« 2014年2月 | トップページ | 2014年4月 »

2014年3月30日 (日)

「ほんまやばいでTPP」3・29学習会開かれる

14329

 昨日、「ほんまやばいでTPP」学習会が、農業ジャーナリストの大野和興さんを講師に招いて、68名の参加のもとに行われました。

 14329_2 大野さんは、TPPを「平和におだやかに生きる権利」の侵害だと話しを始められました。 そして雇用の流動化、食の安全の切り捨てや、小さな農業の切り捨てとしてすでに日本においてTPPの「内部化」が進んでいることを指摘された。それは「国家戦略特区」や、「雇用労働相談センター(仮称)」設置の動きに具体化され、農業においては「農地中間管理機構の創設」などを通した農民の農地からの引きはがし、などの形で進められていると。
 韓国の農民の闘いや、今、現に台湾で進行している学生たちの闘いに触れながらアジアにおける反グローバリズム、反TPPの闘いの現状を明らかにされた。
 とりわけISD条項によって、経済大国日本のトヨタや三菱などの大資本が、アジアにおける住民の生活を犠牲にして利権を守り拡大しようとヨダレを流してTPPの参加を働きかけている現状を明らかにした。14329_3 そして軍事化する日本が進めようとしている集団的自衛権と武器輸出三原則緩和、原発輸出の問題とTPPとの繋がりを明らかにされた。

 TPPの持つ意味、その政治的枠組みなどが分かりやすく、具体的に示され、「TPP反対」の想いを新たにすることができた2時間でした。最後に、呼びかけ人でもある趙博さん(パギやん)による「反対同盟の歌」が披露され学習会を終えました。

14330  この準備などがあり、昨日荷受することができなかった三里塚からの産直野菜が先ほど届きました。

 ヤーコン、里芋、ニンジン、小松菜、からし菜漬け、ほうれん草、白菜の菜花、ネギ の8品です。

 3月23日の全国闘争から始まったこの1週間。26日の控訴審闘争、そして昨日の学習会。市東さんの農地取り上げに反対する重大な局面として走り抜きましたが、一つ一つが大きな成果を生み出しつつあることを感じられた1週間でした。

 次は、4月6日、扇町公園で取り組まれる秘密保護法廃止に向けた「ロックアクション」です。市東さんの農地取り上げに反対する署名活動をそこで取り組みたいと思います。お手伝いできる方を募集しています。

|

2014年3月27日 (木)

昨日、控訴審闘争を闘い抜く

14326

 昨日、3月26、いよいよ市東孝雄さんの農地をめぐる控訴審闘争です。裁判所近くの日比谷公園霞門に反対同盟のみなさんを先頭に250人近い人が集まりました。14326_2 簡単な「打ち合わせ」が始まります。北原鉱治事務局長が東京都民に「なんで私たちが48年も闘ってきたか考えて欲しい」と訴えかけながら話されます。1966年、6月22日に内定し住民に何の説明も無く2週間後の7月4日に閣議決定が行われた横暴を「こういうふざけた話しが成田空港だ」と弾劾された。1978年福田内閣の「3・30開港宣言」を自らの横堀要塞闘争と管制塔占拠の闘いではね返したことに触れながら「日本の未来はどうなるのか」と語られ、「今日の法廷闘争から新たな決戦にいどむつもりだ」と想いを語られました。
 14326_3 つづいて萩原富夫さんが、「霞が関へ攻め上ってきた」とされ、この日の闘いを通して「裁判をさっさと終わらせることなど許さず、徹底審理をさせよう」「国策優先ではいかないということを裁判長にわからせよう」と提起し、この日の闘いの予定を説明された。
 デモは、いつもの裁判所を離れていくデモではなく、検察庁、法務省、そして東京高裁を直撃するデモが行われました(冒頭写真)。関実の隊列も、14326_4 山本(東灘)、日原(明石)、安藤(淡路)各氏を先頭に。

 裁判所前では、早朝から東京高裁に対し、徹底審理を行うよう街頭宣伝が行われた。
 そして1時には、反対同盟と弁護団が集められた8000余筆の署名を携えて裁判所に提出(左下写真)。その後傍聴の抽選が行われ、半数近い100名が傍聴に。

 法廷では、先ず市東孝雄さんが、14326_5 20数分にわたるスライドによる自らの畑の様子を交えながらの陳述を行い、最後に持参した畑の土を裁判長に手渡した。
 裁判長による規制をはね返し、弁護団による多見谷千葉地裁判決を弾劾し、農地法による農地取り上げという憲法にも反する犯罪を弾劾した堂々の弁論が展開された。弁護団の弁論は時間が足らず、次回口頭弁論の期日(6月25日)までに進行協議を行うことを決めて、予定を30分以上上回ったこの日の法廷闘争を終えた。(筆者は傍聴できず、法廷の外にいましたので、皆さんの後での話からの報告です。)

 14326_6 場所を参議院議員会館講堂に移し、裁判の報告会が行われました。冒頭の北原さんの挨拶に続き、市東孝雄さんが壇上に立ち挨拶をされました。「いつものことだが、意見陳述をやりながら、なんでいつも同じことを言っているのだが、裁判所に通じないのかと思う。それほど裁判所がひどいということだ」と怒りを露わに語られた後、8000筆の署名が提出されたことを確認し、「是非ともこの控訴審を勝たしてください」と訴えられました。
 続いて、葉山弁護士を先頭に、浅野、一瀬、長谷川、吉田、遠藤、西村、大口の各弁護士が、弁論の説明や、時間が足らなくて弁論できなかった想いなどをこもごも語られました。
 14326_7 「帰らなければならないから」と関実の山本善偉先生に指名があり、挨拶を。山本先生は「傍聴して(耳が悪く)ほとんど聞こえない中で、しかし、市東さんが有機農法の実践をされていることが十分わかった。最後に土を(裁判長に)出されたときは感激した。市東さんがいのちをかけて農業をしておられることがしみじみと感じられた。弁護士の先生方の話しは、ほとんど判らないなりに、迫力は十分感じ、みなさんの自信にみちた、怒りにみちた感じがよくわかりました。あくまで市東さんの農地を守るということがもっと大きな、日本の農業にとって一番大切な闘いだと思う」と話され、「今日は参加できてほんとによろこんでいます」と、法廷から出てこられた直後のほんとにお疲れの様子だったのが、みなさんの話しを聞かれてすっきりされたようでした。
 14326_8 先生に続いて埼玉大学名誉教授の鎌倉孝夫さんが、「証言のために法廷に立ったことは、何度かあるが、傍聴をしたのは今回が初めてです」「市東さんの陳述に感動した」と挨拶をされるのをお聞きしてから、帰途につきました。多分、後、動労千葉、市東さんの農地取り上げに反対する会、市東さんの農地を守る沖縄の会などが挨拶されて報告会を終わったのだと思います。

 反対同盟が配慮してくださり、おかげさまで、賑やかな車中での交流を終えて、帰りつくことができました。

|

2014年3月25日 (火)

3・23三里塚全国集会  霞ヶ関に攻め上ったぞ!

14323_5

 一昨日、3月23、東京・芝公園で全国から950名が結集し、「控訴審闘争勝利・市東さんの農地を守ろう! TPP絶対反対! 福島・沖縄の怒りとともに闘おう! 改憲・戦争の安倍政権を倒そう!」をスローガンに、三里塚全国集会が開催されました。昨年末、逝去された萩原進さんの「霞ヶ関に攻め上ろう」との遺志が実現され、3・26控訴審闘争への闘いの熱気が明らかにされたのです。 驚くほど多数の警察官 が会場を取り囲んでいる異様な姿こそ、このことに怯え、消耗した国家権力の本音の現れでした。

 趙博さん(パギやん)をはじめ賑やかにライブが先ず始まりました。つづいて星野暁子さんや各党派の全学連などのフリートークが。

 14323_6 集会の司会にたった萩原富夫さんが、先ず取り囲む権力の異常さこそ自分たちの闘いが勝利していることの証だとされ、父の進さんが「霞ヶ関に攻め上ろう」と遺した遺志を実現できたのは、「24時間化、3本目の滑走路などの攻撃にみんな怒っている。この怒りをもって攻め上ってきた」と明らかにされた。その上で、同じく進さんの遺志である「あらゆる人々と交わり連帯しよう」に基づき、「国策に苦しめられ、立ち上がる全ての人々と結びつき、改憲・戦争へとつき進む安倍政権を打倒しよう」とこの日の闘いの核心を提起されました。そして「親父・進の遺志を継ぐものとして、また苦労して開拓し豊かな農地を作り上げてきた作治じいちゃん、哲子ばあちゃんの遺志を継ぐ萩原家を代表して敷地内農地を守り、空港廃港へ断固として闘い抜く決意を表明する」と高らかに宣言しました。14323_7 ここにこの日の闘いの一切が込められていたと言っても過言ではないものが集まったみなさんに示されたのです。
 主催者・反対同盟を代表して北原鉱治事務局長は、「なぜ48年も成田国際空港は完成しないのか」と冒頭問いただし、「政治そのものが人民のものではないからです」と喝破された。多くの犠牲者を出し、5000人もの逮捕者を出してきた歴史にふれ、「裁判そのものが国民のものではない」と弾劾されたのです。そして「初めて東京でこのような集会を開くことができた」とこの日の闘いを評価し、3・26控訴審闘争への結集を訴えられました。
 14323_8 控訴審闘争の当該として登壇された市東孝雄さんは、冒頭、昨年7月に強行された千葉地裁多見谷反動判決を、「全く認められないひどいものだ」と弾劾されました。「秘密裏に買収してもかまわない」「土地収用法で取れないのだから農地法でとってもいいのだ」というデタラメ極まる判決を「絶対に認められない」と。そして「空港会社が主張していないことまで書き加えて肩入れしている」と批判を強められた。そして「全国の農民が超えられない壁にぶつかっている」と、この国の農政、農地問題、TPP攻撃を批判された。そして「今の私の問題は、全国の農民の問題です。この農家の問題は、ますます不安定な雇用と低賃金に縛られる労働者の問題でもある」と指摘され、故萩原進さんの遺志でもある「あらゆる運動が垣根を超えて連帯しましょう」とされ、3・26控訴審闘争への決起を訴えられました。
 控訴審闘争の決意として葉山弁護士を先頭とする反対同盟弁護団が登壇し、一人ひとり決意を語られました。

 続いて連帯の挨拶です。動労千葉の田中委員長、関西実行委員会の松原、そして「市東さんの農地取り上げに反対する会」のみなさんが多数登壇され、山口さん、林さん、群馬の代表が挨拶と決意を述べられました。

 婦人行動隊の宮本さんからのカンパアピールに続いて、各地からの闘いの報告です。14323_9 まず福島から椎名千恵子さんとこども診療所の訴え。続いて、沖縄から名護市議の川野純治さんが、名護市長選の勝利と辺野古新基地反対の闘い、そして沖縄市東さんの会として、市東さんを迎えて5・10集会を行うことが明らかにされた。小川浩さんなど全国農民会議のみなさん。経産省前テントの渕上太郎さん。そして関西生コンの執行委員西山直洋さんが、労働組合の闘いの重要性と、2・16反TPPの取り組みの大成功を報告されました。最後に動労水戸の労働者から。

 集会アピールが太郎良陽一さんから、ガンバロー三唱が伊藤信晴さんの音頭で行われ、さあ、東京駅まで新橋、銀座を通り抜けてのデモです。

 私は、バス組のため、集会が終った段階で離れ、帰途につきました。残念でしたが、翌日の仕事がある人たちの都合もあり仕方がありません。3連休の最後の日ということでの大渋滞に巻き込まれましたが、なんとか大阪駅での最終電車に間に合いました。気温も暖かく、気持ちのいい集会でした。

 さあ、今度は、明日の控訴審闘争です。みなさん。東京高裁に結集しましょう。

|

2014年3月22日 (土)

Xバンドレーダー基地着工反対!

14321x

 昨日、京都で「京都にも沖縄にもどこにも米軍基地はいらない! Xバンドレーダー基地着工反対!14321  3・21京都集会」が「米軍Xバンドレーダー基地反対・京都連絡会」の主催で開かれ、150人近くの人が集まりました。

 集会には、基地予定地とされた京丹後市宇川から「米軍基地建設を憂う宇川有志の会」事務局長の長井友昭さんがおいでになり、現地の様子を写したスライドの後、現地報告をされました。地元住民をはじめ広範な人びとからの「予定地を中心にした環境影響評価を行え」、「地元への説明を行い住民の声を聞け」といった声に向き合おうとしない自衛隊・国、米軍、あるいは京丹後市や京都府当局への批判と弾劾が行われました。そして一旦は地権者全員が昨年末に受け入れるという状況が生まれたものの、14321_2 それを取り巻く宇川町民の半数以上が基地建設に反対した署名がかちとられている状況が報告されました。そして町民の中に、疑問以前に、国・自衛隊、米軍、自治体への不信の念が高まってきており、まだまだこれからだとその確信が語られました。
 主催者を代表して、京都沖縄県人会会長の大湾宗則さんから集会の基調が提起され、参加団体や集会事務局などから、それぞれの「Xバンドレーダー反対」の取り組みや、今後の闘いへの訴えがされました。とりわけ、4月20日「京都にも沖縄にも、どこにも米軍基地はいらない! 14321_3 Xバンドレーダー基地建設着工反対! 4・20京丹後現地集会」が強く訴えられました。
 集会後、殆どの集会参加者が参加し、会場から観光客や買い物客で賑わう四条河原町を通った京都市役所までのデモが行われ、大きな注目を集めました。

 

 今朝、三里塚現地から産直野菜が届きました。

 14322 間引き大根、 里芋、ほうれん草、ニンジン、ヤーコン、小松菜、白菜の菜花、からし菜漬け、ネギの9品です。ようやく葉物が育ち、春野菜が育ち始めていることがわかります。ほっ。

 明日は、いよいよ東京・芝公園での全国集会です。市東さんの農地を守り、市東さん、萩原さんを中心にしたこの産直運動を守るために、全力でみなさん、参加しましょう。
 国・裁判所一体となった農地強奪の目論見の不正義を暴き、国の新自由主義による「農と食」の破壊を許さない大きな声を上げていきましょう。
 そして沖縄の辺野古新基地、高江新基地、京丹後の新基地などの建設を許さない闘いと共に進みましょう。
 そして、3月26日、控訴審闘争に再度全力で集まりましょう。

|

2014年3月20日 (木)

「ほんまやばいでTPP」3・29学習会の案内

 2・16シンポジウムを大成功させた「ほんまやばいでTPP」実行委員会(仮称)は、取り組みの継続を呼びかけ人会議で確認し、その第1歩として、記録的な大雪で講演が実現できなかった大野和興さん(農業ジャーナリスト)を招いて3月29日、「ほんまやばいでTPP」学習会を開催することを決めました。
 14329 みなさんは、TPP問題を「単なる経済問題」と考えておられないでしょうか。民主党の菅(当時首相)がアメリカの脅しに屈服して突然TPP参加を、2011年10月に表明しましたが、自民党安倍政権は、秘密保護法制定、集団的自衛権のなし崩し的な行使へ突っ走ろうという反動的な、きな臭い政治の重要な枠組みとして、巨大多国籍企業によるグローバリズム、新自由主義的な支配体制を作ろうと「TPP参加」の道を追い求めています。それは極めて政治的な攻撃なのです。

 「ほんまやんばいでTPP」3・29学習会に参加しよう。チラシは「14.3.29gakushuukai-chirashiPDF.pdf」をダウンロード からプリントアウトできます。

「ほんまやばいでTPP」3・29学習会
【とき】3月29日(土)午後6時半開始
【ところ】エル大阪 709号室
【講師】大野和興さん(農業ジャーナリスト)
【資料代】500円

|

2014年3月17日 (月)

3・23全国闘争から3・26控訴審闘争へ

 いよいよ、一つの大きな節目がやってきました。
 言うまでもなく、三里塚に関わってきた私たちにとって「市東孝雄さんの営農を、その農地を守れるのかどうか」という節目です。
 昨年7月、千葉地裁多見谷裁判長による極反動判決、そして何よりも昨年末萩原進さんを失ったことです。この余りにも大きい出来事を前に、わたしだけでなく多くの人がたじろぎ、迷ったことと思います。

 しかし、今、私が50年近い三里塚闘争を闘い抜いてきた歴史の中にあって思うことは、50年にわたる戦跡、さまざまな経緯ではありません。
 市東孝雄さんが、お父さんの東市さんを1999年に引き継ぎ、それまでの貯えを失うほどの様々な試行錯誤を重ね、初めてとも言える農業経験の中から、萩原進さんの支えがあったとはいえ、自立し、無農薬・有機農業の生産と消費者との提携を通じた厚い産直の営みを生み出したことです。親子3代、開墾から100年以上を経緯した農地は、空港闘争の中で、故東市さんの強い「空港反対」の意志により拡大し、孝雄さんにその思いが引き継がれ今や2ヘクタールにちかくなっています。                
 余談ですが、空港計画が発表される直前の1966年初め、市東さんが中学を卒業された時、市東東市さんが耕しておられたのは、南台の畑の一部と天神峰の自宅前の畑だったろうと思います。農業切り捨て・高度経済成長に向かう世の中の流れを見られて「これでは自活するのは難しい。外に出て手に職を付けろ」と戦前、東京の工場に働きにでていたご自分の経験をもとに、そう息子に進められたのです。孝雄さんは、素直に従い、船橋で、レストランのコック、経営者にも頼られる焼き鳥屋の立派な板前になっておられたのです。孝雄さんは、1999年1月の父の逝去といういう事態と、父のそれまでの「空港反対」にかけた想いを知るにつけ何の躊躇もなく、この地に帰ってこられ、お父さんの遺志を継がれたのです。
 それ以来15年、「仕事熱心」ということばはこの人のためにあるのかというほどの作付をはじめとした様々な努力と勉強は、支援の人々の支えがあったにしろ大したものでした。父から引き継いだ無農薬・有機農業の畑は、ほんとにすごいとしか言いようのない、ほんとにやわらかいホカホカとした土を、土壌をつくってきました。天候の不規則な変化や、虫の異常発生など、様々な障害と困難を乗り越え、農業が今後進むべき「産直携帯」という一つのありかたを萩原さんたちとの共同作業と、消費者との協同によって生み出してきたところなのです。

 それを世界第3位の経済大国でありながら、たんなる通過空港でしかない韓国のインチョン(仁川)空港の規模にさえどんどん立ち遅れ、追いつける展望などまったくないという現実があります。アジアには、ほかにも中国や香港、シンガポール、タイなどに「ハブ空港」というに相応しい、インチョン空港よりも大きな空港がいくつもあります。英国のヒースロー空港などは成田空港と同じ規模の2本の滑走路しかないのに、年間60万回を超える国際線の離発着をこなしています。
 羽田に国際線が移るとよく勘違いされますが、東京一極集中のこの国の経済構造の中で、羽田が持つ年間50万回の国内線の需要を動かすことはできません。羽田を国際線で増便しようとしても、(例えば「東京オリンピック」があろうが)わずか10万回の能力しかありません。インチョン空港でさえすでに40万回を超えている現実の中で、日本政府、国交省、空港会社は成田空港を羽田と一体の「首都圏空港」として30万回~40万回をこなさせようと必死です。その最大の障壁が「への字」誘導路を強制する市東さんの畑であり、空港周辺住民の騒音問題なのです。
 しかし、簡単に述べてきましたが、いかにこの国が経済大国の死活を握る問題、「国策」として掲げようが、インチョンを始めとしたアジアの各国が運営するハブ空港の現実と、中国の強力な経済発展を前に、そうした「国策」を強行しようとすることこそが、決定的な誤りであり、無理なのです。それは、今、安倍政権が秘密保護法を制定し、共謀法を策動し、集団的自衛権への道へ、さらには改憲攻撃へと進むのと同じ「決定的な誤り」です。

 私たちは、市東さんの農地を取り上げようと、1988年、空港公団が当該の土地を取得して以来の数え上げることが難しいほどのおびただしい違法行為、脱法行為を国、空港会社(空港公団)によって行われてきたことを知っています。ととえ裁判所が、「無視」しようとしてるとしても。

 しかし、それ以上問題なのは、無農薬・有機農業で都市生活者との産直提携によって新たな農業の道をもとめるこの国にとっての将来を、子どもたちの未来を形成していこうというこの大切な営みを、むざむざとそのような何の展望もない「国策」によって破壊されることを、農地を取り上げられることを許すのか。これ程の問題を、多くの人々の共有の問題にしようとするかどうかが問われているのではないでしょうか。そうして全く新しい思いからのうねりが生み出すことができてはじめて、「沖縄・福島につなごう」ということが「意味」をもってくるといえるのではないでしょうか。市東さんの問題をほんとに多くの人々、とりわけ若い人々自身の問題として、自信をもって呼びかけていこうではありませんか。これができた時、ほんとうの意味で、三里塚は「全人民の砦」「反戦の砦」とあらためてなるのではないでしょうか。

 そういうものとして3・23三里塚全国総決起闘争で提起され、3・26控訴審闘争で軸に据えられることが必要ではないでしょうか。そのうねりを生み出す力として「3万人署名運動」を展開しようではありませんか。

                   三里塚関西実行委員会 松原康彦

|

2014年3月15日 (土)

今週の産直野菜(3月15日)

14315

 今週の産直野菜が、ようやく届きました。小松菜、ニンジン、ほうれん草、さつま芋、ネギ の5品です。雨の中での収穫だったようで、さつま芋を除いて、ドロドロです。

 最近、エアハルト・ヘニッヒ著の『生きている土壌』(1994年)を読み直す機会があった。表面から10~30cmのところにあるこのドロの大切さを丁寧に書いた本です。訳者が「熟土」と訳した。微生物をはじめ生き物が、わずか1gのこの「熟土」のなかに数十億以上が「共生」しているのだそうだ。
 耕作地の拡大と重機による耕耘が、この熟土を破壊し、土のいのちを奪う。有機農業、小農といわれる家族農業だけが、この熟土を守り、何万年もかけて形成されてきた生きものの共生、自然との共生を守ることができる。久しぶりに、このドロを見ながらそんなことをふと考えた。

 3・23東京・芝公園での全国闘争、3・26控訴審闘争まで残りわずかです。市東さんのこの素晴らしい農地を守ろう。

|

2014年3月11日 (火)

第3誘導路裁判 口頭弁論開かれる(3月10日)

14310

 昨日、第3誘導路裁判の口頭弁論が開かれました。反対同盟弁護団から、この日提出された騒音調査とそれに伴う意見書の提出に関連した上申書と、出していた国・空港会社側への求釈明についての補充書の説明が簡単に行われ10分あまりで、閉廷しました。
 3・9反原発の闘いもはずして、前日ホテルに泊まっての傍聴でしたから、思わず「えっ、もう終わるの?」とぼやきが・・・。

 そのあと、いつものように弁護士会館の会議室で報告会が。そこで説明を受けてわかったのですが、14112 暫定滑走路の南側では東峰神社の立木(右写真 14年1月12日撮影)が、そして島村さん宅の立木数本が、北側では成田市小泉などの民家の立木10数本が、航空機の侵入表面を突き破って出ています。明らかに航空法に違反しています。(注)
 静岡空港では、開港直前に侵入表面に出ている立木が数本あることが判明して、開港を延期し、とりあえず滑走路を短くして申請し直したことがありました。後に、地権者と話し合い、賠償金を払って立木を伐採してもらいもとの滑走路の長さで運用するという事態でした。

 ところが、国と空港会社は「当該物件の侵入表面の上にでる部分を除去すべきことを求めることができるので侵入表面に出る物件が存在することをのみもって直ちに違法となるものではない」から証拠調べの必要性がないと回答しています。しかし、供用開始して6年以上が経つにもかかわらず、何らの措置も行われておらず、少なくとも、南側の東峰神社と島村さん宅の立木については東峰部落のみなさんの想いからしていくら求められても拒否することが明らかであり、明らかな違法状態です。

 正に三里塚、成田空港には「法が存在しない」という異常な状態にあることが如実に示されているではありませんか。こんな違法を断じて許さず、3・23東京・芝公園での全国集会、3・26控訴審闘争に集まりましょう。

 次回、口頭弁論は6月9日(月)です。

 なお、市東さんの農地取り上げを認めるなという「3万人署名」が、関西生コンから1280筆、全港湾大阪支部から178筆が寄せられ、3・9反原発集会でも100筆が集められました。関西で呼びかけられた署名は、合計2388筆になりました。これで全体で5000筆を超えたものと思われます(3月10日で3377筆)。3月26日控訴審闘争の折に、裁判所に第1次の提出が行われるそうです。3・26直前まで署名を集めて「コラボ玉造」に送ってください。

(注)航空法39条1項、施行規則79条1項1号「空港等の周辺にある建造物、植物その他の物件であって、国土交通大臣が航空機の離陸又は着陸に支障があると認めるものがないこと。」

|

2014年3月 8日 (土)

今週の産直野菜(3月8日)と裁判

1438 今週の産直野菜が三里塚から届きました。

 切り干し大根、ニンジン、小松菜、さつま芋、ほうれん草、ター菜、ねぎ 以上7品です。

 ほうれん草や小松菜など葉物の可愛らしいのを見ると、まだまだ三里塚の野菜も寒さが厳しい中で育たないようですね。
 昨日の関西電力本店前の包囲行動もめっちゃ寒かったですから・・・。

 明後日、3月10日は、午前10時半から第3誘導路裁判の口頭弁論が開かれます。 
 市東さんの農地裁判と一体のものです。みなさん。傍聴に駆けつけましょう。

|

2014年3月 4日 (火)

尼崎・伊丹実行委『抵抗の旗』269号より転載

14216
250人が結集した反TPPシンポジウム。演壇右側には故萩原進さんの遺影が(2・16大阪中央会館)

TPP締結阻止  農地強奪許すな!
3・23~26連続闘争へ
市東農地裁判により広範な支援を

 反対同盟萩原進事務局次長が亡くなってはや2ヶ月が過ぎました。しかしいまだにそれを受け止められない自分がいます。三里塚に行けばこれまでと同じように彼が登壇する気がしてなりません。

 【主役不在の集会?】

 2月16日「ほんまやばいでTPP」と題するシンポジウムが大阪中央会館で開催されました。この日は農業ジャーナリストの大野和興さんと萩原進さんの講演が予定されていました。しかし演壇には萩原さんの遺影が飾られており、彼が亡くなった現実をいやがうえにもつきつけられました。加えてこの日は関東地方が大雪で、交通機関がストップして大野さんが来阪できないという事態となり、メインゲスト2人が不在となりどうなることかと気をもむこととなりました。
 しかし「国策による農地取り上げを許すな」と題した市東さんの農地取り上げに反対する会事務局長の山口千春さんと「米軍Xバンドレーダー基地に反対して」と題した京都沖縄県人会会長で米軍Xバンドレーダー基地反対近畿連絡会共同代表の大湾宗則さんの2つの報告がとても素晴らしく、ものの見事にその不安を吹き飛ばしてくれました。
 TPPに関してのおふたりの認識はほぼ共通していました。この協定が締結されれば日本の農業は新自由主義の嵐に翻弄されまちがいなく潰滅すること、そして医療分野においても、これまでの皆保健制度が解体され医療行為がまさに「ビジネス」とされ、富めるものは十分な治療が受けられるが、貧しきものは無慈悲に見放されるとのことです。また労働分野でも労基法などが空洞化され、労働者はその人間性を剥奪され、まるでロボットのように使い回され、簡単に解雇されてしまうとのこと、まさに安倍の言う「最もビジネスがしやすい国日本」の正体見たりということです。
 当日は甘利TPP担当大臣が締結の詰めのために訪米中ということもあり、より「締結絶対許すな」の怒りが会場に溢れていたと思います。

 【より広範な支援体制を】

 14216_2そして山口さんからは市東孝雄さんの農地取り上げとの闘いの現状が分かりやすく語られました。政府空港公団(現空港会社)が農地法に違反して土地を買い上げ、証拠書類を偽造し、元の地主に長年にわたり詐欺行為までさせて土地を取り上げようとしていることを裁判所が黙認し続けているこの国策裁判で、私たちが展望を見いだせる方法はただひとつ「より多くの人びとにこの不当不正な裁判の事実を伝え、それぞれの立場でできることをしていきましょう」と訴えました。現地調査や全国集会に行ける人は行く、現地には行けないけれどカンパや署名集めならばできる人はそれを頑張る(この日も100筆を超える書名が集まりました)ということだと思います。
 小さな力でも一人ひとりの創意と工夫で大きな力に変えこの不当極まる国策裁判を糾弾していきましょう。(行ける人は)3・23全国闘争(東京・芝公園)、3・26控訴審闘争(東京高裁)へ攻め上りましょう。そして控訴審3万人署名活動にも全力で取り組みましょう。

 【名護市長選勝利に続こう

 大湾さんからはまず沖縄名護市長選勝利の総括がなされ「今年9月の名護市議選、11月には沖縄知事選がある。この1年間の闘いが決定的」と語り、普天間基地撤去、辺野古新基地阻止の闘いが重大な局面にあることを訴えました。
 14216_3そして「京都に米軍基地は作らせない」と丹後半島経ヶ岬に配備されようとしているXバンドレーダー基地建設(4月着工予定)に反対する闘いの経緯が紹介されました。(Xバンドレーダーとは共和国[北朝鮮]のミサイル発射の動向を探るためのレーダーでグァム基地を防衛するためとされている)
 豊かな自然環境を破壊し戦争のための基地を作るとはまさに辺野古と同じ。絶対に許されるものではありません。4月20日(日)に現地闘争が予定されているとのこと。こぞって駆けつけましょう。

 【集団的自衛権行使許すな】

 今国会で安倍首相は、憲法を変えなくても、国会に諮る以前に閣議決定だけで集団的自衛権行使の検討に入れると強弁しました。「決定権は私(内閣)にある」と橋下市長ばりの暴論にはさすがに自民党内部からも公然と批判が噴出しています。憲法を最も遵守すべき立場の総理大臣が憲法9条では絶対に認められない集団的自衛権行使を身勝手極まりない「解釈」で俎上にあげるとは・・・。先の「秘密保護法」に続き戦後憲法の在り方を覆すこのような言動を私たちは決して見のがすわけにはいきません。「ヒットラー型独裁政治」の再来許すな!

 三里塚-沖縄-福島そして全国の闘う仲間とともに、そして萩原進さんの遺志を胸に、この安倍-石破-橋下らの反動政治と闘い抜きましょう。

|

2014年3月 1日 (土)

今週の産直野菜(3月1日)

1431 今週の産直野菜が三里塚からとどきました。

 切り干し大根、ニンジン、八つ頭、ター菜、ほうれん草、ごぼう、ネギ の以上7品です。

 ほうれん草が泥だらけ。昨日か今朝、雨の中の収穫だったようですね。

 市東さんの農地裁判控訴審26日にあと25日。3・23東京芝公園での集会はもう3週間です。それまでにめいっぱい農地取り上げに反対する署名を集めましょう。
 関西では、ようやく640筆を超えましたが、まだまだです。みなさん。署名を集めましょう。

 

|

« 2014年2月 | トップページ | 2014年4月 »