第三誘導路裁判を傍聴して(12月22日)
昨日、12月22日、今月4つ目の三里塚の裁判、第3誘導路裁判の第22回口頭弁論が開かれた。この日のわずか4日前、突然、移動時期でもないのに裁判長が、阪本勝裁判長(元東京地裁裁判長)に交代した。この日の法廷は、裁判長交代に伴う更新意見陳述が反対同盟弁護団によって行われた。
しかし、わずか4日で、「更新意見陳述を十分準備できるはずがないし、お互いに顔を合わせるという意味でやるが、次回口頭弁論で改めて更新意見陳述をやる」(一瀬弁護士)ことが、弁論の最後に主張され、裁判長もしぶしぶ認めた。
葉山弁護士は、50年前の1966年、友納・若狭会談、佐藤・友納会談によって行き詰っていた冨里空港案を三里塚に持ってきて、閣議決定をなんら地元対策も行うことなく強行した経緯から語り始め、それは地元住民への奇襲であり、「国策」として違法であるとし、そのうえで3点にわたって成田空港が国際空港としての要件を欠いていることを断罪した。
大口弁護士は、裁判長が憲法34条、14条の原則にたった裁判を進めることを求めたうえで、多見谷裁判長によって進められた農地法裁判の反動判決は、裁判所の自殺行為であったと断じた。20年前の成田治安法の経緯を憲法29条に違反していることを明らかにした上で、裁判所の中に「成田は別だ」という誤った論理が存在することを弾劾した。そして辺野古基地建設を巡る沖縄の裁判で、その多見谷裁判長が派遣されたシフトを批判した。
一瀬弁護士は、5つの千葉地裁での三里塚に関わる裁判全体を問題にし、成田空港問題の現局面を明らかにした。それは一に市東孝雄さんの農地を奪い、市東さんに「出ていけ」というものであることを明らかにした。人間の尊厳、生きる権利を奪おうとしている、こんなことが日本国憲法のもとで許されるのかと。このことに裁判長が真正面から向き合い、市東さんの闘いが、1人の問題ではなく、この国の現状の中で農業破壊を許さないその闘いが、身体をはってこの国の人びとの基本的人権を守る闘いとなっているのだと明らかにした。
裁判長は、30分の約束が45分になっているので、次回口頭弁論で更新手続きをやるとしても、1時間と言っても1時間半になると圧倒された気持ちを吐露していた。次回の弁論は、3月15日(火)午前10時半から、12時までいっぱいかけて、更新手続きの陳述と、騒音問題など裁判の方向付けをまとめる弁論が行われる。次々回は5月17日(火)午前10時半から。
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