国・空港会社の不正義を許すな
国・空港会社の不正義を許すな
『実行委ニュース』第153号より
関実事務局次長 安藤眞一
成田空港のど真ん中で堂々と農業を続ける市東孝雄さんの闘いを覚え、支援と共感を寄せてくださる皆さん。
去る6月15日に再開された「耕作権裁判」で反対同盟の市東孝雄さんは「6月12日の高裁判決は許せない。証拠調べも審理もやらずに判決を出した。これは今日からの耕作権裁判を有利にしたい裁判所とNAA(成田空港会社)の狙いだ。岸裁判長は正しい裁判をすべきだ。NAAに文書提出をさせなさい。南台の賃借地はすべて私が耕作をしている。100年間地主と争いもなく、地代も藤﨑さんに支払ってきた。私に無断でその土地を買い、出てゆけとは間違っている。私はこの農地で300軒の皆さんに農作物を届け、無農薬有機肥料農業に誇りを持っている。NAAは直ちにこの裁判を取り下げなさい」と裁判長とNAAに激しく意見陳述を行いました。
市東さんの農地を取り上げるために、NAAは私文書を偽造し、保管しているはずの重要文書に対して裁判所は文書提出命令を出しましたが2年半も提出を拒み、再開公判では「ないものはない」と平気でウソをつくNAA(国も同罪だ)の暴挙を許すことは出来ません。そしてこの不正義に手を貸す裁判長は法の番人としての資格はないことを示しています。
この国家権力の暴力団まがいの農地取り上げの動きをはねのけ「私はこの農地で消費者の皆さんに農作物を届ける」と、明るく農業を続ける市東さんの決意に私たちは応えきる必要があります。
最近では「第三滑走路新設の動き」(国交省航空局長が自民党成田空港推進議員連盟総会で推進、7・31毎日など)が頻繁に伝えられ、同時に成田空港の24時間使用化も活発に論議されているようです(深夜早朝便の発着枠増便検討、2・5千葉日報)。いずれの計画も市東さんや反対同盟農家の皆さん、そして空港周辺の市民を騒音地獄にたたきこむ暴挙であり、絶対に認めるわけにはまいりません。
新たな署名運動を
私たちは、市東さんを激励し共に闘う気持ちを込めて、過去の署名活動を全力で取り組んでまいりました。反対同盟はこの8月から最高裁判所に対する新たな署名運動をよびかけています。その趣意書は『6・12東京高裁の「農民殺し」判決を最高裁でくつがえすために、これまでの3万人署名運動の取り組みを基礎にしながらも次元を超えた力が必要です。三里塚に心を寄せる個人・団体の賛同と取り組みを推進力に、5万人署名を集めきり、「強制収用」を許さない広範な農民・労働者・市民の怒りを結集しましょう』との内容で、署名用紙には「農民の耕す権利、生きる権利を否定し、戦争につながる農地取り上げ判決の破棄を求めます」と強く主張しています。
(事務局注・関西では、反対同盟の了解のもとに同封の署名用紙にありますように、関西各界10名のみなさんの呼びかけによる同趣旨の署名を行いますので、ご協力下さい)
この署名用紙を持って、私たちがこれまでに署名をお願いしたすべての皆さんを倍する方々に、署名をお願いする必要があります。「署名をお願いします」と呼びかけると「以前にしました」との答えがあるかも知れませんが、「今度は最高裁への署名です。今までの倍の皆さんにお願いしています」と積極的な署名集めを取り組みましょう。
いま安倍内閣の「戦争法案」を阻止しようと闘いぬく多くの皆さん方が、全国で立ち上がっています。その想いは「命、平和」を守り抜くために、国家の不正義を許さない決意のあらわれだと思います。この5万人署名活動は、その命と平和を守る決意に連なる署名であり、市東さんの農地を守る闘いは、安倍内閣の暴力政治をはねのける重要な闘いであることを強調しておきます。
10・11三里塚へ
すでに3・29の全国集会で萩原富夫さんから提起があった「10・11全国総決起集会」への参加を強く訴えます。今回の集会場所は空港敷地内でフェンスに囲まれた萩原さんの農地(4反5畝の広さ)で、まさに犯罪的な空港づくりを阻止し、営農を続けている決戦場そのものです。この決起集会に参加し、市東さんや萩原さんをはじめ反対同盟の決意を我がものにしましょう。
この10・11に向け、三里塚反対同盟も取り組む医療制度解体や農業破壊のTPPに反対する「ほんまやばいでTPP講演集会」がエルおおさか南館で開催されます。私も呼びかけ人の一人になり、農業を破壊し、市民の生活を犠牲にする「TPPの妥結」に反対してまいりました。先の関係閣僚会議が不調に終わったとニュースで伝えられ、ニュージーランドがつまずきの石となっているようですが、次の会合まで日本の市民も反対していることを強調する必要があります。今回の講演会ではご専門の浜炬子先生に解説いただきます。闘いのバネになることを期待します。
9・16から10・11へ。
| 固定リンク
最近のコメント