« 2015年4月 | トップページ | 2015年6月 »

2015年5月30日 (土)

今週の産直野菜(5月30日)

15530 早々と三里塚から産直野菜が届きました。

 玉ねぎ、きゅうり、ズッキーニ、ニラ、そら豆、スナップエンドウ、サニーレタス、立ちレタス、ニンジン、大根、カブ 以上11品です。葉っぱがいろいろあり、スナップエンドウがわかりにくいですが、ニラ(右上)の左に。

 ニンジン、きゅうり、玉ねぎを「買い食い」していましたので、ほっ。しかし、先週の間引き人参は、柔らかくてサラダでも、炒めものでも美味しかったです。

 順調に育っているようで、『野菜だより』によれば、「葉物」から「果菜」への移行期だとか。キャベツも「買い食い」状態です。まだかなぁ~。

 それだけ「買い食い」して食べ切れる?と、陰口が聞こえてきそうですが、ちゃんと食べきっていますよ。大根が残り気味ですが・・・。

 みなさん。この豊かな野菜、そして農地を守るために、6月15日、耕作権裁判の再開に向けて、集会、デモ、そして傍聴に集まろう! 午前9時、葭川公園に。

|

2015年5月29日 (金)

5・31辛淑玉講演会で、三里塚の野菜と写真展

15531 5月31日、「原発あかん・橋下いらん・弾圧やめて! 5・31辛淑玉講演会」が中央区民センターで午後3時から開かれます。

 メインの講演は辛淑玉(しん・すご)さん。特別報告がアジア・プレスの石丸次郎さんによる『安倍政権による報道干渉の実態』。ナオユキさんのスタンダップコメディやパギヤン(趙博)、春間げんさんの演奏など盛りだくさんです。

 この集会で三里塚の無農薬・有機栽培の野菜が販売されます。空港用地内農民(三里塚反対同盟)の萩原富夫さんが、ご自分でトラックを運転し、この日に持ってこられます。また、三里塚写真展が会場を取り囲んで開かれます。さらに、現在進められている市東孝雄さんの「3万人農地署名(現在、2万8千に達しています)」も行われます。

 みなさん。三里塚の野菜を買って帰ってください。持って帰るには大きめの袋を用意してください。あるいは、みなさんに野菜を勧めてください。それに農地署名にご協力ください。

 5月31日、大阪市立中央区民センター(大阪地下鉄・堺筋本町下車3番出口から東へすぐ、中央区役所)に集まろう!

|

2015年5月23日 (土)

今週の産直野菜(5月23日)

15523 早々と三里塚から産直野菜が到着。

 サツマイモ、水菜、スナップエンドウ、ソラマメ、玉レタス、ニラ、サニーレタス、カブ、大根、間引き人参(サービス) 以上10品です。

 ようやく人参の収穫が始まりそうですね。三里塚の野菜の美味しさが一番わかりやすいのがニンジン。毎朝、ニンジンを擂ってサラダにするのが我が家のスタート。

 産地交流会(じゃが芋掘り大会)が6月14日に決定。関西では、『とめよう!危険なアベ政権』6・14講演集会を準備していて参加できませんが、成功を祈っています。

 耕作権裁判口頭弁論再開

 6月15日(月)、午前10時半から千葉地裁601号法廷で、2012年秋以来中断していた「耕作権裁判」の口頭弁論が開かれます。この裁判は、南台の市東さんが耕作している農地の半分ほどが、「不法・無断で耕作されている」と空港会社(NAA)が、デタラメな言いがかりをつけて起こした裁判です。
 東京高裁で不当に結審が強行された「農地裁判」は、この南台の「残った」半分の農地と天神峰(市東さんのお宅の向かえ)の農地や作業場、農機具置き場などをめぐって争われています。ですから南台の農地については「耕作権裁判」と「農地裁判」は一体のものです。
 「耕作権裁判」では農地の特定の誤りや、「証拠」とされる農地の「境界確認書」などのNAA(当時、空港公団)による偽造が明らかになって、証拠関連書類などの提出などをめぐってNAAが東京高裁による「提出命令」を拒否したことから裁判が中断していたものです。ある意味で、裁判は反対同盟と市東さんが有利に進めています。この裁判で東京高裁による「農地裁判」結審強行の反動を打ち返せるかが焦点です。市東さんの農地を守る上で、非常に重要な裁判の再開です。

 この重要な裁判の再開にあたって、反対同盟は、15日当日、裁判開廷を前に、裁判所近くの公園で、集会を開き、デモを行って裁判に臨むことを決定しています(場所、時間など未定)。先述の関西での『6・14講演集会』が前日にあり(東京でも国会に向けた集会が準備されていると聞いています)、非常に厳しいですが、ぜひ一人でも多くの皆さんが、6月15日午前9時ころに開かれる集会とデモに、できなくても10時(傍聴券の配布のため)千葉地裁ロビーにお集まりください。
 市東さんの農地を守り抜き、安倍政権による農地強奪・農業破壊、TPP推進、戦争政治を許さないために頑張りましょう!

|

2015年5月19日 (火)

第3誘導路裁判を傍聴(5月18日)

 昨日18日、千葉で第3誘導路裁判の口頭弁論が開かれ、傍聴してきました。

 15518この日の法廷で、左陪席の裁判官が代わったので、そのことに伴う更新意見陳述が弁護団から行われました。
 まず葉山弁護士(左写真)から、成田空港がアジア、世界の中で輸送量などの地位が転落している現状を明らかにした上で、「国策」が「公共性」とされることの理不尽、不合理が糾弾された。遠藤弁護士からは(法廷後の説明会で「若い裁判官だから三里塚のことなど知らないだろう」と)、行政裁判として原発裁判の不当な歴史を踏まえた裁判所への警告などが語られた。15518_2
浅野弁護士からは、騒音をはじめとした市東さんの身体への影響と生活妨害が語られた。空港会社の騒音問題についての準備書面に対して大口弁護士(右写真)から、具体的に騒音調査などをしようともしないで、住民からの騒音被害などの訴えをケチ付しているだけではないかと糾弾が行われた。

 次回口頭弁論は7月7日、次々回は10月1日(いずれも千葉地裁601号法廷で、午前10時半から)という日程を決めて閉廷した。

 1337弁護団からのこの日の意見陳述でも述べられたが、騒音被害のひどさが厚木騒音訴訟で問題となった被害の10倍近くのとんでもない事態になっていることが指弾された。そもそも大阪空港公害訴訟の闘い(1970年代)によって確立された内陸空港の「午前6時~午後10時」という供用時間の制限を、すでに午後11時まで延長し、あわよくば24時間化を狙おうとしている事の中に、絶対に許されない法を無視した国の三里塚への攻撃の正体がある。そしてその攻撃の正体の質が、もう25年以上も前に「強制収用法」が失効している中で、裁判所を使って市東さんの農地の強奪をはかろうとしているという現実の中に端的に示されている。こんなことが許せるか。

 農地裁判と裏表の関係にある耕作権裁判が3年近くの空白の上で、6月15日に再開される。この裁判では空港会社の卑劣・ペテンな偽証や違法が問題とされ、東京高裁の「決定」をもNAA(空港会社)が無視するという事態が生まれ、裁判は反対同盟が有利に進めようとしている。問題は傍聴闘争の盛り上がりで、裁判所を監視していくことだ。6月15日には、口頭弁論に先立って(多分9時)、裁判所の近くで集会、デモをやって、裁判に臨むことが反対同盟の方針として打ち出されている。

 国会での「安保法制」(戦争法案)の審議に入る過程の中での闘いですが、それゆえにこそ、三里塚闘争49年の渾身の力で闘いを切り開き、安倍の戦争政策、辺野古新基地建設攻撃、原発再稼働攻撃をはねかえす闘いの先陣を切るようなうねりを、市東さんの農地を守る闘いの中から生み出そう。
 この日の報告会で、萩原富夫さんが17日の3万5千の県民集会に参加し、入り口で400筆の「農地署名」をかちとったと報告がされた。市東孝雄さんは6月23日、沖縄の「慰霊の日」の闘いに参加する準備を進めている。沖縄とともにたたかう反対同盟農民のみなさんとともに、私たちも全力で起とう!

|

2015年5月16日 (土)

今週の産直野菜(5月16日)

15516 先ほど、三里塚から産直野菜が届きました。

 スナップエンドウ、キャベツ、ルッコラ、サニーレタス、大根、サツマイモ、ほうれん草、水菜、玉レタス、かぶ 以上10品です。

 3食、いずれも大盛りのサラダか、野菜炒め。なんとしても食べるんだと大奮闘しています。

 今日の朝日新聞が詳報していますが、アメリカ議会上院で、この二日間、いったん審議すること自体が否決されたTPA法案(貿易促進権限法案=オバマ大統領にTPP妥結に向けた一切を委任するという法案)が、わずか1日で逆転し、可決され、早ければ今週中にもTPA法案が可決されるだろうというものです。オバマは自らの大統領二期目の「レガシー(遺産)」にしたいと野党・共和党と組んで、与党民主党の一部を説得したというものです。「TPP推進」をその基調とする朝日新聞は、いったん否決された14日朝刊に消耗感あふれる大きな記事を書いていたのですが、14日の夕刊から、今朝まで連日、アメリカ議会の動きを詳しく掲載し、今朝は、「よかった」という感じをにじませた記事となっています。なんという「報道」か・・・。

 もともと戦争国家アメリカの議会に依拠する気はありません。『エコノミスト』(2015.3.24)の記事によれば、民主党の政治資金の60%、共和党の政治資金の35%が、ユダヤ・マネーだそうです。ですからイスラエルへのアメリカ政府の支援の姿勢が変わらないのです。このユダヤ・マネーこそ、アメリカの多国籍企業の軸となっていることは言うまでもありません。こうした力が、民主党の反対をひっくり返した議会の動きにつながったことは明らかでしょう。ここにTPPの正体がはしなくも現れているではありませんか。TPPとは、アメリカでも99%が反対し、日本でも「国の在り方を壊す」と言われていますが、その最大の狙いが、多国籍企業によるアジアへの収奪にあることを、この事態が物語っています。TPPは絶対に許してはなりません。戦争法案(安保法制)と一体になったTPP推進の動きを、安倍の戦争政策を、阻止しましょう。

 市東さんへの農地強奪、裁判所を使っての強制収用の蠢きこそ、このTPPによる農業破壊、農地の流動化・バブル化をねらったTPPの先取りです。市東さんの農地を守る闘いの広がりの中から、TPP反対のうねりを作り出していこう。3万人署名を実現し、農地裁判の反動判決を許さない闘いを実現しよう。

|

2015年5月12日 (火)

耕作権裁判を展開軸に、農地取り上げとたたかおう!

 4月26日に発行された「市東さんの農地取り上げに反対する会」会報の『耕す者に権利あり』No.31に【農地裁判の現段階】がわかりやすくまとめられていますので、当ブログに転載させていただきました。

 耕作権裁判を転回軸に 農地取り上げと闘おう!

■耕作権裁判 ・再開第1回(6/15)は更新意見陳述
          ・文書提出命令を突破口に裁判勝利へ
■行政・農地法併合裁判控訴審
          ・裁判官忌避と弁論再開申立

 農地裁判についての全体像と、4月18日段階の現況を報告します。

行政・農地法併合裁判(控訴審)

 一面の抗議声明(略)と市東さんのインタビュー(後掲)に明らかなとおり、3月4日に抜き打ち結審しました。弁護団は裁判官忌避を申し立て、3月16日、東京高裁20民事部がこれを不当に却下。現在、高裁に対して許可抗告を、最高裁に対して特別抗告を申し立てています。(【注1】高裁への「許可抗告」は却下され、最高裁は、今日5月12日現在まだ結論をだしていません。)
 あまりに唐突な結審でしたが、その背景がわかりました(【注2】参照)。国側代理人のトップ(局長)になろうという人物が右陪席に座っていたのではとても「公正」な裁判は期待できません。これ自体弾劾すべき事ではないでしょうか。
 1534小林裁判長はこの7月にも判決期日を指定しようとしており、弁護団はなんとしても弁論を続行させようと闘っています。

【市東さんのインタビュー】
 そのとき法廷は激しい弾劾の声がわきあがった。あまりに突然の弁論終結。怒号に追われるように、裁判長は扉の後ろに逃げ込んだ。
 この日の手続きは、空港会社と千葉県がやっと出した反論に弁護団が再反論し、人証へと向かう大事な弁論。裁判長は開始にあたって「やあ皆さんお久しぶりですね」と快活に声をかけた。そのわずか20分後に、突然、打ち切りを声にした。間髪入れず弁護団が裁判官忌避を宣告した。
 裁判は負けてはいない。これからだ!!!

【注2】――朝日新聞4月10日付 「国が被告となる裁判が増えている。原発の運転差し止め訴訟や、米軍基地関連の訴訟などだ。こうした裁判への対応を強めるため、法務省は10日、現在の訟務部門を訟務局に格上げした。2001年の省庁再編で廃止されて以来、14年ぶりの復活。人員も増やし、局長には定塚誠・元東京高裁判事(57)が就いた」―― この定塚判事とは、市東さんの控訴審で右陪席に座っていた裁判官。この人物が行政訴訟の国側代理人のトップに転出した。誰もが驚く抜き打ち結審は、その手土産だ!理不尽!

■ 耕作権裁判(千葉地裁民事2部)

 文書提出命令が決着して、口頭弁論が再開されます。再開第1回は6月15日です。
 15512この裁判は、市東さんの耕作地の一部を空港会社が「不法耕作」だと決めつけ、明け渡しを求めた裁判です。契約畑の明け渡しを請求した行政・農地法裁判(控訴審)とウラとオモテの関係にあるといえます。
 2006年10月20日に空港会社が提訴、2012年7月23日(第24回)に、文書提出命令をめぐる攻防により審理が中断しました。
 この裁判の一番の争点は、市東さんが地主の藤﨑政吉氏から借りた畑の位置の問題です。右写真を見てください。空港会社が契約場所だと特定した南台農地は「41-8」と「41-9」です。ところが「41-9」について、市東さんは借りておらず、一度も耕したことはありません。
 15512_2裁判では、このことを突き付けられた空港会社が、現に占有していない事実を認めて、請求を取り下げました。
 しかし、請求を取り下げて済む問題ではありません。「41-9」が借りた農地でないとすれば、正規に借りた農地が「不法耕作」とされた中にあることになるからです。この裁判における空港会社の主張は土台から崩れます。そればかりか、対象農地を間違えて行われた千葉県知事の解約許可決定は無効となり、行政・農地法併合裁判(控訴審)自体の土台を揺るがすことにもなるのです。

*これからが本番*

 中断するまでに24回の弁論で行なったことは、基本的にこの位置の特定問題でした。そして、追及していくうちに決定的な事実が暴かれました。それが空港会社が提出した証拠書類の偽造問題です。(左②・③写真と右④写真参照)
15512_3 2年余にわたって争った文書提出命令とは、この証拠の偽造を中心とする一連の空港会社の交渉記録です。裁判所も記録があると推認した書類を、空港会社は「無い」と言い張り、提出を拒んでいます。

 再開にあたって大切なことは以下です。
15512_4①文書提出命令
 かちとった成果を生かして敗訴においこむ。
②いよいよ本論
 法律論としての農地法3条・5条違反、時効取得など、本格的な論戦に入る前に中断しました。いよいよこれからが本番です。
③そもそも空港公団(現空港会社)による農地の取得自体が違法・無効です。

 耕作権裁判を転回軸に、農地取り上げを打ち破ろう!

                       転載以上

 6月15日には、口頭弁論(開廷午前10時半、千葉地裁601号法廷。開廷30分前に、傍聴券の配布があります)前に、集会とデモが反対同盟によって呼びかけられています(場所、時刻未定)。6月15日、千葉地裁に結集しよう!

 

 

|

2015年5月 9日 (土)

今週の産直野菜(5月9日)

1558 今週の産直野菜が先ほど届きました。

 ほうれん草、小松菜、ラディッシュ、サツマイモ、玉レタス、ルッコラ、サニーレタス、水菜、スナップエンドウ、かぶ、大根 以上11品です。順調です。

 昨日の反対同盟ブログに、市東さんの農地を守る「3万人署名」のための新しいチラシの案内が掲載されています(詳しくは、http://www.sanrizuka-doumei.jp/home02/2015/05/post-45.html 参照)。

 そのチラシに時間、場所など詳細は未定のようですが、6月15日、ほぼ3年ぶりに審理が再開される「耕作権裁判」の口頭弁論に先立って、集会、デモを行うことが呼び掛けられています。

 「耕作権裁判」は、市東さんの南台の農地の一部の耕作が不法耕作だととして空港会社が2006年10月20日に提訴して始められた裁判で、3月4日に不当な結審が強行された「農地裁判」と一体になった裁判です(詳しくは、「市東さんの農地取り上げに反対する会」の会報『耕すものに権利あり』31号をご参照ください)。

 農地裁判の「結審」が、審理を行うことなく不当に強行されたものの、判決の日取りがまだ決まらず、その「判決攻撃」に対し、反対同盟と支援連は「3万人署名」を全力で取り組んでいます。5月3日の横浜での「憲法集会」で1687筆もの署名を集めています。その中で、農地を守るための重要な闘いとして、「耕作権裁判」が再開される6月15日の口頭弁論への傍聴の結集と、その前の集会、デモを呼びかけています。

 私たちも、反対同盟の呼びかけに応え、「3万人署名」の継続と、6月15日の「耕作権裁判」傍聴闘争に結集しましょう。

 反対同盟の新しいチラシは関西実行委員会として取り寄せますので、必要な方は、関実事務局までご連絡ください。

|

2015年5月 2日 (土)

今週の産直野菜(5月2日)

1552 先ほど三里塚から産直野菜が届きました。今週も大きい箱です。

 小松菜、ルッコラ、サツマイモ、玉レタス、水菜、カブ、キャベツ、サニーレタス、ねぎ、大根、以上10品です。先週につづいて、いよいよシーズンという雰囲気ですね。 

 実は先週の日曜、月曜に台所で、小さな1センチあまりの青虫を3匹も現認。最初観たときは(それも手の親指にいた・・・)、「何、これ?」と驚きましたが、三里塚のキャベツからかなと気が付いて納得。ベランダの鉢植えに避難させました(というか、排除)。

 今日は、山本先生が映画『三里塚を生きる』を観たいというので、朝からお付き合い。腰の痛みがほとんど取れてきたようでお元気な様子。ほっとしています。それで野菜の到着が遅れました。

|

2015年5月 1日 (金)

3・4、3・29を闘いぬいて (実行委ニュースより転載)

 3月4日、東京高裁小林裁判長は、市東孝雄さんの農地に係る農地裁判の審理の終結を突然宣言し、裁判を結審させ、農地取り上げに向けた判決強行への意志をあからさまに示しました。断じて許されません。
 この不当極まる訴訟指揮に対して、ただちに行われた「裁判官忌避」は、高裁、最高裁によって「国家意志」として却下されました。市東さんの農地をめぐって、今、私たちは、三里塚闘争が重大な局面にあることを確認しなければなりません。

 市東さんへの農地強奪を許すな
 3・29全国闘争で、市東さんは、「農地を守る闘い。農地は私にとって命であります。その命を守るためにも、みなさんの力をお借りして、天神峰でできるかぎり有機農業をやっていきたいと思います」と訴えられました。農地取り上げのための判決=農地収用を許さない広範な市民の声を、「3万人農地署名」をテコに獲得し、再度「霞が関に攻め上る」闘いをやりぬきましょう。
 2年近く法廷が開かれなかった農地裁判と対の「耕作権裁判」がいよいよ6月15日から再開されます。成田空港会社(NAA)は、東京高裁による文書提出命令を拒否し続けています。これは偽証という決定的な自らの破たんをもみ消そうとする許し難い開き直りです。15420tppこの悪あがきを許さず、市東さんの農地を守る重大な闘いとして耕作権裁判を闘いぬくことが求められています。判決=農地収用攻撃と共に新たな段階に入った市東さんの農地を守る闘いに全力で取り組みましょう。
 そもそも親子三代、90年を超えて耕されてきた農地を、本来、農地と耕作者の権利を守るために制定された農地法を用いて農地を奪う=収用するというこの悪らつな攻撃は、1961年以来の自民党農政による農業破壊、農地収奪の流れのなかにありました。しかし、今や、安倍政権のもとで新自由主義による人民収奪の攻撃としてのTPP攻撃の重要な突破口として取り組まれているのだということを決定的に重視しなければなりません。ここに市東さんの農地をめぐる闘いの広範な人民による取り組みが行われなければならない最大の根拠があります。「オール沖縄」の闘いに学びながら、人民、大衆の中に「市東さんの農地を守ろう」と大胆に入っていきましょう。(右上新聞は、TPPの「日米妥結キャンぺーん」を連日報道する朝日新聞より転載。2015年4月20日記事)

 24時間化、第3滑走路攻撃に怒りの反撃を
 新自由主義、多国籍企業によって「中国・アジアが今後の最大の市場」とされようとしています。アメリカ依存一辺倒の安倍政権は「アベノミクス」に「うつつをぬかしている」間に、そのことに対応しきれず右往左往しています。アジアインフラ投資銀行(AIIB)への対応が何よりもそのことを物語っています。第一次安倍内閣の時に、「アジアゲートウエイ構想」によってこうした事態に立ち遅れていることを認識しながら、今にいたるも何一つ有効な対応をしてこれませんでした。
 第一次安倍政権が、その「構想」の中で打ち出していたのが、農政における「担い手農業」「規模拡大」路線と「ヒト・モノ・カネ」の流れを作るとして「首都圏空港容量拡大」路線でした。羽田空港の拡張が行われているものの、首都圏一極集中をになう巨大な国内線を削ることはできず、国際線規模はいまだにわずか年間10万回ができるかどうかにすぎません。成田空港は、供用時間の延長や暫定滑走路の延伸など住民生活を無視して空港容量の拡大を行おうとするものの、未だに年間25万回を達することもできません。あわせても35万回。これでは年間40万回、50万回の規模をもちながら余力を残す、韓国、中国、シンガポールなどアジア各国の巨大ハブ空港との競争に到底太刀打ちできません。焦る安倍政権は、TPPへの加入と成田空港の拡張に前のめりに進もうとしているのです。それが市東さんの農地収用に向けた攻撃であり、成田空港の24時間化と第3滑走路建設計画なのです。
 成田空港の「LCCへの特化」や、ここへきての便数減少の厳しい現実などを取り上げて、「展望のない成田空港」といった論がありますが、簡単に述べたように、現在のアジアにおける空港間競争とAIIBを焦点としたアジアにおける競争の激化のなかで、そのことは日本がその位置からずり落ち始めていることを示すものだといって過言ではありません。しかし、それだけに安倍政権、日本の巨大資本の焦りもまた凄まじく、狂暴になっているのだと見るべきではないでしょうか。少なくとも安倍政権にとって「羽田・成田の空港間競争」などとマスコミ好みのお喋りをして済ませるような状況ではないはずです。
 しかし、そうであればこそ、成田空港の拡張・容量拡大の攻撃は、市東さんをはじめとした周辺農民・住民にとって、くらしといのちを守る上で絶対に相容れない攻撃です。095大阪空港の深刻な騒音被害問題から航空機の夜間騒音による住民生活への影響を見過ごせないとして確立された「朝6時から夜10時まで」という内陸空港の供用時間のぎりぎりの設定を、成田空港では取り外そうとし、すでに午後11時までの供用を地域住民に強制しています。それは必然的に便数の増加とともに、深刻な騒音被害の現実を生み、昨年12月に開かれた「市東さんの会」主催のシンポジウムで明らかにされたように、成田空港周辺の住民の人格権、生存権が犯される状況となっています。

 生存権を守るために安倍とたたかおう
 それを今、安倍政権は、裁判で市東さんの農地を強奪することでその追いつめられた「国策」を地域住民に示し、空港利権にあずかる成田市行政や千葉県財界の「空港城下町」のキャンペーンのもとに地域住民を孤立させ、黙らせ押しつけようとしているのです。こんなことがどうして許されるでしょうか。
 これは正に、集団的自衛権の行使、特定秘密保護法の運用などを通して、憲法を改悪し、戦争のできる国に変えて行こうとする中に人民、大衆を引きずり込もうとする悪らつな攻撃の一環といえるのではないでしょうか。
 私たちは、市東さんの農地を守る闘いの中から、TPPに反対し、成田空港の24時間化、第3滑走路建設に向けた拡張・容量拡大の攻撃を決定的に重視して反対するたたかう陣形を作っていきましょう。
 すでに3・29集会で提起された10・11三里塚現地全国集会、来春3月成田・栗山公園での全国集会を成功させる中から、新しい三里塚陣形を作っていきましょう。そして「オール沖縄」の陣形で辺野古新基地建設を阻止しようとする沖縄のみなさんの闘い、そして福島を軸に再稼働反対・すべての原発を廃炉にという闘いとともに、安倍政権の戦争政策を打ち破りましょう。
                      (事務局 松原康彦)

       関実会報・『実行委ニュース』第152号より転載)

|

« 2015年4月 | トップページ | 2015年6月 »