昨日、淡路で関実住民団体を中心とした恒例の『湾岸研修会』が開かれ、永井満代表はじめ17人が参加して、7・29千葉地裁の反動判決が出されたことを受けて、関西実行委員会としてどう考え行動していくのかを4時間近くにわたって論議を行なわれました。
「仮執行宣言付き」を押し戻したとは言うものの、市東さんが「私に死ねと言うに等しい」と弾劾したように、市東さんの農地を農地法で奪うという天人共に許されざる国家意志を剥き出しにした反動判決に一片の道理もなにもないことが全体で確認されたことは言うまでもありません。
その上で、この4月以来の「3万人緊急署名」運動と7・14闘争の体験から、萩原進さんが繰り返し自らの率直な想いとしてその過程での感想を語っているように、今一度、市東さんの農地を守ることの重大性、国家意志が農地を奪うことの犯罪性、農業問題がもつ決定的な重大性を、多くの人々に訴えることの重要性が確認されました。
それは、TPP問題が安倍政権によって反動的、攻撃的にすすめられようとしている中で、世論をあげての反対運動がなかなか組織しえていない、関西では話題にすらなりにくいという状況の中で、そう容易ではないでしょう。しかし、TPP問題の重大性、深刻性に示されるように、私たちは、この巨大な壁を打ち壊し、市東さんの農地を守る大衆的意志を、原発再稼働反対、沖縄新基地建設反対のうねりの中に打ち立てなければならないのではないでしょうか。
三里塚闘争の中で、ともすると私たち関西実行委員会はもとより多くの運動が、党派的動員運動に傾斜してきたことへの反省が語られました。しかし、この2年以上にわたる私たち自身の反原発、再稼働反対への関わりが、まだまだその規模は小さいとは言え、関西や東京の反原発を闘っている人々との交流を生み、そこから三里塚現地に、関西での三里塚集会に参加してくる人々が生み出されてきたことが討論の中で確認されました。
ある意味で、「反対同盟が頑張っておれば、闘いは勝利する」かのような論議が、幻想が三里塚闘争を規定してきたのではないかという指摘が行われ、「そうではなく、私たちが、主体としてどう具体的に三里塚を支えるのかが問われているのではないか」と。現地闘争のスケジュールが年に2回、3回と出されるままに、場合によっては実感がないまま三里塚現地に行っていたという状況もあったのではないかと思うという反省も。そして「もう一度、『三里塚をやろう』という人たちをベースに運動を新たに作る必要があるのではないか」と。
さらに、国家権力が「過激派集団」として三里塚反対同盟と三里塚闘争をくくり、正に「テロ組織」なら何をしてもいいのだというアメリカ帝国主義を始めとした世界の政治の一端として、三里塚にはなんでもあり、何をしてもいいのだという攻撃がかけられていることを、厳しくともはね返さなければならないのではないかという指摘が行われました。今回の7・29反動判決も正にそういうものですし、農地裁判の東京高裁の動きもそういうものとして進む可能性が大きいと。
そうした攻撃の反動性、厚い壁に見合った大きな大衆的うねりを作り、はね返すことが必要ではないかということが確認されました。
そのためにどうするのか。今後、関西実行委員会は、こうした立ち位置に立って、関西実行委員会の枠をも超えて論議を深め、すくなくとも来年2月下旬の関西での大衆的取り組みを実現しようということが確認され、同時に反対同盟とともに全国的なうねりをうみだすための取り組みができないかを模索していこうということが確認されました。同時に、10月に提起される全国総決起集会については、恒例の前段集会としての関西三里塚集会を今回は取り組まず、この論議を深めていく中で現地に結集することが確認されました。
出来るだけ多くのみなさんが、この私たちの論議への批判をも含めた関心を寄せていただき、市東さんの農地を守るために立ち上がってくださることを訴えます。
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