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2013年3月20日 (水)

沖縄の彫刻家・金城実さんの講演(その2)

人間扱いされていない沖縄

 13317まあ、そんなこんなで先程の報告を聞いていると、今日の集会の特徴は、やられた話しよりも反撃、逆転をするという話しが今日の話しの特徴的でありまして、大変私も喜んでおります。ややもすると諦めてくる。もう、ダメだと。
 
(沖縄に)帰って、きっぱりと彫刻でも作りながら・・・しようと思ったけれども、友人の息子さんが米軍に轢き殺されるという問題が起こって、沖縄で初めて裁判所の中に米兵を引きずり出すという闘争をやりました。ところが地位協定というやつは、安保条約という美しい毛色をしているけれども、日本人は安保条約がなかったら日本だけでは・・(不明)・・いう毒饅頭だ。安全保障条約と言ったら、日本人は99%「あってもいいやないか」と言う。60年安保を闘った青年がここにもおりますけれどもね。70年か。あの時から生き残ったみなさんが今頑張っている。しかし、安全保障条約が毒饅頭だということを見抜けない。裁判で初めて知った。どういうことかと言うと、地位協定という協定の中に、全部、米軍の言いなりに米軍の都合のいいように法令が作られている。具体的に言うと、公務中には日本の警察が身柄拘束ができないと書いてみたり、裁判で出た結果に、私の知人の息子が殺されたのに防衛庁が来て「弁護士を立てないでくれ」と言ってきた。そんなアホなことがあるか。殺された子どもの親に、防衛庁から「くれぐれも弁護士を頼まないでください」と言ってきた。舐めておるやろう。これが地位協定だ。ほとんど泣き寝入りをしてきた。沖縄の人間は。僕らが高校の頃は1ドルや。人を殺して1ドルや。あの時、360円。今でも変わらない。裁判の決定が出て、判決で出た金額の幾ら払うかというと、日本の政府が決めるのかと思ったらアメリカが決めるんだ。幾ら払うかアメリカが決める。これが地位協定というものだ。まったく動かん。1000万円と出たとしたら150万円という具合。
 
だからそういうところで沖縄の人間は、人間扱いされていない。政治的差別などと、沖縄の人間は言うとるでしょう。沖縄の人間はやっぱり人権問題について疎いです。関西は強い。部落解放運動がそう。在日コリアンの運動もやる。「障害者」の運動もやる。いろいろ連動しながらお互い切磋琢磨をしながら、人権問題に取り組んできた歴史がきわめて重い。私の息子も西成高校だ。松原高校、・・高校、解放運動で作られた高校だ。沖縄の差別は政治的差別であるが、在日の問題とか部落の問題というのは心情的な差別だと言うんだ。人権問題に疎い。だから人権というものをきっちりと見据えた普天間の闘いにまだ食い込めない。地位協定に対する闘いも。逆に地位協定の闘いから基地問題を闘うのが本筋だと僕は思っている。だから「政治的差別構造」という言葉に顔が見えないんだよね。

沖縄と原発と三里塚

 そのことをからめながら、これからの闘争に入ろうと思う。市東さんとは、623慰霊の日の闘いとかいろいろ会うことになるんですが、わたしもこの会(市東さんの農地を守る沖縄の会)に加わるのはつい最近、丸1年になるかならないかです。
 
昔はね、このレジメに書いてあるとおり、1975年に、海洋博の時に彫刻を彫りまして、丸木位里、俊さんのところで、そこに戸村(一作)さんたちにもきてもらって、あの頃いっぱいおりましたな、いいだももさんとか針生一郎さんとか前田(俊彦)さんにも来てもらって、13317_3それから三里塚の鉄塔に「抗議する像」というものを立てることにした。叩き壊されたんですが、その時に戸村一作さんが取に行こうと、前田さんもいた。返すから車一台で取りにこいと言ってきた。警察の言うことだから守る必要もない。支援の学生たちが2、3台でついてきて、僕が機動隊に止められている間に突破していって、鉄塔のところに行った。行って見たら50センチほどにばらばらに切られていた。「お前らは、農民の魂がそれほど憎たらしいのか。この野郎」。鉄塔が切り裂かれていた。俺の彫刻も・・・(不明)・・・。「持って帰るか」と言う。「なに。お前ら泥棒のくせして持って帰るかとは何事だ。丁寧に持ってこい」と。
 
返されて、修復して元のところにもどしたというようなことが書いてありますが。私の三里塚との関わりもそんなに深くない。せいぜい彫刻を持っていったということぐらいだが、沖縄の連中は何度も行きましたよ。古波津英興さんとかね。知念さんとか・・・(不明)・・・。何回か行ってますけどね。
 
確かに三里塚というのは見落とされているというか、原発の問題や沖縄の問題の谷間に影をひそめ、どことなく置き忘れられているような気がする。だから先ほどの演説(反弾圧のMuさんの報告)にあったように、沖縄と反原発と三里塚がもう一度きちっと歯車が合って回るのであれば革命が起こるであろうという発言がありましたけれどもね、まさしくそう思う(拍手)。
 
微力ながらわたしも沖縄で、・・・・靖国裁判も最高裁で負けて、今度、普天間にオスプレイが来た時も、ゲートに機動隊と右翼がうじゃうじゃしているところで、話しをつけるのは年寄りだからね、知花昌一も県外にいていなかった時に、誰が警察や機動隊や右翼との間で話しをつけるんだというと結局・・・・。この時に警察の野郎が「金城さん、お願いがある」と言う。「お願いがある」「なんだ」「右翼の挑発には乗らないこと。お願いします。2番目。青いヘルメットをかぶっているのがいるんだが、あのヘルメット何とかなりませんか」と俺に言うわけだ。「気になるの? 彼らは誇り、プライドを持っているんだ。あんたがた警察が着ているユニフォームと同等に、青いヘルメットはシンボルだ。闘う魂だ。あんた方、とりなさいと俺から言えるか」。
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年寄りは捕まるほど役はないと言ったけれども、そういう役はある。警察は孫みたいなもんだ。僕もごぼう抜きされたけれど、ゲートの前に座り込んで。軽々もって外に出されたけれど、その代り向こうに行く時に、・・・・・、「あぶない、あぶない。人を離せ。あんたがたはね、今、立派な警察の職業に就いているけれどもね、あんたがたのじいさん、ばあさんが沖縄戦で4人のうち1人が死んだ中、生きたのがてめえなんだ。オスプレイや戦争に反対する、あんたがた沖縄の人間の警察としてね、・・・生き残ってあんたがた立派な警察官となったんだ。・・・。道路のこっち側からむこう側にわたるんだったらちゃんと脇を抱えて連れて行け」。・・・(不明)・・・。脇をかかえて連れて行かれたもんだ。

何が「4・28 国権回復」だ!

 まあ、闘いには笑いがある。さっき音楽があったね。あれは、野性的でいいなあ。(笑いと拍手。会場の本人から声もあがり金城さんも応答)野性的であり、時にはゆるやかに、時には激しく、時には思いやりがありながらいくつかの綾を繋ぎながら・・。
 
そろそろ時間も来ますが、428屈辱の日、天皇も呼んでですね、沖縄県知事も呼んで、1952年の沖縄、奄美大島、小笠原切り捨てを、安倍は「主権回復、国の回復」、これを言うとる。あいつは沖縄の歴史の疫病神。なぜかというと、・・・の麻生太郎のおじいさん吉田茂が、印鑑を押して沖縄を切り離した。安倍晋三の岸信介、60年安保。安倍のおじさんである佐藤栄作、沖縄の密約の嘘をついてノーベル平和賞、12千万円をかっぱらって逃げて行った野郎。安倍晋三のおじさん。サンフランシスコ条約から沖縄返還。今度のオスプレイの問題と沖縄の基地の問題。ぜんぶ、岸信介であり吉田茂。こいつらがまた化け物、亡霊のように現れて、日本で妖怪のごとく暴れているという姿が、今の日本の現状です。
 
それに気づいて、闘い方には先ほど言ったようにいろんなやり方、色合い、風を吹かしながら闘っていきましょう。終わり。(拍手)

 

 

 

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