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2015年9月22日 (火)

9・16講演集会での三里塚・萩原富夫さんの挨拶

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先日ひらかれた『9・16ほんまやばいでTPP講演集会』で来賓あいさつに、三里塚から参加された反対同盟事務局の萩原富夫さんが挨拶されましたので、その全文を掲載いたします。

 ―― 三里塚からきました萩原ともうします。あまり「三里塚」といってもなじみのないかたもいらっしゃるかもしれませんけれども、私たちは成田空港建設に反対してもう49年になります。私で3代目になります。
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私は、親父が2年前に亡くなってしまったので、事務局を引き継ぐことになりまして、事務局に入って頑張っている所なんですが、今日は、発言の機会をいただきましてほんとにありがとうございます。
 
TPPにたいしては、やはり私たちは農民の立場から一貫して反対してまいりました。農民と農業をないがしろにしてきた空港建設に反対する立場から、やはりこのTPPの攻撃というのは、社会に対する攻撃というのは、三里塚に対する三里塚に対する農民つぶし、農業つぶしと一体のものであるという立場から反対してきました。やはり、自国の農業を潰してどうやって生きて行こうというんでしょうか。これは私たち農民の立場からみるとね、「農業が無くなったら、みんなどうするの」ってほんとに心から思います。
 
僕はたまたま農業を引き継ぐことになって、現在も闘っているわけですけれども、そこで、今、B滑走路の予定地で耕作されています市東孝雄さん、その署名運動のリーフレットが資料に入っていると思いますが、これは市東さんの農地に対して、農地取り上げの攻撃がかけられまして、現在、9年にわたって裁判闘争を闘っています。千葉地裁、東京高裁での段階での署名運動を全国の皆さまにお願いしてまいりましたが、残念ながら東京高裁におきましても、残念ながら、空港側を支持する、私たちの訴えを却下するという判決が出ております。それで私たちも、今度は、最高裁に上告しまして、810日に上告趣意書をだしまして、そこから、一応いろんな裁判のあれがあるんですけれども、最高裁になると公判といいますか弁論の機会がありませんので、私たち、ほんとに切羽詰っています。いったい、いつ判決が出るかもわからないような闘いなんですね。
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そういう中で、新しく「緊急5万人署名」という形で、全国の皆さまにお願いを始めている所であります。そういう中で、特にお願いしたいのは「賛同人署名」という形でですね、ほんとに市東さん、市東さんを応援する応援団になってほしいんですね。「賛同人、私は賛同して署名も呼びかけます」そういう形でお名前を公表して、署名をもっともっと広げていくためにぜひ協力していただきたいということで、賛同人署名ということで、それも両方で、セットで進めさせていただいています。
 
市東さんはリーフレットにありますように大正時代から親子三代、100年近く農業を続けてきました。ただそれを、「跡継ぎだから」ということで、「自分は家に帰ったらもう農業をやるんだ」という想いで市東孝雄さんは引き継いだわけです。その時はもう、昔あったように強制収用、土地収用法に基づく強制収用ということはもうできないという段階にあったんですね。ところが、こっそりと空港公団が1988年に土地を用地買収していまして、(市東さんは)それを知らずに農業を続けていたんです。そして突然、裁判で訴えてくる(2007年)という形になったんですね。で、そういう中で市東さんは、「この農地というのは自分のいのちと一緒なんだ」「絶対守り抜くんだ」という決意で現在も闘いぬかれています。
 
私たちが掲げているこの「農地はいのち」、農業というのはほんとにいのちだなと私たち自身もこの運動の中で農地の大切さ、いのちを生む、自然の大切さというものをあらためて考えなおして、そういう立場からも訴えを始めています。
 
やっぱり「農業よりも空港の方が公益性があるんだ」「農民に対しては補償をすればそれでいいんだ」「ほかでやるにしても、移転してでもできるじゃないか」と、そういうことを言うわけですね。
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しかし、市東さん、あるいは(福島の)被災地の農民のことを思い浮かべてください、と思いますけれども、「よそへ行ってやればいいじゃないか」っていうはなしじゃないんですよね。農業というのはね。やっぱり、自分たちが育ててきたもの、先代・先々代から引き継いできたもの、いうものは、その人、その人にとって大切なものなんですよね。そういう想いを、市東さんのことを考えていくうちに、「ほんとにそういうってのは大事なんだな」っていう気がしています。
 
だから、こういう市東さんの闘いというのは、農業切り捨て、農民を切り捨てていくTPPのやり方、農政ですね、そういうのとまったく、なんていうのかな、そういう農業を切り捨てて自動車産業で儲けるというTPPのやり方、やっぱりこれとたたかうのと、市東さんの闘いは同じ闘いだと。空港は、農業よりも大事だ、空港でもっと多くの人が経済的に潤う方がいいんだというような言い方でいいます。そしてやっぱりTPPで自動車産業の輸出がもっと増えた方がいいんだ、農業は輸入すればいいんだと、そういうことが言われてますよね。
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だけど、実はTPPていうのは農業の問題だけではないということをね、皆さんもご承知だと思いますけれども、この辺で、今日の講演を聞かしていただいて、私も勉強したいところでありますが、やはり今日の取り組みというのは、とても大事だと思います。僕も、農業関連の人たちが、TPPに反対する集会やデモとかやられるのは聞くんですけれども、やっぱり、労働者、市民の方々というんですかね、農業関係以外の方々がこういうことに真剣に取り組んでおられるということが、もっともっと広がる必要があると思います。
 
まあ、情勢的にはTPPが、あまり交渉がうまくいくというような報道がされていませんけれども、まあ、アメリカとの二国間の約束があるからちょっと心配だということがあると思います。
 
まあ、そういう中で、私たちも、今日、浜先生の話しを聞きながら、勉強しながらですね、TPPもふくめて、それから現在、国会で闘われております戦争法案との闘い、私たちも、国会の行動には行けるときに何度か行っています。連日、若者と、今闘っているのは若者と老人なんですね。こういうと失礼ですが、定年を過ぎた、かって60年安保なんかを闘った人たちが「やっぱり、死ぬ前に頑張るんだ」。原発の問題もそうなんですが、やっぱり、今、私たちが期待しているのは、高齢者のみなさん、「最後、ほんとに頑張ってほしいな」と。労働者の人々もなかなか動けない状況の中で、ほんとに今、高齢者が頑張らないと、この先大変なことになっていくということだと思いますんで。よく言われているんだと思いますが。(会場、爆笑と拍手)
 
では、一緒にがんばりましょう。今日はありがとうございました。
    

 括弧( )内は、管理人のほうで補充させていただきました。

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