第3誘導租裁判を傍聴して(10月1日)
今日、千葉地裁で第3誘導路裁判の第21回目の口頭弁論が開かれました。
すでに弁護団は、成田空港の航空機騒音によって空港周辺住民の生活と人権が侵害していることをこの法廷で、強く訴え続けてきました。その大きな論拠として昨年5月の住民の被害を認め、差止めを認めた厚木基地爆音訴訟横浜地裁判決を大きなよりどころとしてきました。
これに対し、被告の国・空港会社はこの問題について「住民の生活を侵害しても空港には『公共性』があり、それなりの補償金を支払えば問題はない」などと居直り、騒音は生活権を侵害しない、という暴論を主張しています」(当日配布された裁判資料より引用)。
今年7月30日、東京高裁は、この厚木基地爆音訴訟の控訴審判決において「一審と同様に自衛隊機の深夜・早朝の飛行差し止めを命じる判決をだした。さらに騒音被害について、将来分まで支払うように国に命じた」(7・30朝日新聞より)画期的なものとなった。WHOのガイドラインやそのの事務局がヨーロッパに適用している「騒音基準」とされるものをその判断基準に組み入れたもので、今日弁論を論じた大口弁護士は、「ようやく日本でもそれらが市民権を得た画期的なものだ」と評価した。さらに厚木基地の場合には75WECPNL(人体に健康被害などが出る基準)をこえるのが平均で日に1回だが、成田空港の天神峰地区ではそれが日に平均11.8回だとして、「成田空港の騒音問題は厚木基地の10倍にあたる」と北海道大学の松井教授の指摘に触れられた。
この日の東京新聞には、前日、成田空港会社(NAA)が、成田空港の機能強化策の具体化に向けた調査などを行う「成田国際空港の更なる機能強化推進本部」を発足させたと報じている。
「機能強化」とは夜間飛行時間の緩和を軸とした、さらの第3滑走路建設を射程に入れたものであることはあきらかです。とりわけ1920年の東京オリンピックに向けた増便対策が緊急の課題となっているのだ。そうした姿勢が冒頭のべた「住民の生活を侵害していても空港には公共性がある。騒音は生活権を侵害しない」などの暴論が出てくるのだ。断じて許されない。(左写真は裁判後の報告会)
安倍政権が、「アベノミクス」、「第2の3本の矢」などと必死で支持率の低下を食い止めようとしているが、その実は、「このように住民の生活などどうなってもいい」ということを三里塚の農民、住民に押し付けてきているのだ。どうしてこうしたことがゆるされるだろうか。
三里塚は今、なによりも「公共性」の最たるものの農業、農をまもれるかどうかをかけて成田空港会社と国の策謀と真っ向から対決しています。それは現下のTPPの問題になによりも現れています。そしてそのことがなによりも 象徴的に示されてるのが、市東孝雄さんの農地をめぐる「空港のために裁判で取り上げる」という空港会社・国の攻撃なのです。
みなさん。このような空港会社・国の理不尽をゆるさず、市東さんの農地を巡る最高裁への「緊急5万人署名」を全力で至急に取り組んでくださることを訴えるとともに、10・11三里塚全国集会に結集されることを訴えます。
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