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2013年3月31日 (日)

3・24三里塚 萩原進事務局次長 基調提起(上)

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 全国から結集されたみなさん。ほんとにご苦労様です。前段で不手際がありましたけれども、それだけ反対同盟がこの集会にかけているという趣旨だけは汲んでいただきたい。

 13324_2ほんとに自分たちはこの間、12月から3月の過程で市東さん裁判、市東さんの農地を取り上げる裁判に対して、みなさんに訴え、そして現地攻防的にも構えながら、現地の人たちはほんとに身に余る闘いを展開してまいりました。その結果、12月、1月、2月の闘いは、文字通り我々の思った通りに闘い抜きました。裁判所を包囲し、人間の鎖を実現し、法廷内では裁判官を追い詰め、正に空港建設そのものを揺るがす闘いとして展開してまいりました。
 であるならば、やはりこの地において市東さんを守り抜く、あるいは三里塚闘争をほんとに勝利し抜く陣形とはどういうことか、こういうことをこの間考え抜いて、闘い抜いてきたわけです。
 ですから本日、今の段階で1200名を超えています。もしこの段階で1000名を下回るような状況であったならば、自分たちは、この発言を終わったら、なぜこれが出来なかったのか、そして今後市東さんの闘いをどう展開するのか、そして三里塚闘争をどうやって勝利するのか、また全国のみなさんの闘いとどうやって一緒に闘い抜いていくのか、式次第を白紙にもどしてみなさんに一人ひとりこの壇上にあがっていただいて発言していただきたいというようなところまでやろうと決意したんですよ。
 でも、1500には達しませんでした。これはまだまだ我々の力が及ばなかった、まだやるべきことをやれなかった、このことを徹底的に反省しながら、1500を絶対的に集めていく。そして2000人に登りつめていく、このことが東京におけるいろんな意味の階層が集会を大きく保証していく礎になるんではないかと思うわけです。

 こういう中で本日の集会の基調報告を大枠、3点にまとめて。
 第1点は、12月から臨戦態勢に突入するという形で闘い抜いて、本集会を1500集めきるということを、ある程度一定の目標に、一歩も二歩も近づいたという段階で、この27日の最終弁論において千葉を揺るがす、裁判所を揺るがす闘いを展開するということを、第1点として押さえていく。
 第2点は、やはり空港会社は、徹底的に守りに入りました。空港はできたんだ、あるいは三里塚闘争は終わったんだと言って、今まで騙しに騙してきましたけれども、今日の状況を見てもわかるように、東西南北、全部、そこを拡張しなくちゃあならん。そして新たに第3の誘導路を作らなくちゃあならん。新たに今度は格安航空のための基地をつくらなくちゃあならん。そして20万回を30万回にしなくちゃあならん。また、深夜・早朝の時間帯を緩和しなきゃあならん。こういう形で地域住民に対して敵対的な立場をとらざるを得ないところまで追い込まれたわけですよ。
 13324_6それだけじゃあなくて、3月末からはオープンスカイと言って自由競争の中に叩き込まれていく、そういう空港の情勢が訪れてきている。どうなっているのか。あの巨大なアメリカの航空会社。今、ほんとに争闘戦の中で、吸収合併、そういう中で生き残りを図っているわけですよ。
 それが成田においては、今、20万回を30万回という大風呂敷を広げたために、第3の誘導路も作らなくちゃあならん、あるいは市東さんの農地を強奪しなくちゃならん、そして格安航空を導入し、本来の空港だけでは足りずショッピングセンター化した形で空港会社の運営をしなければならないところまできている。
 そういうことに対して、何が公共性なのか、国益なのか、あるいは地元民に対してはっきりと「空港はNOである」と共に立ち上がっていこうじゃないかと胸を張って訴えていくことが第2点であります。

 第3点は、先の選挙で自民党政権が誕生した。その安倍が放つところの政策に対してどう闘っていくのかということを三里塚闘争の中から求めていかざるをえない。このことを3点にわたって基調の提起をさせていただきたい。
 第1点は市東さんの農地強奪についてです。みなさんが盛んに言われていますように、耕作面積の65%を強奪するわけですね。生産する畑の65%を奪われたら、農民として生きていけない。これははっきりしている。これだけじゃなくって、農業を行うところの苗を作り、作物を育てるビニールハウス、一つは農機具を置く場所、雨や寒さの中で作業をする場所、それら一切合財を取り壊し、収奪しようとするのが市東さんへの攻撃です。これは、土地収用法によってもこのような事態はあったのか。一農民が、一住民が、このような形で、裁判によってなされていくということは、今の時代の中で有り得ないことだ。しかし、土地収用法で取れなかったから、農民や農地を守る農地法で盗っていく。これは二重、三重に誤りだ、悪どいやり方なんだということを訴えたい。
 13324_5農地法というのは、敗戦直後、全国的には60%、65%が小作人だった。その人たちが血と汗と涙の闘いによって勝ち取った自作農、そういう中から生まれた法律です。労働者のみなさんの労働法。教育労働者の教育基本法。それらもこういうところで生まれたんではありませんか。我々が農地法を守っていく、農地法を死守していく。それは、労働者が労働法、あるいは教育基本法を守る闘いを一緒になってやっていくのと同じなんですよ。そこにもね、勝ち取った労働者の権利、教育労働者が勝ち取ってきた教育の場。それを今、日の丸や君が代を先頭として、悪どいやり方で潰していく。そういうやり方があるわけでしょう。そのことに対して我々農民は、農地法を盾にしながら、労働者のみなさんとともに、この悪どい改悪を、農地法を通して訴え、闘い抜いていくのが市東さんの裁判なんです。
 つい先日、TPP参加表明をしました。本当に酷い言い方です。「農業は守ります」「医療はやります」「社会保険制度も変えません」。だったら参加したって意味ないんですよ。やる必要ないですよ。こんなウソをついてやろうとしているんですよ。そこで問題にしなければならないのは、大手のマスメディアが大半これに賛成しているんですね。あるいは連合も賛成している。ほんとに心ある労働者と三里塚を闘う農民が、これに対して反対を掲げて闘い抜くことが本当に今、重要になってきている。
 この中で、農民を盾にしながら「農民が悪いんだ」「農民のエゴ」というような形で報道されます。そして、そのことを通して労働者と農民の分断を図ろうとしている。本当にそういう意味では、労働運動の中にぶちこまれたTPPの問題という形で、もっともっと拡げていって、労農連帯の闘いでもってTPP反対を勝ち取っていかなければならないと思う。            (つづく)
 

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