« 2013年9月 | トップページ | 2013年11月 »

2013年10月29日 (火)

第3誘導路供用差し止め裁判口頭弁論開かれる

 昨日、千葉地裁で第3誘導路供用差し止め裁判の口頭弁論が開かれました。

 この日、反対同盟弁護団から第3誘導路と暫定滑走路(B‘滑走路)によって騒音をはじめとした周辺住民のくらしと生命にかかわる事態が起こっていることが、補充の準備書面として提出され、一瀬弁護士より法廷で説明が行われました。

 先ず、この7月16日、9月10日と連続して東峰部落で航空機の部品が落下した事件をとりあげ、成田市も看過できず再発防止の申し入れを行なったことが指摘され、周辺住民に生命の危険、恐怖を与えていることが示された。
 また、空港会社と国交省が離発着の運用制限の緩和を行おうと蠢いていることを弾劾した。
 そして、専門家による航空機騒音による睡眠妨害の具体的調査の結果や、アメリカやWHOによる具体的知見などを示して、事柄の重大性を指摘しました。成田空港周辺住民の間でもこの間の増便、暫定滑走路の使用頻度が上がってきたことによって、1日に15度もの睡眠妨害があったなどの怒りの声が上がっていることを紹介し、暫定滑走路の供用、とりわけ第3誘導路の供用が市東さんのくらしと健康に重大な影響を及ぼしていることを明らかにしました。

 次回口頭弁論は、12月16日(月)午後1時半から。

 法廷の後、説明会が弁護士会館で開かれ、この日の弁論の説明が行われました。合わせて、農地裁判の控訴審の裁判長と陪席裁判官が決まったことが弁護団から報告されました。年内の裁判開始の攻撃をはね返し、通常50日以内とされる控訴主意書の提出期限を2月末までに押し返して、現在、大法廷を用意するよう要求していることが明らかにされました。
 13102810月22日に行われた裁判所との交渉に合わせ、反対同盟と支援連による東京高裁前での街宣活動が、裁判所に影響を与えていることが弁護団から明らかにされ、裁判所前での街宣活動の重要性が指摘されました。

 まとめの挨拶をした萩原進事務局次長は、国策をかかげ農地を市東さんから取り上げようとするこの攻撃が、農民総体にかけられた攻撃であり、「誰が農業をやってられるか」「後継者がいない」現実を強制しているのだと弾劾された。そしてTPPがそのことにタガをはめようとしている。そのことが三里塚で見えると。
 そのことに対して闘っていることによって、右翼がこのところ街宣というかたちで三里塚に引っ張り込まれてきている。
 今こそ、国策と裁判で戦っている人々はもちろん、沖縄・福島をはじめ国策と闘っている人々とつながり闘い抜いていこうと提起されました。

 当面の三里塚関係の裁判の日程は、
11月14日(木)午前10時半~ 千葉地裁 鈴木さん一坪裁判
11月19日(火)午前10時半~ 千葉地裁 天神峰ヤグラ裁判
12月10日(火)午前10時半~ 千葉地裁 団結街道裁判
12月16日(月)午後1時半~ 千葉地裁 第3誘導路裁判

 なお、耕作権裁判は審理が止まっています。

| | コメント (1)

2013年10月26日 (土)

今週の産直野菜(10月26日)

131026 台風で大丈夫やろかと心配していた三里塚の産直野菜が、無事に早々と届きました。

 ごぼう、玉ねぎ、ニラ、唐辛子、ピーマン、里芋、葉付きニンジン、ネギ 以上8品です。先週来た、ごぼう、ねぎ、里芋がまだ消化しきれていません。スケジュール過多ですね。
 明日、明後日も東京、千葉です。・・・・・・。

 楽しみにしておられた方々には悪い知らせですが、明日に予定されていた三里塚現地の芋掘り大会(産地交流)が台風27号の影響で中止になりました。昨日の萩原さんのお話しでは、この1週間の連日の大雨で、27日が晴れても畑が水を含みすぎていて芋掘りができないだろうということでした。残念です。

 翌28日、千葉地裁で第3誘導路差止め裁判の口頭弁論が行なわれます。これも市東さんの農地を守る闘いの一翼で、大切な裁判です。傍聴に駆けつけましょう。

第3誘導路供用差止め裁判
【と き】 10月28日(月)午前10時半開廷
【ところ】 千葉地裁601号法廷

 空港会社は、「第3誘導路による騒音は大したことはない」と主張しながら、供用を開始して1年半が経過した現在まで「騒音の実測値はない」「調査したことがない」と開き直っています。何という態度か!
 一昨日、市東さんから電話をいただいたのですが、ちょうど第3誘導路を通る航空機の騒音で1分近く電話の会話ができなくなりました。何が「大したことはない」だ!
 そもそも第3誘導路について工事認可前に行われた環境影響評価で、天神峰、東峰には人が住んでいないことを前提にして調査が行われるという暴挙を行なっています。当時から今に至って、天神峰には市東さんが、東峰には島村さん、小泉さんなどの家族が住んでおられるにもかかわらず。
 この問題は、成田空港の完成、拡張、運用の24時間化に向けた攻撃の中で数千人に上ると言われる騒音激甚地区(成田市や芝山町)住民の存在を無視していることと底通する問題です。そして市東孝雄さんの人権と生活権、生きる権利を踏みにじるものであり、断じて許されません。正に、市東さんへの農地取り上げ攻撃を前提とした、市東さんへの叩き出し攻撃そのものなのです。
 怒りをもって裁判に注目し、可能な方は千葉地裁に駆けつけてください。

| | コメント (2)

2013年10月25日 (金)

米軍Xバンドレーダー基地建設を許さない

 13920x昨日、谷町4丁目にある近畿中部防衛局に「止めよう!経ヶ岬の米軍レーダー・危険な戦争準備を許さない緊急京都府民の会・南部連絡会」が呼びかけて服部良一元衆議院議員をはじめ30人を超えるみなさんが集まり、京丹後市経ヶ岬に作られようとしている米軍Xバンドレーダーと米軍基地建設を中止するよう抗議の申し入れが行われました。(申し入れ書「13.10.24抗議申し入れ書.pdf」をダウンロード 右写真はその予定地)申し入れは南部連絡会、平和のための元自衛官連絡会など3団体が行いました。

 この日、防衛省の「報道官」が一人で対応。冒頭から「申し入れは質問ではなく、皆さんの意見なので回答する必要はない。防衛大臣などには伝える」と開き直るという許し難い対応に終始。しかも、「質問であれば関係部署に回答を用意させるが、対応は報道官がする」と。参加者の声に一切答えようとせず、あくまで「つなぎ」に過ぎないことで逃げようとする姿勢に、私たちの怒りが爆発しました。30分の予定を1時間近く抗議を続けた中で、報道官は「正確な予定地や図面など計画の詳細はまだわかっていない。しかし説明会を行なってきた。用地取得の交渉に入っている」ことを明らかにした。「わからないまま説明会をするとはどういうことだ」「8月7日に京丹後市で開かれた説明会では、発言した22人全員が反対意見を行っているぞ」と声が続きます。
 最後に、「質問の形でもう一度来るからきちんと答えられるように用意しろ」と叩きつけて終わりました。

 場所を替え、参加者の半数ほどで相談会を開き、宇川地区住民など京丹後市の市民の「米軍基地はいらない」の声を支えて今後共に闘っていくことなどが話し合われ、12月15日(日)午後2時から京丹後市市役所前で開かれる『京丹後市・経ヶ岬に米軍基地はいりません 平和の叫び&人間のくさり』に全力で参加することを申し合わせました。

 また南部連絡会が呼びかけて、政府・防衛省、京都ス知事などへの『要望書』の署名活動が呼びかけられています。取り組みましょう。(署名用紙は「Xbandhanntaishomei.pdf」をダウンロード

| | コメント (0)

2013年10月22日 (火)

激しい雨中で10・20三里塚全国総決起集会

131020 10月20日、三里塚現地で最初からデモの終わりまで激しい雨が降り続く中、全国から700名余りが結集して全国総決起集会が開かれました。(右写真は、デモに出る反対同盟。中央左が市東孝雄さん)

 冒頭に『10・20闘争宣言』(後掲)が司会の萩原富夫さんから読み上げられました。北原事務局長からの主催者の挨拶の後、連帯挨拶で動労千葉の田中委員長と関西実行委から永井さん、山本さんが。左下写真が私のカメラで撮った永井さんと山本さんですが、雨の凄さがお分かりいただけるでしょうか。131020_2このあと、カメラにカスミのようなものが入りだし、写真を断念。この写真以外はEさんが昨夜送ってくれたものです。ところが傘の下に据えたICレコーダーの様子がおかしい。帰って動かしてみると雨で完全に破壊されているではありませんか。そのため、正確な報告はできません。
 連帯挨拶のあとは市東さんの農地の取り上げを許すなと市東孝雄さん131020_3(右写真)、弁護団、市東さんの会が続きます。
 そのあと、福島・沖縄・三里塚一体で国策と闘おうと先ず福島の仮設住宅から初めて参加された高橋さんはじめみなさんと椎名千恵子さん。高橋さんが「農地を失ってはならない」と怒りを込めて訴えられたのが印象的でした。沖縄からは安次富浩さんと知花盛康さんが。さらに全国農民会議が福島の大内さんをはじめ続きます。
 共闘団体の決意表明。最後に萩原進事務局次長が、131020_5全体の発言のまとめと提起を『10・20闘争宣言』を踏まえる形で行われました(左写真)。萩原さんは、三里塚がこの局面で大きく踏み出す必要を強く訴えられ、私たち支援の態勢がそれに相応しく動き出せていないことを厳しく指摘されました。そのことがあって初めて「福島・沖縄・三里塚が実現できる」と。
 131020_6このあと、直ちにデモに出発。集会の間中、舞台の後ろでジャンベを叩きつづけていた関西の元気印3人組と一緒に、前日93歳の誕生日を迎え沖縄・関西・三里塚の交流会で祝ってもらった山本先生が寒い雨の中をものともせず、お元気に最後まで頑張り抜かれたのは驚きでさえありました。終わって「ちゃんと足が上がっていましたね」と言われて、嬉しそうにしておられました。

 10・20闘争宣言
 
われわれは本日、何よりも市東孝雄さんの農地裁判における控訴審闘争の勝利を固く決意する。農民としての誇りと生き甲斐を否定した千葉地裁・多見谷判決を許さない。戦後憲法体制を支える3本柱の一つ農地法を真っ向から破壊した一審判決を控訴審闘争で打ち砕く。
 東京高裁は反動の牙城だ。その霞が関へ攻め上る。そこで展開される反原発、沖縄闘争、反TPPの巨大な闘い、およびそれらをめぐる裁判闘争と連帯して、共通の敵である国策を打ち砕く。市東さんの農地を何としても守り抜く。
安倍政権はオリンピックを口実にして、福島の思いを踏みにじり、労働者への攻撃を強めると同時に三里塚闘争破壊に出てきた。インフラ整備と称した「成田の発着枠拡大」だ。地盤沈下にあえぐ成田空港延命のため、24時間化、暫定滑走路の1000メートル延長、4000メートル滑走路の増設などをもくろむ一方、戦争・改憲攻撃の前に立ちはだかる反戦・反権力の砦=三里塚の圧殺を狙っている。われわれは真っ向から受けて立つ。労農学市民への圧政を強める安倍政権の打倒を宣言する。
 三里塚闘争は新たな段階を迎えた。計画から47年、成田空港は歴史的な破たんに直面している。「空港との共存共栄」なる「美名」の化けの皮は剥がされた。成田市で多古町で芝山町で、周辺住民の歴史的な決起が始まった。野放図な空港拡張は、反対同盟と周辺住民の怒りの前に粉々に砕かれるであろう。今こそ反対同盟と騒音下5000軒を先頭とした住民の怒りで成田空港を包囲する時だ。
 歴史は動いている。危機にあえぐアメリカのぶざまな姿が、資本主義が永遠ではないことを突き出した。歴史は民衆の闘いによってつくられる。
 まさにこの時、福島―沖縄―三里塚をひとつのものとして闘い、動労千葉をはじめとする6000万労働者、全国農民会議を先頭とする260万農民、そして学生、市民の力を結集し、大きな統一戦線を作ろう。迷走を始めたTPP推進の攻撃に今こそ労農学市民の反撃をたたきつけよう。
 空港絶対反対を貫いてきた三里塚闘争の蓄積が今こそ輝く時だ。農地死守・実力闘争、空港廃港の旗高く歴史的勝利の道を断固として進む。
2013年10月20日
                   三里塚芝山連合空港反対同盟  

 

 

| | コメント (0)

2013年10月19日 (土)

今週の産直野菜(10月19日)

131019 三里塚に昼前に出かけようと準備をしているところに三里塚から産直野菜が届きました。久しぶりに「重いなぁ」と受け取るなり思いました。それもそのはず冬瓜とごぼうが入っています。

 それに里芋、枝豆、ピーマン、ニラ、万願寺唐辛子、ネギ。以上、8品です。

 さあ大変。枝豆をゆがいてから出かけないと。折角の枝豆、行きの新幹線の中でみんなで食べますか・・・。

 いよいよ明日は、三里塚現地での全国総決起集会です。野菜と一緒にきた11・24市東さんの会シンポジウムのチラシに「取られてたまるか! 農地・いのち」とありますが、ほんとにその通り! 明日は、「市東さんの農地を守ろう」一色で頑張ろう。
 残念ながら現地は今晩から雨もよう。足元が悪くなりそう。なにしろ畑の中の集会ですから。長靴がいるかな・・・。大変・・・。

 明日は関西で最大規模の『変えよう!日本と世界』集会が京都の円山野外音楽堂であります。そちらも気になります。このところ毎回、三里塚の取り組みに参加してくれていた若者ロックグループ「はちようび」がそちらに行きます。仕方がないですが、東西呼応して頑張りましょう!

| | コメント (0)

2013年10月12日 (土)

今週の産直野菜(10月12日)

131012 今週の産直野菜が三里塚から早々と到着。この間の異常な暑さに、長旅の疲れと言わんばかりに空芯菜と三つ葉はよれよれに萎れています。

 さつま芋、玉ねぎ、じゃがいも、ピーマン、空芯菜、カボチャ、三つ葉、ショウガ、ししとう、ネギ 以上10品です。久しぶりのネギ、かぼちゃ。次回からは里芋も入るとか。

 1週間後にはいよいよ10・20三里塚現地全国総決起集会です。全力で集まりましょう。

 この間、饗庭野で日米合同軍事演習が行われており、その最中、万博公園で夜中に自衛隊がPAC3の移動訓練(10日未明)。一体なのか? 16日には饗庭野でオスプレイの飛行訓練も。
 Xバンドレーダーの京丹後市への設置(米軍新基地建設)攻撃。
 他方、原発の再稼働に向けた動きも激しくなっており、7日には福井市でIAEAの天野事務局長と西川福井県知事との会談、協定締結。
 不当弾圧との闘い。連日の裁判とほんとに息つく暇もないような状況が続いています。

 がんばりましょう。

| | コメント (0)

2013年10月10日 (木)

オスプレイ来るな!日米合同軍事演習反対!

131010
 今日、近江今津・饗庭野で8日から開始された日米合同軍事演習に反対して開かれた近江今津での緊急申し入れ行動に参加してきました。

 9月29日同じ場所で800人が結集して反対集会とデモが行われたのに引き続いてで、早朝からの行動にも関わらず、沖縄から駆けつけたキムさんも交え50人が結集しました。
 関西各地からの代表の挨拶を簡単に受けて(写真は、京都の仲尾先生)、デモに出発。途中で各県を代表した申し入れ団を送り出して、自衛隊道と表示のある基地への道路のところまで行きました。この先は防衛省の管轄なのでデモができない。
 台風の影響か、この日予定されていたオスプレイの演習は中止。また、アメリカ議会の問題からハワイからの米軍は来れず、沖縄からの海兵隊80名が来ているとか。
 最初の公園に戻り、申し入れ団の報告と沖縄からのキムさんなどから挨拶を受けて、この日の行動を終了。

 16日には沖縄から飛来したオスプレイの演習があるとのことで、再度16日に今日と同じ時間に集合しての行動が最後に主催者から呼びかけられました。
 芦屋7:28AM発の新快速(後ろ4両が近江今津行き)で9時10分頃近江今津に着きます。駅から出てすぐの吉川公園に、9時20分までに集合してください。(雨の場合は、公園のすぐそばの市民会館)

| | コメント (0)

2013年10月 5日 (土)

今週の産直野菜(10月5日)

13105 先ほど三里塚から産直野菜が届きました。

 切り生姜、唐辛子(いかにも辛そう)、玉ねぎ、さつま芋、じゃが芋、ピーマン、空芯菜、水菜、三つ葉 以上9品です。道中が大変だったのか、最後の葉物3品は可哀相なくらい萎れています。

 これぐらいの量だと1週間、一人でももたない。先週の分が何もなくなり、冷蔵庫の中は、スーパーで買ったキャベツの残りがあるだけ。午前中に届かなかったら、お昼に何を食べようかなと心配していたところです。

 あと2週間したら、10・20三里塚現地集会、3週間後には産直の芋掘り大会。三里塚も忙しくなります。

 他方で、市東さんの会のブログが報じているように、空港会社は空港計画の範囲を超えて、取香、駒井野の方に「LCCのため」を口実にした拡張。あるいは、反対同盟ブログにあるように、市東さんの農地裁判(控訴審)の裁判長が決まり、いよいよ動き出す。私たちもそれに備えて準備をはじめよう。

 アメリカの議会の混乱からTPPの「年内妥結」が難しくなってきたとか。時間が稼げることはいいことです。TPP反対の隊列を三里塚の闘いの準備の中で作っていこう!

| | コメント (0)

2013年10月 4日 (金)

Xバンドレーダー基地と日米合同軍事演習を許すな!

Xバンドレーダー基地と日米合同軍事演習を許すな!

 舞鶴湾(自衛隊の舞鶴軍港がある)の西側、京丹後市の先端にある経ヶ岬の自衛隊分屯基地に米軍のXバンドレーダーを新たに設置することを、2月23日、日米両政府が合意しました。そして地元住民や京都府民にまともな説明もないまま、9月19日、山田京都府知事と中山京丹後市長がその受け入れを表明しました。
 Xバンドレーダーは現在世界に3つ据え付けられ、日本には青森県車力に1つあります。1000キロ以上の探査距離を誇り、車力のバンドレーダーは、朝鮮共和国からハワイの米軍基地へのミサイル攻撃を探知し、開発中の新型ミサイルで迎撃するためと言われています。経ヶ岬への設置は、拡張が進められているグアムの米軍基地を防衛するためのものだと言われます。正に憲法違反である集団的自衛権の行使以外の何ものでもありません。
 13920x岬先端の自衛隊分屯基地があるものの宇川地区といわれるこの一帯は「日本の棚田百選」に選ばれている風光明媚なところであり、同時に漁業の盛んな地域でもあります。
 ところがXバンドレーダーの配備は、とりあえず160名の米軍・軍属が配置されることになっており、右写真にあるように広大な農地を米軍用地として取り上げることを前提としています。しかもそれに便乗して自衛隊の経ヶ岬分屯基地自体を新たに拡張(右写真左側)することが計画されているのです。そしてこの基地を中心に半径5キロの海と空が立ち入り禁止区域に指定されます。漁業が深刻なダメージを受けることは明らかです(左写真が設置予定地)。
 13920x_2こんなデタラメが「国策」の名のもとに行われようとしていることがどうして許されるでしょうか。地元の宇川の住民のみなさんは「米軍基地建設を憂う宇川有志の会」を立ち上げておられます。
 知事、市長の受け入れ声明が行われた翌日、9月20日、京都市内で「9・20緊急集会 京都に米軍基地はいらない! 止めよう経ヶ岬のXバンドレーダー・危険な戦争準備を許さない」集会が、宇川のみなさんはもとより京都、近畿から緊急にも関わらず130名を超えるみなさんが集まって熱気のある集会がもたれました。
 私たちも、三里塚、沖縄とおなじ農地取り上げ、漁場の強奪を前提としたこのような基地建設に反対していきましょう。
 緊急の署名が呼びかけられています。取り組みましょう。(署名用紙は、「13.11.30Xbandradar署名.pdf」をダウンロードから印刷してください)

 オスプレイの飛来を許すな!

 他方、滋賀県饗庭野で沖縄から飛来するオスプレイも加わった日米合同軍事演習が10月10日から始まります。
 先日、9月29日、饗庭野基地がある近江今津で、「オスプレイ来るな!日米合同軍事演習反対! 9・29あいば野集会」が関西一円から800人が結集して開かれました。13929集会には沖縄から平和運動センターの山城博さん(右写真)が駆けつけ、冒頭、前日の28日に訓練から帰ってきたオスプレイが故障で1時間半も普天間基地に着陸できず、やっと着陸した時には緊急車両が周りを取り囲んだという事態があったことを報告し、「この欠陥機は必ずや大惨事を起こす」と弾劾されました。そして「命をかけ、身体をはって訓練を中止させ、オスプレイをアメリカに持って帰らせよう」と訴えられました。「何が沖縄への負担軽減だ!」「米軍基地を撤去しろ!」と。
13929_2 「止めよう経ヶ岬の軍事レーダー 緊急京都府民の会南部連絡会」を代表して京都沖縄県人会の大湾宗則さん(左写真)が、現代戦争は高性能の軍事技術によって行われているがレーダーなしには機能しないと指摘し、Xバンドレーダー基地建設反対の重要性を訴えられました。
 集会後、参加者全員で、近江今津市内を自衛隊饗庭野演習場に迫り、「日米合同軍事演習反対」「オスプレイは来るな」とコールしながら近江今津駅前までのデモを行いました。

   【新空港反対東灘区住民の会『おしらせ』第91号より転載】

| | コメント (0)

2013年10月 3日 (木)

国策による農地取り上げを許すな

 東灘区住民の会『おしらせ』第91号が発行されました。その巻頭言を転載します。

農地裁判 7・29反動判決を弾劾する!
国策による農地取り上げを許すな

 先日7月29日、千葉地裁裁判長多見谷は、行政訴訟・農地法裁判(併合審理)で、市東孝雄さんが耕作している畑と農業を進める上で最も重要な施設である作業場、あわせて1.3ヘクタールを取り上げる反動判決を強行しました。
 裁判長多見谷の主観的思いがどこにあろうと、この反動判決は、安倍政権が進める超反動的な国策に追随するものでしかありません。断じて許されません。

 破綻の淵にある日本

 「超反動的な国策」とは何か。アベノミクスで幻想をふりまきながら、迫った臨時国会での「秘密保護法」、憲法違反の集団的自衛権をめぐる論議、来春4月の消費税増税、企業への減税、生活保護などの諸施策の改悪、改(壊)憲策動などなど、そしてTPP参加。
 13102それは破綻しつつも巨大帝国として暴虐の限りをつくして生き延びようとあがくアメリカとともに、新自由主義政策の下、1%の巨大資本、多国籍企業の生き残りにすべてを投入しようとする政治です。先進国の99%の人々、さらには世界の圧倒的な人々にとって「生きていくことすらできない」時代を呼び寄せる政治です。
 日本は世界第3位の経済大国でありながら、海洋運輸においては、中国、韓国などに圧倒的な差をつけられ、もはや取り戻すすべもない位置にあります。「ヒト、モノ、カネ」の流れという新自由主義、多国籍企業の生き残りの上で絶対的条件としての物流の問題で重大な欠陥を日本はもってます。この上、航空運輸でずるずると後退することは、とても許容できることではないという、破綻の淵に日本は立っています。
 国内的には、累進課税を弱体化して富める人々を優遇し、企業減税によって大企業保護に走ってきたことが巨大な赤字体質を生んできました。それを今、放置したまま消費税の増税、生活保護などの福祉の切り捨て、しかも、企業に対する更なる減税で対応しようとすることにその破綻が何よりも示されています。
 それが、農地法で市東さんの農地を取り上げ成田空港の拡張へと何の展望もないまま進むという破天荒な違法行為を裁判長多見谷に強制したこの国の現状を端的に示す核心です。
 よく「羽田空港との空港間競争に負けていることに焦って蠢いている」と言われますが、そんな低レベルの問題ではないのです。「国策との闘い」と言うのならば、その矮小な論議の誤りに気づくべきでしょう。
 そういう意味では50年前から「農地取り上げ」と闘ってきたとは言え、事態は明らかに隔絶的な局面に入り、まったく新たな段階に入っているということを私たち自身が見据え、かけられた攻撃に立ち向かっていかなければならないでしょう。

 TPPこそ悪の根源

 TPPが進められれば、それは輸入による日本農業の破壊へと進むことは確実です。しかし、事態はそんな生易しいことではなく、ISDS条項(投資家と国家の紛争解決条項)を振りかざして、日本のあらゆる規制をとっぱらい、多国籍大企業がほしいままに日本の、アジアの市場を食い漁る事態を生むことになります。改悪された農地法による「農地の集約」は、TPPによって簡単に財として転売され、農地は失われていくことにしかなりません。TPPとはそういう問題なのです。「物流の基盤として空港」を確保しようとする流れは、安倍政権が必死に参加を求めるTPPの攻撃と正に一体のものなのです。だから三里塚の闘いが「TPP反対」の最先頭であり、一体の闘いでありうるのです。
 「羽田との空港間競争」などという論議は、この三里塚闘争とTPP反対との一体という中味を換骨奪胎するものでしかなく、三里塚闘争の展望を失うものです。
 三里塚の闘いが、現下の沖縄の闘い、福島の被害者の闘い、そして全ての国策に反対する闘いとともに存在するだけでなく、三里塚闘争50年の反権力・反戦の砦と言われ続けてきた真髄が今正に問われています。
 農地を守るとはいったい何を意味しているのか。何よりそれは、人々が地域の中で暮らしを守る源です。同時に「農業の生産性」を理由に切り捨てていく論理こそ、私たちのくらしを破壊し格差社会を生み出してきた根源でもあるのです。これが今、TPPの攻撃を食い破るかどうかをかけた非常に大きな意味をもった課題となっています。
 三里塚の闘いを北総の大地と地域に新たにしっかりと根付かせることが今こそ問われています。大庭伸介さんが『レフト』の中で地域合同労組の闘い方として「地域社会を人民支配の場から社会変革の砦にするために闘い抜く」(同書97頁)ことを指摘しておられますが、「反戦・反権力の砦」と言われてきた三里塚こそが萩原さん、市東さんのあり方を軸に地域で、そういう闘いを実現しうるのではないでしょうか。そうした闘いの中から、はじめて福島や沖縄と共に歩む一大大衆運動として前進していくことができるのではないでしょうか。そうできる根拠は十分にあります。
               (東灘区住民の会事務局長 松原康彦)

| | コメント (0)

« 2013年9月 | トップページ | 2013年11月 »