3・24三里塚 萩原進事務局次長 基調提起(下)
そしてTPPの問題は、あとから農業会議の方から発言されると思いますけれども、煎じ詰めれば「農地取り上げ」なんです。
農村、農民に対しては、今のようなやり方では不都合であり、非効率だという形で企業形態に変えていく。工場製品みたいなものにもっていく農業形態にしていくんだと。そういうやり方の中に農村や農民を囲い込み、農地を収奪して食糧生産ではなく商品生産に走っていく。そこには農地収奪が闊歩するわけです。これは震災にあった福島のようなところでも次第に明らかになってきている。このことが物語っているのと同じように、今のTPPの本質的なものとしてそこにあるんですよ。一握りの1%と、99%。もうはっきりしていますね。
そういう形の市東さんの農地とりあげは、文字通り農村の、農民の縮図なんです。このことを捉えるならば、我々は今置かれている全国の農民の最先頭に立ってこのことを訴え、ともに手を携えて闘いぬいていかなければならない。そのためにはまずもって勝利しなければならない。そしてそのことを通しながら、労働者階級との連帯を求めた闘いを展開していくことが必要なんだ。
2番目には、先ほど言いましたけれども、今の空港政策、空港行政の現状の中で、文字通り、国策なのか、国益なのかということについて、これはもうはっきりしました。福島の原発もそうだし、沖縄の基地問題もそうです。沖縄の基地も煎じ詰めれば、土地問題ですよね。そして福島にしたって原発を作るには土であるし、周辺の土地なんですよ。こういう問題についてね、根はみんな同じなんです。そのことを文字通り一緒になって闘おう、一緒になって考え抜いて闘っていこう。そのことを現実的な、実践的なものとして勝ち取っていかなければならない。それが、やはり50年闘い抜いた三里塚闘争の使命だというふうに思うんです。宿命だし、やらなくちゃあならん課題です。それを三里塚は旗を振ってやっていこう。三里塚、沖縄、そして福島と、今の政治課題では重要な課題です。
何一つとってみても、安倍にとってみれば政治生命をかけてやらなければならないような課題です。このことを横の線、縦の線、線となって手をつないで闘いとっていくことが出来たならば、大きな前進を勝ち取ることになると思います。今日も後で、福島の発言、沖縄の発言もありますので、それを聞きながら、大きな団結、連帯で、そして共同闘争が作れると思います。
3番目の、実は安倍に対してどうたたかうのか。
これはいろんな人たちが列挙して言っていますので、割愛しますけれども、右翼的な攻撃、そして最終的に上り詰めた憲法改正まで彼は言っているわけです。
結論的に言えば、やはり6000万労働者と農民、漁民、市民、あらゆる戦線がほんとに文字通り手を携えて闘い抜いて、安倍との攻防を展開するんだということに尽きると思います。
そういう中では文字通り、人民の今の政治に対するマグマは積もりに積もっています。つい先日も、3月11日前後は、マスコミは一斉に被災地の問題を取り上げておりました。そういう中で、自分に非常に印象に残ったのは、中学生、高校生の若者が政治に対する不信でなくって、もちろんそれをもってるんですが、大人に対する不信を持っているんですね。「大人は嘘つきだ」と。それはほんとにそうだと思いますよ。良い社会を作るんじゃなくって、言ってることはみんな逆になっていると。被災して実際に体験した人たちは、「原子力は安全なんだ」ということに、普通はすぐにもやるんだと言いながら何もやってもらえない、助けてもらえない、友だちとはバラバラになって、何時になったら元に戻れるのか、そんな展望も何も言ってくれない。「大人は嘘つき」と言ってるんですよ。ホントだという風に思いました。見てて涙が出ましたけれど、そういう子どもたちに対して私たちはどうやって答えていくのか。
文字通り、彼らの言う国益や国策はペテンであるということを大上段から構えてね、つぎ込んでいく必要があるんだ。安倍の言うものに対して手直し的にどうのこうのじゃないんです。もうはっきりと左から踏み込んでいく以外にないんですよ。そして、そういう闘いを展開するんだというふうに思います。
沖縄にとってもそうでしょう。「4・28」について沖縄にとっては「屈辱の日」をね、「主権回復の祝の日」にしようじゃないかと。とんでもない話しでしょう。オスプレイは辺野古にというのをあれだけ県民が反対しているにもかかわらず、ごり押ししてそれを突破しようとしている。
こんな大人に対する不信ですよ。それをほんとに押し返さなかったら我々自身に対して不信に思うわけですよ。今、思ってるんですよ。思ってるからこそ、我々が粉砕し勝ったときに、子どもたちに対してね「嘘つきじゃない」と言えるんですよ。そのことをはっきりさせていく。そのためには、安倍の政策に対して、これをちゃんと闘い抜いていこう。
経済政策にしたって、2番煎じですよね。こんなことやっていて経済を絶対に立て直すなんてありえないですよ。
それを言い出したらいくら時間があっても時間が足りませんけれど、だけども、彼らはやらなきゃあしょうがないという地点に立っているんです。
だから、沖縄もゴリ押しする、福島も置き去りにしながら。責任をとらない。時間が過ぎれば忘れるだろう。そして原子力発電所をもう一度スタートさせて、どういうことがあろうが責任はとらないというようなやり方。
そして、三里塚については、形だけを整えて、「ここには空港は出来上がったんです」「だから三里塚はもう闘いは終わったんだ」そういう姿を今作ろうとしている。市東さんをたたき出して、誘導路は出来ました。後は、駐機場を作ればいいんだ、と、目に見えるものを作ることによって空港が繁栄しているんだというものを作らざるを得ない。
ところがそんなものじゃない。TPPにしたって、農家に対して必ず補償を出すんだという形でなだめようとしてくるだろうけれども、そんなことで、体制的に崩壊していくようなものを解決できない。
先ほど言いましたけれども、どれ一つとっても政治生命をかけたものとして存在せざるを得ない。このことを我々が見据えたならば、安倍との対決はできる。そして、個別の闘いは出来るんだ。そういう意味では、非常にわかりやすい、決意できる状況があるんだ。そして、そのためにはあらゆる人たちとの積極的な共闘を組みながら闘い抜いていく。そのことを積極的に展開する必要があるんじゃないか。
時間がなくなってしまいましたので、最後に3・27、千葉地裁における最終弁論の裁判、これは2月18日を上回るような人の輪をつくり、千葉を席捲する闘いをまずもって展開しよう。
そして今日は、あえて10月の全国集会の日時を打ち出しません。この農地強奪の裁判が、どのような展開になるかということをもって、5月、6月、あるいは7月、8月、あえてその中で全国集会を展開し、現地において迎え撃つ、千葉においても闘い抜く、そういう闘いを今度はこちらから積極的に打っていく。組んでいこうと。そのために10月を打ち出したんでは、間延びしてしょうがない。もうすぐ目の前の闘いを積極的にこちらからやっていこう。そういう意味で10月を打ち出しません。明日にでもあるかもわからないこの三里塚の闘いに、今度の1200を上回り、文字通りの1500を実現する、そういう闘いにしようではありませんか。ぜひ、お願いします。
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