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2015年1月29日 (木)

2・15「三里塚農地裁判は、いま」学習会 Part-2

2・15「三里塚農地裁判は、いま」学習会 Part-2

時】  2月15日(日)午後2時~4時半
会場】 エル・おおさか南館 1023室(10階)
    (大阪地下鉄谷町線・京阪「天満橋」徒歩5分)
資料代カンパ】 1000円
主催】 三里塚決戦勝利関西実行委員会Photo
 

1.スライドj上映(昨年10・8控訴審意見表明で上映) 成田空港による周辺地域の生活破壊の現状、100年にわたる耕作と有機農法によって作られた市東さんの畑や作物を、15111農地裁判の当該であり、三里塚芝山連合空港反対同盟員の市東孝雄さんが直接説明し、訴えます。(左写真、1月11日の反対同盟団結旗開きで)

2.15111_2講演 一瀬敬一郎さん(弁護士)。一瀬さんは三里塚芝山連合空港反対同盟顧問弁護団として、市東さんの農地裁判をはじめ三里塚関係裁判を献身的に担っている。(右写真、1月11日の反対同盟団結旗開きで)

 成田空港は開港から37年、未だ完成を見ない「国際空港」です。空港用地内には、農家・農地、墓地、開拓道路、神社などの未買収地が多数点在し、空港の運行に支障が出ているのも周知の通りです。地元住民・農民を無視した力づくの空港建設の当然の帰結です。
 土地収用法でも取れなかった未買収の農地(用地)を、農民と農地を守る農地法で「強制収用」しようとしているのが、「市東さんの農地裁判」です。いま、東京高裁(控訴審)で、実質審理・徹底審理を実現するための攻防が続いています。
 「2・15学習会」では、この裁判の当該である市東さんから、現地の様子を伝えるスライドを交え、裁判にのぞむ思いと決意を、また一瀬弁護士からは、農地裁判の問題点や論点、現在の攻防について話していただきます。2月15日、エルおおさかにお集まりください。

 また安倍政権は成田「第3滑走路」構想を明らかにし、大規模な農地強奪、大騒音などによる農業と生活の破壊をさらに進めようとしています。これをストップさせるためにも市東さんの農地裁判は、絶対に負けるわけにはいきません。
 3月4日(水)には、東京高裁で第4回目の控訴審(午後3時より)が開かれ、同29日には成田市役所前の栗山公園で全国集会(正午より)がもたれます。あわせて皆さんの参加を訴えます。

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2015年1月24日 (土)

今週の産直野菜(1月24日)

15124 先ほど早々と三里塚から産直野菜が届きました。

 里芋、ニンジン、ブロッコリー、聖護院大根、ター菜、ネギ、白菜 以上7品です。野菜と一緒に入ってくる『野菜だより』を見ていると、ブロッコリー、キャベツ、里芋に痛みがひどいようです。寒さのせいでしょうね。

 市東孝雄さんの農地裁判(控訴審、3月4日)が、後わずか一か月半になりました。反対同盟が新たに作ったリーフレットを使い、農地署名を集め、態勢をつくっていきましょう。「結審」攻撃を何としてもはね返さなければなりません。2月15日には、市東さんご本人をお迎えし、反対同盟弁護団の一瀬弁護士を講師に、『三里塚農地裁判は、いま Part.2』がエルおおさかで開かれます(午後2時から)。みなさん、お集まりください。

 Photo関実世話人の山本善偉さんのこれまでの94年を語っていただいた『ライオン 吼える』が、まだ出版して一ヶ月になりませんが、第1刷の600冊が残部わずかになりました。関西学院の教え子のみなさんなどからの希望もあり、増刷の予定です。
 年賀状や振込用紙などに「感想」が寄せられています。
 -「山本先生の本、一気に読みました。三里塚の闘いがこれほど人を動かすのかと、改めて感服!」
 -「山本善偉という一人の傑出した人物の発想と活動が、そしてみなさまに敬愛されていることが、ここかしこから立ち上がってくるような一冊と拝見しました」などなど。
 -「こういう類の本は、まず売れない。それが売れているのは山本先生の人柄ですね」とも。
 まだ手に取っておられないかたは、ぜひ、ご購入していただけるようお願いします。頒価 1500円(送料、3月末までは100円、4月以降は250円)。Fax078-841-6303までご注文ください。

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2015年1月22日 (木)

団結街道裁判とヤグラ裁判を傍聴して

120日、今年最初の裁判として千葉地裁民事第三部・廣谷章雄裁判長により「第17回天神峰団結街道裁判(10:30開始)」と「第8回天神峰やぐら裁判(11:00開始)」が行われました。

Kimg0753まず団結街道裁判では被告成田市から出された20号書面に対し反対同盟の長谷川弁護士が「昭和54年には廃道の要件(道路法10)が一般的に満たされたと主張しながら、市東さん前の団結街道には平成22年に廃道の要件が満たされた、と主張することは人によって区別をつける違法な判断だ」と被告の問題点を追及。しかし裁判長は「人によって判断していないのが成田市の真意だ」と助け船をだす一幕があり、傍聴席からヤジが飛び交いました。この廃止決定の時期や判断については前回の裁判でも成田市から「路線廃止の時点を決定した事情として主張する」と意味不明なことを主張したことに対し反対同盟が「当初の主張を変えたのはおかしい」「一般通行の権利と市東さんが農業のために通行する権利を混同させるのは違法だ」と追及しました。にもかかわらず、今回も同じように「意味不明な陳述書」を出して来たのです。

 廣谷裁判長は反対同盟から前回要求した「文書提出命令(成田市が空港用地内で行った「廃道処分」の事例を明らかになる文書)」に応えることなく、成田市に対し「出来るだけ提出するように」と被告をかばう訴訟指揮に終始しました。

 この事態を突破しようと反対同盟は7名の証人申請を具体的に宣言しました。まず、当時のNAA木村工務部長、当時の成田市4者協議の責任者大山氏、同じく中村土木部長、不動産を鑑定した富田鑑定人、市会議員の足立氏、原告から市東孝雄さんと萩原富夫さんの7名です。次回は3241030分。果たして成田市はどのような「文書提出」をしてくるのか、追及の材料はこと欠きません。

 続いて行われた第8回やぐら裁判は被告NAAの取り下げ策動を粉砕し、やぐらや看板、土地などが反対同盟の持ち物であることを確認させる為に、判決を出させることになり、324日午前11時から判決言い渡しとなりました。

 裁判後の報告会で

Kimg0754_2裁判の後に文化センターで行われた「裁判報告会」では、葉山弁護士をはじめ全ての弁護士から今後の決意が述べられ、特に大口弁護士は「廃道処分した団結街道は一日150台以上の車両が行きかい一般の皆さんにとっても「生活道路」であり、道路法10条の適用は違法だ、と怒りを表明しました。

(道路法第十条  都道府県知事又は市町村長は、都道府県道又は市町村道について、一般交通の用に供する必要がなくなつたと認める場合においては、当該路線の全部又は一部を廃止することができる。)

 市東さんや反対同盟の闘いをつぶすために意図的に道路法を悪用した権力者のやり方は許せません。また、「新やぐら裁判」に対し葉山弁護士は「NAAを返り討ちにする絶好の機会だ。傍聴闘争を盛り上げよう」とのアピールがありました。

 関西実行委員会から安藤が「118日関実の旗びらきを行い、戦闘態勢を整えた。215日の学習会(市東孝雄さん、一瀬弁護士)を成功させ、署名活動を続けて、34329に総結集します」との決意表明を行いました。

                 事務局次長 安藤眞一

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2015年1月20日 (火)

関西実行委 団結旗開き

15118

一昨日(1月18日)、三里塚決戦勝利関西実行委員会の「2015年 団結旗開き」が68名の参加で賑やかに開かれました。
 安藤眞一事務局次長の司会で開会。15118_2所要で遅れる永井満代表に代わって山本善偉世話人が開会の挨拶。2・15市東さんを迎えての「2・15三里塚農地裁判は、いま」Part2、非常に重要な3・4控訴審闘争、成田市中心部の公園で開かれる3・29全国集会に全力で取り組んでいこうと簡潔に提起された。15118_3遅れて参加した永井代表も、「関実と三里塚反対同盟の結びつきは固い」「今年も、いや今年こそ踏ん張りぬいて闘おう」と呼びかけられました。
 15118_4前日の阪神大震災20周年のイベントに参加された沖縄の知花昌一さんが、飛行機をキャンセルして駆けつけてくださり、沖縄の市東さんの会・金治明事務局長のメッセージの紹介を受けて、辺野古現地の14日以来の攻防の様子を報告。昼間は200名、夜も100名がキャンプシュワブの基地ゲート前に座り込んで、機動隊によって重機は持ち込まれたが、資材はまだ入れていないと闘いの様子を。「絶対に作らせないし、つくれないだろう」と確信を持ってまとめられた。
 15118_5ここで反対同盟を代表して、萩原富夫さんが、この1年の闘いを振り返りながら想いを語られました。一昨年末、父の進さんを失って呆然となる中から、この1年、反対同盟と現地支援連が、周辺地域に毎月入りながら、署名活動と「反対同盟ニュース」やビラまきを通して闘いの拡大に向けて苦闘しながら切り開いてきた現実を語られました。そして確信をもって新しい年の闘いに踏み出していることを明らかにした。一つ一つの裁判が勝利的ではあるが、国策裁判として結審情勢にあることに向き合いながらの闘いであることを訴え、15118_63・4控訴審への決起を訴えた。同時に、成田市栗山公園での全国集会の重要性を、栗山公園を獲得した経緯にふれながら明らかにした。
 部落解放同盟全国連合会の滝岡中執からの連帯の挨拶を受けた後、明石住民の会の日原事務局長の音頭で、15118_7乾杯。
 ここで、年末出版された『ライオン吼える ~三里塚と出会い、静止画が動いた~』の出版記念が行われました。山本先生ご自身の挨拶のあと、15118_9表紙の題字を書かれた書家の伊藤珈扇さん、表紙の絵を描かれた画家の坪谷玲子さん(右写真)、「山本先生のこと」を寄稿した白石治美さん、終始出版を応援していただいた福井稔さんが前に並び、福井さんと坪谷さん、15118_10白石さんが挨拶。坪谷さんからは表紙の絵の原画が山本先生にプレゼントされた。さらに東灘区住民の会と関西実行委員会からそれぞれ花束が贈呈され、嬉しそうな山本先生でした。
 初めて参加いただいた川西市議の北上哲仁さんからご挨拶をいただいた後、これも前日の阪神大震災のイベントに出演されていた趙博さん(パギやん)が駆けつけて登場。なんと3曲も歌ってくださり、山本先生をはじめみなさんもリズムに合わせてにぎやかに。15118_11ジャンベの音も加わり、楽しい(ここで上の団地の住民からクレームが入り、ジャンベの音を小さめに・・・)。
 こんどは知花さんが三線。これも2曲(食べて、呑めて、趙さん、知花さんの演奏を楽しんでこれで1000円は安い!・・・と誰かが・・・)。
 15118_12被災地雇用と生活要求者組合代表の長谷川正夫さんからの挨拶のあと、梶原さんのウクレレ演奏と唄、福島さんの手品が続き、時間が来てしまって、最後は恒例の永井代表、山本世話人をはじめクリスチャン(?)の人たちによる讃美歌合唱。
 そして最後は、全体が輪になって肩を組んで、インターナショナル、そして「反対同盟の歌」の大合唱でお開きに。

 有志は、さらに場所を移し、萩原富夫さん、知花昌一さんを囲んでの二次会が賑やかに行われました。さあ、安倍の「やりたい放題」を許さず、市東さんの農地を守り、第3滑走路を許さない闘いを実現するために頑張ろう!

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2015年1月17日 (土)

今年最初の産直野菜(1月17日)

15117 先ほど三里塚から今年最初の産直野菜が届きました。年末の団結野菜市の野菜もなくなり、買い食い状態だったので、待ち遠しかった・・・。

 ブロッコリー、聖護院大根、じゃがいも、ター菜、立ちレタス、サツマイモ、キャベツ、ニンジン、ネギ 以上9品。

 聖護院大根が年頭から入るのは初めてじゃないかな?

 沖縄では24時間態勢のキャンプシュワブ基地のゲート前での攻防が今週、はじまりました。安倍政権の強暴な攻撃は、機動隊の暴力を前面に押し立て、逮捕、けが人が出ている模様です。ほんとに許せません。海でも昨日は25隻のカヌー隊が出て仮桟橋を作らせないと闘った模様ですが、19隻が拘束され、仮桟橋は作られました。しかし、テレビの報道で翁長知事の怒りが報じられたようですが(我が家にはテレビがないため伝聞です)、私たちは沖縄のみなさんの怒りを全面的に支持します。
 関西でも今日、神戸で、大阪で、京都で「辺野古に基地を作らせない」行動が取り組まれます。私も神戸に出かけます。

 もう一つ。20年前の今朝、5時過ぎ、あの阪神淡路大震災が私たちを襲いました。必死で立ち上がろうとしていた私たちを横目に、被災者を放置したまま、神戸市、兵庫県、そして国は、得手勝手な「復興事業」を、押し付けました。神戸市の助役は、震災を「千載一遇のチャンス」と言いなして、神戸空港、新長田の再開発をはじめとした停滞していた「巨大公共事業」を推し進めました。
 この12日、「生きる権利を求め助け合った20年 1・12阪神大震災20周年集会」が90数名の参加で開かれました。借り換え住宅問題やこれから出てくるアスベスト被害、格差と貧困・失業問題、そして被災高齢者の孤独死など20年を経ても、多くの問題が取り残されたままです。
 それだけに福島からの避難者の井上さんを迎え、そのお話しに胸を打たれ、2011年3・11フクシマを絶対に忘れてはならない、共に歩もうと確認されたのです。
 昨日から天皇夫婦が神戸に来て、行政の「復興」の成果をたたえ、蠢いていますが、私たちはそんな安倍政権の「切り捨て政策」のお先棒を許しません。沖縄を見ろ!三里塚を見ろ!福島を!

 明日は三里塚関西実行委員会の38回目の「団結旗開き」です(午後5時半~ 阪急六甲・神戸学生青年センターホール)。三里塚現地から萩原富夫さんが来られます。みなさん。お集まりください。

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2015年1月13日 (火)

三里塚反対同盟 2015年団結旗開き

15111
 1月11日、成田市で三里塚芝山連合空港反対同盟の「2015年新年団結旗開き」が開かれました。反対同盟と支援は、この日早朝の新年闘争を現地で行なった上で、会場に来られた。
 15111_293歳の北原鉱治事務局長も元気に参加され、みなさんの挨拶を受けられ、主催者の挨拶をされ、会半ばで、昨年出来なかったお酒をついで会場の各テーブルを回られた。
 太郎良さんから闘争宣言(「15.1.11闘争宣言.pdf」をダウンロード)が読み上げられ、萩原富夫さんが、昨年の闘いを簡単に総括したうえで、3・4控訴審闘争、3・29成田市中央部での全国総決起集会への結集を呼びかけられた。そして、農地署名の3万人実現に向けてのさらなる取り組みを訴えられた。この日会場には、農地署名を訴える新しいリーフレットと、3・29闘争を呼びかけるチラシがすでに準備され配布された。(「15.3.29チラシ.pdf」をダウンロード
 15111_3市東孝雄さんが今年の決意を明らかにし、農地裁判への取り組みを訴えられた上で、乾杯の音頭。

 いったん歓談の時間がとられた後、動労千葉の田中委員長をはじめ各団体からの新年の挨拶と決意が語られました。関西実行委員会は、永井代表がお兄さんの葬儀のために欠席され、松原が代わって挨拶と決意を述べた。恒例になった「市東さんの会」が勢ぞろいして山口さん、内田さん、群馬の高梁さんが挨拶。15111_4特に、農地裁判の一つ一つが「結審」情勢にあることが強く訴えられ、控訴審闘争へのこれまで以上の結集が呼びかけられた。沖縄の「市東さんの会」からはメッセージが届けられ、紹介された。

 最後に反対同盟が勢ぞろいして、団結ガンバローを全体であげて、15111_5散会しました。

 私は、写真をとったり、交流をみなさんとしながら、出版された『ライオン 吼える』の購入をすすめたり、大忙し。そのため現場にICレコーダーを忘れてしまい、詳しいご報告ができません。スミマセン。

 太郎良さんに送っていただいて、予定より1時間早いひかりに乗れましたが、それでも最終バスに間に合わず、タクシーで帰還。翌日が、阪神大震災20周年の被災地集会。ただちに寝ました。


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2015年1月 1日 (木)

成田空港における「第3滑走路」問題について

 2014年年6月6日、政府は、羽田・成田の首都圏空港容量、現在の75万回/年を、東京オリンピック(2020年)までに83万回、両空港での新滑走路建設によって2030年には現状の1.5倍である112万回に拡大する計画を発表しました。

 成田空港では、このために2020年までに、暫定滑走路を2500メートルから3500メートルに拡張(北側へと言われています)するのと同時に、着陸機が滑走路からすぐに離脱できるように「高速離脱誘導路」を新設し、2030年までに、新たに第3滑走路を暫定滑走路に並行に作るというものです。

 File_0001成田空港の年間離発着は、空港乗り入れの自由化の推進、LCC(格安航空会社)の導入以降、急激に増加し、昨年度で22万回に達しています。現状でも、暫定滑走路の北側の成田市南部と南側の芝山町では、航空機騒音が激しくなり、住民から苦情と抗議の声がくり返しでています。それを2020年には34万回にするというのですから、事態はより深刻になるでしょう。この増便自体が、住民のいのちと暮らしを無視した理不尽なものであることは言うまでもありません。

 さらに、図にあるように、当初の成田空港の敷地を大きくはみ出して、第3滑走路を作るということは、その予定地に現在いくつもの部落があり、そこに住む住民、農民の宅地、農地の収用、強奪という新たな問題が起こります。そして、当然にも航空機による騒音激甚地域が拡大されて発生することになります。

 国の航空政策が破綻し、世界、アジアのなかで取り残され始めたことを理由に、空港の拡張、滑走路の新設、1.5倍もの増便を「国策」として、成田空港周辺の地域の住民に一方的に突きつけ、土地・農地の強奪と騒音被害などを押し付けてくるというこんな勝手なことが許されるでしょうか。そもそも、内陸空港として建設を強行したことによって多くの住民、農民の土地、農地、そしてくらしと生命までをも奪い、今もなお48年も続く三里塚闘争を反対同盟農民に強制してきたことを、1990年、「反省」し、「二度とこのようなことはしません」と謝罪したのはいったい何だったのか。

 第一に、安倍政権が、国の表玄関である成田空港で、48年も反対闘争として三里塚闘争が続いていることに消耗し、東京オリンピックまでには決着をつけたいと願望しているゆえの攻撃であるとするならば、浅はかというほうかありません。少数になったとはいえ、市東さん、萩原さんを中心とした三里塚農民の「話し合い拒否」「実力闘争」「不屈不撓」の三里塚闘争は、むしろ新たな火柱となって、沖縄、福島とともに燃え広がることは確実です。私たちも、それをとことん支持し、ともに闘います。

 第二に、新たに新滑走路の予定地とされた人々、住民のいのちと暮らしを踏みにじる、このような理不尽な攻撃が、48年三里塚闘争における国家権力の不法・不当を目の当たりにしてきた住民のみなさんをねじ伏せられると願望しているとすれば、これもまた見当違いも甚だしいと言わざるを得ないでしょう。住民の想いを軽視するにもほどがあります。

 安倍政権による人民への理不尽極まる攻撃に対して、特定秘密保護法、集団的自衛権行使の容認、消費税増税、法人税減税などを頂点に、人々の間に広範な、烈しい怒りが渦巻いています。それは沖縄の辺野古における連日の激闘、沖縄県知事選挙への熱い想いに象徴され、同時にそのことに励まされて地下のマグマのようにすでに沸き立ち始めています。

 暫定滑走路の拡張、そして第3滑走路の建設計画は、具体化すればするほど、地域の住民の怒りを引き起こし、新たな闘いの火柱となって必ず爆発するでしょう。そのことを三里塚闘争の48年は指し示しています。また、安倍政権自身が、そのことを恐れるがゆえに、暫定滑走路をどちらに延長するつもりなのか、また第3滑走路をどこに作るというのか、その具体的な位置を明らかにできないまま、6月6日に発表せざるをえなかったのです。土地強奪による住民、農民の怒りがいかに燃え上がるか、そのことへの恐怖を、三里塚闘争の48年が、安倍政権に強制しているのです。

 内陸空港であるがゆえに成田空港がもつ欠陥、住民犠牲を、承知の上で押し渡ろうとする、このような安倍政権を私たちは断じて許してはなりません。沖縄の辺野古新基地建設反対の島ぐるみのたたかいに呼応し、安倍政権による市東さんの農地強奪、そして新たな新(第3)滑走路建設を断じて許さない、新たな住民の決起とともに、そして市東さん、萩原さんをはじめとする三里塚反対同盟とともに闘おうではありませんか。(10・8市東さんの農地裁判控訴審闘争、10・12三里塚現地全国集会を目前にひかえて。2014年10月6日記)

  「靖国・天皇制問題 情報センター通信」第146号掲載文より転載

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