第3誘導路差し止め裁判の口頭弁論(5月13日)
昨日、第3誘導路差し止め裁判の口頭弁論が開かれました。裁判では国と空港会社が「W値75は差し止め要件にならない」と新たに出された準備書面で居直っています。これに対して求釈明をさらに行うことで次回弁論で追求していくことに。深夜の供用時間を1時間延長したことで、「睡眠妨害だ」などの怒りの声が住民の間に起こっており、しかも、その中で第3誘導路がなくても困らない(大して使われていない)ことが明らかになっています。市東さんの農地と自宅を囲い込み追い出そうという企がますます明らかになっています。
農地裁判の口頭弁論再開の申し立て
この日、裁判に先立って、反対同盟と弁護団は7月29日に判決と言われている農地裁判について新たな重大証拠が出てきたので、証拠調べと口頭弁論の再開をせよと申し立てを千葉地裁民事3部(多見谷裁判長)に行いました。
農地裁判と一体のものとして並行して進められている、市東さんの耕作が不法耕作だとして裁判が行われている耕作権裁判があります。空港会社は、市東さんが賃貸している畑は右図の薄水色のE1とBであると主張し、耕作権解除の申請をし、千葉県がそれを許可したことによって農地法裁判(空港会社が原告)と行政訴訟(反対同盟と市東さんが原告)が始められ、農地裁判に併合されて争われてきました。
それに先立ってA、D、Cの市東さんの耕作は不法耕作だとする裁判が耕作権裁判が空港会社によって提訴されたのです。
これまで繰り返してこのブログでも明らかにしてきましたが、E1の土地は石橋が借りており、市東さん親子は一度も耕したことがないと、市東さんと弁護団は主張してきました。
空港会社は、自らの主張を根拠づけるために故市東東市(しとうとういち、孝雄さんのお父さん)さんがこの農地の境界などについての確認書、同意書を書いているとこれらを偽造したことが法廷で明らかにされてきました。
耕作権裁判では、こうした重大な争点に関わる文書があるはずだとして弁護団から空港会社に対する文書提出の要求が1年以上にわたって行われてきました。空港会社を擁護しきれなくなった白石裁判長は、インカメラによる文書提出命令を行わざるを得なくなり、提出された15点のうちわずか3点のそれも黒塗りを含めた文書を公開しました。これを不服として控訴された東京高裁は、「地裁の判断は不十分。まだ文書はあるはずだ」として差し戻し、争いが継続されています(そのために法廷は止まったまま)。
そのわずかに明らかにされた文書の中に「藤﨑政吉所有地の取り扱いについて」(左写真など)があります。これには「昭和13年から同45年の現況」と説明がつけられており、空港会社自身が昭和25年のものとしているのです。ここには先のE1が明確に「石橋」と書かれ、A、Bは一体にされて市東東市と書かれています。つまり、空港会社の主張がまったくのデタラメであることが彼らがしぶしぶ出してきた文書の中に明らかにされているのです。
これは市東さんの南台の農地をめぐる農地裁判、耕作権裁判のもっとも核心的な前提を明らかにし、そもそも空港会社の「耕作権解除申請」自体が成立しないことを示しています。このことは繰り返し、市東さんと弁護団から様々な証拠によって明らかにされてきていました。(右写真は裁判後の説明会で説明される遠藤弁護士)
しかし、多見谷裁判長は、こうした経緯を一切あいまいにしたまま、この国策裁判として7月29日に判決を強行し、あわよくば仮執行宣言をつけて市東さんの農地の強奪を謀ろうとしていたのです。しかし、この新証拠はそうした多見谷裁判長の目論見を許さない重大性をもっています。多見谷裁判長は、双方のもっとも重大な争点での核心的な新証拠が出てきたのですから、判決を断念し、証拠調べと弁論を再開するべきです。
多見裁判長に弁論の再開をさせるためにも、現在進められている「農地取り上げに反対する署名」を全力で集めきり、裁判長に突きつけることが絶対的に重要となっています。
裁判後の報告会と記者会見(テレビを含め6社が参加)の最後に、萩原進事務局次長は、まず、この新証拠によって市東さんへの農地法裁判、耕作権裁判の空港会社による提訴が「冤罪」だと弾劾しました。そしてマスコミがそれを鵜呑みし「不法耕作」と宣伝したことに市東孝雄さんが非常な屈辱を受けたことをどう晴らすのかマスコミは明らかにしろと批判されました。そして7月29日の判決がこのまま強行されることは絶対に許されないとされました。
そのために、①7・14千葉市内での全国総決起集会を大結集で成功させること、②「農地取り上げ反対」の緊急3万人署名を何としても実現すること(第1次集約は5月末です)、そして③空港の外から空港を多くの人に見てほしい。そのために現地調査や援農などさまざまな取り組みをしてほしい。
そうした闘いの中から空港に対する見方、国策に対する見方を変えてほしいし、そういうものとして今後の闘いを作っていきたいと闘いの展望を示されました。
緊急3万署名を全力で取り組もう!
7・14全国集会(千葉市内)に結集しよう!
7・29反動判決を阻止しよう!
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