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2015年6月28日 (日)

団結街道裁判第19回口頭弁論

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 6月26日、千葉地裁で団結街道裁判第19回口頭弁論が開かれました。

 団結街道は、市東孝雄さんが現に耕作している畑に隣接し、毎日150台にのぼる自動車が利用していた道路です。成田市が廃道にした市道の中にこういう例があるのかという争点に対し、ようやく成田市は、27の廃道化の具体例をだし、このような実際に多くの市民によって利用され、しかも耕作地に接した「廃道化」の例がほかにないことが明らかになりました。
 また、2010年の3月市議会にこの団結街道の廃道化の提案と採決(16日)が行われましたが、これが行う前提となる廃道要件として、その理由とされた第3誘導路計画をNAA(空港会社)が国交省に「変更申請」したのは、この採決が行われた日より2週間以上も後の4月2日でした。このような問題など、成田市議会の提案と採決の法的な位置づけがあるのかなどが釈明を求められ、この日に成田市側から釈明書が提出されました。

 いよいよ団結街道廃道化をめぐる核心が裁判の争点となって明らかになってきています。裁判所は、こうした事実関係を認知していることを明らかにしつつ、「廃道化」の違法性を認めながら、第3誘導路の運用がすでに行われていることを根拠に原告・反対同盟の訴えを却下する恐れがあります。
 この裁判に注目し、不当な市東さんの農地強奪への前提としての団結街道廃道化の犯罪を明らかにし、勝利をもぎ取ろう。

 団結街道裁判の次回口頭弁論を、9月8日午前10時半に開くことを決めて、この日の裁判を終わりました。

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2015年6月27日 (土)

今週の産直野菜(6月27日)

15627 今週の産直野菜が、今、三里塚から届きました。重い・・・。

 セロリ、ししとう、ニンジン、玉ねぎ、じゃがいも、ニラ、とうもろこし、ズッキーニ、インゲン、春菊、なす、きゅうり、ピーマン 先週に続いて13品。しかも、セロリ、トウモロコシ、待ってました。これがまた美味しい・・・。セロリは毎朝のジュースに。

 昨日の報道で、東北の梅雨入りが3週間も遅れ、エルニーニョの影響で7月にかけて雨や曇りの多い日が続くとか。
 農作業に影響が出てくるのが心配です。この時期の雨それ自体は大事なのでしょうが、7月の気温などがどうなるでしょうか。昨日の朝、千葉で肌寒いのにびっくりした。日中は暑くはなりましたが。それでも雨で、そんなに気温は上がらなかったのではないでしょうか。関西に夕方帰り着いて、やはり肌寒い・・・。上着を持って行っていなかったので・・・。とにかく、この豊富な野菜が育ち、届いてくれることを祈ります。

 アメリカ議会のTPA(貿易促進権限)法案をめぐるジグザグと、結局、カネと権力によるアメリカ議会の野合による通過。そして朝日新聞の露骨なTPP推進の報道。また安倍と甘利の喜びよう・・・。「12か国による協議を進め合意へ」と言われるが、日米両大国と多国籍企業によるアジアへの経済支配に向けたこのTPP。フィリッピンの協議離脱(4月)が示すように、その正体は徐々に明らかになっています。この安保法制、「戦争のできる国造り」と一体のものでしかないTPPに反対する声を、今こそ大きくしていこう! 市東さんの農地を守る闘いも、その重要な一翼だ。

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2015年6月22日 (月)

判決は違法で無効だ

  判決は違法で無効だ

                       尼崎・伊丹実行委 弥永 修

  612日、東京高裁第19民事部小林昭彦裁判長は市東孝雄さんの農地(7200㎡)を明け渡せとする一審判決を支持し、「控訴棄却」の判決を下しました。まことに無念で怒りに耐えない不当判決です。
 
そもそも「裁判官忌避申し立て」の特別抗告が最高裁で審議中で確定していないにもかかわらず、15612判決日の指定をするのはそれ自体違法であり、ましてや判決を下すことなど絶対出来ないはずです。従ってこの判決は無効だと言わざるを得ません。

 豹変した裁判長

 昨年108日の第3回口頭弁論では、弁護団をして「久しぶりに裁判らしい公判だった」と言わしめるほど「評価」された小林裁判長の訴訟指揮でしたが、今年34日にはまだ証人尋問や証拠調べなど何も終わっていないのに突然「結審」を宣言、そしてこの65日これまた突然一週間後(612日)の判決を指定してきました(通常は23ヶ月前に通告する)。そしてこの日の反動判決。なんという豹変ぶりでしょうか!おそらく裁判長は控訴趣意書もほとんど目を通していないのでしょう。「ナリタは別」の政治的判決でした。

 被告席はゼロ!

 当日は日比谷公園で集会そして高裁周辺をデモしたあと裁判所に向かいました。
 
法廷前通路に約20名、法廷内に約10名の職員や衛視が構える中傍聴席に着きました。そして当該の市東孝雄さんや弁護団が着席しましたが、被告会社側席はなんと無人。こんな大事な裁判の判決に誰も出席していないとは・・事前に判決内容が伝わっているとしか言いようがありません。まさに国―裁判所―空港会社の黒いつながりを象徴しているような光景でした。

 一瀬弁護士猛烈抗議

 そして午後230分に裁判官が入廷すると、15612_2この3月に来阪していただいた一瀬弁護士がすぐに小林裁判長に詰め寄りました。(衛視数名に阻止されましたが・・)一瞬何が起こったのかとっさには判断出来ませんでしたが、よく考えれば「忌避申し立て」されている裁判官が判決を下す資格などないはずです。一瀬弁護士はこれに怒った当然の行為でした。公判後の報告会でも「(判決は)覚悟していたが(小林の)顔を見て改めて許せないと思った」「この判決は悔しいし申し訳ない」と怒りをにじませて語っていました。

 自己保身の極み

 そして小林裁判長は衛視の影に隠れるようにして「忌避申し立てを却下する」と自分で自分を判断し(?)続いて「控訴を棄却する」と言って退廷しようとしました。当然原告席や傍聴席は騒然となり怒号が飛び交いましたが、職員や衛視らは最初から仕組まれていたかのように「判決が出たのですぐ退廷して下さい」を連呼していました。そして小林裁判長は「弁護団の声を聞け」「農民殺し!」と抗議の声が続くとすぐに「退廷命令」を出す始末。まさに職権乱用の極みでした。
 
小林自身もこの判決が裁判官としてまっとうなものだとは決して思っていないでしょう。まさに「自己保身」そのもの。自分の出世にひびくような判決は絶対に出せない。左遷を覚悟した上で大飯原発の再稼動を認めなかったあの福井地裁の裁判長とは月とスッポン、人として最低の人物だと言わざるを得ません。

 くじけず闘い続けよう

 報告会で当該の市東孝雄さんは「不当判決絶対許さない。この15日から再開される耕作権裁判に勝利して(この農地法裁判の)最高裁でひっくり返す闘いをやります。」と改めて決意を固めました。
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そして北原事務局長も「今日からまた新たな闘いを」と語り、反対同盟は決して負けないことを表明しました。

 皆さん、残念ながらこの違法な判決でも高裁判決として確定してしまいました。腹立たしい限りですがこの現実をしっかりと見据え、上告審に臨もうではありませんか。そして耕作権裁判にも全力で取り組み、反対同盟を支え、不当極まる農地強奪策動と闘い続けましょう。

 

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2015年6月20日 (土)

今週の産直野菜(6月20日)

15620 先ほど三里塚から産直野菜が届きました。

 ルッコラ、インゲン、ニラ、玉ねぎ、じゃがいも、ししとう、ピーマン、ニンジン、ニンニク、立ちレタス、なす、ズッキーニ、きゅうり 以上 13品も。すごい!

 「野菜だより」も「梅雨本番!野菜も草も育ちが早い!」と伝えていますが、草取りが大変でしょうね。
 しかし、ニラが2~3週間で出荷できるのか。凄い生命力ですね。

 やっとじゃが芋が入ってきた。先日の日曜日14日は、天気も良かったようだし、「産地交流、ジャガイモ掘り大会」もうまくいったようですね。玉ねぎ、にんじんもあるし、思わず「肉じゃがができる」と・・・。

 先日、『遺伝子組換えは農業に何をもたらすか』(ミネルヴァ書房 2015年)を読んでみた。冒頭の京都府立大学の教授とやらが書いている文章――「家庭菜園で無(減)農薬栽培がうまくいくのは、多品種を少量栽培しているためで、世界の人口を支えるために単一品種を大量栽培する大規模生産地で同じことを行うのは不可能だ」と。これがこの「学者」の遺伝子組換えを勧める根拠だ。なんというデマゴギーか。そもそも今、世界で生産されている穀物をはじめとした農産物の生産量は70億とも言われる世界の人口を賄うに匹敵する生産量だと言われている。にもかかわらず、9億を超える飢餓人口、毎日数千人から1万人の子どもたちが栄養失調や飢餓で死んでいる。この現実を生んでいるのが多国籍企業・アグリビジネスによる農地強奪・破壊と収奪ではないか。しかも少量・多品種の無農薬栽培が「家庭菜園」とは何という「言い草」か。世界で、「地産地消」「ローカリズム」の考えを軸に「無農薬有機栽培」の試行錯誤がいどまれている。この農、農民と消費者による苦闘の現実を一切無視した「学者」によるこうしたモンサントなど多国籍企業・アグリビジネスへの媚びへつらう姿に、あらためて怒りを覚える。まさに「農薬ムラ」そのものだ。

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2015年6月18日 (木)

6・12判決に対する反対同盟の弾劾声明

 6月12日、東京高裁小林裁判長が出した、農地裁判控訴審判決に対し、三里塚芝山連合空港反対同盟が弾劾声明を出したので、掲載します。 

 弾 劾 声 明 

 市東孝雄さんの農地法裁判控訴審において、6月12日、東京高裁小林昭彦裁判長は「控訴棄却」という農地強奪の不当判決を下した。われわれはこの控訴審判決を満身の怒りを込めて弾劾する。
 そもそも小林裁判長はこの判決期日を一週間前に突然指定してきた。市東さん、顧問弁護団、反対同盟、支援者の都合を一切無視したどころか、市東さんの産直出荷日にわざとぶつけるとともに、たたかいの猶予さえ与えないという悪らつさである。
 なぜ小林はこのような悪らつな攻撃にでてきたのか。その狙いは、6月15日から再開した千葉地裁での耕作権裁判にたいする圧力である。文書提出命令に追いつめられた空港会社を援護し、千葉地裁に対して「国策裁判はこうあるべし」と強引に判決をねじ込んだのである。
 追いつめられているのは敵の側だ。3月4日の結審強行以来3カ月、農地取り上げ反対署名が3万人に届かんとする人民の怒りの声に恐れをなし、耳をふさぎ、押しつぶそうとするがゆえの不当判決の強行である。そしてそれは国家暴力そのものだ。
 市東さんは「農民である私への死刑判決だと受けとめている。私は絶対に認めない。最高裁でこの判決をくつがえす」と宣言した。判決文は、一から百まで「国策」=成田空港建設の追認であり、まさに〃農民殺し〃判決だ。
 旧空港公団が市東さんの底地を買収しておきながら15年間も登記をせず、秘密にしてきたことに対して判決文は「空港反対闘争があったから仕方なかった」などと、空港会社を全面擁護している。
 では、なぜ反対同盟農民を先頭に歴史上にもまれな抵抗闘争が起きたのか、今もなお続いているのか、こうした空港問題の根本に関する検討はゼロだ。その結果、土地収用法の失効という前代未聞の事態についても一言の検討もないどころか、自ら収用委員会の代役を買ってで、農民圧殺の首謀者になり果てたのが小林裁判長ではないか。
 さらに、農民を保護すべき農地法への理解は皆無であり、3代100年も耕し続け、さらに農民として生きたいという市東さんの生きがい、生きる権利への言及も一切なく「社会通念上相当の離作補償があるから農地を明け渡せ」というのが判決の論理だ。3・11の原発事故以来批判されてきた「命より金」、この発想が一切なのだ。
 戦争・改憲攻撃を強める安倍政権は、最高裁寺田体制の下、沖縄をはじめ闘う人民を圧殺する司法反動を強めている。市東農地裁判は安倍政権と激突する闘いだ。
 反対同盟は以前を倍する決意で市東さんを支え、上告審で高裁判決を粉砕する。成田空港の24時間化による騒音被害の拡大を許さず、第3滑走路計画に怒る周辺住民と結び、勝利へ向けた新たな闘いを開始する。
 2015年6月16日
                    三里塚芝山連合空港反対同盟

 
 15612あまりにも理不尽極まる不当なこの判決に、市東孝雄さんの怒りと悔しさがいかばかりのものか、私たちは受け止めようではありませんか。
 国策だからとはいえこれほどまでに農民の農への想いと闘いを愚弄した小林裁判長による、結審、判決の通告と1週間後のこの判決という一連の事態は、いかなる意味でも許されるものではありません。安倍政権の「したいほうだい」「思い上がり」の政治が、下部の裁判所や警察などに「やりたい放題」を招いているのではないだろうか。
 それは、この間の沖縄における辺野古新基地建設の工事強行と抗議への弾圧・暴行、あるいは先日の関西での6・4弾圧、東京での経産相前での弾圧などに現れているのではないか。

 今こそ私たちは、三里塚反対同盟、とりわけ市東孝雄さんの怒りをわがものとして、なにより市東さんの農地を守る闘いの中から、沖縄、福島とともに、安倍政権を打倒しようと立ち上がっている国会周辺、全国の多くの皆さんとともに、闘いぬこうではありませんか。(写真は、6月12日、裁判後の報告会での市東孝雄さん)

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2015年6月16日 (火)

耕作権裁判闘争(6月15日)をたたかって

15615_2 2年半ぶりの審理再開

 15615_3615日、2年半ぶりに開廷された市東さんの耕作権裁判に先立って、千葉地裁の近所にある葭川(よしかわ)公園で9時から決起集会が開かれました。この集会では裁判勝利に向けての決意と、先の農地裁判の高裁判決(612日)への怒りが参加者から表明されました。
 反対同盟の萩原富夫さん(右写真)は「
612不当判決は『国策裁判はこうやるものだ』という我々への恫喝のようなものだ。これへの怒りをバネに、新たな決意で本日からの再開耕作権裁判に勝利しよう。15615_4文書提出命令を拒否し偽造した同意書や確認書を明らかにしないNAAを追求しよう。第三滑走路の動きを許さない」と挨拶されました。このあと参加者は公園から裁判所までデモ行進を行いました。(左写真は、集会で関実を代表して連帯挨拶と決意をのべる安藤眞一)
 
この日の傍聴闘争には100??を超える結集があり、傍聴券の抽選のあと601号法廷での裁判に臨みました。

「請求を棄却すべき」と裁判所に

 この日の裁判では、裁判長交代に伴う更新のための意見表明が被告反対同盟から陳述されました。弁護士7名全員が口々に「文書提出命令に従わないのは許せない。本件農地の位置確定や賃借関係で、合意書や境界確認書の書類が偽造されているとこは明白な事実だ」「これほど重要な土地の売買にともなう交渉記録があるはずだ。命令に従い直ちに出せ」と怒りを込めてNAAを弾劾。新たに着任した裁判長にわかるように、法廷でスライドを使いながら、問題の農地の位置、NAAの図面と公図の図面を比較して間違いの指摘、偽造された合意書や境界確認書のスライド、筆跡鑑定の報告まで実に細かい陳述が弁護士から行われました。15615_5そして全員が訴訟の取り下げを求めました。(右写真は、デモの先頭を行く反対同盟の市東さん、萩原さん)
 
再開された耕作権裁判は千葉地裁民事第2部・岸日出夫裁判長が担当。彼は丁寧な言葉づかいをしつつ、目線はほとんど原告(NAA)の方を向かずに反対同盟に対してモノを言う姿勢はまるでNAAの代弁者です。このような反動的な裁判長に対し、最後に陳述した市東孝雄さんは「612日の高裁判決は許せない。証拠調べも審理もやらずに判決を出した。これは今日の耕作権裁判を有利にしたい裁判所とNAAの狙いだ。岸裁判長は正しい裁判をすべきだ。NAAに文書提出をさせなさい。南台の賃借地はすべて私が耕作をしている。100年間地主と争いもなく、地代も藤崎さんに支払ってきた。私に無断でその土地を買い、出てゆけとは間違っている。私はこの農地で300軒の皆さんに農作物を届け、無農薬有機肥料農業に誇りを持っている。NAAは直ちにこの裁判を取り下げなさい」と火を吐くような勢いで裁判官とNAAをにらみつけました。
 
法廷の反対同盟、弁護団、傍聴席が怒りに満ちたのは、今後の訴訟論点整理のやりとりで(文書提出命令に対し)、裁判長が「ないものはない、出てくるはずもない」と言い放った時でした。証拠の偽造に関わる重要書類とそれにともなう交渉記録は、東京高裁も認めざるをえなかったこの裁判最大の争点です。それに予断をもって臨んでいるとしか聞くことのできないこのことばには、驚きと怒りしかありませんでした。本当に許せない訴訟指揮です。15615_6市東さんの決意を我が物として、徹底的に裁判所とNAAを追い詰めましょう。
 
裁判は、このあと次回の期日を914日午前10時半、次々回の期日を1214日午前10時半と決め、12時半に閉廷しました。
 
2時間に及ぶ裁判のあと、弁護士会館では報告会が行われましたが、安藤は国会前で続けられている「戦争法案審議への抗議闘争」に参加するために退席しました。                    
              事務局次長 安藤眞一

【補足】 裁判終了後、報告会が行われました。冒頭、市東孝雄さん(右上写真)は、6・12農地裁判控訴審判決への怒りを再度明らかにするとともに、そもそも耕作権裁判提訴自体で、自分が耕している農地が「不法耕作だ」と言われたことに、「今も悔しくて眠れない」と怒りをあらわにされ、私たち支援に闘いへの取り組みをもとめました。
 葉山弁護士が、裁判の状況を簡単に報告し、「農地裁判でやられたことを、この法廷でやり返していこう」と訴え、傍聴闘争の大事さを明らかにされた。数人のひとが質問をし、それぞれに弁護団のみなさんが答え、説明された。
 最後に、萩原富夫さんがこの日のたたかいのまとめとして、耕作権裁判の闘いの勝利を通して市東さんの農地を守ることを訴えるとともに、第3滑走路計画による攻撃を、騒音問題などが出る広範な周辺住民とともに絶対に許さない、そういうたたかいをやっていきたいとまとめられました。
 (明日の出荷作業のためにはやく現地に帰るために、いつもの弁護団全員による説明や、支援からの決意表明は省略されました。)

 

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2015年6月13日 (土)

農地裁判の判決に怒りを!

15612
 昨日6月12日、速報したように、東京高裁で農地裁判控訴審の判決が「控訴棄却」と言い渡されました。15612_33月4日、小林裁判長は、反対同盟と弁護団が要求していた一切の事実審理、証人採用などを切り捨て、「審理の終結」を宣言しました。これは明らかに一昨年7月の千葉地裁多見谷裁判長による反動判決を追認するための暴挙でした。そして、弁護団などとの協議もなく6月5日、郵送でわずか一週間後の昨日の判決期日を一方的に通告してくるという、これも前代未聞の暴挙です。さらに、来週月曜には2年半審理が中断していた「耕作権」裁判の口頭弁論が開かれますが、15612_4この裁判は農地裁判と一対のものであり、この裁判の決着が無ければ少なくとも南台の農地の強奪は不可能です。ですから、この日に農地裁判の判決を強行するということには、再開される「耕作権裁判」をも方向づけようという悪辣な意図がありありとうかがえます。このような経過から、この日の判決、あるいは裁判所に一片の「期待」もなかったのは言うまでもありませんでした。

 法廷では、開廷と同時にこの悪辣な訴訟指揮を弾劾し「裁判官忌避」があらためて叩きつけられましたが、小林裁判長はただちに自らそれを却下し、15612_5「控訴棄却」の判決を言い渡し、怒りに燃えた傍聴席からの弾劾の声に対し、なんと「全員退廷」命令を出して、法廷を閉じたのです。

 ただちに怒りの記者会見、そして報告会が開かれました。記者会見では、市東孝雄さんが「この裁判はまったく不当、不誠実。農民としての私に対する死刑宣告であり、絶対に認めることができない。耕作権裁判に勝って最高裁をひっくり返す気持ちで闘っていく」(「市東さんの会」ブログより)と力強く表明し、弁護団は怒りの抗議声明(「15.6.12農地裁判弁護団声明.pdf」をダウンロード)を発しました。
15612_6 この日の闘いでは、高齢をおして北原鉱治事務局長がお元気な姿を見せ、裁判前の集会(3枚目写真)、デモ(2枚目写真)と闘われた上、最後の報告会でも挨拶をされました。報告会の最後には、萩原富夫さんがこの日の判決に「辺野古基地建設への国の攻撃と同じではないか」と弾劾するとともに、15日の耕作権裁判と、第3滑走路の闘いへの訴えをされました。第3滑走路については、闘いから逃亡した石毛博道が、15612_7「実現する会」なるものを立ち上げ、第3滑走路推進の手先となっていることを弾劾された。
 報告会で三里塚関西実行委員会からは、尼崎・伊丹実行委の弥永修さんが挨拶をしました。

 みなさん。この国策をかかげ、違法な訴訟指揮で攻撃的に市東さんの農地強奪を企む安倍政権を断じてゆるしてはなりません。安保法制(戦争法案)、そして労働法制と反動の牙をむき出して突っ走ろうとする安倍政権に対する正面からの闘いとして、三里塚の市東さんの農地を守る闘いを、やり抜こうではありませんか。6月15日の、耕作権裁判に結集しよう。午前9時、千葉市の葭川公園に集まろう!

 15613この日の裁判闘争をぶつけられながら、市東さんと萩原さんは、出荷作業をしてから駆けつけられました。今朝9時に、その産直野菜が届きました。
 玉ねぎ、インゲン、ニンニク、キュウリ、キャベツ、なす、ニンジン、立ちレタス、ルッコラ、ズッキーニです。裁判のために時間が足らず、ニラを加えることができなかったともあります。
 この産直野菜をとることも、市東さんの農地を守り、萩原さん、市東さんの闘いを支える重要な取り組みです。あらためて、みなさんが取り組んでくださることを訴えます。詳しくは、関実事務局にお問い合わせください。

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2015年6月12日 (金)

不当判決弾劾

先ほど、三里塚・市東さんの農地裁判控訴審で東京高裁小林裁判長は、控訴棄却を宣し、抗議の声が起こるや全員退廷を命令。裁判所前で抗議のシュプレヒコールがあげられました。詳しくは明日。

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2015年6月 8日 (月)

市東さんの農地を守ろう! 6・12判決闘争へ!

 すでに当ブログでも報じましたが、市東さんの農地裁判控訴審で、3月4日に結審を強行した小林昭彦裁判長は、突然、6月12日に判決を行うことを通知してきました。以下に、緊急で出された三里塚反対同盟のビラ(「15.6.12判決闘争ビラ.pdf」をダウンロード)の訴えを引用します。

―― 全国の皆さん。反対同盟から緊急の訴えを行います。6月5日、東京高等裁判所の小林昭彦裁判長は市東孝雄さんの農地裁判において、通常判決日の2~3ヶ月前に指定通知を行うところ、わずか1週間後の6月12日に期日指定する暴挙を強行しました。前代未聞の訴訟指揮です。
 しかも、現在小林裁判長は市東さんによって裁判官忌避され、最高裁に特別抗告中です。最高裁の判断が出ていない中での訴訟手続きの強行は民事訴訟法違反(26条)です。
 3万人署名運動の前進が市東さんの農地を守る闘いを押し広げ、発展させる中で、恐れをなした東京高裁が闘争破壊に訴えてきたのです。
 6・12判決闘争で迎え撃ちたいと思います。多くのみなさんの結集をお願いします。――

 6・12判決闘争

●6月12日(金)午前11時30分 日比谷公園霞門集合
●正午 東京高裁包囲デモ出発Photo_2
●午後2時 傍聴券抽選
●午後2時半 判決(東京高裁429号法廷)
●午後3時頃 記者会見
●午後3時30分頃 報告会

 みなさん。この「前代未聞の訴訟指揮」は、判決に向けて怒りと闘いが結集してくることを恐れ、防ごうとして強行されたものであり断じて許されません。
 成田空港の完成、拡張という「国策」のもとに裁判所が司法としての立ち位置を放棄し、国家権力(行政、安倍政権)の「手先」として立ち振る舞うという点で、民主主義を踏みにじり、憲法をないがしろにする暴挙です。

 同時に、今、市東さんの農地を巡って、この農地裁判と一体のものとして進められていた耕作権裁判が、直後の6月15日に、3年ぶりに再開されることを念頭に置いた許しがたい攻撃だという点を決定的に重視しなければなりません。
 農地裁判は、千葉地裁の多見谷裁判長の許しがたい訴訟指揮によって、問われていた空港会社による偽証や証拠偽造、さまざまな違法行為を一切不問にして反動判決が強行されました。東京高裁の小林裁判長の訴訟指揮は、この多見谷反動判決に依拠して判決を強行しようとする許しがたいものです。
 耕作権裁判は、その同じ多見谷裁判長のもとで空港会社のあまりにもひどい証拠偽造や農地の特定の間違い、数々の違法が争点となってしまい、その証拠を巡って東京高裁が空港会社に提出を命じるということによって3年近くも審理が滞っていたものなのです。その裁判が再開されるに対して、この農地裁判の判決強行によって、新たな農地裁判というべき耕作権裁判にかけた三里塚反対同盟の闘いの背骨を叩き折ろうという悪たくみのもとにかけられた攻撃です。こんなことを裁判所が、東京高裁・小林裁判長が「6・12判決」によって担おうとすることなどどうして許されるでしょうか。
 農地裁判は、反対同盟・弁護団の闘いで102号法廷という大法廷(100人収容)が勝ち取られ、4回にわたって審理が開始されていました。ところが突然の「判決」を、わずか30人しか入れない「警備法廷」と言われている429号法廷で行うというのです。「何おか言わんか」ではありませんか。
 あの2011年5月20日、東京高裁が警備法廷で天神峰現地闘争本部の仮執行付き撤去判決を強行したことを私たちは断じて忘れもしないし、許さない。その日、判決に怒り、「仮執行停止」を弁護団を先頭に求めていた北原事務局長や山本関実世話人をはじめ私たち50人を逮捕するという暴挙が行われたことも断じて忘れてはいない。

 また再び、東京高裁は、市東さんの農地を奪うために、そして三里塚闘争を破壊するために、さらにはTPPに象徴される日本の農業の破壊とアジア人民への収奪に道をこじ開け、「戦争のできる国」への先鞭とするためにこの日の判決攻撃があるのだということを、私たちは見据えよう。

 6・12判決闘争に引き続いて、6月15日、耕作権裁判再開に対する闘いに決起しよう!
●6月15日(月)耕作権裁判へ / 午前9時 葭川(よしかわ)公園(千葉駅から徒歩10分、モノレール葭川公園駅前) / 9時20分千葉地裁包囲デモ / 午前10時過ぎ 傍聴券配布・抽選 / 午前10時半 口頭弁論開廷

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2015年6月 6日 (土)

今週の産直野菜(6月6日)

1566 朝食を食べていたら、今週の産直野菜が、三里塚から早々と着きました。「早い。助かる・・・」

 きゅうり、ズッキーニ、玉ねぎ、キャベツ、玉レタス、立ちレタス、ニラ、ニンジン 以上8品です。

あ~おどろいた

 今朝、朝食を食べようと、先週来ていた冷蔵庫の立ちレタスを出して、葉を剝いていました。何しろ先週はサニーレタスも、立ちレタスも大きかったので、ついに食べきれず・・・。5ミリ程度の黒いものがいっぱいある。葉っぱがめっちゃ穴あき・・・。ひょっとしたら・・・。と恐る恐るさらにレタスの葉っぱを剝くと、いるいる。子どもの小指大の青虫が寒いので身をくるめて。のそりと動いた・・・。生きとる・・・、この寒い中で1週間。(正直、びっくりして)慌てて、ベランダの鉢植えに移してやった。すごい生命力ですね。
 洗ったレタスを食べるのですが、なんとなく・・・。
 今日の立ちレタスは大きいですが、玉レタスが可愛い。この程度ならば食べれるな・・・。まだ心臓がどきどきしている。

 今から京都へ。円山公園での沖縄集会で、市東さんの農地署名を集めよう。

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2015年6月 5日 (金)

6月12日、農地裁判(東京高裁)判決。怒りの結集を!

 みなさん。緊急の訴えです。

 農地裁判控訴審(東京高裁)が、3月4日、一切の事実調べや空港会社の偽証などの問題をすべて葬り去ったまま、結審が強行されました。そのことへの怒りはもちろんですが、なんと、東京高裁の小林裁判長は、今日、突然、判決の日程を通告してきました。来週の金曜日、12日午後2時半に判決だというのです。市東さんの農地、それは市東さんの命に係わる問題です。それを、突然、言い渡そうというのです。しかも、いつもの102号法廷ではなく、公安事件を扱う、30人しかはいれない429号法廷、警備法廷(隣に警備が詰めている)だというのです。「何をか言わんか」ではありませんか。

 最早、「法廷に入れるかどうか」ではありません。
 突然の判決というこの日程によって、私たちの怒りの声の結集を恐れ、事前に結集を防ぎたいという彼ら国家権力(安倍政権、司法)の怯えのゆえの願望でしかありません。
 同時に、4日後に3年ぶりに再開される「耕作権裁判」に対して、方向付けを強制しようとする意図が、この日程には露骨に現れています。こんな、ふざけたやり方がどうして許せるでしょうか。

 みなさん。市東さんの農地を守れるかどうかをかけた文字通りの決戦です。国家権力が司法を使嗾(しそう)して、本来農地を守り、耕作者の権利を守るべく制定された農地法を使って、「土地収用法の失効」という現実を超法規的に突破し、強制収用しようという安倍政権の許しがたい攻撃です。人びとの権利を踏みにじり、安保法制(戦争法案)の強行、労働法制の全面的改悪などによって「戦争のできる国造り」へと大きく踏み出した政治の一環として、この裁判(判決)はあります。TPPへの蠢きもまた、市東さんの農地強奪を進める根拠となっています。

 こんなことがどうして許せるでしょうか。
 みなさん。6月12日、詳しい闘争方針はまだ反対同盟から出されていませんが、直ちに現場に結集する態勢をみなさんの周りで作ってください。15日の「耕作権裁判」再開の闘いと一体のものとして、連続闘争に決起しましょう。

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