすることを確認して法廷は終わった。

 閉廷後、弁護士会館で報告会が行われた。冒頭あいさつに立った市東さんは、Img_0578「裁判の進行を見てもわかるように、裁判になるような問題じゃないということが今日もありました。しかしやはり「国策裁判」としての裁判は、よく北原さんが言うように「今、Img_0580こっちが勝ってるんだけど、判決になるとわかんない」だ」と静かな口ぶりの中に悔しさと怒りをにじませて語った上で、裁判への傍聴、そして32773への決起を訴えた。

 残った弁護士のみなさん5人からそれぞれ挨拶があった上で、動労千葉、関西実行委員会、市東さんの会、農民会議から連帯の挨拶が行われた。特に農民会議の小川さん(右写真)から、TPPについて、「自民党は政権についた公約がTPP絶対反対だった」「農業は守られたと農民を騙したが、Img_0583ふたを開けてみたらすべてを投げ出している」と安倍政権の嘘とペテンを弾劾した。

 最後に、萩原富夫さんが、327への決起を訴えるとともに、7350周年集会」を取り組む基本的な考え方が明らかにされた。

 まず、全力で、327日、成田市赤坂公園で開かれる全国集会に結集する態勢を作ろう!

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