耕作権裁判・口頭弁論を傍聴(12月14日)
「国策」の不正義を弾劾する
12月14日、千葉地裁民事第2部・岸日出夫裁判長により第27回「耕作権裁判」口頭弁論が開かれました。
この日の裁判には遠く沖縄辺野古から金治明さん(市東さんの農地を守る沖縄の会事務局長)もかけつけて、傍聴席はほぼ一杯。耕作権裁判は市東孝雄さんに農地を明け渡せと成田空港会社(NAA)が訴えているため市東(しとう)孝雄さんと弁護団は被告席に座っています。しかし、裁かれるべきはNAAや国家権力であり、この日も弁護団傍聴席一体となった怒りの弾劾弁論が行なわれました。
論点の一つにNAAの農地取得の違法性があります。葉山弁護士は前回裁判の書面を補充するために本日27号証を陳述すると宣言し、内容についてまず一瀬弁護士が陳述。「NAAは農地法第5条にも第3条にも違反して小作人市東東市(とういち、孝雄さんの父)さんの農地を取得している。農地法には小作人の承諾が必要だと規定されているのに、NAAは空港用地なので不要だ、と勝手な判断をして地主と秘密裏に契約し、登記した。これは無効だ」と法律違反を指摘。また葉山弁護士から「強制収容が出来ない為の任意買収だから当然小作人の同意が必要だ。県知事の許可も取っていない。違法行為だ」と厳しく追及。さらに吉田弁護士からは「農地法の施行規則に関しても違反してといる実態がある。」と指摘。遠藤弁護士は「そもそも空港敷地として告示していない農地の取得についても空港用地だと騙して取得している。」と違法性を明らかにすると、傍聴席から大きな拍手が沸き起こりました。
被告弁護団の陳述がひととおり終わって裁判長が原告に意見を求めると「準備書面を出す」と弱々しく答えるだけでした。次回期日は、2月29日(月)と4月25日(月)いずれも午前10時半。
農地署名を年内に1万に
裁判終了後、報告会(最初の写真)が隣の弁護士会館で開かれ、冒頭あいさつに立っ
た市東さんが「ますますNAAの問題点が明らかになってきた。これからも追いつめてゆこう。署名獲得をすすめ、年内に1万を達成しよう」とアピールされました(右写真は裁判資料)。
葉山弁護士から「沖縄の辺野古基地裁判が始まったが、裁判長があの多見谷寿郎裁判長だ。三里塚で不当判決をだした彼が辺野古でも画策しているのか」と沖縄タイムスのコピーを示して説明されました。これを受けて沖縄の金治明さんが「三里塚と沖縄一体となって闘う。我々辺野古では海の三里塚を合言葉に闘っている」と挨拶されました。
反対同盟の萩原富夫さんは「今日の裁判闘争で弁護団の意見陳述は素晴らしかった。NAAは空港の為だと強弁しているが、これからも国策と闘い続け、安倍内閣と対決してゆきたい。父が亡くなって2年、三回忌を迎える。大きな大黒柱を失ったが、今日まで闘って来れた。全国の皆さんとがんばりぬきたい」との決意を語りました。
関西実行委員会を代表して安藤から「署名を集めきる、団結野菜市を成功させる。関実の旗びらきに反対同盟からも参加いただきたい」などを訴えました。
報告 事務局次長 安藤眞一
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