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2014年9月27日 (土)

今週の産直野菜(9月27日)

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 先ほど今週の産直野菜が、三里塚から届きました。

 唐辛子、ピーマン、オクラ、じゃがいも、サツマイモ、なす、生落花生、以上7品です。夏野菜は、ピーマン、唐辛子をのぞいて終了だそうです。大きい箱できたので、「???」と思って開けたら、生落花生が入っていた。なるほど。

 先日、裁判のおりにお聞きしたら、稲刈りは少し遅れたそうですが、大阪のように8月に真夏日がなかったのと違い、千葉では天気もほどほどによくて、暑く、お米の収穫は豊作だったそうです。反当り10俵と萩原富夫さんが言っておられました。よかった。

 1971年に「有機農業研究会」を立ち上げられた一楽照雄さんを偲んで書かれた『暗夜に種を播く如く』(1996年)をつい最近読みました。そこに一楽さんのことばにこんなのがありました。少し長いですが、
― 「産直」という言葉で表現する人が多いが、それと「提携の関係」とは本質的にちがう。産直という言葉には沿革的に商品性の脱却、商品性の否定という思想はない。産直は戦前の産業組合当時からあった言葉です。たとえば北海道の漁協が魚粕を集め、農家に肥料として買ってもらうわけですが、それが商業機構を通じて売買されているのが普通だった。それを内地の産業組合が結集し、当時の全購連が農民を代表して北海道の漁連と交渉し、産直をするということになった。こうした産直の思惑は、中間利潤ないし中間経費が削減されるから、買う方は安く買えるし、売る方の漁連はその分だけ高く売れるということになる。・・・(中略)・・・ところが、有機農産物における提携は、・・・人より安く買いたいとか、特に高く売りたいという欲から始まったつき合いではないということです。よい品物が欲しい、有害でないものを作って欲しいという人間的な理解と協力関係で結びついているからです。そういう意味で「産直」とは根本的に違うわけで、「生産者と消費者との提携」という長い言葉を使っているが、そこをきちんと区別してほしいと思う。 ―

 農業の本を読んでいると、桝潟俊子さんなど多くの方が「提携」ということばを使っておられますが、なぜなのか知らなかったので、納得することができました。

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2014年9月24日 (水)

9・29「三里塚農地裁判は、いま」学習会へ

 市東さんの農地をめぐる「10・8農地裁判控訴審闘争」と「10・12三里塚現地集会」を前に、以下の要領で、「三里塚農地裁判は、いま」学習会が開かれます。

9・29「三里塚農地裁判は、いま」学習会

【とき】 9月29日(月)午後6時半~8時半
【ところ】 エルおおさか 5階・第2研修室
【お話し】 遠藤憲一さん(弁護士)
       鎌倉孝夫さん(政治学者)
【主催】 三里塚関西実行委員会
【資料代】 1000円Photo_2

 市東さんの農地を農地法を用いて強奪(強制収用)しようとして始められた農地裁判は、「国策裁判」として強行された千葉地裁の反動判決を、当然にも不服として今年の3月から東京高裁で控訴審が開始されました。

 3月、6月の2度の口頭弁論の審理で、早期結審・判決の意志を隠そうともしなかった貝阿彌裁判長の訴訟指揮をはね返し、法廷での市東孝雄さんの堂々とした意見陳述、弁護団による全力での意見陳述などの闘いによって、事実審理にむけた壁をぶち破る法廷闘争が闘い抜かれ、10月8日に第3回口頭弁論を迎えることになっていました。
 ところが、突然、人事異動の時期でもないこの夏に、裁判長が小林昭彦裁判長に交代しました(貝阿彌は、東京家裁所長に転出)。何を理由にした異動なのかまったくわかりませんが、闘いの進展にあわてふためいた国の意志が働いているのではと推測したくなります。14326 本来ならば、前回の2回の口頭弁論における冒頭意見陳述に対応した「更新意見陳述」が、市東さん、弁護団から行われるはずです。それを勝ち取り、あらためて事実審理に向けた局面を勝ち取らねばなりません。なにしろ、千葉地裁反動判決は、多くの事実、とりわけ空港会社の証拠偽造、事実の捻じ曲げと違法行為などを一切無視して強行されたものです。ですから農地裁判と裏表の関係にある「耕作権裁判」は審理ができず、1年以上も棚上げになってしまっているのです。

 こうした裁判の現状と展望について、三里塚反対同盟顧問弁護団の一人として全ての法廷で奮闘しておられる遠藤憲一弁護士(右上写真)から、短い時間ですが、詳しくお聞きします。

 14326_3 また「資本論」研究者の鎌倉孝夫さん(埼玉大学・東日本国際大学名誉教授、左写真)から「〈公共性〉とは人民の生きる基盤・生活権・人権の保障である」と題してお話しをいただきます。ご自身が、3月23日の農地裁判の法廷に意見書として出されたものをもとに、農業経済学が専門の石原健二さんと共著で3月に出版された『成田空港の〈公共性〉を問う』のエッセンス、「国家(資本主義国家)=〈公共〉は欺瞞」などについて話していただきます。また、会場では、『成田空港の〈公共性〉を問う』(社会評論社 1800円+税)を販売いたします。鎌倉さんにお話しいただける時間が短いですので、ぜひ、本を直に読んでいただくことをお薦めいたします。(遠藤さん、鎌倉さんの写真は、いずれも、3月26日の農地裁判第1回口頭弁論後の報告会での写真です。)

 ぜひ、9月29日、エルおおさかにお集まりください。

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2014年9月18日 (木)

第3誘導路裁判を傍聴しました

 一昨日、9月16日、千葉地裁601号法廷で、第3誘導路裁判の口頭弁論が開かれました。

 裁判自体は、書面の提出などとそれにともなう次回以降についての確認などが行われただけで、短時間で終わりました。

 法廷後の報告会で、弁護団から、北海道大学の松井教授による成田空港の暫定滑走路に関連した騒音調査についての分析に基づいた飛行コース直下の住民などへの生活と営農を脅かしている騒音の実態を明らかにし、先日、横浜地裁による厚木訴訟で出された画期的な判決をも引用しながらの書面が提出された。また、暫定滑走路の北側および南側の航空機の侵入表面に立木が何本も突き出ている「障害物」の問題について「本件に関係ない」として取り合おうとしない国、空港会社に対して、安全無視の飛行実態をさらに追求していくことなどが報告されました。

 最後に、動労千葉と三里塚関西実行委員会からの連帯の挨拶があって終わりました。

 次回は、12月1日(月)、次々回は来年2月24日(火)、いずれも午前10時半から千葉地裁601号法廷です。

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2014年9月13日 (土)

今週の産直野菜(9月12日)

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 先ほど三里塚から産直野菜がとどきました。暑さのせいでしょうね、空芯菜が完全に萎れています。水の中に浸けてやりました。

 じゃがいも、ピーマン、玉ねぎ、空芯菜、オクラ、ししとう、ミニトマト、なす、細ネギ 以上9品です。今の変な天候からは、この程度かな? と、市東さんや萩原さん、現地支援連のみなさんの苦闘をかえりみず、気楽なことを言っていますが。

 実は、団地の5階(最上階)に住んでいますので、この時期になると夏の熱気が屋上にたまりこんで、夜になっても室温が下がらず、夏バテと重なっていつも大変でした。特に、昨年。ところが、今年は盆前後からの雨に、その熱気がたまらず、今朝も室温が23度。5階の特権で、窓から入る風が涼しい。これでは農家は、稲や野菜は大変だろうなと・・・。

 さあ、体力をつけ、9・29「三里塚農地裁判は、いま」学習会、10・8市東さんの農地裁判控訴審闘争、10・12現地闘争に全力で取り組もう!

 沖縄から、8・23、辺野古での3600人 集会に引き続いて、9月20日、辺野古での1万人集会が呼びかけられています。関西からもT先生をはじめみなさんがいかれます。関西では、今日、神戸で、京丹後の米軍Xバンドレーダー基地建設反対の集会があり、28日には、京丹後宇川現地での闘争です。この日には川内原発再稼働反対の全国集会も。忙しくなりそうです。

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2014年9月11日 (木)

第3誘導路裁判の傍聴を

第3誘導路裁判 口頭弁論が9月16日に

【とき】 9月16日(火)午前10時半開廷
【ところ】 千葉地裁601号法廷

 裁判では前回、裁判長が交代しました。第3滑走路建設の動きがある中で、空港会社・国の不当な空港拡張と市東さんに対する農地取り上げ・空港からの叩き出し攻撃に対決していく重要な裁判です。交代した裁判長に、私たちの怒りと意志を示すために、傍聴席を埋めて闘いましょう。

 今回は、暫定滑走路による騒音実態の調査に基づいた専門家による意見書などの問題が出てきます。

 なお、傍聴を希望される方は、傍聴券の抽選・配布がありますので、30分前までに、裁判所一階ロビーにお集まりください。

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2014年9月 6日 (土)

今週の産直野菜(9月6日)

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 先ほど三里塚から産直野菜が届きました。軽い・・・。

 玉ねぎ、じゃがいも、ピーマン、オクラ、空芯菜、なす、ゴーヤ、細ネギ 以上8品。

 やはり雨が多い夏の終わりの気候の影響でしょうね。夏野菜が順次終わっているそうな。この時期だとモロヘイヤが育っているのですが、気温が下がり、花盛りになって終了とか。この時期に「援農」に入って、一番楽な仕事がモロヘイヤの収穫でした。立ったままの姿勢で摘み取っていけばいいですから。7月の猛暑の中、入っていたので、今年は早いなぁと思っていたのですが。残念・・・。

 雨が多く、残暑が厳しくなく、楽なのは私たちにはいいのですが、 稲をはじめ、この時期に育つものが心配ですね。 あらためて思います。農業は大変ですね。

 反対同盟から、10・12全国集会への招請状が出されました。10・8市東さんの農地裁判控訴審闘争、10・12全国集会へ、態勢を作っていこう。

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2014年9月 4日 (木)

許すな! 成田第3滑走路計画

 許すな! 成田第3滑走路計画
  
国交省が「首都圏空港の機能強化策」を公表

 国交省は、6月6日、羽田・成田両空港(首都圏空港)の発着枠拡大案を明らかにしました。マスコミ報道の多くは、羽田空港の「都心上空の飛行解禁」と新滑走路建設に焦点を当てて報道されています。成田空港については、「高速離脱誘導路」整備、そして新滑走路(第3)建設です。国交省による中・長期を含んだ首都圏空港整備計画といえるものです。
 
両空港整備によって、現在75万回/年の発着回数を2020年(東京オリンピック)までに83万回、五輪後の両空港の滑走路増設で2030年には112万回まで拡大しようという計画です。
 
ここでは成田空港について見てみます。成田空港の現在の発着枠は27万~30万回、これを20年度までに「高速離脱誘導路」整備、「夜間飛行制限(現在23時~6時原則飛行禁止など)の緩和」などによって34万回まで拡大。さらに、2030年度までに現在のB滑走路に平行する形で新たな滑走路を増設、あるいはB滑走路の3500mへの拡張が謳われています。
 
ちなみに成田空港の2013年度の運航実績は22万回(その前までは18~19万回で推移)。2013年度からの発着枠の30万回への拡大強行(=夜間飛行の一部解禁)と格安航空会社LCC導入による増加です。LCCが拡大していることや「東京オリンピック景気」から、中長期的にはともかく、短期的には運行実績は増加していくことが考えられます。

農家・農地の強制的・暴力的取り上げ問題が核心
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第3滑走路については、詳細プラン・計画が提示されていませんが、おおよそ別掲図(「三里塚裁判救援運動№6」より転載)のように考えられます。現B滑走路に平行して、東側数百mの位置です。ちょうど萩原富夫さん宅と畑の西側あるいは東側あたりですが、「総工費1200億円、工期4年」としていることから、国交省が具体的な検討に入っていると考えられます。ここは、家屋も多く昔ながらの田園風景も残る一帯で、激甚騒音地域も含めれば千軒を超える立ち退き問題、農地強奪が起きることが明らかです。常識的に考えれば、無謀としか言いようのない計画です。
 
この報告書は、家屋・農地取り上げの問題への言及はなく、「新たな騒音影響が予想されるため、引き続き内陸空港という特殊性を踏まえた騒音対策のあり方などの検討を行っていく必要がある」としています。いうまでもなく「成田問題」とは、農家・農地の強制的・暴力的取り上げ問題が核心です。第3滑走路問題でも、国交省はこの問題を覆い隠し、また逃げまわっています。

 市東さんの農地裁判の行方は、いよいよ重大です。現成田空港における市東さんの農地問題、天神峰・東峰地区の開拓道路や農家・農地の未買収地問題をすり抜けて、第3滑走路計画を進めることはできないからです。
 
10・8市東さんの農地法裁判闘争、10・12三里塚全国闘争に結集し、第3滑走路計画を粉砕しましょう。

   (事務局・磯田 『実行委ニュース149号』より転載)

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2014年9月 3日 (水)

土を守り、命を守る農業を続ける市東さんを応援しよう

成田空港のど真ん中で堂々と農業を続ける市東孝雄さんの闘いを覚え、支援と共感を寄せてくださる皆さん。ご承知のとおり東京高裁は市東さんの控訴審訴訟の裁判長を貝阿彌裁判官から小林昭彦裁判官(仙台地裁所長)に突如変更しました(7月25日)

 市東さんの農地取り上げに反対する会のホームページには「小林裁判官は検事に3回出向している人物」との指摘があり、今後「検事イコール国策優先の訴訟指揮」が心配になります。市東さんの土地を無理やり取り上げる判決を出すために、今回の裁判長交替が画策されているとしたら問題です。市東さんを追い出す判決は許せません。

 1337 写真をご覧頂くと、市東さんの自宅と農地は成田空港の誘導路などで取り囲まれており、市東さんの生存権、環境権、人格権を押しつぶそうとする過酷な状況を感じ取れると思います。しかし市東さんはこの逆境をはねのけて毅然と農業を続けられています。親子3代、100年間平穏に農業を続けている市東さんにこそ正義があります。農地法を悪用して追い出そうとする国、空港会社、千葉県の違法行為を許さず命を守り農業をつづける市東さんと共に闘いましょう。

 9・29「三里塚農地法裁判は、いま」学習会

 市東孝雄さんの裁判をはじめ、三里塚では多くの裁判が争われています。これら裁判は国家権力の農業つぶし、軍事空港づくりをやめさせる重要な闘いで、どれ一つとしても負けられません。特に市東孝雄さんの農地取り上げを強行する控訴審裁判や耕作権裁判は重要です。10月8日の控訴審裁判を目前にして、この際しっかりと学習する機会を持ちたいと思い「9・29『三里塚農地裁判は、いま』学習会」を開催します。反対同盟顧問弁護団の遠藤憲一弁護士と埼玉大学・東日本国際大学名誉教授の鎌倉孝夫さんをお招きして、農地裁判の現状とその意義について解説していただきます。質疑応答の時間もとります。おおぜいの皆さんが会場にお集まりいただくようご案内いたします。

 10・8農地裁判闘争と

    10・12現地全国集会へ

 今年の5月「国土交通省が成田空港に第三滑走路を検討」との報道があったのをご存知でしょうか。もともと成田空港の計画は「主滑走路、副滑走路、横風用滑走路」の3本の滑走路を持つ空港計画でしたが、用地取得問題などから横風滑走路を諦めて、滑走路を川の字のように設置するとんでもない計画を発表しました。現在の暫定滑走路の横に設置するようですが、この用地内には反対同盟の農家をはじめ多くの住民の土地建物、畑などがあります。(「第3滑走路」問題については、次の記事をご参照ください。)

 国は、市東さんへの農業破壊、生活破壊を反省することなく、さらに新たな「生存権、環境権、人格権」を奪う第三滑走路建設の不法を積み重ねようとしています。断じて許せません。来る10月8日の控訴審裁判に多くの皆さんが傍聴闘争に駆けつけ、新裁判長に正義の怒りをたたきつけましょう。

 そして10月12日には三里塚現地に集まり、全国の皆さんと共に農民追い出しの国策に反旗をひるがえしましょう

 安倍内閣は集団的自衛権行使の閣議決定を強行し、平和憲法を無視して日本を暴力と戦争政治で支配しようとする悪らつな動きを続けています。

 この安倍内閣に対し、多くの皆さんが各地の闘いを担われています。その皆さん方からも市東さんの農地を守る署名が多く寄せられています。私の所属するキリスト教会グループでは、牧師さんや信徒の皆さんが「農地を私利私欲で農民から奪うなんて、旧約聖書の出来事(ノボトのぶどう畑を王が強奪)かと思ったが現代でもある」と怒りの気持ちで沢山の署名を寄せてくれました。

 市東さんの農地を守る署名を、今まで以上の方々に訴えて、関西から多くの署名を市東さんに届けましょう。この署名こそ市東さんを支え勇気づける運動です。必ず成功させましょう。

     (安藤眞一 『実行委ニュース149号』より転載)

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