反対同盟から方針提起 萩原進事務局次長(その2)
では、一切をかけて攻撃している支配者の側が、余裕をもって我々に攻撃をしているのかどうかを、まず言いたい。
自分は、あらゆる党派の機関紙のインタビューを受けましたけれども、昨年2012年は、空港会社もふくめて政府のどんずまりの年だったんじゃないのか。
今年の正月の乗降客が6%の伸びだと言っていますけれども、今まで、20万回だったものを、23万回、25万回というかたちで増やしてきているわけですね。それで6%の伸びだったら、増えてないんですよ。いや、それどころじゃないんです。今日の記者会見で言いました。今まで成田の空港は、外国の航空会社が「入りたい、入りたい」と言っていたんだと。手狭だから増やすことができなかった。そのためには20万回を30万回にして、どんどん引き受けて入れるようにしたいんだというような言い方をしてたんだけれども、今はもうちがう。20万回を、23万回、25万回に引き揚げたとたん、やっぱり20万回しかないんですよ。「どうぞ入ってください」「どうぞ入ってください」と、立場が逆になってきているんですよ。
そういう中で30万回を迎えざるをえない。そして来年は、オープンスカイと言われて、いわゆる自由競争、自由にみずから(航空会社が)空港に入ることができるという言い方で、20年来のアメリカとの競合の中でそれを飲まされてきたという経緯がありますけれども、やりたくないことをもそういう形でやらされるような状況になってきているわけですね。記事を見た人がいると思うけれども、空港会社社長が、いままでは本来の航空収入で7割の収益があったけれども、今は空港本来の仕事よりも、ビジネス、いわゆるショッピングセンター等々で、売店とかで、彼はJRでキオスクなどの担当をしてから(空港会社に)来たわけだけれども、そういう企業的なそういう(非航空部門の)収益と空港本来のやつが同じぐらいになってきている。
そこで今度は、20万回を30万回にするというのには、空港着陸料も安くせざるをえない。そういう意味でサービスをしなければならないという形になってくる。しかし、それら一切を規定するのは飛行機の重さや騒音によって着陸量が決まってくるわけだけれども、もうジャンボよりも中型機だ、騒音機よりも静かな飛行機だという形で逆行している。だから今、30万回にしても収益は伸びないのだというふうにせざるを得ないところまで来ているのです。そういう中で30万回をやらざるをえない。そういうところにあるんですね。
それじゃあ、第3誘導路を作って、それでどうなるのかと言ったら、決してそんなことで解決する問題じゃないんですよ。空港の本体、形をなんとか整えて「成田はこれで出来上がりました」ということをもって三里塚闘争の中で成田空港の経営はできない。
これは何を意味するのかと言ったら、(千葉、成田で)未だにカジノの問題やっていますね。今、フィリッピンで日本の商社が賄賂を贈って国会でも問題になっていますけれど、アジアにおいてカジノをもった空港周辺、観光、そういうものによって観光客を呼ぶ。旅客を呼ぶ。そういうものになっている。成田もそれがなければ立たないんだ。そういうことで、普通なら、常識的なら考えられないようなことをしようとしているわけですね。そういうことを推し進めていかなきゃあならんというところのどん詰りになっているのですよ。
一番の問題は、最初は成田は羽田の補助的空港であるというかたちで友納(当時知事)は飲まされました。そういう形で朝、北原さんも言われておりましたけれど、それが突如、途中から日本の玄関だ、ハブ空港、成田国際空港という形で言われて、成田は日本の表玄関だ、大空港だと大宣伝されてきた。だが、もはや50年近い流れの中で、文字通りアジアにおいてその役割は果たせない状況になってきた。どこにおいても、ハブ空港と言われるようなものは絶対にありえない。そういう争闘戦の中に入っている。じゃあ、自由化になってどうなるのかと言ったら、やっぱり強い航空会社が支配していくわけですね。圧倒的なアメリカの航空会社と空港のもつ力の前に、今まで保護主義的に日本は自由化を拒否してきたわけですね。だけどそれが飲まされて、これからはそういう中で生き延びなければならない。であるならばやはり強い航空会社のグループの中に入らざるを得ないわけですね。そうすると会社と同じように吸収だ、買収だとなる。そういう形で一番虐げられるのは労働者になるわけです。そういうことがもう目に見えてるわけですね。
そういうところに今、追い詰められてきた。そのどん詰りの空港が、今、第3の誘導路の建設となっている。しかし、よくよく考えていただきたい。そういうふうにしたハブ空港が、今は羽田と二つを一体化してハブ空港並みに機能させるんだというふうに言わざるを得ない。まあ、新成長戦略などと非常に気取った言い方をしていますけれども、そういうふうにしてきた成田の存在を保持できなくなった。
もう一点は、北側延伸した失敗ということですよ。ああいうことをやったんで、3本の誘導路を作らざるをえなかった。本当は、南側、今日集会やったところとか、島村さんの宅地だとか、そういうものを一切、空港の下にうずめて本来の姿の空港を作ったならば、今のような状況なんていらないわけです。そうするともっと効率よく、そういう形のものができたわけです。だけどももうそのことは口にも出せないような状況になってきている。第2、第3の誘導路だけでも、500億近く使い込んでね、今の流れの中で逆行するようなやり方をしているわけですよ。それを今度もっとやるならば、もう一度新たな戦略の上に立って、大きな意味で4000メートル滑走路を2本作る。そして文字通り日本の中でハブ空港にするのかどうかいう形以外にないんですね。そうなるともう、これは大戦争ですよ。そういう形で行けるのかどうかというのが一方であります。
しかし、今、それを市東さんの闘いによって、圧倒的な人民の決起、それをもって知らしめていくというのが最終の課題ですよ。大木よねの闘いというのは、大木よねの「自分のからだは同盟のものだ」「この身は人民のものだ」というその精神と、そしてなによりも同盟に対する信頼感ですよね。その中であのような闘いがあった。そしてその結果が代執行というものをはねとばしたんですよ。
今度はどうなるのか。市東東市さんは言いましたね。みなさん、知ってるでしょう。「収用法。来るなら来い。自分は屋根に登って徹底抗戦しますから、来るなら来い」ということを宣言した。大木よねから何年経つか、計算していないのでわかりませんが、母屋は取られませんけれども、作業場から、農機具置き場から、畑から、全部取られて農業できなくなるような状況を作る、このことを今やろうとしているんですね。大木よねの闘いによって代執行はできなかった。こんどは農地法というものを使って取り上げようとする。彼らの目論見はますます悪くなるけれども、本当にこの事実を伝え、この実態を知った人々は決起するだろう。そういう形でしか出来えないというのは、やはりどん詰りの確たる証拠なんですよ。やっぱり我々はこういうもの(パンフレット)を持ち回ってやろうじゃないですか。
マスコミにも言いました。あの円卓会議、シンポジウム、カネと時間を使って、あれだけのものをやって「やっと三里塚闘争は社会的に終わったんだ」というふうにもっていった。しかし、実際には、ここにはまだまだようようと燃え上がる火の粉があって、そして今大きく燃え上がろうとしているんですよ。だから石毛や相川みたいに「もう運動があっては困るんだ」「なんとか早く火を消してくれ」というああいう形でやる。あれはね、まさしく支配者の声なんですよ。今、空港を作る側が正にそこに考えがあるんだということを見抜いて闘い抜いたらね、我々はほんとに胸を張って闘えるのじゃありませんか。
市東さんの闘いもそういう形で、我々に正義があり、「耕すものに権利あり」と同じように我々に権利があるというかたちで、三里塚闘争は終わっていない。みなさん、空港の中から見るんじゃなくて、空港の外から空港を見ていただきたい。三里塚の地に立っていただきたい。口だけでもいいから、先ず、一こと言ってください。次は行動に移りましょう。そういう形でもう一度揺り動かそうではありませんか。
支配者の言い立てによって「三里塚闘争は終った」、マスコミがそれに追随して「終わったんだから記事はださない」。「記事は出さない」んだったら記事を出すようなことをやろうじゃないか。そして記事を書いたら、誤りは誤りだと追求しようじゃないか。そしてこのことをもって広範な闘いを展開しようじゃないか。
まだまだ三里塚闘争は夢があります。希望があります。しかし、一見、今のままで農民が闘わなかったら、二度と農民闘争というのはなくなりますよ。三里塚闘争がなくなったら、農民闘争はなくなってしまう。だから農民会議を作って全国の農民の決起をはかる。だからこそ三里塚は先頭に立ってその旗振りをする。
福島、沖縄、三里塚。福島を語るときに三里塚も入れてください。沖縄を語るときに三里塚をいれてください。三里塚が語るときには福島も沖縄もいれます。そして連帯して闘う労働者のみなさんと一緒に闘うということは、もう基本の基本です。そのために三里塚は旗を振ります。沖縄が勝つたびに三里塚は沖縄を語りましょう。福島の人たちを勝たせるためにも三里塚で福島を語りましょう。一つのビラに三つを並べて書こう。そして三里塚をもう一度大きく社会問題化させて、今の安倍に対してギャフンと言わせる、そういう闘いをやろうじゃありませんか。
よろしくお願いします。
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