「福島から見えてくるもの」-生きる権利を求めて
昨日、神戸の長田で120名が集まって「福島から見えてくるもの-生きる権利を求めて」と題して「阪神淡路大震災18周年集会」が開催されました。
東日本大震災と阪神淡路大震災によって犠牲となった人々への黙祷で始まった集会で、主催者を代表して被災地雇用と生活要求者組合の長谷川正夫代表が、被災地労働者企業組合を立ち上げ闘ってきた16年の歴史をこの集会で初めて語られました。
連帯の挨拶が、粟原富夫神戸市議、中村吉政全国金属機械港合同労組副委員長からありました。
遠く福島からおいでくださった子どもたちを放射能から守る福島ネットワークの椎名千恵子さんから「福島で起こっていること、福島から見えてくるもの」と題したお話しです。
椎名さんは先ず、子どもたちへの不安に対して立ち上がったばかりの診療所の話しをされました。福島で一つ一つが隠され、検査してもらうことでまた不安が膨らんでいく現状の中で、セカンドオピニオン(もう一人のお医者さんに診てもらう)ことを否定する行政による雰囲気があることを指摘された。その中でお母さんたちが現実を観る中から繋がっていこうとして診療所建設にたどり着いたと話され、「それを通して具体的に闘う現場を開いていくことを学んだ」と話されました。
除染問題をマッチポンプ、つまり火をつけるのと同じ側が消そうとする、まったくでたらめだと批判され、「自分たちが声を上げなければ、(福島事故は)なかったことにされる」と話され、「これから日本は、世界はどうなるのか」という問題なのにその深刻さが伝えられていないことを訴えられました。そして「福島はいいところ」というマスコミの宣伝によって「からめとられて、『このままでいいじゃん』とされていく」と憂いを話され、「一つ一つを疑わざるをえない」と想いを語られました。
しかし、この間のマスコミ、2日前のNHKの報道などを上げながら希望も語られ、特に金曜行動をはじめとして「何かが変わったなという気がする」とされました。つい先日の寒風吹きすさぶ福島での行動を紹介しながら、急いでいる市民がそれでもビラを取りすっと見てくれている様子を語られ「県の動きや甲状腺への不安から、市民が自分から主体的に動く、そういう気配がでてきたかな」、「そこに希望を感じる」と語られました。そして、今年の3・11にむけて「怒りをきちっと表していかないとダメだ」と準備が開始されていることを紹介されました。
「危機感の認識の違い」を語られながら、「3・11はたまたま起こったのではない」「世界的な矛盾の最頂点として、ここで出てきたのだ」「差別や失業、格差、暴動、そうした世界の問題の頂点として起こったのだ」「福島問題は日本だけの問題じゃない」と話されました。そして「福島をなかったことにしよう」とする推進側の動きは、その人々の自己矛盾をごまかせなくなっていることの現れだと指弾されました。
最後に、「『つながりましょう』と言うけれど、生き物は、自然はもともと繋がって私たちの命はあったのだ。そのつながりがバラバラにされた中で(福島問題が)起こっている。繋がっていたんだから繋がっていこうよ」と語りかけられました。
伊達市から兵庫に避難され「母と子」の姿を描く制作を始められた渡辺智教さんが、画家として生きていく想いを語られ、その上で、「集団疎開」の問題を訴えられました。
その後、兵庫での取り組みが、「震災・借り上げ住宅問題」「西宮・芦原住宅追い出し裁判」「宝塚保養キャンプ」「被災地労働者企業組合」「ミニデイサービス」と紹介され、訴えられました。
「じゅんとねね」として一世を風靡したねねの早苗ネネさんが登壇し、『サヨナラ戦争』『ずっとウソだった』などの唄を会場の皆さんも一緒になって唄いました。ネネさんも嬉しそうに触れられましたが、会場のみんながほんとに嬉しそうに笑顔で唄っているのが印象的でした。
最後に関西合同労組の石田勝啓委員長の団結ガンバローで熱気のこもった集会を終えました。今年もガンバロウ。
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