反TPP国際シンポジウム開かれる(5月31日)
5月31日、大阪の協同会館アソシエで『5・31反TPP国際シンポジウム』がメキシコ、韓国から講師を招いて、関西生コンの労働者を中心に会場いっぱいの参加者のもとに開かれました。
田淵太一同志社大学商学部教授がコーディネーターをつとめ、先ず田淵さんからTPPについて、農業問題や医療などについて重大問題ではあるが、本質的にはISD条項(投資家対国家間紛争処理)、間接収用が最大の問題であり、国全体のルールが支えられ巨大企業の思うままになると簡単に提起されてはじまりました。
最初にメキシコ通信労組STRMの活動家マリカルメン・リヤマス・モンテスさんから、20年前に提携されたNAFTA(北米自由貿易協定)によってメキシコの農業、雇用などにじわじわと深刻な破壊が進んできたことが具体的に明らかにされました。そして食料主権が失われ、肥満と栄養不良、労働組合運動の破壊が進み、ドラグが蔓延していることを示され、日本でTPPが進められることがどういうことを起こすのかNAFTAの経緯を見て欲しいと語られた。
続いて韓米FTA阻止汎国民運動本部共同代表のパク・ソグォン(朴錫運)さんから、6年にわたる韓国のみなさんの反対運動の経験からのお話しがされました。「何より大衆運動を作っていくことが大事だ」と。まだ韓米FTAが締結されて1年にしかならないが、影響はすでに出始めており、政府は数字をごまかして「成果」を言うがとんでもないとも。そしてTPPは国をアメリカのごく1%に過ぎない人々、巨大企業に売り渡すことだということを韓米FTA、NAFTAの経験から学んで欲しい。韓国では敗北したけれども、日本では勝利して欲しいと。
最後に連帯労組関西地区生コン支部の武建一執行委員長がまとめをされました。韓国、メキシコの闘いに学び、労働者がTPP反対の先頭に立とうと。反原発、福島、沖縄の闘いとつないでいくようなものとして。そしてすでに破綻したことが明らかになった新自由主義を日本に押し付け、ごく一部の利権のもとにこの国を売り渡していく安倍政権と闘うことが確認されました。そして各アジアの国々と領土問題などの形をとって分裂を策動する安倍政権やマスコミの攻撃を許さず、国際連帯をかちとっていくなかから闘おうと。
あと幾つか挨拶が主催者のAMネットの武田かおりさんなどからあり、シンポジウムを終えました。通訳を交えてのため時間が足らず、もっと聞けたらと思いながらでしたが、メキシコ、韓国からのほんとに危機感あふれる熱い私たちへの想いを込めたお話しに大きな拍手が送られました。
緊迫したこの問題への私たちの取り組みの圧倒的な遅れを想いながら会場を後にしました。
昨日来、横浜で第5回アフリカ開発会議(TICAD5)が開かれ、安倍が「アフリカ支援」を声高に叫んでいます。これは、すでに繰り広げられてきたアメリカ、ヨーロッパの新自由主義によるアフリカ諸国への収奪によって疲弊しながらも、必死でそれぞれの未来をかけて闘っているアフリカの諸民族をさらに収奪し、TPP参加と一体のものとして安倍がそれぞれの国のあり方を破壊し利権あさりの道へ突き進もうとしていることであり断じて許されません。
この点では、つい最近出た『新・現代アフリカ入門 ― 人々が変える大陸』(勝俣誠著 岩波新書 2013年4月)が参考になります。ご一読を。
| 固定リンク
「たたかいの報告」カテゴリの記事
- 市東さんの所での座り込みに参加して(2023.01.21)
- 市東さんの農地を守ろう! 現地決戦に参加して(2022.12.15)
- 11・28 耕作権裁判傍聴報告 証拠隠し許さず 審理を尽くせ(2022.12.05)
- 強制執行許すまじ ー 11・27三里塚報告(2022.12.03)
- 4・25耕作権裁判報告 空港会社の証拠・証人隠しを追求(2022.04.29)
コメント