4・6全国連大会で 山本関実世話人の来賓挨拶
第22回の全国連大会に招待をいただいて一番に来賓の挨拶をさせていただくこと、まことに光栄に思っております。
私、92歳で闘っているだけで中身はないと言ったらおかしいですが、頭はすっかりぼけて。
今、頭の中に入っていることと言えば、私が三里塚の問題に関わったのは今から40年、42年くらい前でしょうか。三里塚の闘いは47年。かなり早い時期に私は入った。
それよりも先に私は石川一雄さんと触れあったわけです。私立の高等学校ですが、在職中、同和問題、人権問題、これを若い高校生に人生に1年間を通じて短い時間でも毎週、20分足らずの時間、人権学習をやっているその最中に、石川一雄さんの事件が起こったわけです。その前に、名前忘れましたね、吉・・(注・吉展ちゃん)なんとかいう子どもの営利誘拐があって、それが結局、カネだけ取られて子どもは死体になって犯人が捕まらなかったという大失態を警察がやりました。
その直後に中田喜枝さんのこの事件が起きて、警察が犯人を捕まえなければならないというばかりで。そういう中で、私は直接知らないのに、そのうち有名な先生たちの本を読むうちに、この石川さんの事件というのは捏造されたものだと段々確信するようになって、生徒たちにはそのことを考えろということをしきりに言っていたのを覚えています。
その中から学校を出て俳優になった入川君(注・入川保則さん)。入川君が俳優になって『造花の判決』ですか、ああいう映画をすすんで主役をやっている。非常に嬉しく思いましたが、彼はいままた金監督のもとに映画を作るという発起人になって(注・映画『見えない手錠をはずすまで』)頑張っているうちに、若いのに去年、おとどし(一昨年)ですか亡くなってしまってほんとにおしいことをしました。
これは私の思い出です。そういう関係でみなさんと触れ合った。
「差別はなくなった」と言って同和政策を打ち切ってから、差別はどうなっているのか。ますます酷く、しかもますます陰湿になっている。
そこに加えて野田政権がすっかりだめで代わってきた安倍はまるで自分の天下であるかのように、自由自在に「アベノミックス」、私にはわからんのですけれども、何やしらんのですけれども、「3本でやる」とか、しきりに「世の中、よくなった、よくなった」といっている。しかしそんなことはない。完全に作られたものだ。今の現状を見るならば、長野の結婚差別問題、私の地元では西宮の(芦原部落の)家賃(追い出し)の問題が出ている。いろんな問題があるわけです。
そして今の安倍政権のもとでは、どう考えても私は、貧富の差を拡げ、差別されるものはますます難しい世の中になってきていると思います。
かってこの度の戦争に大学から従軍した人間が、長い間かかって徐々に、徐々に自己反省して自分自身を変えて、92歳になりましたが、私の一番の願いは、あんな愚かな戦争があってはならないと思うのに、今、世の中変わってきました。安倍は、憲法改正ははっきり言っている。そして軍事国家として、世界の侮りを受けない立派な国になるんだというようなことを言っています。
が、それに対する闘いは、一つは三里塚の闘いです。裁判たるものが、法を守るべき者が、法を曲げてしまって、国策裁判。今、市東孝雄さんの農地を土地収用法でとれなくなったら、農地法を悪用して取り上げるというという流れがどんどん続いて結審がこの3月27日にあり、そこまで裁判闘争をしております。(三里塚)現地ではもちろん、裁判闘争と並行して闘っている。
この闘いと全国連の闘い。全国連は三里塚の闘いを通して瀬川さんが中田さんと知り合って全国連が生まれた。この全国連がほんとに頑張ってくれる。これと福島の問題と沖縄の問題、それぞれ怒りが溢れています。その怒りをなんとか結集して、この世の流れを変えなければならない。その先頭に部落解放同盟全国連が立たれることを心から願って連帯の挨拶といたします。
ありがとうございました。
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