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2013年9月29日 (日)

早急にTPP反対の隊列を

 早急にTPP反対の隊列を 

 衆参両院で多数を占め、奢り高ぶる安倍政権は、消費税増税(来春4月に8%)、法人税減税、そして壊憲(クーデター)をも強行しようとしています。その基盤を造るものとしてTPP(環太平洋経済連携協定)に参加しようとしています。
 マスコミが果たす反動的な役割があるとは言え、驚くべきことに、最近「世論調査」でTPP参加を支持する声が過半数を超え、しかも増え続けています。
 これは、福島事故をなかったこととし、「汚染水漏れはコントロールされている」とのデマゴギーによってオリンピックを招致した流れを支える「世論」と裏表のことです。
 こうした「世論」は、また沖縄への米軍の新基地建設を強制しようとし、京丹後市にXバンドレーダー(新米軍基地)を押し付けようとする動きを支えるものとなっています。
 こんなことがどうして起きているのでしょうか。
 他方、TPPに反対する私たちの隊列は余りにも貧弱です。沖縄・福島とともに闘う私たちの在り方が問われる事態となっていると言っても過言ではありません。

  TPPは1%の人のため

 モンサント社という大企業をご存知でしょうか。ベトナム戦争で枯葉剤によって多くの人が殺され、今も重大な障害に苦しめられていると言われています。農薬会社であったモンサント社は、その枯葉剤を作り軍産複合の政治力によって世界有数の大企業にのし上がりました。今では、農薬と一体の遺伝子組み換えによって世界の「種」を支配し、医薬品の世界をも支配する巨大な多国籍企業です。
 アメリカが今、TPPで進めようとする政治は、あの『ショック・ドクトリン』が描いた新自由主義のもとでの巨大多国籍企業による世界支配の政治でしかありません。それはアメリカの人々にとっても「1%の人のためのもので、99%の人々には許せないものだ」と言われるゆえんです。
 そのTPPでアメリカは日本の参加を最大の目標にしています。巨大多国籍企業にとって巨大市場である日本が参加してこそTPPに意味があるのです。これだけをとっても、TPPは絶対に許されません。
 『貧困大国アメリカ』(堤未果)などに詳しく書かれていますが、先進国アメリカで医療保険制度の欠陥から、深刻な格差社会の中で膨大な人々が高い医療費が払えず病気などが放置され手術・治療もできないままという重大な事態になっています。
だから、アメリカのみなさんが「多くのアメリカ人はTPPに反対している」と言われるのです。
 日本にTPPが適用されれば現在の皆保険制度が解体されアメリカと同じ状態になることがすでに明らかにされています。にもかかわらず、「世論調査」で過半の人がなぜTPP参加を支持するのでしょうか。
 TPPにはISDS(投資家と国家の紛争解決)という条項があります。日本とアジアの国々とのFTA・EPA(経済連携協定)にもISDS条項があるから問題ないと日本政府は言いますが、そうではありません。アジアの小さい企業からは確かに訴えられたことはありません。しかし、TPPの場合、巨大企業が日本政府を訴え、それをまったくアメリカ寄りの世界銀行の下にある国際投資紛争解決センターが審理することになります。
 すでにNAFTAや米韓FTAで、カナダ、メキシコ、韓国が企業により訴えられ、環境問題などの規制が取っ払われた上に巨額の賠償金をそれぞれの国が企業に支払うなどということが起こっています。
 先に述べた健康保険制度はもとより、労基法などの規制、土地取引の規制(農地法など)、公益事業の運営契約などあらゆる私たちの生活を守るための規制が取っ払われます。企業利益が国家主権・国民主権に優先するというとんでもない事態が生まれるのです。
 「日米安保条約が日本国憲法の上にある」と言われて久しいのですが、それ以上のおぞましい事態が私たちを取り巻くすべての分野に起こるということです。まさに私たちが生きて行けなくなる事態が生まれるのです。
 では、安倍政権はなぜそんなおぞましいTPPに参加しようというのでしょうか。それは、安倍政権が、アメリカの多国籍大企業に連なる日本の多国籍企業の利益をのみ考え、正に、1%の人々が生き残ればいい、99%はどうなっても構わないと考え始めているからです。
 福島原発事故への安倍政権の対応。原発再稼働・国外輸出への蠢き。沖縄のみなさんの圧倒的な新基地建設反対・米軍基地撤去の声を押しつぶす辺野古新基地建設とオスプレイ配備への動き。こうしたものが、それを示しているではありませんか。
 TPP問題が農業問題であるかのようなキャンペーンが張られていますが、確かに日本の農業にとって非常に深刻な問題になることは明らかです。農地法を改悪し、「集約農業」への転換を迫り、家族農業を破壊しようとする現在の安倍政権の意図は、正にTPP参加と一体のものです。市東さんへの成田空港拡張を口実とした農地強奪の動きもまた、新自由主義的な農地の流動化、農地強奪へのTPPの意図を先取りしたものだと言えます。
 しかし、大分で家族農業を地域と共に実践しておられる山下惣一さん(農民小説家)が、「TPPが強行されて困るのは食べ物がなくなり、労働条件が切りつめられ生きていけなくなる都市のみなさんだ。私たち農民は自分が食べるものは作っていける」と豪語し、TPPに強く反対しておられます。
 この山下さんの指摘を、みなさんはどう考えられますか。
 非常に深刻な問題として今からでもTPPについて考え、反対の声を上げようではありませんか。TPPに反対して、生活を守りましょう。
                    (関実事務局 松原康彦)

              「実行委ニュース」第145号より転載
 

 

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