5・10三里塚・沖縄集会での市東さんの報告
みなさんお疲れ様です。
この辺野古決戦に入りましお忙しい中、こういう集会を開いていただきました。ありがとうございました。
また「3万人署名」。これもたくさんの署名をいただき、高裁のほうにこのあいだ提出しました。
この間、全体をひっぱってきた萩原進が、昨年の12月21日、急死しました。ですが、残された私たち、反対同盟は、進さんの遺志を引き継ぎ、沖縄との連帯をさらに強めていきたいと思います。ともに闘うことをここに伝えまして、後のスライドに入りたいと思います。
【ここで、市東さんは、畑の作物や作業場などの様子や、第3誘導路、への字誘導路、空港の中に閉じ込められた自宅など、さらには封鎖された団結街道、拡張されるLCC用駐機場の様子などを写した映像を、約11分にわたって説明をされました。】
以上が成田の現状です。
第三滑走路などとんでもない!
先ほど山本先生の方から話がありましたように、第三滑走路、その話が商工会議所の方から出ています。ですけど、結局、じゃあどこにつくるんだという、並行滑走路を作るといっているんですが、実際は、端から端まで、幅が2キロなければ作れない。ですから並行につくると言っても、部落が3つくらい、200戸以上どかさないとできないんですよ。普通の状態なら出来ないんですよね。だから、それだけ空港会社が焦っているのと、「空港依存」でやってきた商工界が立ちいかなくなってきた。そのために、国会議員の二階というのと千葉県の林もとおという衆議院議員が居るんですけれども、その二人がうごいてとにかくやろうとしているんですけれども、これはちょっと、どう考えても「机上の計算」というか、ちょっと出来ないとおもうんですね。ただ、できないと言っても、そういう話が出るということは、なんとか彼らはやろうとしている。ですから自分たちも動いて、抗議行動を今、起こしています。
嘘と違法を重ねた国・空港会社
今日、この間の高裁のことで、第1回陳述、そのことでお話しをするようになっていました。レジメが中に入っています。詳しいことはそちらを見ていただきたいと思います。
なにしろ自分が一番びっくりしたのは、「2003年に空港会社が底地を買ったから契約を解除して畑を明け渡せ」と、そういうのが新聞に載ったんでわかったんですね。自分が。その内、調べていったら、2003年に登記はしたんですけれども、ほんとのところは、1988年、15年前ですね、実は(空王会社が)買って、黙っていた。その買ったときも、小作人であるうちの親父(市東東市さん)にも、一言の相談もなしに買っていたんですね。
だから親父も自分も、そこの旧地主に、毎年、地代を渡していたんですよ。むこうも、地主も地主で「当然」みたいな顔をして受け取ってたんです。そのお金がどこに行っちゃたのかわかんないのですが。
そういうようなことで、知らない内の買収というのですか、親父が知っていれば、そんなもの拒否したと思うんですね。「(小作人の)同意がない解約申請」ですか。成田の場合は、20条5項ですか、それは知事の許可もいらない、ということなんです。だから、それは空港会社はいいんだと。だけど、小作人の同意が無い場合は、土地売買をほんとはしちゃあいけないんですよ。そういうことも一切相談もなし。本来ならば、農業委員会が受け付けないらしいですね。ところが成田の場合は、もう「空港ありき」ですから、それを呑んで、千葉(県)の方にあげちゃったんですよね。それから知事が許可した。
ですけど、「転用目的」でやったんですけれども、実は10何年も「農地」として扱っていたんです。ですから、本来なら、畑じゃない何かに変えないといけないのですね。ですから、そういうものとか、後は、空港会社(当時、空港公団)、その時、本社が東京にあったんです。ですから不在地主的なことで、その当時はほんとは買えなかったんですよ。
そういうのを全部、自分たちのやりたい放題ですね。そういのは後でわかったんですよ。
農地法を使った強制収用
3番目に訴えたいことは、やっぱりこれは「強制収用だ」ということですね。「契約の解除」なんて言ってるけれど、実際はそれ以上のことです。空港は、最初は「へ」の字に曲がっていても「安全だ」と国交省が認めたんですね。それで開港(供用開始)されたわけです。そしたら今度は、「への字に曲がっていたら危険だ」と。で、危険ならなぜ飛ばしてるんだと言ったら、「見た目が悪い」と。結局、そういうように、自分たちのいいようにいいように解釈して、やってきました。
だいたい、農地法は農家を守るための法律ですから。農家とか住民無視の空港建設ですね。それが48年も続いてきてるというわけで、やっぱりこんな空港は異常ですよ。
土、農地、産直のかけがえのなさ
もう一つは、一番大事な有機農業における土、農地ですね。それがよく知らない人が、表土だけもってよその畑にその表土だけを移せばいいんだと、そういうことを言うんですけれども、実際問題、うちの畑を100年近く耕してきて、ある程度もう農薬を全然使っていない。それを農薬を使った畑に持ってくれば、結局、それが混ざるわけですよね。そんなわけでね、ただ土をよそに持っていけばいい、そういう問題ではない。でも、そういうことを言ってもわかんないんですよね。
それで裁判所なんかも、それを「見に来てくれ」と言っても来ません。
私たちは「産直」という、「顔の見える関係」ということで、それに「一切、嘘をつかない」ということで、農業をやってきています。そういうことで、消費者の中で、お子さんをもった親は、「スーパーから買ってきたやつは、アトピーが出たりなんだとかする」けれども、「三里塚の野菜医は、それを食べると子どもに湿疹がでないんだ」と、消費者になっている方も何人かいます。
高裁で一応ね、法廷に土を持っていきました。そしたら裁判長が、冗談半分だろうけれど、「サラサラしたいい土ですね」なんて言ってんですよ。「お前ら、わかんのか」と言いたかったんですけれども。
控訴審が始まりまして、控訴審というのは一回、一回の勝負で、いつ打ち切られるかわかんないという裁判らしいですね。だから、いつ打ち切られるかわかんない。そういう中で、今、弁護士さんたちがいろいろと証人とかなんかを申請している。「進行協議」というのが裁判の場合にあるらしいんですけれど、それだと向こう側の土俵でやられちゃうと、ですから、法廷に引きずり出して、法廷内で裁判をやると、いまそっちの方に弁護士さんたちに動いてもらっています。
先ほど山口さんの方から1万枚のビラまき、あと署名、それらを全国で取り組んでもらえるようなたたかいかたをしています。
「国策」による強制を許すな!沖縄、福島とともに
最後に、国策としての沖縄、福島、そして三里塚と。農地を守る闘いと基地、これは違いますけれど、やっぱり国策としてのやり方というのはどこでも一緒ですね。
ですから、自分たちの道路をなくしたり、現闘本部を壊したり、そいう時も、明け方まだ薄暗い、3時頃からやるんですよ。いつもこっちは、「そんなコソコソやんないで、やるんだったら昼間やれ」というんですけれど。自分たちが葬式なんかでみんないない時、帰ってきたら道が塞がれてたとか。そういうことが、ずうっとやられてきました。
ですから、そういうことをやられながら、私たち反対同盟も、数は、先ほど来、数の話がでていますけれど、少なくなりましたけれど、やっぱり、言わないと、やらないと、実行しないと何も動かないということで、全国のみなさんの力を借りて、頑張って、どうしても廃港まで闘うと、そういうことでやっていきたいと思います。
どうかみなさん。一つみなさんのお力を貸していただいて、ともに沖縄、三里塚、そして福島と、その闘いをさらに強めていきたいですね。連帯をよろしくお願いします。
【このあと、市東さんとの間で、会場からの質疑が行われました。】
なお、文章の掘り起こしによる間違いもとより文章中の「見出し」は当方で付けましたので、市東さんには責任がありません。また、この文章の掲載については、主催者の「市東さんの農地を守る沖縄の会」の了解を得ております。
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