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2013年9月27日 (金)

命と農業をつぶす「国策」を許してはならない

 命と農業をつぶす「国策」を許してはならない

  控訴審で勝利の判決をかちとりましょう

                関西実行委員会事務局次長 安藤眞一

 いま、成田空港の滑走路工事をめぐって、「命と農業をつぶす」国家権力のとんでもない暴挙が続いているのをご存じでしょうか。
 100年間、三代続いて平穏に耕作してきた農地を「成田空港の拡張に必要だから無理やり取り上げる」という国と成田空港会社による不法行為です。加えて今、市東孝雄さんの農地と住居を4メートルもある鉄板の塀で取り囲み、90デシベルを超える殺人的な航空機の爆音、排気ガスを昼夜分かたず浴びせかけています。
 皆さんが、自分の耕作している土地を無理やり取られたり、生活を破壊する騒音・排気ガスを浴びせられたらどう感じるでしょうか。絶対に納得できませんね。昔は「地上げ屋」が土地取り上げるために賃借人に暴力やいやがらせをしました。いま三里塚の市東さんは国や空港会社によって「地上げ」暴力にさらされています。この問題は、ひとり市東孝雄さんの問題ではなく、国策のためには命と農地を取り上げるという重大な問題をはらんでいます。
 三里塚の闘いは今も健在です
 この権力者の不正義を糾すために、私たちが皆さんに署名をお願いしたり、ビラまきをしていると「三里塚は終わったのと違うの」「お金をもらって出て行った方が得策や」などの意見を聞くことがあります。
 1337たしかにいまから20年前(1993年)に開催された「成田空港問題シンポジウム(隅谷調査団)によって、「和解」が成立したかのように宣伝されました。これ以降は「話し合い解決」をすると国は約束し、空港会社の社長・黒野匡彦は、2005年5月9日ごろ、「東峰区の皆様へ」と題する書面により「これまでの空港建設事業についてお詫びする」としていました。(右写真は空港の中にある市東孝雄さんの御宅と畑[写真中央部]毎日新聞より)
 このような報道を聞くかぎり、三里塚の問題は終わったように思われるのですが、国家権力は成田空港の無理やりの完成をめざして暗躍しています。「お詫びと約束」を反故にして、「空港予定地内」で農業を続ける市東さんや農家の皆さんを無理やり追い出そうとしています。こんな卑劣な「だまし討ち」は許せません。
 と言うわけで、「三里塚は終わった」と宣伝しながら、皆さんの目が届かないところで悪行を重ねる国や空港会社の正体を、どうぞしっかりご覧ください。このような不正義をはねのけ、堂々と農業を続ける市東さんたち三里塚農民の皆さんにエールを送ってください。

 不当判決を打ち砕こう

 去る7月29日、千葉地方裁判所は三里塚の市東さんの「農地を取り上げてもよい」とする判決を下しました。この判決は農地法に係る驚くべき判決です。農地法は本来農業を守るための法律です。この農地法を悪用し、小作地主の農地を強引に取り上げることを裁判所が認めたことは、国による農業つぶしそのものです。
 「市東さんの農地取り上げに反対する会」はこの判決に対し、その翌日同会のブログで「判決文は、農地法による公用収用を始めとする違憲・違法の論点に踏み込まず、明け渡し対象の誤認と偽造証拠にもまったく言及しないなど、きわめて粗雑なものであり、『公正らしさ』のカケラもない。行訴・農地法併合裁判の舞台は東京高裁に移るが、地裁ではその行方にも係わる偽造文書の解明で、インカメラの闘いが緊迫している。(【注】で別途説明)」とのコメントを出して、判決の不当性に直ちに抗議しています。
 この不当な判決に対し、市東さんは「判決は耕す者の権利を奪う暴挙であると、怒りをもって受け止める。絶対に認められず、控訴して闘う。農地取り上げには身体を張って闘う覚悟」との決意を述べて意気軒昂と闘っています。
 そもそも、空港会社は耕作権者の市東さんに無断で農地を買い上げました。違法行為です。そして、「じゃまだから出ていけ」と裁判所に明け渡しの裁判を起こしたのです。市東さん側の主張が正しいにもかかわらず、裁判長はそれを無視し、権力者に偏った訴訟指揮を行い、不当な判決を出したのです。この国の民主主義や正義はどうなるのか、と疑問や怒りを持ちますね。
 権力者の狙いは、市東さんの農地を取り上げ、農業を破壊し、市東さんや三里塚反対同盟の皆さんが、戦争に反対し、成田空港の廃港を主張する活動を根絶やしにしたい、という意図をあからさまにし、裁判所と一体となった暴挙を続けているのです。こんなでたらめは許せません。

 補償金よりも1本の大根

 市東さんは2町足らずの農地を耕して、命の源である作物を私たちに提供してくれます。農作物は自然と体にやさしい無農薬栽培で育てています。市東さんはビロードのように肥えた土を両手にすくって「1億8000万円の補償金をもらうよりも、一本100円の大根をこの土地で育てて届けたい」と語ってくれました。 「お金をもらって出てゆく」のではなく、補償金を拒否してでも農業を守り続ける、命を農作物に込めた真心ともいえる気持ちです。
 市東さんは、福島原発で苦しむ農家の皆さん方と手をつなぎ、交流を続けています。そして巨大な基地と闘う沖縄の皆さんと共に「戦争反対、沖縄基地撤去、成田軍事空港反対」の命を守る闘いを続けています。そして日本の農業を壊滅させるTPP(環太平洋経済連携協定)の強行に反対して、三里塚反対同盟の皆さんは立ち上がっています。
 この市東さん、三里塚反対同盟の闘いに全国の心ある農家の皆さんが連帯のエールを送っています。
 関西で生活する私たちにとっては三里塚は遠い土地ですが、市東孝雄さんの闘いは、農業を守り抜くという私たちの生活に密着するテーマで闘っています。「世のため、人のため、命のために頑張る」市東さんを、あなたも関西から応援しましょう。TPPによる私たちの暮らしの破壊、そして農地の取り上げという私たちの食の破壊を許さず、市東さんとともに、三里塚反対同盟のみなさんとともに立ち上がりましょう。

 【注】市東さんが耕している「南台」の畑を空港会社は4つに分割し、そのうちの2ヶ所を行政訴訟・農地法裁判(多見谷裁判長)で返還を求める一方で、残る2ヶ所は「違法耕作」だとして別途に耕作権裁判(白石裁判長)を起こして審理が進んでいました。これ自体が極めてふざけた言いがかりでしかありません。
 そもそも4ヶ所の内、1ヶ所はまったく市東さんが耕したことのない畑であることが最初から指摘されていました。にもかかわらず、裁判が進められたこと自体が極めて不当です。
 13513また空港会社が最も重要な証拠とする「地域確認書」などが、空港会社によって偽造されたものであることがこれらの裁判の中で明らかになっていました。
 さらに耕作権裁判では、空港会社が隠している資料があるはずだと市東さん側が強く指摘し、白石裁判長がインカメラ(=裁判所が要求して提出させ、そのうち裁判所が開示する必要があると認めたものを証拠として開示するという裁判用語)で提出させたものの中から「4つの農地に分割」という主張が間違いであることを示す「新証拠」(上左写真)が開示されました。しかし、行政訴訟・農地法裁判で多見谷裁判長は、この「新証拠」による審理再開を認めず、判決を強行したのです。
 市東さん側は、開示された証拠が不十分として抗告し、東京高裁は「まだ開示されるべき証拠があるのではないか」と審理を千葉地裁に差し戻しました。このため、耕作権裁判は審理が中断されています。これを「闘いが緊迫している」と市東さんの会は表現したのです。
 ところが、その後、このことに追い詰められた千葉地裁は、担当していた白石裁判長を8月2日に突然東京地裁に異動し、耕作権裁判を新しい岸裁判長に変わらせたのです。岸裁判官は、この4月に司法研修所教官から東京高裁判事に異動したばかりで、わずか4ヶ月で千葉地裁に異動しました。ここに、行政訴訟・農地法裁判の判決にあわせて、耕作権裁判を進めようとする千葉地裁の意図が余りにも明らかではありませんか。
 

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