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2015年6月16日 (火)

耕作権裁判闘争(6月15日)をたたかって

15615_2 2年半ぶりの審理再開

 15615_3615日、2年半ぶりに開廷された市東さんの耕作権裁判に先立って、千葉地裁の近所にある葭川(よしかわ)公園で9時から決起集会が開かれました。この集会では裁判勝利に向けての決意と、先の農地裁判の高裁判決(612日)への怒りが参加者から表明されました。
 反対同盟の萩原富夫さん(右写真)は「
612不当判決は『国策裁判はこうやるものだ』という我々への恫喝のようなものだ。これへの怒りをバネに、新たな決意で本日からの再開耕作権裁判に勝利しよう。15615_4文書提出命令を拒否し偽造した同意書や確認書を明らかにしないNAAを追求しよう。第三滑走路の動きを許さない」と挨拶されました。このあと参加者は公園から裁判所までデモ行進を行いました。(左写真は、集会で関実を代表して連帯挨拶と決意をのべる安藤眞一)
 
この日の傍聴闘争には100??を超える結集があり、傍聴券の抽選のあと601号法廷での裁判に臨みました。

「請求を棄却すべき」と裁判所に

 この日の裁判では、裁判長交代に伴う更新のための意見表明が被告反対同盟から陳述されました。弁護士7名全員が口々に「文書提出命令に従わないのは許せない。本件農地の位置確定や賃借関係で、合意書や境界確認書の書類が偽造されているとこは明白な事実だ」「これほど重要な土地の売買にともなう交渉記録があるはずだ。命令に従い直ちに出せ」と怒りを込めてNAAを弾劾。新たに着任した裁判長にわかるように、法廷でスライドを使いながら、問題の農地の位置、NAAの図面と公図の図面を比較して間違いの指摘、偽造された合意書や境界確認書のスライド、筆跡鑑定の報告まで実に細かい陳述が弁護士から行われました。15615_5そして全員が訴訟の取り下げを求めました。(右写真は、デモの先頭を行く反対同盟の市東さん、萩原さん)
 
再開された耕作権裁判は千葉地裁民事第2部・岸日出夫裁判長が担当。彼は丁寧な言葉づかいをしつつ、目線はほとんど原告(NAA)の方を向かずに反対同盟に対してモノを言う姿勢はまるでNAAの代弁者です。このような反動的な裁判長に対し、最後に陳述した市東孝雄さんは「612日の高裁判決は許せない。証拠調べも審理もやらずに判決を出した。これは今日の耕作権裁判を有利にしたい裁判所とNAAの狙いだ。岸裁判長は正しい裁判をすべきだ。NAAに文書提出をさせなさい。南台の賃借地はすべて私が耕作をしている。100年間地主と争いもなく、地代も藤崎さんに支払ってきた。私に無断でその土地を買い、出てゆけとは間違っている。私はこの農地で300軒の皆さんに農作物を届け、無農薬有機肥料農業に誇りを持っている。NAAは直ちにこの裁判を取り下げなさい」と火を吐くような勢いで裁判官とNAAをにらみつけました。
 
法廷の反対同盟、弁護団、傍聴席が怒りに満ちたのは、今後の訴訟論点整理のやりとりで(文書提出命令に対し)、裁判長が「ないものはない、出てくるはずもない」と言い放った時でした。証拠の偽造に関わる重要書類とそれにともなう交渉記録は、東京高裁も認めざるをえなかったこの裁判最大の争点です。それに予断をもって臨んでいるとしか聞くことのできないこのことばには、驚きと怒りしかありませんでした。本当に許せない訴訟指揮です。15615_6市東さんの決意を我が物として、徹底的に裁判所とNAAを追い詰めましょう。
 
裁判は、このあと次回の期日を914日午前10時半、次々回の期日を1214日午前10時半と決め、12時半に閉廷しました。
 
2時間に及ぶ裁判のあと、弁護士会館では報告会が行われましたが、安藤は国会前で続けられている「戦争法案審議への抗議闘争」に参加するために退席しました。                    
              事務局次長 安藤眞一

【補足】 裁判終了後、報告会が行われました。冒頭、市東孝雄さん(右上写真)は、6・12農地裁判控訴審判決への怒りを再度明らかにするとともに、そもそも耕作権裁判提訴自体で、自分が耕している農地が「不法耕作だ」と言われたことに、「今も悔しくて眠れない」と怒りをあらわにされ、私たち支援に闘いへの取り組みをもとめました。
 葉山弁護士が、裁判の状況を簡単に報告し、「農地裁判でやられたことを、この法廷でやり返していこう」と訴え、傍聴闘争の大事さを明らかにされた。数人のひとが質問をし、それぞれに弁護団のみなさんが答え、説明された。
 最後に、萩原富夫さんがこの日のたたかいのまとめとして、耕作権裁判の闘いの勝利を通して市東さんの農地を守ることを訴えるとともに、第3滑走路計画による攻撃を、騒音問題などが出る広範な周辺住民とともに絶対に許さない、そういうたたかいをやっていきたいとまとめられました。
 (明日の出荷作業のためにはやく現地に帰るために、いつもの弁護団全員による説明や、支援からの決意表明は省略されました。)

 

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