3・24三里塚集会 全国農民会議 小川浩さん
みなさん、今日はご苦労様です。全国農民会議より市東さんの農地決戦に向けての決意を明らかにしていきたいと思います。
「農地は私の命と同じだ。その農地を奪うということは私を殺すということだ」市東さんは、そうはっきりと証言しました。農民にとって農地はまさに命そのものであり、長年培ってきた人生そのものです。そうした市東さんの人生を奪う権利はいったい誰にあるというのか。絶対に市東さんの農地を守り抜かなければいけないと思います。
市東さんの農地をめぐる農地法で取り上げるデタラメさは、今までもいろんな人が言いましたけれども、ただ1点だけ。市東さんの農地をめぐって成田市農業委員会は、今まで耕作者の合意なしに、耕作権の解除の申請を受理したのは、今まで例がなかった。つまり農地法で市東さんの農地を奪うというのは戦後初めてだと言っていいと思います。
そうしたむちゃくちゃなやり方で市東さんの農地が奪われようとしています。これは絶対許すことはできません。我々、全国の農民の闘いとして絶対闘い抜いていきたいと考えています。
同時に、市東さんだけでなくて今、さきほど福島からの報告も有りましたけれど、福島の農民は、福島第1原発の事故、放射能によって一瞬に農地を奪われ、あるいは家畜を奪われ、あるいは命さえ、多くの農民が奪われています。これは市東さんの農地取り上げ、あるいは農民が今のままでは生きられないという、こうした闘いが市東さんだけでなくて福島の農民もそうです。廃業せざる得なくなった農民が多くいます。
しかも市東さんはまったくデタラメなやりかたで農地を奪われようとしていますが、福島の農民は放射能被害に対して損害賠償を申し立てても、裁判所で門前払いを食っています。農民は、三里塚も福島も、こういう立場で権力は見ているんだと思います。
我々は、福島の農民と共に反原発の闘い、放射能との闘いを共に闘って行きたい。
そしてもう一つは、先ほどありましたけれども、安倍内閣は3月15日に、TPPの交渉参加を表明しました。「聖域なき関税撤廃ではなくなった」と勝手に解釈して参加を表明しました。だったら、なぜWTOで交渉がまとまらなかったのか。それぞれの国の事情があって完全撤廃は無理だということで、TPPは関税撤廃を前提として始まったんです。それを、あたかも前提でないかのように言いくるめて参加表明しました。
そして「守るべき国益は守る」と言っています。いったい、何を「守るべき国益」と言っているのか、それは何も言っていません。
そして実は、この3月15日のTPP参加表明の1ヶ月ほど前に安倍首相を座長とする「産業協力会議」というのがありましたけれど、この中に実は農業問題とか医療問題が提言されています。この提案者は経済同友会とか竹中平蔵などです。この中で「TPPに参加したら、コメが7000円代しか保証できない」というようなことが言われています。7000円というのは今のコメの半値弱で、しかも今のコメの農民の生産費は、だいたい12000円から15000円かかります。つまり生産費の半分しか補償しないということが政府の諮問機関である「経済協力会議」の中で着々と言われている。
それと同時に、今、混合診療が自由化されれば、皆保険制度が崩れるということで医師会なども反対していますけれども、この混合診療も自由化するというような提案が(そこで)なされています。
実は、TPP参加前に着々とそういう形でこれからのTPPに向けての会議がなされているのです。つまり、そうしたTPPをほんとに許したら、我々日本の農民はほんとにやっていけなくなります。生産費半分ではとうてい農業をやっていけない。
そういう中で今、農産物の販売している農家、100万戸あると言いますけれども、その100万戸が廃業せざるを得なくなるんじゃないかと、そういうことも言われています。そういうことで、TPPは日本全国の農民の問題で、日本の農業が壊滅する、あるいは絶滅するということがほんとに現実化するんじゃないかと考えています。
そして守るべきは守る、農業は守る、重要品目は守ると言っていますが、福島の第1原発の事故にあったように、我々はいくら安倍が「私を信用してください」と言っても、誰が信用できますか。我々は絶対に、全国農民の闘いとして爆発させて、市東さんと、あるいは福島と繋がった三里塚のような闘いを爆発させることによってしか阻止できないんじゃないかと考えています。
今、安倍内閣が福島の反原発の運動を横目で見ながら原発再稼働、あるいは原発再開に踏み切り、あるいはTPPに参加し、そしてさきほども報告がありましたけれど、沖縄の辺野古の海の埋め立てを沖縄人民の反対を押し切って申請しました。つまり、日本の農民や労働者、あるいは日本の人民の生活や命などどうなってもかまわないという、そういう攻撃に撃ってでてきています。そしてそれは、決して見通しのあるような、展望のあるようなやり方でなくて、とにかく反動的にそうしなければ、今の資本家はやっていけない、安倍内閣はやっていけないという、そうした中で右からの反動的な攻撃をかけてきているんだと思います。
そうであるならば、我々は、かって三里塚が66年閣議決定以来、羽田から佐世保、王子、あるいは70年安保沖縄闘争を爆発させたように、そして71年代執行阻止闘争を爆発させたような、そういう時代を、そういう激動の階級闘争の時代が再び到来してきたんだということを、私たちは市東さんの農地決戦、あるいは三里塚闘争の大爆発を、あるいは福島とつながり、反原発・再稼働反対、TPP反対、沖縄の基地反対の闘いと結びついた、ほんとに三里塚のように闘う、実力闘争で闘う、そういう闘いをしていく以外には、我々の闘いは勝利し得ないんじゃないかと考えています。
これから全国農民会議も、三里塚農民と動労千葉が連帯して闘ってきたそういう闘いを受け継いで、全国6000万の労働者と260万農民のほんとに連帯を勝ち取れるような、そういうような闘いを三里塚闘争の爆発の中でぜひとも勝ち取っていきたいと思います。
ともにがんばりましょう。
(最後の左上写真は、小川さんに続いて全国農民会議で発言される反対同盟の萩原富夫さん。発言は省略させていただきました。)
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